ととじブログ

書きたい時に書きたい事を書いている、あまり統一感の無いブログです。

アフターダーク / 村上春樹

2019-02-05 15:45:45 | 本/文学
アフターダーク
著者:村上春樹 (むらかみはるき)
発行所:講談社
講談社文庫
2006年9月15日 第一刷発行

1992年の『国境の南、太陽の西』から始まった、大長編の間の‘短め長編’第三弾『アフターダーク』。
前に、発売直後に読んだ時にどう感じたのかというと、正直あまり覚えていない。
何となく、渋谷あたりにあるラブホテルに個性的な女性従業員がいて云々というイメージがあるだけで、今回読み直しなのだけれど、ほぼほぼ初めて読むような印象だった。

以下、ネタバレ有り。


う~ん、何だかよくわからなかったなあ~というのが感想だ。

いつもの「こちら側とあちら側」的な話かというと、そんな気もするし、そうでない気もする。
いつもの「闇を抱えた変な人」が出て来たかと思ったら、そうなような、そうでもないような。
いつもの「大事な人を損なう」とか「大事な人をとり戻す」とかいう要素があるかというと、あるような、ないような。
まぁ、そう、何かよくわからなかった。

そんなわけで、かなり断片的な、感想を書いてしまう。

白川、嫌だな、気持ち悪いな、この男。
エリの項、退屈だったな。
カオルとコムギとコオロギ、いいな。この三人の女達の『アフターダーク外伝』みたいな、スピンオフを読みたい。書かれることは絶対無いだろうけど。

ひとつ、強く印象に残ったのは、白川が娼婦からはぎ取ってきた衣類やバッグの中身をひとつひとつ点検して処分するところ。ここに、言いようのない恐怖、怒り、口惜しさを感じた。ま、いろいろ理由があって。

時期的には『海辺のカフカ』と『1Q84』の間に書かれた作品なのだけれど、そこから何かリンクするものを感じるかというと、それもちょっと…今は思いつかない。ピンと来ない。

村上春樹は特別に好きな作家の一人なので、もう一度読み直す事があるかも知れない。
けれど、なんとなく、その時は、今よりもっとよくわからないのではないかと、そんな気もする。

--
2019/02/05 訂正
訂正前:…『ねじまき鳥クロニクル』と『海辺のカフカ』の間に…
訂正後:…『海辺のカフカ』と『1Q84』の間に…