映画 アビエイター

2024年07月09日 15時56分32秒 | その気になる言葉

7月9日午後3時15分からCSテレビのザ・シネマで観た。

THE AVIATOR(2004) 2004年 / アメリカ / 字幕 : 171分  アドベンチャー ・ 社会派ドラマ

航空機と映画を愛した大富豪ハワード・ヒューズ。彼の波乱の半生をスコセッシ×ディカプリオで描く伝記大作
 

あらすじ

潔癖症の母に子供の頃から伝染病の怖さを教え込まれていたハワード・ヒューズ

感染を恐れて極度の潔癖症になった。

大人になり、両親も亡くなっている1927年。

ハワードはハリウッドで、映画「地獄の天使」の撮影に臨んでいた。

空中戦はこの映画のクライマックスで、一切妥協するつもりはない。

カメラが二台足りない、と言われれば、ライバルのMGMにも「貸してくれ」と頼む潔さがあった。

幸い両親の遺産や父が遺した会社ヒューズ・ツール社の株のおかげで資金は潤沢にある。

映画や飛行機製作のため、財務管理は新たに雇ったスポークスマン、ノア・ディートリッヒに任せた。

しかしカメラの貸し出しは断られ、広報担当のジョニーにも妥協を勧められるが、ハワードは突っぱねる。

そして完成したラッシュを見ても、奥行きのないシーン構成が気に入らない。

大きな雲が必要だと言って気象学者を呼んで雲の発生を待ち、飛行機の形状も映えを優先して上翼などの部分を解体。

さらには完成してから「トーキーにする」と言い出して、映画の完成には三年の月日を費やした。

公開プレミアでは万雷の拍手を送られ、ハワードも感極まる。

三年ぶりに身が軽くなったハワードは、自分で飛行機を操縦し、映画撮影中のビーチに降り立った。

そこで女優のキャサリン・ヘップバーンに声をかける。

 監督

飛行機作りに没頭する大金持ちの波乱万丈な人生をつづった伝記ドラマ。いくらなんでも長すぎて、ずっと見ていられない編集ミス映画です。

20世紀初頭。一人の少年が母親に体を洗われているところから映画は幕を開ける。この少年がハワード・ヒューズである。そのとき母親からひとつの言葉を教わる。「QUARANTINE」…和訳すると「感染予防のための隔離」という意味である。後にこの単語にヒューズは苦しめられることとなるのだった。

それから時は流れて1920年代。ヒューズは父から受けた莫大な遺産を元手として、夢のひとつであった映画製作を開始。映画『地獄の天使』の製作はトラブルが続き思うような撮影はできなかったが、史上空前の莫大な予算を費やして3年がかりでようやく完成させた。

ヒューズは手当たりしだいの女性を口説き手に入れる傍ら、もう一つの夢である飛行機事業に着手、ヒューズ・エアクラフトという会社を立ち上げ、世界一速い飛行機H-1の開発を始めた。しかし、同時期に知り合った女優キャサリン・ヘプバーンとの恋愛は破綻する。

潔癖症の母親の影響もあり、青年時代から伝染病、不潔なものへの嫌悪感の強かったヒューズの強迫神経症はここにきて顕著となる。自分を拒絶した女の触れた洋服全ての焼却、常に石鹸を持ち歩き病的なまでに手を洗浄する、同じ言葉を執拗に繰り返す等、一般人には理解不可能と思える行動を繰り返す。

ついには衣服を着ることも水に触れることも出来ず部屋に閉じこもり、顔も洗わず髭もそらず全裸のまま暮らし、排泄は部屋の中で牛乳瓶に、何かに触れるときにはティッシュペーパー越しにでなければ触れられない、ドアすら開けられなくなり他人との接触を恐怖と感じる等、ヒューズの強迫神経症は深刻化する。

 20世紀のアメリカ映画業界と航空業界で成功を収めた大富豪ハワード・ヒューズの若き日を描いた伝記映画。主演はレオナルド・ディカプリオ(「タイタニック」ほか)、監督は巨匠マーティン・スコセッシ(「タクシードライバー」ほか)、製作費は150億円という堂々たる超大作だ。

億万長者の父が死去し、莫大な遺産を受け継いだ18歳のハワード(L・ディカプリオ)は、やがてその資金力を大好きな飛行機と映画製作に惜しげなくつぎ込むようになる。数十機の戦闘機を実際に購入し、自ら操縦して空中戦を撮影した戦争アクション映画「地獄の天使」は、当時の常識を覆す映像が話題となり大ヒットを記録する。

