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新型コロナは結局、本当に「恐ろしいウイルス」なのか…日本人の反応は正しいか 今、ウイルスより怖いものとは

2020年11月16日 16時06分31秒 | 医科・歯科・介護

プレジデント Digital

西川 修一

プレジデント編集部

新型コロナウイルスについて、「ヤバい、怖い」「いや実は怖くない」という双方の声が錯綜し続けている。今、何をもってそこを判断すべきか。

感染性胃腸炎で“自粛”するか
「2週間後はわからない」……このセリフを何度きいただろうか。7月以降、新型コロナ感染者数の全国的な増加とともに、小池百合子都知事をはじめ全国各地の都道府県知事が前面に出て、記者会見でボードを掲げながら警戒を呼び掛け、それをもっぱらテレビが煽り続けてきた。

しかし、その感染者数の増加に見合った上昇をいっこうに見せないのが重症者・死亡者の数だ。8月に入ってもペースは変わらず、8月15日時点で重症者・死亡者はそれぞれ232人、1087人。7月1日の同37名、974人と比較すると、「激増する2週間後」は逃げ水のように先延ばしされてきた。

しかも、死亡者がガンや心臓病など他の疾病がもとで入院していた患者でも、生前コロナ検査で陽性が出ていたらコロナ死者としてカウントされている(6月18日付厚生労働省「新型コロナウイルス感染症患者の急変及び死亡時の連絡について」)、つまり死亡の主因が新型コロナでなくても、コロナによる死亡者としてカウントされる可能性があるにもかかわらず、である。

不謹慎を承知で言うと、あと半年で同数の人が亡くなったとしても、年間の死亡者数では結核の2306人、インフルエンザの2569人、感染性胃腸炎の2320人(2017年、厚生労働省「人口動態調査」より)とほぼ同等程度となる。インフルエンザや胃腸炎で自粛を考える日本人など皆無だろう。

国ぐるみで怖がるにも、程度がある
欧米と比べて重症者・死亡者が少ない理由、いわゆる「ファクターX」が何なのかは、いまだに不明だ。とはいえ、約半年間にわたる重症者・死亡者数の推移というリアルなデータがすでにあり、「弱毒化しているのでは?」という声すら聞こえ始めている。

国立感染症研究所は、現在蔓延している新型コロナウイルスは「欧州型の変異」であり、弱毒化という見方を否定しているが、今後、経済活動を止めないと飛躍的に重症者・死亡者が増える「可能性がある」と主張するメディアは、推論でもいいからもう少しそれに見合った根拠を示すべきではないか。それ無しでは社会の木鐸ぼくたくでも警鐘でもない、かなりタチの悪い煽りである。

もちろんウイルスの変異への警戒は怠れないし、それを感知するのもまた医療現場頼みではある。後遺症を考えればただの風邪とも割り切りづらい。が、感染しても発症するのは少数、発症しても死に至る可能性が小さいままの感染症なら、国ぐるみで怖がるにも程度がある。不幸にして感染・発症したり、死亡した方々、遺族の方々の苦しみには言葉もないが、そこを直接ケアするのは政治の仕事ではあるまい。

4月以降の緊急事態宣言下で、日本経済や企業にどれだけひどいことが起こったのかが、さまざまな指標から明らかになってきた。経済活動とは、単なる金儲けのことではなく人間の生活・活動そのものである。このうえ感染者数の増加のみを恐れて、再び緊急事態宣言で経済活動を止めようものなら、日本と日本国民は奈落の底に落ちかねない。

何のためのPCR検査なのか
混乱の大本は、やはりPCR検査ではないか。PCRの検査数について「とにかく増やせ」と「その必要なし」というシロか黒かの二元論は無意味であり、やるなら「感染ストップにつなげるためには、どう効率的・効果的に検査するか」がまず問われ、それを前提に増やせる範囲で増やす。検査数さえ増やせば感染が止まるかのような理屈は噴飯ものだ。

そもそも何のためのPCR検査なのか。日本国内の感染状況をくまなく調べてから対策を練る……という杓子定規な発想は、検査体制のキャパシティを無視した机上論と思われる。このやり方を理想と考えるような人は「感染者が本当はどれだけいるか、早く把握しないと」と焦っているのだろうが、、今わかっている以上に広がっていながらこの重症者・死亡者数ならなおのこと、集団免疫に言及するまでもなく、新型コロナウイルスの恐さの度合いは下がる。

ウイルスに暴露しても「98%は気づかぬうちに治癒」
薄く広く無差別に検査を行うと、どんな不都合が起こるのか。そもそも米疾病予防管理センター(CDC)のPCR検査の概要の説明書きに“Detection of viral RNA may not indicate the presence of infectious virus or that 2019-nCoV is the causative agent for clinical symptoms.”〔(この検査キットが)ウイルスのRNAを検出したからといって、感染性ウイルスが存在するとも、その症状の原因であるとも限らない〕という注意書きがある。医師や専門家の間で、新型コロナ対策における使い方を疑問視あるいは全否定する声もきかれる検査手法ではあるのだ。

たとえば、国際医療福祉大学の高橋泰教授の試算をもとに見てみよう。

高橋氏は7段階の感染モデル、すなわち(⓪感染したことがない、①暴露したが感染したことがない、②感染したが自然治癒で対応する、③獲得免疫が動き始める、④新型コロナが全身に広がり肺炎や消火器症状が現れる、⑤サイトカインストームが出現し、急速に重症化する、⑥死亡する)を提示した。そこで、新型コロナウイルスに暴露した人の98%は新型コロナウイルスを①ないし②で処理してしまい、③に至るのは暴露した人の3%程度、うち⑤以降まで進む人は20代で0.0001%、30代~50代で0.0003%、60代で0.15%、70代以降で0.3%と試算し(社会保険旬報7月1日付)、その結果、日本人の死者は多くて約3800人とカウントしている。あくまで試算とはいえ、多くの日本人の実感に近い値ではないだろうか。

