すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

11月定例会を振り返って

2012年12月21日 | 日記

 11月定例会が18日閉会しました。長谷川会長の会派離脱騒ぎがあり、その対応に追われ、定例の報告が遅れていまい、済みませんでした。3日遅れになりましたが、ご報告します。

 今議会の一般質問は報告したとおりですが、一番大きい課題は地下水条例でした。

 この条例は地下水を持続的可に利用するための条例として、9月議会に知事から提案され、私が副委員長を務める福祉生活病院常任委員会に付託されました。条例案を提案する方向だとは報告を受けていましたが、まだまだ勉強不足で、すぐに賛否を表明できる力量は私にはありませんでしたので、正直に先輩議員の皆さんにそう話したところ、「そうだね。県民にとって大きな問題なので、しっかりと議論しよう」と賛同していただきましたが、「でも、喫緊の課題でもある。ハードなスケジュールになっても今年度中に成立させようや」とも言われました。もちろん異論はなく、継続審査として、休会中にしっかりと調査、研究することに致しました。

 議会閉会後の1週間、スケジュールを完全に空けて、その間、地下水について書いた本を読み、論文をあさり、他県の条例を研究した後、ネットも駆使しして様々な知見を集めました。県内の地下水と地下構造を調査された鳥大の先生、地下水の法理論を研究している宮崎創価大学教授を委員会にお招きして、じっくり意見を聞いた後、熊本県を訪問、県庁、市役所、くまもと水資源財団、熊本大学大学院、大菊土地改良区を訪れ、話をお聞きしました。ここで、大きな方向性を掴めたと思っています。地下水条例を制定している4町の担当者、地下水に水道水を頼っている米子市と米子市水道局と意見交換会も行いました。大口取水者である王子製紙、高度紙工業、サントリー、コカコーラの工場も訪れ、率直なところ、どうなんだともお聞きしました。これからはその都度、ブログでご報告してきた限りです。

 ここで、見えてきたのは、地下水についての知見が鳥取県には余りにも少ないという現実でした。そこで、条例の主目的を地下水と、それに関わる科学的知見の集積を置くべきだと考えました。この研究を知事に条例で義務づけてはどうかと考えたのです。もとの条例は、報告義務があるのは、取水量だけでしたが、地下水の研究には、取水量以上に井戸の水位の変化が大切なことも、分かりましたので、ここも報告義務を加えてはどうかと考えました。

 次に保全という視点をもっと強調しようとも考えました。「持続的な利用をするためには、当然、保全が前提です」と知事は説明を繰り返されましたが、そればらな、そのことをストレートに謳おうよというのが委員会の意見です。「地下水を保全し、永続的に利用するための条例」と名称を変更し、取水制限を加える地域も、「制限地域」ではなく、「重点保全地域」とするように提案をすることにしました。

 さらに、6年後の見直しとなっていましたが、涵養、節水についても条文に盛り込む方がいいが、どのようなことができるか考えるのは知見が少なすぎるので、3年後までに研究して改正することにしました。

 これらの意見を生活環境部に投げかけ、実際に条例を実行する立場からどこまで出来るのだろうかと議論しましたところ、原案を撤回し、委員会の意見に沿って再提案することになりました。知事が提案して、議会は賛否を決めるというところから、一緒に議論し、一緒に条例をつくるという、新しい議会の理想像を実現できたと、とてもうれしく思っています。

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