大女優キャサリン・ヘップバーン(ケイト・ブランシェット)を恋人にし、パイロットとしても世界一周の記録を更新、航空機の設計技師としても新発想の偵察機を開発するなど、その人生は順風満帆に見えたが、やがて彼にも転落のときが訪れる。

超大作「アビエイター」は、アカデミー賞11部門にノミネートされ、最多の5部門を受賞したが、期待されていた監督賞、作品賞、主演賞のメイン部門は全敗という苦い結果となった。スコセッシ監督はオスカー逃しの常連といわれるほどだから、事前に予測できたといえなくもないが、さすがにがっかりのはず。

一方レオナルド・ディカプリオも、今回は自身の思い入れの強いヒューズという人物を演じられるということで製作にも参加、例によって徹底的な役作りをして望んだだけに、念願の主演男優賞を逃した落胆は大きかろう。

彼以外の役者の演技も悪くない。ヘップバーンやエヴァ・ガードナー(どちらもこの時代のハリウッドを代表する女優でありヒューズの恋人)役の女優たちも、本人の出演映画をたくさん見てしゃべり方やしぐさを習得、違和感なく演じている。

空中戦のシーンや墜落場面では大胆にCGやVFXを使い、セレブたちが集うパーティーの場面などには衣装代だけで2億円を費やすなど、ゴージャスな映像のなかには見逃せないスペクタクルが満載だ。

とはいえ、物語に求心力がないのも事実。この『アビエイター』では、「奇人変人」として知られるヒューズの晩年はあえて詳しく描かず、野望に満ち、斬新な発想で旧態依然とした世界に挑んでいった若き日の彼の姿にスポットを当てている。

しかし後半は、強迫神経症にかかり、ドアノブすらティッシュ数枚ごしでなければ触れないほどみじめな姿を延々と描く。頂点に立った男の苦悩というわけだが、こういったところが、ハリウッドの伝記映画としてはいかにもステレオタイプな演出であり、飽きられる原因かと思われる。ちなみにヒューズは晩年、数十年間も世間から身を隠し、死体の本人確認が誰にもできないという哀れな最期をとげる。

英雄的な面を強調して描くという意図の元に作った伝記映画としては平均以上であろう。相当な下調べをして映像は当時の色をデジタル技術を駆使して再現、存在しない機種のエンジン音もなるたけ忠実に再現、役者にも最高の演技と役作りを要求……。しかし、それはつくり手側の思い入れが非常に強いという意味でもあり、日本人でそれに付き合いきれる人がどれほどいるかは微妙なところだ。2時間48分という長大さは、見ていて時間を忘れさせる……わけもなく、いつ終わるのかと思うような平坦な語り口が最後まで続く。

こいつはハワード・ヒューズに人並み以上の興味がある人が、体力のあるとき、一人で見るのに適した映画だろう。

 

アビエイターの感想

キング・オブ・コメディ」、「沈黙 -サイレンス-」、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」、「シャッター アイランド」、「カジノ」などで知られるマーティン・スコセッシ監督による、飛行機好きの神経質おやじの物語。

映画監督であり、航空機開発に生涯を捧げたハワード・ヒューズのぶっ飛んだ話で、一般人には到底理解できない狂人の半生を描いています。

若くして莫大な財産を相続した若者が、お金に糸目をつけず、映画製作をしたり、飛行機を作ったりしながら、周囲を巻き込み、女優たちと浮名を流し、好き放題やっていく様子は痛快で、スケールの大きさと夢を感じさせます。

それに対し、ストーリー構成にやや問題があり、この映画に約三時間の尺は必要ないです。前半は映画製作、中盤は飛行機製造、後半は航空業界の利権争い、といった感じで構成されていて確実に途中でダレます。

できれば1時間半ぐらいにカットしてもらいたかったし、あそこまで長尺にするなら、ハワード・ヒューズの死まで描かないと意味ないですよね。

飛行機に対する類稀な情熱とこだわり。度を過ぎた潔癖症や神経症。いわばハワード・ヒューズの光と影の表現のバランスもあまり良くないです。

変人を取り上げているのに面白さやユーモアに欠けるし、かといってダークでもなければドラマチックでもない。あれもこれも描こうとしたばかりに一つ一つのエピソードのインパクトが小さくなった感が否めませんでした。