ちなみにPCR検査で陽性反応が出るのは②以降だという。無差別に検査を行って陽性者を山ほど検出しても、その9割以上が自然治癒ですんでしまうなら、感染者数のみの増減に一喜一憂してもまったく意味がないことがよくわかる。「ウイルスが侵入しただけ」の陽性者と、「ウイルスが体内で増殖を始めた」感染者とをひっくるめて「感染者」と称するやり方はすでに多方面から非難を浴びている。

それなのに、新型コロナが指定感染症であるがゆえに、無症状の患者にまで機械的に医療資源を割り振らねばならず、かえって肝心の重症者へのケアがおろそかになりかねない。いっそ新型コロナを指定感染症から外せば、この鬱陶しいサイクルから自由になれるだろう。無症状の者は可能な限り自宅などで独力で静かに治癒してもらい、老人や基礎疾患を持つ者との接触だけは厳重に留意しておく、という具合。線引きは難しいが、これをうまくやれば医療現場のムダな負担が減るだろう。

いかなる情報提供も、本質的に「煽り」である
しかし、いかに正確なファクトをそろえたところで、人や人の集団が一度信じた不安・恐怖心を、改めて抑えきるのはきわめて難しい。特に今回の新型コロナの場合、まだ日本で感染が拡大していない頃に、最初の感染拡大地である中国・武漢市やイタリア、米ニューヨークでの悲惨なSNS映像が流れ込み、大勢の人々に恐怖心を植え付けた。志村けんさん、岡江久美子さんが感染して亡くなったという報道も無視できまい。

その後、新型コロナウイルスに関して、世界中でさまざまな分析やデータの判明・蓄積が進み、そのアナウンスもされてきたが、人と人の集団の行動はファクトより情動に左右される。マスメディアも視聴率・購買数やPVを稼ぐためにも、もっぱらその情動を起こすポイントを突くことに精を出す。同じファクトでも、「嘘ではない」と言い訳できる程度に角度をつけたり、意図した情報の取捨選択を行っている。

それを煽りと批判するのはたやすいが、新しいネタであれ、知的な情報であれ、下世話なネタやフェイクであれ、情報の提供は受け手に何らかの情動を引き起こすことを旨とするという意味で、本質的に「煽り」である。しかも不安や恐怖心を突く“低次元”の情報ほど発信がたやすく、また実入りにもつながる。いかなる情報発信者も、大小の差こそあれ、この「煽る者」の範疇から逃れることはできない。

怖いのは、ウイルスよりも不安定な人心

情報の受け手が不安や恐怖を抑えるには、こうした情報発信者の性癖を弁えたうえで取捨選択を行う必要がある。そのうえで「この人なら」「この媒体なら」と決め打ちして頼るのも、あくまで暫定程度にとどめておく。現在進行形の事態ゆえ、情報の更新は絶えず行い、自分や他人の行動や物言いに「一貫性」を求めるのはやめたほうがいいだろう。

半年前よりも、新型コロナが怖がる必要のないウイルスであることが判明しつつあるが、怖いのはウイルスよりも不安定な人心である。「頭ではわかっていても、どうにもならない」不安や恐怖心を抑えるすべは、最終的に情報の受け手が自力で獲得するしかないのだ。

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新型コロナウィルスは怖いか?─“正しく怖れる”ために─

2020年11月16日 16時06分31秒 | 医科・歯科・介護

新潟市医師会 永井 明彦

はじめに

中国の武漢市発祥の新型コロナウィルスCOVID-19(2019-nCoV、SARS-CoV-2)が猛威を振るっている。2月29日には、時間の問題だったが、初めての感染者が新潟市でも確認され、米国でも初の死者が報告された。10年前に新型インフルエンザ(A/H1N109pdm)がパンデミックとなって日本に上陸した折に「新型インフルエンザは怖いか?」と題した一文を新潟県医師会報に投稿したことがある。COVID-19は特殊な肺炎を併発するというので、痩せても枯れても呼吸器内科医の端くれとして、大いなる関心を持って今後に備えるべく、この拙文を投稿し、ご批判を仰ごうと思う。

怖れるべきはインフォデミック

中国政府とWHOが言わば“悪魔の握手”をして拡がった新型ウィルス感染症だが、当初WHOは、今回の新型感染症は「パンデミックでないエピデミックなアウトブレイクに留まっているが、根拠のない偽情報が大量に拡散するインフォデミックが起きている」と注意を喚起していた。しかし、最近は「ウィルスの重大な変異はみられないが、パンデミックになる潜在的な可能性を秘めている」と警戒感を強めた。かの寺田寅彦博士も浅間山噴火の際に「正当に怖れよ」と宣われたが、新興感染症を“正しく怖れる”には、誤った情報に振り回されてパニックに陥ることなく、正確な情報を得る必要がある。浮き足だったメディアや政治家の言葉に惑わされず、COVID-19は数ある新興ウィルス感染症の一つとして冷静に捉えることが肝要だと思う。今回の新型ウィルス感染症対策では、純粋な感染症医学的な問題と公衆衛生学的アプローチなどの問題が絡み合って対応を複雑にしているので、様々な角度から情報を整理してみたい。

ウィルス感染症としての諸問題

3月2日現在、COVID-19の感染者は中国では8万人を超え、死者は2900人となりSARSによる死者数を瞬く間に凌駕した。しかし、その致死率はSARSの9.6%、MERSの34.5%に比べれば遙かに低い。軽症者が把握されていない武漢の感染者数は40倍に上るとも言われており、医療崩壊の起きた同市の見かけ上の致死率3.5%はかなり高いが、中国での湖北省以外では致死率は0.17%と低く、インフルエンザの0.02%をやや上回る程度である。

