『地獄の黙示録』(原題:Apocalypse Now)は、1979年のアメリカ合衆国の戦争映画。
7月29日午前1時からCSテレビのザ・シネマで観た。
これで2度目である。不気味な映画であるり、内容が怪奇すぎる。
監督はフランシス・フォード・コッポラ、出演はマーロン・ブランドとマーティン・シーンなど。
ジョゼフ・コンラッドの小説『闇の奥』を原作に、物語の舞台を19世紀後半のコンゴからベトナム戦争に移して翻案した叙事詩的映画(エピックフィルム)。
1979年度のカンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドールを獲得。
アカデミー賞では作品賞を含む8部門でノミネートされ、そのうち撮影賞と音響賞を受賞した。
それ以外にもゴールデングローブ賞の監督賞と助演男優賞、全米映画批評家協会賞の助演男優賞、英国アカデミー賞の監督賞と助演男優賞などを受賞している。
2019年4月28日、公開40周年を記念してトライベッカ映画祭において『地獄の黙示録 ファイナル・カット』(Apocalypse Now Final Cut)が上映された[3]。このバージョンは同年8月15日にアメリカの劇場で一般公開され、8月27日にはホームメディアが発売された[4]。
日本では1980年(昭和55年)2月16日から東京の有楽座で特別先行公開され、3月15日から全国公開が始まった。2001年には、コッポラ自身の再編集による『地獄の黙示録 特別完全版(英語版)』が公開された。2020年2月28日に『地獄の黙示録 ファイナル・カット(英語版)』が公開された。
ストーリー
ベトナム戦争中の1969年、アメリカ陸軍特殊部隊(グリーンベレー)のウォルター・E・カーツ大佐は、上官の許可を得ずに北ベトナム軍、南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)及びクメール・ルージュ軍に対して激しい戦闘を繰り広げていた。
さらに彼はカンボジア東部の人里離れたジャングルの中の前哨基地を拠点として、米国軍、山岳民族軍、地元のクメール民兵部隊を指揮し、独立王国を築き、彼らに半神と崇められていた。
南ベトナム軍事援助司令部・研究監視団に所属する工作員ベンジャミン・L・ウィラード大尉は、ニャチャンにある第1野戦軍本部に呼び出される。
ウィラードは、CIAによる要人暗殺の秘密作戦に従事してきた経験が豊富だったが、戦地を離れていると無聊にさいなまれ、酒に溺れる日々を送っていた。
彼は、カーツがベトナム人4人を殺害した罪に問われていることや、前述の独立王国を築いていることを告げられた上で「カーツを殺し、その指揮を終了させる」よう命じられる。
複雑な思いを抱きつつもウィラードは、フィリップス上等兵曹(チーフ)が指揮する米海軍の河川哨戒艇(以下、PBR)に乗員のランス、シェフ、クリーンと共に乗り込み、静かにヌング川を遡ってカーツの前哨基地を目指すことになる。
ヌング川の河口に到着する前に、ウィラードたちは「空の騎兵隊」と呼ばれている、精鋭の第1騎兵師団所属のビル・キルゴア中佐が指揮するヘリコプター空襲部隊である第9航空騎兵連隊第1大隊と合流し、川への安全な進入について討議する。
キルゴアは、彼らの任務について通常のルートでは情報を受けていなかったので、最初は殆ど関心を持たなかった。
しかし、ランスが有名なサーファーであることを知り、キルゴアは俄然、関心を持つようになる。
自身も熱心なサーファーであるキルゴアは、ベトコンが支配するヌング川の河口の先まで彼らを護衛することに同意する。
夜明けにヘリコプター部隊は拡声器で「ワルキューレの騎行」を流しながらナパーム弾でベトコンの拠点を攻撃する。
新たに制圧した砂浜で一緒にサーフィンするようランスを説得しようとするキルゴアから逃れ、ウィラードは乗員たちを促してPBRに乗り込み、任務を続行する。
途中で燃料を供給するために米軍基地に立ち寄ったところ、その夜プレイメイトによる慰安活動が行われるが、兵士たちが余りにも興奮したことから中止される。
燃料を供給し基地を出発したウィラードたち。彼は自分がPBRの指揮官であると考えていたが、艇長であるチーフはウィラードの任務よりも通常のパトロールを優先するため、緊張が高まる。
ゆっくりと川を遡上する中、ウィラードは、自分の任務は重要であり、いかなる困難に遭遇しようとも遂行する必要があると説得するために、チーフに命令の一部を明らかにする。
