ととじブログ

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月と雷 / 角田光代

2019-02-04 04:07:04 | 本/文学
月と雷
著者:角田光代 (かくたみつよ)
発行所:中央公論新社
中公文庫
2015年5月25日 初版発行

以下、ネタバレ有り。


世間的な普通。
結婚して子供を作り家庭を守っていく、というような生活が普通だとする。

普通でありたいのであれば、それ相応の犠牲を払わなければならない。
普通でありたくないのであれば、やはりこちらも、それ相応の犠牲を払わなければならない。

ちょっと言い換えると、例えば、結婚して家庭を持ちたいし、配偶者以外との性的な関係も維持したいし、経済的な責任も家事も配偶者に負ってもらいたいと、それは許されないという事だ。

いや、そんな事よりも、そもそも現実には「結婚」できる相手がいないし、付き合える相手自体がいないし、家事やお金を負担してくれる何者もいないという人生もある。
そう考えると、女に不自由しない東原智、都合よく男が拾ってくれる直子、結婚を考えている相手がいるのに簡単に智とセックスしてしまう辻井泰子の三人が織りなす物語は性的ブルジョアジー小説とも言える。

いやいや、何書いてるんだろう?
自分でも何が言いたいのかわからない。
もっと率直な感想を書いた方がいいかも知れないな。

愛がないの。
この話、愛が無いんだ。
愛ではない、他の何かへの熱い情熱も無い。
主要人物の三人、東原智、辻井泰子、直子には愛も情熱も無い。

だから、退屈というか、この三人がどうなろうとあまり興味がわかないというか、何だろう?
行き詰ってどうしようもなくなるまで、好きに生きて行けばいいんじゃないかと。
と言いつつ、冷ややかな感情がわいてくるわけではなく、まぁ、そういう生き方も悪くないかもね。
楽、ではない事もあるだろうな。
と、そんな感想。


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