人に感染するコロナウィルスは全部で7種類あり、4種類は一般的な風邪のウィルスとして多くの子供が感染する。コロナウィルスゲノム(全遺伝情報)の塩基配列に共通する部分があり、子供達は乳幼児期にしょっちゅう風邪をひくことによって新型コロナウィルスに対しても何らかの交差免疫を獲得している可能性が高く、幸いなことに中国でも子供の犠牲者はほとんどいない。ただ、米国ではインフルエンザが今年大流行し、変異したB型ウィルスで多くの子供達が犠牲になったことは、皮肉で痛ましいという他はない。今シーズン、日本ではインフルエンザはあまり流行していない。記録的な暖冬のせいもあるが、ひょっとしたら既に蔓延しているCOVID-19と競合して発生が少ないのではという怖ろしい可能性も否定できない。新型肺炎を警戒して手洗い、マスク装着、アルコール消毒をする人が増えたのが主な理由かも知れない。

COVID-19はウィルスの発生源とされる武漢市の海鮮市場で、販売ルートにあったコウモリから希少動物のセンザンコウを介してヒトに拡がったのではないかと言われており、既に昨年11月下旬にヒト・ヒト感染が始まったのではと推測されている。しかもこのウィルスは構造が異なる2つのタイプ、即ち遺伝子を構成するアミノ酸配列の一部がLeucineのL亜型(70%)と、SerineのS亜型(30%)が存在することが解ってきた。L型はSARSのように感染力が強く重症化しやすいが、拡がり方は限定的である。一方のS型はコウモリから検出されたコロナウィルスに遺伝子的に近い古い型で、症状は軽いが、感染は遷延するらしい。L型は武漢で爆発的流行が起きた時期に多く確認されたが、1月初旬以降は減少してきている。

感染様式と新型肺炎の臨床像

この新型ウィルスは飛沫感染や接触感染で感染するが、エアロゾル感染という空気感染に極めて近い感染様式も指摘されている。飛沫感染より感染力が強く、換気の悪い密閉空間で集団感染をきたすようだ。ライブ空間やスポーツジム、卓球大会などでのクラスター感染の可能性が報告されているが、そのエアロゾル感染が伝播様式なのかも知れない。また、涙を介して感染するという報道もある。乾燥したドアノブなどに付着しても、普通ウィルスは半日程度しか生きられないが、COVID-19は6日も生存するとの報告もあり、生命力の強いこの厄介なウィルスの伝播には接触感染が果たす役割も無視できない。基本再生産数という指標で表すウィルスの感染力は2.2人で、インフルエンザやSARSと同じレベルだとのことだが、感染様式や拡がり方をみていると実際の基本再生産数はもっと多く、感染率はインフルエンザは勿論のこと、SARSやMERSよりも遙かに高い。新型ウィルスの表面タンパク質分子がヒトの感染標的細胞に付着しやすい立体構造をしているとの報告もある。中国での重症化率は当初は23%と高かったが、感染者数が増えるに従って低下し、13%まで低下している。武漢での医療従事者の重症化率は6.7%であり、重症化率は感染者の総数が掴めないために過大に評価されるが、その点、医療従事者の重症化率は正確で貴重なデータである。現時点で我が国では不顕性感染を含む軽症が82%、重症が14%、重篤ないし死亡例が4%を占めるが、重篤な症例の半数が回復しているという。感染者の8割が他人に感染させていないともいわれており、ひょっとしたら日本でもL型ウィルスが減って、S型が流行の中心になっている可能性がある。

COVID-19感染は感冒や上気道感染と同様に発熱と呼吸器症状で始まるが、結膜炎で発症する場合もあり、日本眼科学会は会員に注意を喚起した。武漢で最初に殉職した医師は眼科医だった。ゴーグル着用の必要性を強調する論文もある。また、初期にはSARSでみられた嘔吐や下痢(3%)も報告されている。

重症例では高熱、倦怠感、乾性咳嗽、DOE(体動時の息切れ)が加わり、白血球増多はないがリンパ球が減少し、CRPは中等度陽性でLDH値が上昇、PTTが延長する。下気道感染としての肺炎は胸部CTでみる限り、辺縁性ないし限局性のスリガラス陰影が主体で、air bronchogramを伴うような濃厚な肺胞性肺炎様浸潤影や胸水や肺門リンパ節腫脹は認められない。コロナウィルスはⅡ型肺胞上皮細胞上のレセプターであるACE2を介して上皮細胞内に侵入し、間質の炎症を惹起する。喫煙は肺胞上皮細胞のACE2発現を増強し、禁煙でウィルス結合性が低下する。中国人を始めとして、喫煙者の多い東アジアの人間はACE2を規定する遺伝子比率が高いことも解っている。喫煙や加齢で損傷された肺がCOVID-19の侵襲を容易にするようだ。いずれにせよ、基本的に新型肺炎はウィルス性間質性肺炎でⅠ型呼吸不全を来たすが、多くは人工換気が必要になるほどではない。人工換気が必要な場合には、挿管してレスピレータを装着するのを避けてNPPV(非侵襲的陽圧換気)を使用しないと、武漢の大学病院のようにウィルスを飛散させて院内感染を招いてしまう。またARDS(急性呼吸窮迫症候群)の治療に用いるECMO(体外式膜型人工肺)が必要になるケースもある。持病のある高齢の感染者に不用意にNSAIDsを使用するとcytokine stormをきたし、DAD(びまん性肺胞障害)やARDSに至り、MOF(多臓器不全)で死亡する。

