ととじブログ

書きたい時に書きたい事を書いている、あまり統一感の無いブログです。

羊をめぐる冒険 / 村上春樹

2019-02-26 05:42:09 | 本/文学
村上春樹の最新長編小説「騎士団長殺し」。
単行本が2017年2月に発売されてから2年。
待ちに待った文庫版が2月28日に発売される。

と言いながら、文庫を買う訳じゃない。
もう少し待つ。
古本で単行本が値崩れするまで待つ。
税別100円×2まで待つ。
「羊をめぐる冒険」とは何も関係無いのだけれど、何となく書いてみた。

さて。
村上春樹の作品の中で最も好きなのが「羊をめぐる冒険」だ。
初版本を二冊持っている。
初出誌の「群像」82年8月号も持っている。
自慢だ。
羨ましいと思う人はそれほど多くないだろうけれど。

「羊をめぐる冒険」は鼠三部作と呼ばれる作品群の第三部とされているが、前の二作品「風の歌を聴け」と「1973年のピンボール」を読まなくても、十分楽しめる。

35年以上も前の作品なので、内容的に古い部分が多々ある。
例えば、国電(日本国有鉄道、今のJR)という単語が出てきたり、音楽を聴くのがレコードやカセットテープだったり、どこでもスパスパたばこを吸っちゃったり、携帯電話が無かったり、警察が交通事故被害者の自宅を簡単に教えてくれたりするところ等だ。
それでも、作品で描かれる社会の‘闇’は、現実の世界でも似たような形で存在し、また現在まで何ら変わることなく続いていて、本作の文学性やエンターテインメント性は未だ色褪せていない。

何度も読み返しているのだけれど、今回読んでみて、前回読んだのはかなり昔なんだということを実感した。
作品に出てくる「十二滝町」のモデルとなっている地があるのだろうか? どのあたりなんだろうか? という疑問が簡単に解決してしまったからだ。
恐らく前回読んだ時は今のようにWikipediaもGoogleマップも無かったのだ。
あるいは、あっても、今ほど情報量が充実していない時期だったのだ。

十二滝町のモデルは北海道美深町だと言われているそうだ。
それに関するWebページまである。
風景写真まで見ることができる。
いや、まぁ、こういうのって、何というか、便利と言えば便利なのだけれど、ちょっとアレだよな…という気持ちにもなる。