それにしても、社員たちには無茶振りばかりだし、耳は遠く、コミュニケーションは一方通行だし、あれだけ神経質で、よく多くの人に支持され、女にもモテるなぁって思いましたね。

女優のキャサリン・ヘプバーン、エヴァ・ガードナー、ジーン・ハーロウなどの美女を次々と落としていき、また誰と付き合っても満足しないところが笑えます。あれだけ神経質で、潔癖症でも女は好きなんですね。キスには不快感を覚えないんですかね。ちょっと彼の頭の構造は想像が付きませんね。

自ら飛行機を操縦し、墜落して大怪我しても決して飛行機に乗ることをやめようとしないあの度胸と情熱に人は魅了されたのでしょうか。あるいは金と権力なんでしょうか。

レオナルド・ディカプリオの演技は相変わらず安定感がありました。独壇場といってもいいでしょう。何気に演技派俳優がたくさん揃っているんですが、ディカプリオがほとんど見せ場を持って行っちゃってましたね。

 

 


苗を植えなければ、木は育たない。

2024年07月09日 13時28分35秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼どんな試練に直面しても、ゆるがぬ決意で生きる人には輝きがある。

人をひきつけてやまない魅力がある。

今いる場所で命を燃焼させよう。

▼何があっても恐れず、迷わず、一切の事態を深く見つめ、乗り越えていくのが、生命哲学なのだ。

生命哲学は、生命の本質、起源、未来についての哲学的考察をいい生物学とは区別される。

▼幸福とは困難がないことではない。

何にものにも負けない強さをもつことだ。

▼苗を植えなければ、木は育たない。

大樹が必要になった時になって苗を植えても手遅れだ。

手を打つべき時を逃してはならない。

これこそ人材育成の基本理念である。

▼自らの信念を生涯貫く人になるのである。

▼頑張れば嬉しいこともある。

▼何のためなのか、目的や使命が明確でなければ、慢心や惰性や欲望に振り回され、大事なものが何か分からなくなってしまうものだ。


創作 彩音(あやね)との別離 17 )

2024年07月09日 10時53分57秒 | 創作欄

実は島田昭は、1年余り大阪の十三駅近くのアパートに在住していていた。

それは、23歳から24歳の時期であった。

入社して1年目に広告営業のために大阪行きを社長か命じられたのだ。

十三駅近くには風俗店があり、アパートの2階の出窓からもネオンサイン等で目立った。

そして、街の雑多な喧噪も聞こえてきた。

アパート隣人の女はキャバレー勤めであり、客を連れ帰ることもあっのだ。

その人は外で出会うと愛想よく挨拶した。

「こんには」の大阪弁のイントネーションは、昭にとっては新鮮に聞こえた。

いわゆる気さくな人柄で、昼間は、化粧は濃くなく好人物に映じた。

特に十三駅西南側の栄町エリアにはパチンコ店、キャバレー、ピンクサロン、ラブホテルなどが密集していた。

このため歓楽街として知られるが、一般客向けの飲食店も多い]繁華街でもある。

大阪は、西日本および近畿地方の首位都市であり、経済・文化・交通の中心都市。

東京に次ぐ日本第2の都市として機能している。

また、近隣の京都市や神戸市と共に、世界有数の経済規模を誇る京阪神大都市圏の都市中枢を成す。

市域は24の行政区からなり、市庁所在地は北区中之島(淀屋橋)。

市域に多数の河川や堀を有し、歴史的にも港湾機能や河川交通が発達していたことから「水都」の異名を持つ。

東京に次ぐ日本第2の都市として機能している。

大阪のほとんどの地域は第二次世界大戦の空襲によって焼失してしまった。

そして、戦後間もない昭和20年の秋に広まった闇市としてスタートしたのが、 鶴橋商店街の始まりでである。

鶴橋の名称はが多く飛来したといわれる平野川旧河道に架かっていた橋名に由来するそうだ。


アンナが育った街である鶴橋は、近鉄とJR(旧国鉄)が交わる鶴橋は戦前から交通・物流の要衝である。
戦時中の空襲でそれらの鉄道が壊滅的な被害を受けなかったことが鶴橋に闇市として機能した要因です。
昭和21年頃にはいくつかの商店街が結成され、現在の商店街の原型が出来始めました。
様々な商品を扱うお店が並んでいたことから「鶴橋に行けばなんでも揃う」と言われてきた。