COVID-19の治療

このウィルスは「狡知で陰湿であり、決定的な治療法が存在しない」と上海中山医院の胡必傑教授は言う。カレトラなどの抗HIV治療薬が有効との報告があったが、副作用としての下痢が高度な上に治癒との関連性が不明で、推奨されていない。高病原性鳥インフルエンザH5N1の流行に備えて、200万人分が国に備蓄されているアビガン(ファビピラビル)は、同じRNAウィルスのエボラ出血熱に効果があったRNA複製阻害薬だが、中国科学技術部の少数例の報告でも最も有望とされ、治療の切り札になるかも知れない。催奇形性があり妊婦には使えないが、我が国でも試験投与が始まるようだ。他に期待されるのはレムデシビル、リン酸クロロキン、インターフェロン、さらに漢方薬の「清肺排毒湯」も有効であり、治癒患者の血漿に著しい治療効果があるとの報告もある。直近では気管支喘息治療薬である吸入ステロイドのオルベスコ(シクレソニド)に抗ウィルス作用があり、重症患者に有効だったとのレポートがあった。

遺伝子増幅(PCR)検査と簡易迅速診断

COVID-19感染の診断は、現時点では遺伝子検査(real time PCR検査)に頼らざるを得ない。PCR検査は2月までは感染を疑っても帰国者・接触者外来を通したルートで公費負担の“行政検査”として国立感染研か都道府県の衛生研でしか検査できなかった。しかも、入院が必要な重症肺炎患者でないと検査を断られた。2月までは保健所を通したルート以外で検査をすると、医療機関の持ち出しはおろか、混合診療とされる可能性があった。

PCR検査を保険に収載して大学の研究機関やSRLやBMLなどの大手の民間検査会社を競争に参入させれば、瞬く間に国内でもウィルス検査が広く行われるようになり、国民の不安を解消し、国内の感染状況を正確に把握し、感染の拡大を防ぐことに繋がるのではないかと思っていたら、3月第1週に漸く公的保険が適用されることになった。100万人のPCR検査をしても1件1万8000円程度だから200億円を下回り、国が全額を負担してもオスプレイ一機分だ。民間の検査レベルも上がっており、感染研などと比べても遜色ない。国内の民間検査会社は約100社あり、全体で900のラボを持つという。それぞれが1日100検体を検査すれば9万件に上り、韓国と遜色ない検査体制を構築できる。検査要件をできるだけ緩和して“検査難民”を減らしたいものだ。ただ、COVID-19は指定伝染病に指定されたためにPCR陽性だと入院させなければならず、検査数を増やすと医療機関がパンクする心配がない訳ではないが、法律の解釈や運用を変更して軽症者は自宅待機させればよい。さらに家族への感染を避けるために旅館やホテルを借り上げ、隔離療養施設(サナトリウム)として活用する方法もある。

民間のPCR検査を認めてこなかったのは、厚労省と一体である国立感染症研究所(旧陸軍伝染病研究所)の検査法の独自開発に予算を付けてしまったからか、或いは東京五輪開催という至上命令のために汚染国のイメージを嫌い、国内での患者発生数を小さく見せようとしたからではないか。予算も人も大幅にカットされた感染研のOBが、衛生研から上がるデータを独占して自身の研究業績に結び付けたいから民間の検査を止めていたという、他の感染研OBからの衝撃的な告発もある。

ところで、新潟市の初感染例で判明したように、最初に陽性患者を診た医療機関が2週間診療を自粛しなければというのは死活問題である。日医は国が何らかの形で休業補償をするべきと要求し、ウィルスが蔓延しているとすれば、診療を自粛しても意味がないとの疫学的意見も具申すべきだ。今後は軽症例は全ての医療機関で対応し、指定病院が重症例の治療に当たる体制の確立が必要になろう。

既にウィルス分離に成功しており、国内でもELISAやイムノクロマト法などを利用した簡易抗体検査キットの開発が進んでいるものと思われる。SARSの場合は半年で流行が終息してしまい、検査キットの開発は中途で断念された経緯がある。コロナウィルスはインフルエンザやエイズやエボラ出血熱ウィルスと同様の一本鎖RNAウィルスであり、エンベロープを持つためアルコールで失活するが、DNAウィルスと異なって変異しやすい。そのために簡易検査の開発には時間がかかる可能性がある。エボラ出血熱ウィルスの検査キットを手がけたデンカ生研が、五泉の鏡田工場を拠点に15分以内に診断できる簡易検査キットの開発に乗り出した。中国では微少流体チップ技術を応用して従来のPCR検査の時間を短縮する装置を開発し、さらに理化学研究所と神奈川県衛生研究所は、温度調節が不要で遺伝子の増幅にかかる時間を一般的なPCR法の6時間から20分へと大幅に短縮したSmartAmp法を開発したと発表している。

臨船検疫と公衆衛生学的アプローチ

武漢が封鎖された日、既に武漢からの避難旅行客が9000人も成田空港に降り立ったという。その中に無症候性の隠れウィルスキャリアーで「チフスのメアリー」のようなスーパースプレッダー(中国語で「毒王」)がいて、札幌の雪祭りに参加するなどして北海道での感染拡大に寄与したのかもしれない。イタリアのロンバルディア州でもサッカー試合やハーフマラソンに参加した毒王がいたという。WHOが当初長くても12.5日(平均5.2日)としていた潜伏期間が、最長24日間だったという報告もある。日本国内でも感染経路が不明で疫学的リンクが追えない市中感染が起きており、我が国はアジアでは中国と韓国に次ぐ感染蔓延地となりつつある。経済的利益のために隣国の中国という大国に遠慮して、現在の窮状を招いたとも言える。

厚労省は今回もピントのずれた「水際対策」に拘り、国内での感染拡大抑制対策が遅れたA/H1N109pdmの流行時と同じ過ちを犯した。しかも無益な臨船検疫に固執するあまり、横浜に寄港したクルーズ船のダイアモンド・プリンセス(DP)の乗客を降ろすタイミングを見誤り、感染と非感染のゾーンニングも不充分で“船内”集団感染を招いてしまった。実はDPには乗客が体験できるカジノ施設があり、IR(統合型リゾート)誘致に熱心な横浜市に寄港した理由はそこにあるのだが、皮肉な結果と言うしかない。以前は外国籍の船舶を管理する権利は船籍のある国にある(旗国主義)とされていたが、グローバル化により対応できない事案が増え、船舶が寄港する沿岸諸国が管理する権利(寄港国管轄権)が拡大している。DPは英国船籍だが、乗客の国籍は各国にまたがり、対応困難な初めてのケースであった。高齢の日本人が多数乗船しているという特殊な状況であったにしても、厚労省には先を見据えた防疫という観念が欠けていたと言わざるを得ない。

