創作 彩音(あやね)との別離 11 )

2024年07月02日 13時30分36秒 | 創作欄

北朝鮮は、ソ連のスターリンの後見で作られた国である。

彩音は、昭との出逢いに運命的な心を抱いた。
そして「あなたには、朝鮮の血が流れているような気がするの」と言った。
だが彼女は、世間の人々が北朝鮮による日本人拉致問題に怒りを募ら憎悪の感情を高めていることに、心を痛めていた。
さらには、朝鮮2世であることに、深く恥じる気持ちとなる。
「あなたに言った、あの時の言葉を取り消したいの」 彩音は昭の胸に抱かれた時に詫びた。
「ええ?どんな言葉ば・・・」昭は彼女の瞳を覗き見た。
「もう、いいの」彼女は涙目になり「別れの予感」と口ずさむ。
「いい声だね」昭は彼女の容貌より、何とも言えぬ甘え声に心を惹かれていた。
「パパが言っていた。お前の声はママにとても似ているよ」
そして、カセットテープに唯一残る妻の声を聴いて涙を流してたそうだ。
「ママ、ママ」彼女は涙声となり、昭の乳房を吸うのである。
「私、あなたの子どもを産んでもいいかしら」彼女は身を起こし、昭の目を凝視した。
「子ども?」昭も身を起こす。
「生理が止まっているのよ」
彩音は、昭との関係を日記に綴っていた。
それまで、日記など一度も書いたとはなかった。
昭は、重い現実に直面する思いがしてきた。

そして、しばし首を垂れ沈黙する
「いいの、それとも、ダメなの」彼女は昭の両手をきつく握り絞めた


一人一人が力をつけ成長することだ

2024年07月02日 12時03分29秒 | 社会・文化・政治・経済

▼21世紀に入ってから、まもなく4分の1が経とうとしている。

世界が多くの危機に直面する中、すべての人々の生存の権利と尊厳が守られる「生命の世紀」を、どのように築いていけばよいのか。

「共生」そして「世界市民」の育成へ。

▼世界を生存競争の場ではなく、人類の「共同生活」の舞台として受け止める。

そのために、地理的な知識や経済的なつながりへの認識を深めることである。

▼社会の不幸に目をつぶり、宗教の世界に閉じこもり、安閑としているのであれば、宗教の本来の価値はない。

この世の悲惨をなくす、不幸をなくす。

人権を、人間の尊厳を守る。

平和な社会を築いていく。

そのなかにこそ、宗教の実践があるのだ。

▼一人一人が力をつけ成長することだ。

多くの友をつくり、正義の陣列を拡大することだ。

信心は、恰好ではない。

口先でもない「行動」である。

「一人立つ」かどうかである。

自他友の幸福を開く対話に挑戦することだ。

<一人>に希望を送る希望の対話を進めのである。

▼「心の声」にまで耳を傾け、寄り添えるかどうかだ。

社会全体の在り方も問わている。

 


「学びは希望と生きる力を与える」

2024年07月02日 11時26分09秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼「学び」こそが生き抜く希望となる。

▼君にが自分で自分を、ダメだと思っても、私はそうは思わない。

あなたが自分で自分を見捨ててしまっても、私は見捨てない。

何があっても見捨てないとの思いで、生徒を支えていく。

子どもには困難を乗り越え、自分の可能性を開く力があると信じることだ。

そして、「学びは希望と生きる力を与える」ものだ。

▼あなたは、あなたらしく生きることだ。

どんな「短所」があっても、「長所」にならない「短所」はないのです。

現状を嘆くのではなく、他の方法で補おうと決意すると、不安が消え、希望が湧いてきた。

▼自分のことを見捨てず、信じ抜いていてくれる先生がいる―そう思えることが、子どもたちにとって、どれだけ生きる勇気になり、伸びる力になるか、計りしりません。

「先生が僕を信じてくれたように、これから人を信じていくから」生徒からそんな言葉をかけられた。

生徒のありのままを受け入れ、彼らが生きる喜びをつかむまで関わる教育者でありと思います―福岡・高等専修学校の松本 雅昭校長

▼努力を褒めることが子どものやり抜く力を育む。

挑戦する姿勢を称えたい。

▼人は、人生最高の大きな目的観を持つことだ。

▼左脳は論理的思考をつかさどり、右脳は創造的思考を支配する。

左脳に関する記憶力などは老化とともに衰える。

だが、右脳に関する創造性はそうでもないという。

人の長所を見つけ、褒めたたえる<心のゆとり>によって右脳の働きは活発化するらしい。

さらに褒められた相手の右脳も、尊敬されたことで働きが増すともされている。

 

