小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

夏目漱石 「文展と芸術」

2006-08-27 23:59:04 | 評論・批評
漱石が1912年の文展(文部省美術展覧会)を見た際の批評です。
はじめに、「芸術は自己の表現に始まって、自己の表現に終わるものである。」として、芸術一般について述べています。
続いて、実際に文展で見た個々の作品の批評をしているのですが、ずいぶん辛辣なところもあって、漱石の率直な意見が書かれています。
また、以前に他の展覧会で見た作品への言及もあり、漱石が美術に対して大いに関心を抱いていたことがわかります。
「それから」の中でも、青木繁の絵に触れていましたね。
本館読書室で取り上げた「日本近代美術史論」にも、漱石の文章が引用されています。

この批評を読むには、文展出品作の絵画がどのようなものか知ることが必要と思います。以前(1980年)、講談社文庫ATで、「夏目漱石・美術批評」というのが出ていて、本作に加えて、出品作の図版や会場の見取り図などが収められていて、便利だったのですが…

日本近代美術史論

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