欧米メディアは「閉鎖空間である船内に留めることで感染のリスクを高め、公衆衛生危機の際に行ってはならない対応の見本」だと批判し、DPは武漢に次ぐ新型肺炎の「第2の震源地」だとか、「海上のペトリ(培養)シャーレ」のようだと散々な言い方をしている。米国内で船内に乗客乗員を待機させ続ける日本政府の対応を疑問視する声が高まり、チャーター機で米国人客らを帰国させ、他国もそれに続いた。当初は船内での検疫はよくやっていると、米国大統領は自国に帰国させることを断ったという。船内感染を怖れるなら何故、米国人乗客を米軍基地内に隔離しなかったのだろう。横田基地の汚染を忌避したのだろうか。ことの真偽はさておき、日米地位協定には抵触しない形で、米国が治外法権を行使しなかったのは謎である。そして、直近の情報として、DPを運行していたプリンセス・クルーズ社所有の姉妹船「グランド・プリンセス」が、ハワイから戻ったあとDPと同様の事態に陥り、サンフランシスコ沖に停泊させられている。このクルーズ船の下船者の中に新型肺炎で死亡したアメリカ人男性が含まれていたという。約2500人の乗客の半数はカリフォルニア州民で、感染の可能性がある100人が緊急検査を受けている。実はアメリカも日本と同じくPCR検査が充分に行われていない国であり、米国政府の対応が注目されるところだ。

厚労省の当事者能力と政府の目論見

DPで臨船検疫にあたった厚労省職員(延べ90人)の内、発熱なく無症状の職員43名が、初期対応のDMATの医師も含め、ウィルス検査を受けずに元の職場に復帰したというのには驚いた。何とその理由が陽性者が多く出た場合の厚労省の業務への影響が大きいと懸念したからだという。結局、検疫業務にあたった政府職員やDPATの医師など8名もの感染が明らかになっている。緊張感も危機感も責任感も欠如していたとしか思えない。PCR検査が陰性化した乗客が下船後に公共交通機関を使って帰宅し、再び検査陽性となったケースが栃木と仙台と静岡であった。中国で14%の再燃患者がいると報告されているにも拘らず、再隔離せず、危機管理能力のなさを露呈した。厚労省の医系技官や政府の専門家会議に臨床医がいないという問題を指摘する向きも多い。米国CDC(疾病予防管理センター)の医系技官には、第一線の病院で週に一度は外来患者を診療する義務が課せられ、肌で感じた医療現場の空気や問題が医療政策に反映されている。厚労省の医系技官にも医療の現場と本省を往き来しながら絶えず実情にマッチした医療政策を考えることを期待したい。

一方で、政府は船内の発症者数を日本人患者数にカウントしないで欲しいとWHOや報道機関に要請し、新感染症のアウトブレイクに対応するWHOへの協力金として1000万ドルを拠出した。お金に物を言わせて国内の感染者数を少なく見せようとしたのは問題だ。観光立国や成長戦略の目玉としてのインバウンド依存による経済政策には、どだい無理がある。さらに言えば、新型肺炎対策に手を拱いてダメージコントロールできないでいる裏には、実は改憲して緊急事態条項の制定が必要ではと国民に思わせる火事場泥棒的な目論見がありそうで不安になる。挙げ句に新型肺炎の流行が及ぼす社会保障費の増大に備え、財務省OBが所属するIMFに消費税を15%に上げるべきと提言させるに至っては、何をか況んやであり、こういった政府の姿勢が初動の遅れや付け焼き刃的な対応を招いたのではないだろうか。2月27日に政府は唐突に全国の小中高校に臨時休校を呼びかける異例の要請をした。対策が後手に回っているという批判が高まり、内閣支持率も下落していることを受け、官邸が指導力をアピールしようとしたようだ。インフルエンザと違って潜伏期間の長いCOVID-19の場合、学校閉鎖に効果があるとは思えない。子供はコロナウィルスに感染しても軽症で済むし、休校で感染者が減るという科学的事実は乏しいと言う識者も多い。親が仕事を休めない家庭への影響も大きい。北海道では看護師が子供の世話で出勤できなくなり、外来業務を休止した病院がある。大切なのは高齢者介護施設へのCOVID-19の侵入を如何に防ぐかという公衆衛生上の戦略である。

おわりに

3月2日、WHOは韓国、イタリア、イランとともに日本を感染拡大の「最大の懸念国」に指定した。我が国は今のところPCR検査実施数が圧倒的に少なく、感染実態が捕捉されていないため、実際の感染者数は公表された数値より遙かに多いと考えられている。残念ながら日本は世界から特別な「汚染国」と思われていることを、肝に銘じなければいけない。

パンデミックとなる可能性が高いCOVID-19の流行を抑えるには、感染や流行のピークを低く遅く後ろにずらして抗ウィルス薬やワクチンの開発を待つしかない。新興ウィルス感染症は集団免疫が構築されて大体が湿度が高く暑い夏に終息する。A/H1N109pdmは2000万人の日本人が感染して11ヶ月で終息し、SARSは6ヶ月で終息したが、COVID-19が同様に半年で終息するかは不明である。真夏の南半球で感染が拡がり、赤道直下で高温多湿のシンガポールでも感染者が100人を超えており、COVID-19は暑さにも強いようだ。感染性の強さも相俟って終息するにはある程度の期間を要するかも知れない。流行が思ったより長引き、東京五輪を3ヶ月ほど延期して秋に開催できることになれば、米国NBCの放映権料をキープしたまま真夏の暑熱対策が不要になる。そうなれば「災い転じて福となす」ことになり、不幸中の幸いとも言うべきベスト・シナリオだが、有力なIOC委員が延期や中止をほのめかしており、希望的観測は決して許されない。