ウィラードはカーツの関連書類を読み、カーツが大佐より上への昇進の見込みのない特殊部隊への入隊のために国防総省での上級の任務から離れたことに衝撃を受ける。
到着したド・ラン橋の米陸軍の前哨基地で、ウィラードとランスは上流の状況に関する情報を求め、公用郵便物と私用郵便物が入った行嚢を受け取る。
その前哨基地での指揮官を見つけることが出来なかったウィラードは艇長に遡上の続行を命じる。
ウィラードは行嚢に入っていた文書を読み、嘗て、南ベトナム軍事援助司令部・研究監視団の別の工作員である特殊部隊大尉リチャード・コルビーがウィラードと同じ任務に起用され、その後カーツ側に寝返ったことを知る。
橋の上流に遡った頃、ボートは突然敵襲を受ける。
ランスがLSDの影響下で発煙手榴弾を作動させたことから、敵の砲火を浴びることとなり、クリーンが戦死してしまう。
ウィラードたちは彼の死を嘆きつつも、その先にあったフランス人のプランテーションに立ち寄ってクリーンを埋葬する。更に上流では、山岳民が投げた槍でチーフが串刺しにされ、死亡してしまう。
ウィラードは、今やPBRの艇長となったシェフに自分の任務を明かす。
そしてPBRは遂にカーツの前哨基地に到着する。そこは山岳民で溢れかえり、犠牲者の遺体が散乱するクメール寺院であった。
ウィラード、シェフ、ランスはアメリカ人フォトジャーナリストに迎えられる。
その男はカーツの天才性を称賛しており、彼が言うにはカーツはと共に山奥へと入っていったとのことだった。また彼らは殆ど緊張病に罹っているコルビーにも遭遇する。
ウィラードはランスと共にカーツを探し始め、シェフは2人が戻らない場合は前哨基地への空爆要請を発出するよう指示される。
カーツの宮殿の前で山岳民に捕らえられたウィラードは縛られてカーツの前に連れて行かれ、竹籠に監禁される。さらにカーツが現れ、シェフの生首をウィラードの膝の上に落とす。
シェフはカーツの放った刺客によって殺害されていた。
そしてしばらくしたのちウィラードは逃げると射殺すると警告されながらも竹籠から解放される。
自由になったウィラードは暗殺を決行しようとするも、それには至らなかった。
カーツはベトコンの冷酷さを称賛しながら、自分自身が目の当たりにした地獄を語り「地獄を知らないものに私を殺す資格はない」と告げる。
カーツは自分の家族について話し、自分が死んだ後、自分のことを息子に話して欲しいとウィラードに頼む。そして「必要な軍事行動は果断に、無慈悲に、怯むことなくやりとげなければならない」「もし私が殺される運命にあるのであれば、君がやってくれ」と告げる。
それを聞いたウィラードは、カーツは裏切り者ではなく、誇り高い軍人としての死を望んでいることを悟る。
その夜、山岳民が水牛をいけにえに捧げる儀式を行う。
その隙に乗じてウィラードはカーツになたで襲い掛かる。カーツは一切の抵抗をすることなく致命傷を受け、「恐怖だ」と言い残し、息を引き取る。
ウィラードが外に出ると、そこには山岳民たちが彼を待ち構えていた。
そこにいた全員が、カーツの書いた文書一式を抱えて立ち去るウィラードを見て、彼に頭を下げる。
ウィラードはランスを見つけてPBRに連れ戻し、軍からの無線連絡を無視しつつ、カーツの前哨基地から離れて川を下って行く。ウィラードの頭には、まだカーツの最期の言葉が頭から離れず残っていた。
備考
作品序盤におけるウィラードの独白から、本作品は、ウィラードの任務での体験とカーツに纏わる物語を紡いだ構成となっている。
キャスト
ウォルター・E・カーツ大佐(英語版) マーロン・ブランド
ビル・キルゴア中佐 ロバート・デュヴァル
ベンジャミン・L・ウィラード大尉 マーティン・シーン
ジェイ・“シェフ”・ヒックス フレデリック・フォレスト
ランス・B・ジョンソン サム・ボトムズ
タイロン・“クリーン”・ミラー ラリー・フィッシュバーン
ジョージ・“チーフ”・フィリップス アルバート・ホール
ルーカス大佐 ハリソン・フォード
報道写真家 デニス・ホッパー
コーマン将軍 G・D・スプラドリン
CIAエージェント ジェリー・ジーズマー
コルビー大尉 スコット・グレン
マイク ケリー・ロッサル
負傷兵 ロン・マックイーン
配給係の軍曹 トム・メイソン
キャリー シンシア・ウッド
テリー コリーン・キャンプ
サンドラ リンダ・カーペンター
ローチ ハーブ・ライス
ジョニー ジェリー・ロス