今日12月9日は夏目漱石の命日。
ということを、岩波書店のツイートで知った。
夏目漱石は,1916年(大正5)12月9日,早稲田の漱石山房にて息を引き取りました.49歳.『明暗』が絶筆となりました.今日は漱石忌です.小社とは縁も深く,岩波書店の看板の文字は漱石の筆によるもの.現在刊行中の『定本 漱石全集』題字も漱石の筆.☞ https://t.co/PZkbnsebMB
— 岩波書店 (@Iwanamishoten) 2018年12月9日
『三四郎』『それから』『門』を前期三部作、『彼岸過迄』『行人』『こころ』を後期三部作と呼ぶ。
最終作品の『こころ』は日本文学史に残る傑作のひとつとして名高い。
『三四郎』から『こころ』に至り、ある種の文学的普遍性の頂点を極めたと言う事もできる。
しかしながら『こころ』には深刻な欠落がある、と私は思う。
漱石自身が意図的にそうしたのか、そうせざるを得なかったのか、それとも無自覚にそのようになったのか?
『三四郎』から『行人』までは、決して十分とは言えないまでも、それは描かれてきた。
『こころ』ではそれが排除されている、あるいはそれから目をそむけている、と私には感じる。
‘それ’とは、女性。
もっと女性にスポットを当てなければ、と漱石が考えたかどうかはわからないけれど、『こころ』以後、何らかの新しい文学的境地に踏み込もうとして描いたのであろう大作『明暗』。
漱石の死去に伴い、未完となってしまった。
享年49歳。
早すぎる。
せめてあと10年ぐらいは活躍して欲しかったなぁ~と思う、今日12月9日。
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