今回のような中央集権型の危機管理では国民不在の姿勢が目立ち、DPに乗った4000人の対応にも苦慮した。数十万人単位の被災者が出た東日本大震災では、市町村や都道府県にある程度の権限を委譲して対応できた。検査体制だけでなく医療看護体制も国に依存せず、地方に権限を委譲し、地域の実情や医療資源に応じた対策を講じるべきであろう。

日本の全土が武漢化して、オリンピックどころでなくなり、リーマンショックを上回るコロナショックが起きることがないよう祈りつつ、多くの情報を整理しきれないまま記載し、長文に堕したことをお詫びして擱筆したい。

(COVID-19に関する種々のデータは2020年3月2日現在のものを参照した)


「取手の美は空間の美である」高村光太郎の言葉

2020年11月16日 15時09分14秒 | 社会・文化・政治・経済

取手市の魅力

茨城県南の玄関口として江戸時代から水運、陸運の要所となった取手市。
なんといっても最大の魅力は、雄大な利根川の流れ。
四季を通じて野鳥の観察ができ、河川敷を利用した緑地運動公園やゴルフ場など市民の憩いの場として、利根川と人々との関わりの深さを感じさせます。


延命寺の太子堂
現在の延命寺附近で將門軍と藤原秀郷軍の戦が行われたと云う。


歴史にまつわる史跡なども多く残り、旧取手宿本陣、竜禅寺三仏堂、長禅寺三世堂などの見所もあります。

旧取手宿本陣は寛政7年(1795)に建築され、水戸街道に残る本陣建築では最古・最大のものです。
歴代の水戸藩主との深いつながりを示す品々や、多くの古文書が伝えられています。
茨城県の有形文化財として指定されています。

徳川家康公の重臣本多重次「鬼作左」菩提寺の本願寺には、「一筆啓上・・・」で有名な碑もある。
日本一短い手紙として有名な「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」の一文は、重次が天正3年(1575年)の長篠の戦いの陣中から妻にあてて書いた手紙である。 この「お仙」は当時幼子であった嫡子・仙千代(成重)のことである。 
越前丸岡藩の初代藩主。徳川氏の家臣。本多重次の長男。 

四季折々の美しい自然環境。

東京芸大取手キャンパス

アートの街ともなる。

取手ゆかりの人々

俳人小林一茶

女性運動家の先駆者平塚らいてう

小説家菊池 幽芳

茨城県尋常中学校(現在の茨城県立水戸第一高等学校)を卒業し、茨城県県北相馬郡取手(現在取手市)の取手高等小学校(現在の取手市立取手小学校)の教師となる。

詩人高村光太郎

画聖小川芋銭

作家坂口安吾

岡堰
(取手市)江戸時代からの岡は堰として水田を潤す役割を担い相馬二万石という大穀倉地帯の源となりました。

江戸時代の初めに伊奈半十郎忠治により築かれ、相馬二万石の用水となりました。
関東三大堰の一つに数えられ、茨城百景にも選定されています。

小堀の渡し

大正3年より運航開始。平成11年に取手市営のバスが運行するまで、小中学生や住民の足として活躍し、現在は小堀の住民だけでなく、誰でも乗船できる観光船になっています。

 


「いまさら…」誤った国策が刻んだ傷 補償断念するハンセン病元患者家族

2020年11月16日 10時41分04秒 | 社会・文化・政治・経済
11/16(月) 11:08配信
 
小学6年生時の通信簿のコピー。男性は10月から登校できなくなったが、12月まで出席したことになっている。感染が分かってから誰も家に遊びに来なくなったという(写真の一部を加工しています)
 
 ハンセン病の元患者家族に国が補償金を支払う法律が施行されてから約1年。申請件数は厚生労働省が推計する家族数の2割強と伸び悩んでいる。関東在住の元患者の男性(79)も、兄弟が補償金の申請をしていない。仕事や家庭を持ち、兄弟と交流を続けてきたが、その妻や子には元患者であることは隠したままという。誤った国策が当事者や家族に刻んだ傷は深く、問題解決への道はなお遠い。 【写真】ハンセン病元患者追悼式で献花  昨年11月に法律ができた後、男性は東北に住む弟に電話をかけた。横に妻がいた様子で、補償金の話をしても気のない返事。後日、弟は申請を断念すると伝えてきた。近くに住む兄も同じ結論だとし、「何の金か説明できない。いまさら病気のことを言えるわけがない」と話したという。  男性は小学6年の時、教室で検査を受けさせられ、校長から登校しなくていいと告げられた。翌朝、母親が弟に「何を聞かれても知らないと言うんだよ」と戒めるのを聞き、「これから先、弟は誰にも話さないんだろうな」と思った。
透明人間になったように感じた
 その後、療養所に入った男性。兄の結婚式には呼ばれず、数カ月後に手紙で知った。透明人間になったように感じたという。「早くに亡くなった父もハンセン病だった。遺伝と思われたくなかったのだろう」と兄の当時の心境を推し量る。  都道府県が患者を探し、療養所に収容する「無らい県運動」が続いていた。薬で治る病気と分かっていたのに患者は隔離され、患者が出た家は白くなるほど消毒された。人々の差別意識が強くなる中、1951年には、山梨県で家族がハンセン病と診断されたことを苦に一家9人が服毒自殺した。男性が患者と分かったのはこの頃だ。
兄や弟がどんな思いで生きてきたかは「聞けない」
 兄や弟がどんな思いで生きてきたかは「聞けない」と男性は言う。28歳で療養所を出た後、故郷から離れた関東に一軒家を構え、おいやめいを自宅に招くなど交流を続けてきた。ただ、元患者であることは隠したままという。「不名誉なことだから。わざわざ言いたくない」。兄弟も同じ気持ちだと思う。  元患者であることを妻子に話していない当事者の中には「知られたら離婚される」「重荷を背負わせたくない」と言う人もいるという。新型コロナウイルスの感染者やその家族などが誹謗(ひぼう)中傷を受けた問題もあり、男性の妻で元患者の女性(70)は「百数十万円の補償金のために負うリスクが大きすぎる。打ち明けられる環境が整っていない中で申請につなげるのは難しい」と話した。
 
