小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

内田百 「ゆふべの雲」

2006-12-18 23:52:11 | 内田百
床屋を出ると、急に日が暮れて、赤く大きな月が真っ黒な切れ雲に入り、あたりは真っ暗になってしまった。
何だか狐に騙されたようで、遠回りしてようやく家にたどり着くと、甘木さんが、「ウフッ」と笑う妖しげな大女を連れてきて待っています。
どうみてもただの人間ではありません。
そして、先生相手に、おかしな遊びをはじめるのですが・・・

百の「恐怖系」の作品に属するものですが、夢の続きを見ているようで、ちょっと艶めかしさも感じられる作品です。

「木くらげ」を「かじつて見ようか知ら、ごりごりと」というところが、やはりコワいです。(キャー!)

旺文社文庫『實説艸平記』で、6ページ。
講談社文芸文庫「戦後短篇小説再発見〈10〉表現の冒険」、
ちくま文庫「百集成<4> サラサーテの盤」等に収録。
戦後短篇小説再発見〈10〉表現の冒険

講談社

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