現在は、JR・近鉄・阪神・地下鉄が交差する鶴橋駅周辺には、高級ブランドから韓国民族衣装まであらゆる衣料品や個性あふれる鶴橋ファッション、装飾品が揃い、キムチなど韓国食品も豊富な「鶴橋商店街振興組合」通称つるしん。

大阪の2大コリアンタウン「大阪コリアタウン」と、「鶴橋コリアタウン」。

雑貨やグルメを楽しみたい人は「大阪コリアタウン」へ、より韓国の色濃い雰囲気を楽しみたい人は「鶴橋コリアタウン」へ向かうのがおすすめとされている。

鶴橋へは、大阪旅行の拠点となる「梅田」駅からも「なんば」駅からも電車で行ける。

「鶴橋」駅を降りるとすぐ、ネオンの看板「鶴橋商店街」の文字見える。

韓国総菜のお店や焼肉屋などが立ち並ぶこのエリアが、「鶴橋コリアタウン」と呼ばれている。

昭は、十三から何度か鶴橋へ行っていた。

飲食店のほか、チマチョゴリなどの日用品も販売しており、韓国の市場のような本格的雰囲気で食事や買い物を楽しめる。

食べ歩きグルメとして人気なのがチヂミ。

「ニラチーズチヂミ」は、国産のニラ・玉ねぎ・にんじんとチーズを使用し、外はパリッと中はモチッとした仕上がりが特徴。

キムチやチーズなど味の種類も豊富なので、自宅用に何枚かテイクアウトする人も多いのだそう。

あの街でアンナは生まれ育ったのかと思うと昭にとっては、ことに感慨深いものがあった。


創作 彩音(あやね)との別離 16)

2024年07月09日 02時11分18秒 | 創作欄

アンナは、鶴橋に実家があり、大阪生まれ、大阪育ちであった。

「アンナ、大阪嫌いなんだ。だから、東京へ来た」

昭は仕事で約1年、大阪に在住したことがあり、「とても、いい街だよ。大阪はね」と言う。

2人はベッドでしばらく休憩する。

酔いもさめてきた。

「大阪は在日の首都である」──。

そう表現したのは、かつて「戦後最大のフィクサー」と呼ばれた許永中だそうだ。

イトマン事件や石橋産業事件で逮捕された彼は、在日韓国人2世として大阪の中津に生まれ、この街をホームグラウンドにした。

 全国の在日韓国・朝鮮人50万人のうち、大阪府には最も多い10万5000人あまりが暮らす。

日本国籍を取得した在日も少なくないため、実際にははるかに多い数の人々が朝鮮半島にルーツを持つと見られる。

「アンナには大阪に彼いたけど、韓国へ行ったきり、戻ってこない。日本ではいいことなかっからね」アンナは涙を浮かべる。

そして、昭の胸に顔を埋める。

2人はホテルを出て駅へ向かう。

アンナは錦糸町の北エリアのアパートに住んでいた。

昭はアンナと駅で別れて中野の自宅に帰る。

そして、東京方面へ向かう総武線の電車内はがらがらであり、彩音から妊娠したことを告げられたことを重く受け止めていた。

 

 

 


創作 彩音(あやね)との別離 15)

2024年07月09日 00時25分44秒 | 創作欄

東京・錦糸町の南口エリアは、下町の雰囲気を感じられる居酒屋やバーが多く立ち並び、墨田区最大のラブホテル街であった。

競馬場の場外馬券場などもあり、男性が好む歓楽街のイメージが強い街であったが、週末には多くのカップルがラブホテルを利用していた。

ホテルの部屋の中央には、ガラス張りの露天風呂がありアンナが「これは、とてもいいね」と無邪気に喜ぶ。

また、浴室マットが設置されているので、バスタイムを満喫できる構造だった。

19歳のアンナは、すでに男を知っているのだろう、衣服を脱ぎ捨て大胆な行動に出る。

詳細は省くが、「あんたも、全部脱ぎな」と昭の体にむしゃぶりつき、手と口で下半身を攻めてくる。

入浴後には、浴室マットでの性行為となる。

昭にとって二人目の女の体であった。

そして彩音との性器との違いを認識することとなる。

その詳細も省く。

「アンナ、あんたと離れなくなるかもしれないよ。いいね」昭はアンナの迫りくるような言葉に愕然とし、落とし穴を感じはじめる。

出来心、成り行きとは言え、想定外にも男と女の関係は複雑に絡みあってゆくものなのだ。