相談も減少傾向に
 昨年11月に施行されたハンセン病元患者家族補償法に基づく補償金の受給申請件数が、厚生労働省が推計する家族数約2万4千人の26・7%にとどまることが13日、同省のまとめで分かった。法施行から1年がたつが、直近1カ月の申請件数は過去最低。長年続いた差別への不安を解消する難しさがあらためて浮き彫りになっており、制度の周知や人権教育など息の長い取り組みが求められる。
 
 厚労省によると、昨年11月22日の法施行から今月11日までの約1年間の申請者数は6431件。1カ月間の新規の申請件数は、法施行直後は943件だったが、半年時点で553件に鈍り、直近では146件とさらに減少している。補償金に関する相談件数も同様に減少傾向が続いている。
 
 同法では元患者の親や子、配偶者などに180万円、きょうだいや同居の孫などに130万円を支給するよう定めている。請求期限は2024年11月21日だが、すでに認定されたのは5885件にとどまる。
 
 元患者やその家族であることを配偶者や子どもに明かしておらず、周囲に知られかねないという不安から申請をためらう人がいるとみられる。厚労省は全国の国立ハンセン病療養所などを通じて制度の周知を図っており、担当者は「本人の希望に応じた連絡の取り方にするなど細やかな配慮をしている。地道に伝えていくしかない」と話す。
 
 また、同法の施行を機に、人権教育の在り方などについて国と元患者、家族で協議する場が設けられたが、新型コロナウイルスの影響で1月以降、開かれていない。 (久知邦)
 

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テレビから消えたコロナ解説者「岡田晴恵教授」花愛でるガーリーな日常撮

2020年11月16日 10時36分02秒 | 医科・歯科・介護


10/26(月) 6:09配信

SmartFLASH

新型コロナ禍の “顔” といえば、岡田晴恵・白鴎大学教授(57)。だが、常連だった『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)でも9月以降は、ほとんどその姿を見ない。彼女は、いま――。

「最近は、よく家におられます。芸能人みたいな方なのに、会ったら笑顔で挨拶してくださるし、近所の方々との共同菜園で畑仕事もしていますよ」

 そう語るのは、埼玉県北部にある彼女の自宅の近隣住民だ。 
 10月某日、本誌が自宅前で目撃した岡田教授は、なにやら庭木にスマホを向けていた。レンズ越しの愛でるような視線の先には、可憐に咲く数輪の花が……。どうやら、お花を写真に収めていたようだ。

「お菓子を渡したら、険しい表情から一転して、少女のように『私にもくださるんですか』と笑顔を見せたんです。かわいらしい、意外な一面がある方です」(テレビ局関係者)

 少女っぽさを隠す必要もない、充実の「おうち時間」のようだ。


(週刊FLASH 2020年11月3日号)

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、普遍的な道徳規準

2020年11月16日 10時04分46秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

人間主義と慈悲の精神
平和と平等
慈愛と寛容の重要性

何のために生きるのか
この世での使命はなにか
敬愛する人の別れや身近な人との死をいかに乗り越えていくか
他者が自殺などの後戻りできない歩みへと向かう前に、どのような言葉をかけるべきか
幸福や安穏、心の調和を得るために何をすべきか

「生」と「死」は、変化しながら「永遠の生命」のリズムを奏でている。
これは非常に楽観的かつ前向きな思考だ。
永遠の生命を固く信じ抜く
その視座に立ち、苦難や病、死の悲しみを乗り越えようとするとき、私たちは真の同苦の心が生まれ、自身の人間性が深まっていく。
それは、普遍的な道徳規準となる。

 


ヒューマニズムは人間の内在的な尊厳と価値と創造性 ジョン・デューイ

2020年11月16日 10時02分04秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

ジョン・デューイ(John Dewey、1859年10月20日 - 1952年6月1日)は、アメリカ合衆国の哲学者。
アメリカ最高峰の哲学者・教育者。
混迷する社会の変革の鍵を、教育に見出した。
「子どもの幸福」を教育の第一目標に掲げた。
子ども一人一人の生命に備わる可能性を引き出し、価値創造の力を育むことが、幸福な人生の基盤であるとの教育観に立っていた。
子どもに寄り添う教育者であった。
それは、子どもたちが何を考え、何に興味を持ち。何を望んでいるかを深く理解していたからだ。
そうした思想や実践が、教育的人間主義(ヒューマニズム)の萌芽となった。
ヒューマニズムは人間の内在的な尊厳と価値と創造性に光を当てるものだ。
西洋では多くの場合、自然から切り離され、孤立した存在としての個人の<絶対的な自律>を重んじてきた。
これは、人間は自然と共生するのではなく、支配する「主」の立場であるとの思想に基づく。
一方、東洋のヒューマニズムは、生きとして生けるものを平等に重んじる。
生命の尊厳感や平等観こそ、子どもたちの幸福を開く教育の基盤となる哲学である。
デューイは東洋的ヒューマニズムの持ち主だった。
教育とは、子どもたちに備わる創造性を開花させながら、人生そのものの意義や目的に深く迫る作業にほかならない。
そうした実践において不可欠なのは、他者との関わり合いである。
地理の学習を重視した。
日常生活の中で世界とのつながりを感じ取り、貢献的人生を送れる人は、価値の創造者である。
デューイは、教育こそ、極端なナショナリズムや偏狭な思想を克服する手段だと考えていた。
分断・不寛容など危機の時代の台頭は、教育の衰退によってもたらされる。
今日、ナショナリズムが再び席巻している。
アメリカに渦巻く恐怖や怒り、頻発する人種差別の事例は、「世界市民の精神」の欠如によるものにほかならない。
現代の危機は「教育の危機」でもある。
知識ばかり詰め込む画一的な教育によって、人間性を育んでこなかったことの帰結と言える。
社会が荒廃していた時代、デューイは宗教に価値を見いだした。
1934年「誰でもの信仰」を出版した。
彼は、組織化された規制の宗教に対して批判的だった。
人間一人一人の中にある「宗教的なもの」-「誰でもの信仰」と呼ぶものの重要性を強く訴えた。
宗教的なものを発揮し、各自がそれぞれの地域にあって、人々と力を合わせて社会全体の繁栄と幸福に寄与することで、意義深い人生を送ることができると考えた。
自己を高めながら、互いに協力し合う-この二つの側面からなる「人類共同の価値創造」こそが、デューイが展開した宗教的ヒューマニズムの核心であった。
宗教的ヒューマニズムは、人々を分断するのではなく融合させ、暴力と不信に覆われた世界を協調と理解へと転じることができる精神性のことだ。


