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「誰から聞いたんや?聞いた者、全部名前言え」 兵庫・元県民局長のプライバシー情報

2025年05月31日 21時37分53秒 | 社会・文化・政治・経済

漏えい問題を検証 斎藤知事の指示は?【報道特集】

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差別を恐れ、半世紀言い出せなかった―医師と司法が新潟水俣病だと認めて

2025年05月31日 21時27分48秒 | 社会・文化・政治・経済

行政は患者と認めない 「公式確認」から60年、2度の「政治解決」経ても見えない被害全容

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手足のしびれなどの症状を話す皆川栄一さん=2025年4月、新潟県阿賀町

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目の前の一人と誠実に語ろう

2025年05月31日 08時51分44秒 | その気になる言葉

▼「報恩」の一念に徹する時、人間は人間として、最も美しく、強くなれる。

社会では、報恩は一切の根幹である。

▼「自分のため」の努力には、おぞずと限界がある。

その壁を突き抜けてもう一段飛躍するための力は「誰かのため」という報恩の一念から湧き上がる。

▼正しい社会を創るために、生き生きと堂々と自らの信条を主張する。

そこの民主主義の神髄がある。

▼勉学とともに<自身が望む世界を描く想像力>を養うことだ。

▼人間の脳には二つの思考の過程がある。

一つは、直感的で迅速な思考の過程を生むシステム。

もう一つは<熟慮で慎重な思考>のシステム。

認知科学や心理学などの分野で研究され二重過程理論や二重システム理論を飛ばれ、行動経済学や社会学などにも関連付けられる。

二つのシステムのうち前者は、素早く自動的、無意識的に動くという。

直感に優れる反面、感情的な判断を含み、熟慮し、直感の誤りを補正する働きは乏しい。

思い込みや決めつけは、こうした特性から起こるとされる。

▼人も物事も多様な面を持つ。

にもかかわらず、「あのは、こうだから」などと早々に決めつけてしまうことは、生活や仕事、社会活動を目指す中でも陥りやすのではないだろうか。

▼人に会う。目の前にいる一人と心を尽くして語る。

時代の課題を解く鍵は、この一点にある。


2025年競輪獲得賞金ランキング(男子)2025年5月26日時点

2025年05月31日 08時46分28秒 | 未来予測研究会の掲示板

競輪獲得賞金ランキング【2025年最新】(男子)

  • 更新日:

2025年競輪男子選手の最新獲得賞金ランキングです。KEIRINグランプリ2025出場をかけた熾烈な戦いが今年もスタート。注目の選手たちがどのようにランキングを彩るのか、最新の賞金動向を今すぐチェックして、競輪界の熱い展開を見逃さないようにしましょう!

吉田拓矢(撮影:北山宏一)
吉田拓矢(撮影:北山宏一)
順位 選手名 獲得賞金
1 吉田拓矢 121,592,674円
2 古性優作 91,136,548円
3 眞杉匠 77,647,000円
4 脇本雄太 57,124,000円
5 郡司浩平 53,084,096円
6 深谷知広 45,112,548円
7 浅井康太 40,114,000円
8 寺崎浩平 39,392,000円
9 新山響平 38,241,000円
10 松井宏佑 37,890,874円
11 阿部力也 33,741,000円
12 岩本俊介 32,346,000円
13 犬伏湧也 28,060,600円
14 菅田壱道 27,872,800円
15 村田雅一 25,727,500円
16 山田庸平 25,593,548円
17 和田真久留 24,268,874円
18 坂井洋 23,492,800円
19 成田和也 22,813,000円
20 武藤龍生 22,350,000円
21 松谷秀幸 21,596,800円
22 三谷将太 21,192,000円
23 山口拳矢 20,985,274円
24 柏野智典 20,877,000円
25 松本貴治 20,033,400円
26 小原太樹 19,800,274円
27 取鳥雄吾 19,489,000円
28 山田英明 19,032,000円
29 嘉永泰斗 18,277,000円
30 岩津裕介 18,151,000円
31 南修二 18,050,200円
32 河端朋之 17,860,000円
33 山崎芳仁 17,800,774円
34 石原颯 17,755,000円
35 松浦悠士 17,749,000円
36 山田久徳 17,637,800円
37 佐々木眞也 16,812,000円
38 清水裕友 16,780,274円
39 園田匠 16,753,400円
40 窓場千加頼 16,637,000円
41 皿屋豊 16,439,000円
42 大槻寛徳 16,397,500円
43 神山拓弥 16,251,400円
44 守澤太志 16,127,400円
45 荒井崇博 16,125,800円
46 小川勇介 15,912,000円
47 小林泰正 15,832,000円
48 三谷竜生 15,722,000円
49 長島大介 15,595,500円
50 伊藤旭 15,506,000円

令和のコメ騒動、根本的な原因を問う

2025年05月31日 08時26分33秒 | 社会・文化・政治・経済

 

山下 一仁
上席研究員(特任)

国民への奉仕を忘れた農林水産省

コメが不足している。昨年産のコメが猛暑による被害を受け精米にする際の歩留まりが低下していることや、インバウンドなどにより消費が増加していることが原因に挙げられている。

