すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

台湾訪問3日目(3) 鼎三国際有限公司と台湾外交部でお話を伺いました

2013年10月28日 | 日記

 台北市内にある鼎三国際有限公司を訪ね、林定三会長とお会いしました。鼎三国際有限公司が、島根県の中山間地の米の輸入に取り組んで居られるという新聞報道があったので、鳥取県産品の輸出についてヒントをいただけるのではないかと、広谷議員の提案で、参考意見を求めるためにお伺いした次第です。林会長のご家族の病が重いということで、急に訪米することになり、最終日の予定を3日目に変更して会っていただきました。そんな大変なときにも関わらず、会談の時間を作っていただいた林会長に心から感謝です。

  以下は林会長の話の概要です。とても美しい日本語で話していただきました。

 鳥取県は梨が有名ですね。韓国には量販店、スーパーマーケット(二等クラス。マツセイ)、そごう・伊勢丹・高島屋という日系スーパーという販売店のピラミッドがある。上の日系の店舗は約30店舗。高級志向が強いです。それぞれの店が春秋の二回、店舗で物産展を開いています。今はマスカットが人気、岡山、島根、山形から輸入していますが、700グラムが1箱で1600円。いい値段です。あんぽ柿、もも人気ですね。野菜より、果物の方が売れますね。桃は福島産が人気でしたが、今はだめです。安心安全の思いがありますかね。鳥取県でははカニも人気、水産物もイメージは島根と一緒で悪くないです。季節で販売することが大事。物産フェアでは季節に合わせて販売しますからね。

 日本の賞味期限は短すぎる。消費期限にすべきです。3ヶ月ではだめで、半年に伸ばないだろうかと思います。三ヶ月は最低でもないと買えません。だいたい二ヶ月店頭に並べ、それで返品している。だから六ヶ月か、九ヶ月にしなといけない。そうするとお店も安心だし、売れ残らない。だから海苔、缶詰などがいい。

 

 林会長のお話は具体的なので、聞き漏らすまいと、しっかりパソコンで記録しました。記者時代の修行が生きています。林会長の話は続きます。

 台湾は米を年間15万屯を入れている。WTOの関係もありますから。65%は政府米。35%は民間で5万トンくらいかな。日本に権利金を払って、当社は100~150トンを入れている。香港、シンガポールが日本米を入れていたが、香港は今、中国に遠慮して止めている。銘柄は6~7種類かな。当社は台湾の日本産米の7割を扱っています。

 日本の米の生産は農協の関係と、農業法人の関係などシステムは様々なものがある。国内の様々な調整もあるので、当社は新規需要米として契約して輸入しています。ある県の物産展に協力していますが、試食や来場者への御土産はその県がサポートしています。生産者は海外に出てくるだけでも大変。やはり、海外に売るには県のサポートが重要です。

 物産ファアをして、どれが売れるかと示すことが、貿易商社やデパートにインパクトを与える。売れないものは買わない。売れるということを示すことが大事です。ただ、その例外は台北駅の鬼太郎商店。開店前には、そうした取り組みはなかったが人気ある。そしし、それはユニークだから。しかも、それで鳥取県に行きたいという人も出てきている。こうした人気も利用して、鳥取県が県内の企業や農協に声をかけて、物産展をやるのがいいと思います。

 高雄の高島屋では、日本全国の産品を並べる物産展を春秋でやっています。単独で難しいなら、そうした機会に参加することがいいのではないでしょうか。金土日曜日だと10ワゴンが基本ですが、別のある県は私たちが間に入って2ワゴンでやっています。デパートは実演販売。別の県は蕎麦の実演販売が人気です。目の前で蕎麦を売って、茹でて食べてもらう。つくるところを見せることが、買う人の安心安全に繋がります。見て、食べて、美味しかったとなると購買力のある人は必ず買います。しかし、外国の馴染みのない食品は、どれが美味しいか分からないから、買わない。だから、県のサポートで大事になってきます。

  米は日本全国と付き合いがあります。実はデパートで売るには綺麗な袋、つまりパッケージが大事です。このファイルは、これまで売ったお米のパッケージです。

 持って帰るのは2キロが限界です。1キロでもいい。5キロはだめ。消費者の行動を考えないといけない。たくさん売りたいから、大きな袋と考えてはダメです。そして、パッケージだけでも欲しいというような米は売れます。県がサポートするのなら、県の観光PRなどに袋の裏を使ってもいいのではないでしょうか。そすると、(デザインなどに税金を使っても県民に)分かってもらえる。食味が大事だが、やはりこうした消費者に手に取ってもらう工夫が大事です。

 安くても味のダメなものはダメです。特別栽培の米はいりません。そういうことは台湾の人たちは知りません。肥料と農薬は半分にしても、2割高くなるは意味がない。どうせするなら、有機栽培です。徹底しないといけない。特別栽培米は行政機関が手続き費用を取って高くしているのが問題です。低農薬など言っても無理です。どこの農家が、どう作ったかは意味がない。栽培農家の顔を入れて、こうしてつくっています、有機栽培ですとしっかり消費者に理解してもらうまで、PRしないといけないんですよ。

  扱いは米の他には日本酒とお茶です。島根との付き合いは副知事が来られてから、私どもとの付き合いが始まったんです。やはり人間関係が商取引でも基本です。県が物産展をやって、県内の企業さんに勉強してもらって、考えてもらうことが大事です。繰り返しますが、米であっても、食べて、食べてと試食させて、炊き込みご飯やお寿司など、こうした食べ方があると、PRしなといけないんです。アメリカの食品安全強化法の影響は今の台湾ではありません。

 この他、具体的な様々な話をお伺いしましたが、相手先との関係もあるので、ブログにアップしませんでした。お許し下さい。

 次にお会いしたのは台湾政府外交部の皆さんです。正式な国交がないため、東亜関係協会が窓口となっていますが、実際は外交部と思って差し支えないようです。

 

 日本担当の事務方トップである羅秘書長=写真前列中央=とお会い出来ましたが、羅秘書長は在大阪経済文化弁事処長や駐日代表処副代表を歴任され、美しい日本語で話されました。外交官3人も同席、様々な分野で意見交換しました。その中で、羅秘書長は「古典的国交がないだけ。日台関係はこれまでになく良い状態が続いており、経済交流は盛んで、今ではなくてはならないパートナーです。新しい、理想的な国交を築こう」と話されたのが印象的でした。

 私も「外交は国益が基本ですが、私たちのような地方政府との間では友情と信頼が基本になります。友情と信頼の上に、経済、文化、青少年などの交流を積み重ね、お互いの地域が、お互い幸せになれるよう連携を深めていきたいものです。そして、外交が最悪の状態になっても、こうして仲良くなった関係があれば絶対、相手に武器を向けたいとは思わないでしょう。それは核兵器を持つ何倍も何倍も強い、抑止力ではないでしょうか」と話したのですが、「その通り。あとは実践です。相互に何回も合いましょう」と賛同していただきました。

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