チャールズ・サンダース・パース、ウィリアム・ジェームズとならんでプラグマティズムを代表する思想家である。
教育理論の名著として知られることになる『学校と社会』(1899年)である。
1916年には『民主主義と教育』「Essays in Experimental Logic(実験論理学論考)」を発表。1919年から1921年にかけて日本と中国を訪れ、中国では長期滞在した。
1922年には『人間的自然と行為』を発表。
1931年には『個人主義』を発表する。
1928年にはソビエト連邦を訪れる。ソ連でデューイの教育理論が受け入れられたため視察に向かったのである。
1933年にはチャイルズとの共著『経済状態と教育』を発表する。
1934年には『経験としての芸術』と宗教論である『共通の信条』を発表する。
1938年には、『論理学:探究の理論』、1939年にはファシズムの起源について論じた『自由と文化』、1949年にはトランスアクションの概念を論じた『知ることと知られたもの』を発表した。
また米国では機能主義心理学に貢献したことでも知られている。
20世紀前半のアメリカ哲学者のなかでも代表的且つ進歩的な民主・民衆主義者(ポピュリスト)だった。
リチャード・ローティは「最も敬愛する哲学者」として評価し、「われわれをプラトンとイマヌエル・カントの呪縛(ドグマ)から解放したと指摘したうえで、17世紀の哲学者がスコラ哲学に対して「革命」を興したように、「正確な表象」というそれまでの知識理論を拒絶した点でルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインとマルティン・ハイデッガーに並ぶとしている。
またヒラリー・パトナムもデューイをヒーローとしている。
宗教的な制度や実践が人間生活において果たす役割を賞賛する代わりに、たとえば有神論における神のような、なんらかの静的な観念への信仰を拒絶する。
デューイは科学的方法のみが人間の善をもたらすと考えていた。
「神とは、我々を欲望や行為に駆り立てる観念的な目的の統一である」とした。


病院の集団感染止まらず 北海道で3人死亡、209人感染

2020年11月16日 03時56分11秒 | 事件・事故

11/15(日) 20:04配信

産経新聞

北海道庁=札幌市中央区

 北海道と札幌、旭川、函館、小樽の各市は15日、道内で新型コロナウイルスに感染した患者3人が死亡し、新たに209人の感染が確認されたと発表した。病院や介護施設のクラスター(感染者集団)の拡大に歯止めがかからなくなっている。

【イラスト解説】新型コロナに感染かな?と思ったら

 道の担当者は「接待飲食店や酒類提供店に限らず感染する機会が増えれば、職員が気をつけていてもウイルスを持ち込んでしまう恐れがある。体力の弱い患者のいる病院などでは感染が広がりやすい」と懸念を示している。

 道内の死者は計127人、感染者は延べ5494人(実人数5471人)となった。午後6時時点の患者数は1842人で、うち18人が重症となっている。

 道内では15日、新たに釧路市立釧路総合病院でクラスターが発生した。道によると、感染者は医療従事者を含む職員2人と入院患者4人の30~80代計6人で、酸素吸入が必要な患者もいるという。

 感染者は特定の病棟で確認されており、道は「院内感染の可能性がある」との見方を示している。同病院は釧路地方の中心的な病院で、感染が広がれば医療提供体制に影響が出る恐れもある。

 このほか病院のクラスターは、旭川市の吉田病院が10人増えて計55人に。岩見沢市の北海道中央労災病院は2人増えて計22人、滝川市の滝川中央病院は1人増えて計14人となった。

 札幌市では15日、有料老人ホームで新たにクラスター(感染者集団)が発生した。感染者は70~90代の入居者6人と40~60代の職員4人の計10人で、市は入居者全員を病院に搬送した。

 特別養護老人ホーム「ドリームハウス」のクラスターは16人増え、60~100歳代の入居者76人と30~50代の職員12人の計88人に上り、介護施設で感染が拡大している。

 15日の新たな感染者は、札幌市148▽旭川市11▽函館市5▽小樽市1▽石狩地方12▽胆振地方10▽空知地方6▽上川地方4▽十勝地方3▽渡島地方2▽釧路地方2▽後志地方1▽日高地方1▽檜山地方1▽留萌地方1▽宗谷地方1-の計209人。函館市や室蘭市でも小規模なクラスターが発生した。

 また、道内離島で初のクラスターが発生している利尻島の利尻富士町で新たに1人の感染が確認され、利尻町も含めた同島の感染者は計24人となった。道の担当者は「感染者の中には店に行っていない人もいる。人間関係が濃密で、いろいろな形で人と人とが会っている」と指摘している。

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