すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

エネルギー・雇用促進調査特別委員会県内調査(第2日目①)

2012年01月24日 | 日記
 調査2日目は岡山県真庭市役所を訪れました。「バイオマスタウン構想」を進めておられるからです。米子は雪景色でしたが、真庭市は晴天でポカポカと暖かいくらいです。

 真庭市役所では河部辰夫市議会議長が出迎えてくれました。

 「国道311号を通して鳥取県の倉吉市とつながっています。バイオマスは実用化という段階までは至っていませんが、いい勉強が真庭できればうれしく思います」と歓迎の挨拶をしていただきました。特別委員会のメンバーである長谷川委員は元倉吉市長。同市とは交流があったそうです。

 議会事務局の志田浩一局長(後列)から、真庭市の概要を説明いただきました。

 B1グランプリで「ひるぜん焼きそば好いとん会」が優勝したこと、市内に5つの高速道路のインターチェンジがある交通の結節点であり、中国地方有数の木材の集散地で、中学生までの医療費は無料で不育症には全国で始めて支援策を打ち出したなどをお聞きしました。
 
 バイオマス構想は、バイオマス政策課の宅見幸一課長(右)、小山隆主任(左)から説明を受けました。宅見課長は経済産業省からの出向で、課員は7人だそうです。


【真庭は林業の街】
・工場出荷額の4分の1は木材関係
・山林面積は6万5778ヘクタールで、市の八割。民有林が多い。
・林戸は4797戸、素材生産会社12社
・製材会社は30社。出荷量は12万立方メートル、8万立方メートルの木皮や切りくずがある。

【21世紀の真庭塾】
・H5年4月、民間でスタート
・木質資源活用産業クラスター構想をまとめた。
間伐材などを有効活用してエネルギーや新製品を作り出す
・バイオマス・マニワ宣言

【バイオマスタウン真庭~第1ステージ】
・国の認定を受け、真庭市バイオマス利活用計画をH18年3月策定
・4つの目的 ①バイオマス産業の活性化②コミュニティーの活性化③循環型社会の形成④CO2の抑制
・様々なプロジェクトを展開(木質バイオマス発電、原材料供給基地としての体制づくり、産業観光ツアーの展開など)
・真庭のバイオマス既存量 ①木質系廃材(11万8千トン)、②家畜排泄物(11万6千トン)、③未利用木材(5万7千トン)
・利用率 廃棄物系バイオマス(H17年度77%→H20年度88.5%)、未利用バイオマス(同28.4%→38.2%)

【NEDOの委託事業】
・公募事業「バイオマスエネルギー地域システム化実験事業」に手をあげ、採択さた。
・H17年度から5年、全国7件採択されたうちの1件。
・事業費は5億3000万円
・未利用資源(林地残材、樹皮)を燃料化する実験
・課題=①収集コスト②形状が不均一③含水率が高い……などを判明。
・未利用材の収集から活用まで様座名データを収集した
・すべきことが分かった=①流通システムの構築、②重油・軽油の削減、③運転性・経済性の分析

【木質燃料の種類】
・破砕チップ(樹皮が混じるのが難点)、製材チップ、樹皮、木質ペレット(コストが問題)

【NEDO委託事業を継続】
・H22年度~H24年度の3年間。NEDO委託事業の成果が基盤
・共同事業を立ち上げて事業を確立(実施者2/3、市1/3)
・燃料の流通の体制が確立できた
・木質燃料のエネルギー自給率 11.3%

【バイオマスの活用実例】
木片コンクリート=ヒノキとセメントを混合。軽量、保水性、透水性が特徴。ホームセンターで販売
バイオマス発電=鉋屑を燃やして発電、1950KW/H、夜間は売電。H18からはグリーン電力証書を発行
発電用ボイラー=今年度から稼働、これまでは産廃だった樹皮を利用
ホワイトペレット=接着剤ではなく、木の成分であるリグニンで固形化、年間1万トン(国内最大手)
バイオディーゼル燃料=湯原温泉の送迎バスで利用、廃食油6万リットルを回収して化学反応で不純物を除去して製造。   

【効果の換算】
・バイオマス利用量 4万1000トン=1トン1万2千円すると5億円
・石油代替量 1万5000キロリットル=重油1L75円として11億円
・CO2削減 4万トン

【バイオマスツアー真庭】
・視察希望が増えてきた。窓口の1本化と地域全体を取り込んで情報発信をする試み
・ガイドが案内しているのは年間2000人
・21年度新エネ大賞受賞、22年度産業観光まちづくり大賞受賞

