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すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

日本女性会議

2011年10月14日 | 日記
  松江で開かれている日本女性会議に参加しています。
1日目は分科会で、私は「ライフワークバランス」をテーマにした第9分科会に参加させていただきました。結構、いいお話が聞けたので、長いですが、メモをアップさせていただきます。テープ起こしではなく、私のメモですから、表現や内容については講演そのままではないことを御容赦ください。

  
【基調講演】
  基調講演は大沢真知子日大教授です。

  結構、時代の関心の中にいた幸運児です。シカゴ大で学んでいた頃、マツダがアメリカに進出し、日本人の経済学者ということでミシンガン大に拾ってもらえ、経済を教えることになった。

  今までの社会は、会社の中に個人があった。これからは個人の中に、仕事、学習、家庭生活、地域社会活動があるようになる。自分で自分を作っていく。それがこれからは大切だ。

    ライフワークバランスに必要な4つのボールがある。
仕事
自分(健康・自己啓発)
人間関係(家族・友人
社会貢献
    どれを優先するのではなく、ライフステージの中でボールの大きさを調整していけばいい。もっともっとから、自分を律する生き方へ。拡大ばかりを求める時代は終わった。自分に何が重要かという基準で判断すればバランスが取れるよう。男性の年収低下が、女性の社会進出の一因。男性の20代、30代の収入が下方シフトしたし、女性より男性が失業律が高い。
    その結果、共働き家庭が増え、女性がが高学歴化していった。

     少子化による若年層の減少も問題だ。
21世紀は人材不足時代になる。優秀な人材をどうつなぎとめるかが、企業の課題になている。その証拠に、初任給だけは下がっていない。企業への若者の定着率も低下しているが、これも、有能であれば何処でも再就職できると若者が思っているからだ。

    英米ではその対策として、ワークライフバランスを導入した。はじめに取り組んだのはブレア政権。福祉政策から企業戦略へ。ワークライフバランスは変貌した。日本では30代の労働時間が増えている。私が調べてみると、労働生産性と労働時間は逆相関にあることがわかった。つまり、ワークライフバランスとは、時短ではなく、労働の質を変えることなのだ。働き方のバランスを考える。それは、働き方の希望と現実の差を埋めることでもある。

    諸外国は正社員の短時間勤務や労働日短縮に積極的だ。日本では、ワークライフバランスの議論も正社員の働き方を変えること重点を起き、非正社員のWBLについては取り扱われていない。

    女性の正社員は半数だ。87年以降に起った現象だ。男女雇用機会均等法がもたらした現象だ。その結果、女性労働者間で所得格差が大きくなった。
そして、男性に97年以降、浸透していった。

    育児、介護労働に対する政府のリーダーシップの欠如は甚だしい。パート主婦は夫に守られているとしても、お母さんと息子の家庭のセフィティーネットがない。

   非正規社員と正規社員の壁をなくすことが、この改善策だ。同一労働同一賃金の原則を徹底も重要。保育、介護行政の充実して、家族依存の福祉政策を改めることも必要だと思う。


【シンポジウム】



働く女性の人権センター  赤羽さん
組合は男社会の典型。パート労働者のための相談業務などするセンターを立ち上げたが、まだまだ。だから、自分で組合をやっている。

鍋島山口 大学教授
ワークライフバランスは、働く女性の問題はなく、介護を抱えていく男性、女性の問題となる。男性であれ、女性であれ、介護をする労働者を放り出せない。そうなると、ワークライフバランスが重要。非正規は女性だけでなく、男性の問題。介護のために辞めていく男性が増えていく。女性は辞めても、養ってくれる男子がいた。お母さんの介護で辞める息子は、養ってくれる人はない。つまり、男性の問題となる。そうなると、企業の問題であり、地域社会の問題である。

前田山陰中央新聞論説委員
社内で4人で論説をしている。大手新聞社と違い、4人だから、何でも屋ですが、主な担当は政治、経済です。

大沢さん
まず、今の時代とワークライフバランスを考えたいが、皆さんはどう思うか?

赤羽さん
  今はワークライフアンバランス社会。昔は結婚即退職が当たり前だった。安い単価で働き、生む性である主婦になっていった。介護は働いた後のメンテナンス。女性は社会、家庭の無償労働者だった。妻のパートタイム労働者は、足りない夫も賃金を補うためのもの。これでは、問題は解決しない。出産で辞めるM字型労働しかなった。家事をしんがらでは8時間労働は許されない。男の沽券を守る働き方しか許されない。そして企業も主たる労働者の夫がいるので、いつでも首にでき、安く使える労働力としか女性を考えていない。時給1000円でも、1800時間働いても、180万円。このでは食べていけない。非正規社員にボーナスはない。そして、思うが、家族が死んでも、有給もない。人の死に差はあるのですか。家族が死んでも賃金が引かれる。慶弔金差別はそういうことだ。
   生活保護よりも低い賃金実態。パートはお父ちゃんに食べさせてもらているから、家計補助でいいでしょう。それで賃金が増えるわけがない。個人ではなく、家庭に対する支給だった給与はおかしい。

