小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

安岡章太郎 「陰気な愉しみ」

2006-01-16 20:13:36 | 小説
軍隊で受けた傷のために働けなくなった「私」は、月に一度、役所にお金を受け取りに行く。
役所でお金を手にするまで、「私」は、不安と屈辱の気持ちでいっぱいになるのが常であるが、実は、これが「陰気な愉しみ」であったりする。
ある日、少し多めの金額を難なく受領できて、そのお金で愉しもうと、気楽な気分で街を歩きはじめるが、物事が思い通りに運ばずに、かえって憂鬱になってしまう。
あらすじだけを書くと、重苦しい作品に思われるかもしれませんが、ユーモアの込められた表現で、思わす笑いが浮かんでくるようなところもあります。
最後の一文で、「うーむ、まいった。」という感じです。
講談社文芸文庫「ガラスの靴・悪い仲間」で、15ページ。
ガラスの靴・悪い仲間

講談社

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