 

 


平和を人間社会の最高の価値とする

2024年07月02日 10時30分28秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▼こどもまんなか社会とは―子どもが安心して過ごせる場がもっと増えていくことだ。

「大人と子どもが対話する社会だ」日本大学の芳教授

対話の積み重ねが大切なのだ。

▼新しい時代の主役は青年である。

あたらしい人材を見つけ、育てていく。

不屈の闘争心がみなぎる青年を育成していく以外に、組織・国の未来もない。

思うに、米国に若い大統領候補者はなぜいないのか?

▼混迷する現代にあって、平和を希求する理念と、差異を乗り越え、「人間愛に基づく行動」を共にすることが期待される。

▼世俗の権力や経済力などを超えて、それぞれが本来備えている「美」「善」という人間性を取り戻すべきだ。

そのためには、「対話を通して、互いを知る」「教育」「美術」「文化」の交流が大切だ。

▼分断を乗り越えるための、兄弟愛と社会的友情が重要だ。

この精神に基づき、各界の識者が差異を超えて、地球課題の解決を巡り論議する場として「人類の友愛のための世界会議」がバチカン市国とイタリア・ローマで始まった。

▼会議における「平和宣言」では、「私たちは戦争を拒否する―武器よりも外交を優先させる」を掲げた。

そして、「平和を人間社会の最高の価値とする」ことが、人類にとって喫緊の課題であることを「平和宣言」で訴えた。

 

 


創作 彩音(あやね)との別離 10)

2024年07月02日 00時46分32秒 | 創作欄

昭は、母親の喜代に、幼い頃か常に抑えつけられて生きてきた。
母は、夫の不甲斐なさから、一人息子の昭に期待していたのだが、息子はことごとく母に逆らってきた。
大学の受験の際も「昭、理科系に行きなさい」と諭した。
だが、昭は母親の願いに逆らい「国文学科」へ進学する。
当時、看護婦だった母は「せめて、教師になってね」と息子に期待した。
そんな息子は、変な正義感から学生運動へ傾倒していったのだ。
昭に近づいてきた同期生の園田明美は、ガチガチの共産党員であった。
「この、ダメな日本変えるのよ」明美は度々、昭を会合へ誘う。
だが、昭は最終的に共産主義へ傾倒することはなかった。
近代文学を専攻する昭は、明治・大正文学を読み進むなかで、段々と森鷗外の文学に傾倒していく。
昭は、大学のマドンナとも称された亀田祥子に心が大きく惹かれていく。
そして、「謎の女」と想われた祥子に対して、森鷗外の文学の世界と重ねてゆくのだ。
実は、彩音は祥子と面影が似ていた。
祥子は、同期生と23歳の時に結婚していた。
相手は、昭がライバル視した唯一の男であった。
彼とは特に親友であったのに、昭は結婚式には呼ばれなかったが、むしろ、そのことが密かに愛した祥子の心の配慮とも想われた。

実は昭は祥子に対して、3度もラブレターを送っていたのだ。

「あなたからの、お手紙、3度読み返しました。もったいないような、嬉しいような、とても複雑な気持ちになったの。もう少し早く、あなたの心を知っていたなら・・・」祥子の返事に昭の心を揺さぶった。

昭は、彩音の存在を母親に打ち明けた。

「彼女は、北朝鮮2世の人なんだ、でも結婚したい」昭は正直に彩音への思いを吐露する。

「ええ!北朝鮮の女、絶対にダメ!結婚なんてとんでもない、昭いいわね。許せない!」母親は眉間に皺よ寄せて激しいく言い放っのだ。