小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

西脇順三郎 「天気」(詩集『Ambarvalia』より)

2006-05-01 23:59:33 | 
『Ambarvalia』の最初のパートである「ギリシア的抒情詩」の冒頭に掲げられた、「天気」と題するこの詩は、たった3行からなる次のようなものです。

 (覆された宝石)のやうな朝
 何人か戸口にて誰かとさゝやく
 それは神の生誕の日。

ここには、感情の吐露も、思想の表出もありません。
ただただ、鮮やかなイメージの創出に圧倒されるばかりです。
何事にもとらわれない、詩のための詩、という感じがします。

講談社文芸文庫『Ambarvalia・旅人かへらず』は在庫がないようですので、他の本でお読み下さい。
Ambarvalia

日本図書センター

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