【真庭バイオマス集積基地】
・林地残材の活用、樹皮の活用=安定供給体制の確立
・事業者(真庭木材事業組合)が運営

【月田総合集積基地】
・森林組合
・林地残材を木質燃料化

【中継土場整備】
・集積基地まで持って出るのは大変

・小流域ごとに集積
・市内18カ所に建設

【林地残材利活用促進事業】
・山土場まで持って出ると1立方メートル当たり、1000円を補助

【理解醸成事業】
・年間10校で総合学習

【バイオマスタウン真庭~第2ステージ】
一定の基盤が整理された→バイオマス産業の創造へ
・人材育成講座、異業種交流、理解醸成事業
・地域連携システムの確立 
・ニーズのマッチング、高付加価値化。売り上げが山側へ

・バイオマスファイナリー事業粋品協議会=官民一体で22年6月設立
・真庭バイオマスラボ設立
・産業技術総合研究所と23年8月に連携・研究協力協定を締結
・バイオマス・フェインケミカルズ・リファイナリー・システム構築事業=出口側の情報収集と裾の拡大
・鉄より強度が5倍という「ナノファイバー」を製造。基礎データの収集、改良中。来年度、実証機を導入する。
・県内の大学、企業に集まってもらって人材育成講座を開催している=大学は単位を認定している。

【国内クレジット認証】
・市庁舎にバイオマス・ボイラーを導入したことで発行が可能に
・公募でトンボが販売をすることになった。

【バイオマスツアー】
・合併時から展開。Aコース、Bコースがある。
・現場で体験したいとの要望を受けて。募集型のツアーを始めて3年目
・観光資源も地元が対応する。

 真庭市議会の宮田清一産業建設常任委員長も加わって、質疑応答や意見交換をしました。


Q 様々な取り組みをして、木材の活用をされている。個人の林家は動いていないが、おのおのの林家が自立できるようになったのか。
A 智頭の林業と兄弟分。吉野の分家。真庭は8万2000ヘクタールの8割は山で、60%はスギ、ヒノキ。木材価格の低迷もあって、いろいろ考えたが、やはり、林業しかないという結論になった。5ヘクタール以下が70%程度。素材生産会社は12社あるが、激甚災害の指定を受けた台風があった。国や県、市の補助金を得て、高性能の林業機械を入れ、若者雇用に支援をいただいた。林地は所有権が入り組んでいるので、集団化、10ヘクタールから30ヘクタールにまとめて作業をするようになった。こうして、コストを下げている。零細所有者に恩恵をもたらすしかない。作業道の開設なども含めて取り組んでいる。軽トラック1台で350リットル分集積地まで持って出れば1000円くらいになる。
Q 集団化は境界線の確定が必要だが、中間土場を18カ所作った
A 放置林、若者の林業への認識の低さがあるが、国土調査の中である程度確定している。GPSを使った現場確認もある。林地の基本台帳もあるので、森林組合主導でやっている。山の単価が下がっているので難しい面もある。林業が盛んで、コミュニティーがある地域ごとに中間土場を作っていった。
Q 未利用木は倒木、それとも、間伐材。木質バイオの研究が進んでいるが専門家
A 1500ヘクタールの間伐をしているので、間伐材が中心。〉何年たったという古い木もある。キロ0.5円くらい。以前はお金を払っていた。経費を抑えることができる。チップ価格も叩かれていた。キロ1以上上がった。上限13万円の3分の1以内で市が補助。年間15台程度導入。簡単な破砕では価格が低い。産業技術研究センター、岡山大学など分野、分野で探しながらやっている。
Q 既存林業、バイオ林業のGDP試算があれば。森林組合があったり、ペレット工場があったり、経済効果の試算、関わる方々の人数は
A 経済効果の試算はしていない。岡大が環境省から委託事業があり、環境価値を含めて試算している。産業環境などもシミュレーションしていて年度内に答えが出る。3年間で約50人を雇用した。
Q ツアーは小中学生の社会見学はあるか、県外県内の割合は
A 今年度から市観光連盟が大阪のJTBに売り込みを始めたところ。小中はまだまだ。桜美林大学は毎年来ている。真庭と北海道にゼミを行っているが、真庭の人気が高い。
Q 行政の関わりは
A 3カ年の補助事業は市がやったが、経済的に回るためには観光連盟が事業主体にならないといけない。
Q 真庭塾の構成員は
A 25人で立ち上げたが、行政として参加していたわけではない。製材所、造醸所、鉄工所の若手が参加。地域は久世・勝山・落合だった。9ヵ町村のうちの人工集積地。合併とは余り関係なく、企業的な動き。
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