「母ちゃんを働かせない給料を」が労組のキャッチフレーズ。労働組合は女性を守る男性のロマンでできた組織?  女性と非正規はコインの裏表。草食系男子、肉食系女子。女子は専業主婦化している。男女雇用均等法は、できの悪い男性企業戦士を、優秀な女たちに置き換えただけではないか。そして、足腰の強い一部女子だけが生き残った。辞めた人は心に傷が残った。勝ち組も、女で媚を売ったか、肩肘を張っていきてきた。結婚して辞めなくていいようのなったのが、せめてもの救いか。

鍋島さん
女性の役割は育児、介護だった。それでも、日本は男女雇用機会均等法が施行されても、男並みに働く女性は仲間に入れてあげるという男性社会に過ぎなかったが、男性にも辛くなった。
  労働者が生活者ではあり得ない社会が日本。男性の社会を見直すことが必要だ働くために生きるのではなく、生きるために働く社会ではないといけない。今、50代の男性は2割は未婚。女性は7、8パーセント。親が倒れた時に、「おいちょと」と声を出しても、嫁はおらず助ける人がいない企業が男性を雇えば、親や子の世話をする妻もついてきた。でも、これからは無理な時代になる。結局、勤労者人口が極めて減ってしまう。
    短時間で働けるオプション、家で働けるオプションを考えないといけない。ワークライフバランスを考える時代になった。介護休学が本気で出てきた。みんなで高齢者を見守る時代になった。ワークライフバランスは女性の問題ではない。みんなが知恵を持ち寄る社会、みんなで助け合う社会にしたい。

前田
    私は恋愛戦争で負け続け、家に帰れば粗大ごみです。ワークライフバランスは少子化視点、ジェンダーの視点、福祉政策の視点、多様な働き方の4つの視点がある。ライフステージをどう考えるか、経済学的に考えれば、英国のリカードの理論がある。比較優位。自分の得意な分野に特化した方がいいという考え方だ。それで、男は仕事、女は家事に特化してきた。それが、性別による職業分業のベースになった。高度経済成長時代には合ったが、成熟した今では適合しない。
グローバル化によって競争が激化したからだ。コスト削減のため、人件費を下げる圧力があり、貧困化を招いた。短期的効率化が達成できたが、それでいいとは思わない。

大沢さん
では、この閉塞感を打破するヒントを

赤羽さん
ひとつひとつ課題を解決するしかない。国際化は誰のためのものだったのかと疑問に思う。経営者はグローバル化というと、賃金の引き下げばかりで、最後には海外に行くぞというのはおかしい。普通に働けば、普通に子供たち生きていける社会がいい。同一価値労働同一賃金が大事。介護は家庭で無償の女性の労働者として価格設定されている。見直しを。
IFO150条約も検討を。家族ではなく、個人中心にする。女が経済力を持てば家事、育児、介護の分割が始まる。
私がいるコミュニティユニオンは女性の70パーセント。だから、日曜日の朝の7時から会議をする。昼前に終われば、家族のために一日を使えるからだ。
女女間格差の問題もある。「努力した結果、今の地位がある。努力しないから地位がない」という勝ち組の女性もいる。その結果、女性の正社員でも育休とれない会社も現にある。私は勝組にならない選択肢を認める社会にしたい。

大鍋さん
自分の生き方は実験台だと思っている。タイムカードがない私が実践できなといけないと思っている。大学で行ずまって、「辞めてもいいか」と旦那に相談したら、「家事は分担してやるから、自分の食い扶持くらい稼げ」と言われて、今がある。おたおやか生き方を認めたい。今、学生が親の介護をしたいという。育ててくれた恩があるという。では育ててもらってない嫁はどうなのか。誤解を承知で言うと、介護しない自由を認めるべきではないか。仕事しつつ、育児しつつ、親を精神的に見守る。それを許容しないと、女性はいつまでも、介護の担い手だ。
ライフワークバランスでは、3つの「つ」が大事だと思う。
続けるのつ、
使うのつ、サービスを使う。使えば文句が出て、制度は整備される。
創るのつ、使えるサービスがなければ創ればいい。地域にない制度があれば自分で創る。嫌なら自分が地域社会を創っていく。そういう動きをしたい。

前田さん
   経営者はワークライフバランスの重要性は分かっていても、資金繰りのことで頭がいっぱい。ワークライフバランスは恵まれた企業で、ワークライフバランスに応じる余裕はないのが現実だ。コストが合わないと経営者は思い、結局、ワークライフバランスは福利厚生の充実と考えている。
   特に中小企業では、特定の人に特定の仕事を任せているので、休ませることができない。
   働く側も、勤務先に育児休業制度があっても取得しない。休んでも代わりを務める人が育つと、自分の机がなくなる。自分の存在感がなくなると思う。上昇志向が強い人ほど傾向がある。

  しかし、ワークライフバランスをうまく経営に生かしている会社もある。島根にある塗装会社の例だが、ワークライフバランスを採用してきめ細かに対応したことで、若い人が定着し、マスコミで取り上げられ、業績も向上した。

   グローバル化によって競争が激化した。コスト削減のため、人件費を下げる圧力があり、貧困化を招いた。その結果、短期的効率化が達成できたが、これでは長く続かない。新しい方法を模索したい。
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