より根本的な問題は、減反政策によって、予想される需要ギリギリの生産しかしていないことにある。このため、わずかな需給の変動によって、今回のような事態を招く。

平成のコメ騒動も減反政策がなければ回避できた。減反を廃止すれば食料自給率も60%以上に上がる。

しかし、納税者が農家に補助金を出して消費者が高い米価を払うという減反は止められない。農林水産省が既得権者のためだけの行政を行っているからだ。

指摘されている原因とされていない原因

コメの値段が上がっている。棚からコメが消えたスーパーもある。

その一方で、農林水産省はコメの需給は逼迫していないという。

コメの流通業界は、猛暑の影響で2023年産米の1等米の比率が減少したと説明している。1等とか2等とかいうコメの等級は、一定量のコメの中に、粒のそろったコメ(整粒)の比率が高いか低いか、白濁した粒など被害を受けた粒の比率がどのくらいなのか、などで決定される。

イネの穂が出る頃に高温が続くと、コメの内部に亀裂が生じてしまう「胴割れ粒」や、でんぷんの形成が悪く白く濁ったように見える「乳白粒」などが生じる。

この割合が多いと精米歩留まりが低下する。こうしたコメを流通段階で取り除いたため、消費者への供給量が少なくなったというのだ。

需要面ではインバウンドによるコメの消費増がある。

しかし、毎月3百万人の旅行者が日本に7日間滞在して日本人並みにコメを食べたとしても、消費量の0.5%増に過ぎない。他にも、国際的な小麦価格の高騰でパンの値段が上昇し、相対的に安くなったコメの消費が増加したとか、南海トラフ地震への恐怖から消費者がコメの備蓄のため、買いに走っているのだとかという説明がなされている。

確かに、最近のコメ不足がこれらの要素によって引き起こされたことは事実だろう。しかし、これらはコメの全体需給の大きな部分を占めるものではない。足し上げても5%にもならない。

本質的な問題は、こうしたわずかな生産や消費の変動がコメの価格や需給に大きな影響を与えていることである。

指摘されていない事実がある。23年産米の作況指数は平年作以上の101だった。しかし、これは、コメの生産量が前年より多かったことを意味しない。

作況指数というのは一定の面積当たりの収量(「単収」という)の良しあしだからである。コメの作付面積が減少していれば、作況指数100でも、生産量は前年を下回る。

JA農協と農林水産省は、コメの需要が毎年10万トンずつ減少するという前提で減反(生産調整)、つまり作付面積の減少を進めてきた。

23年産のコメ生産量は、作況指数101にもかかわらず前年の670万トンから9万トン減少した。猛暑による影響をうんぬんする前に、23年産のコメ供給量は減反で減少していたのだ。

余裕のない生産を行わせる理由

しかも、これは過剰による米価低下を回避するための余裕のない生産計画である。平成のコメ騒動は冷夏が原因と言われているが、根本的な原因は減反である。

当時の潜在的な生産量1400万トンを減反で1000万トンに減らしていた。それが不作で783万トンに減少した。

しかし、通常年に1400万トン生産して400万トン輸出していれば、冷夏でも1000万トンの生産・消費は可能だった。今は水田の4割を減反して生産量を650万トン程度に抑えている。同じく補助金を出しながら、欧州連合(EU)は過剰農産物を輸出で処理した。

EUなら平成のコメ騒動は起きなかった。

なぜ、農林水産省は余裕のない生産を行わせるのだろうか? それは、食料の需要と供給の特性と関係がある。

胃袋は一定なので、毎日の消費量に限界がある。テレビの価格が半分になると、もう1台買おうという気になるかもしれないが、コメの値段が高くても低くても消費量はそれほど変わらない。

消費量が大きく動かないので、キャベツの生産が増え、それを市場でさばこうとすると、価格を大幅に下げなければならない。

「豊作貧乏」である。逆に、長雨などで不作になると、どうしても一定量は食べなければならないので、価格は高騰し、売上高は増加する。

このように、食料の需要の特性から、供給がわずかに増えたり減ったりするだけで価格は大きく変動する(これを、経済学では食料の需要は「非弾力的」だと言う)。

他方で、食料を供給するのは農業である。特に、コメなどの穀物は温帯では基本的に年に一作である。今回のインバウンド消費の増加のように、需要が増えたからといって生産を急に増やせない。

4月以降、インバウンドによる消費の増加が分かったとしても、既に今年産のコメの作付けは終わっている。生産が対応できるのは来年産で、収穫できるのは来年9月以降である。

つまり、消費の増加に生産が対応するのに、1年以上かかってしまうのである。

農業による食料供給の特性からも、需要がわずかに増えたり減ったりするだけで、価格は大きく変動する(短期的には、食料の供給は完全に「非弾力的」である)。

これまで需要は減少する一方だったので、毎年需要が10万トン減るという前提の需給計画を作ってきた。

需要が非弾力的なので、わずかな供給の増加によって米価は大きく下がる。これを避けるためには、できる限り生産を抑制する必要があった。

今回のように需要が増加する事態は想定外だった。今回は猛暑で1等米の比率が減少し、コメの流通業者が割れたコメや被害を受けたコメなどを流通から排除した。

インバウンドなどで消費も増えた。これらはコメ全体の需給からすればわずかだったにもかかわらず、米価は上昇した。

JA農協と農林水産省の大罪

減反は今も続いている。減反廃止は安倍内閣のフェイクニュースである。

14年に農林水産省、自民党農林族、JA農協は、国から都道府県などを通じて生産者まで通知してきたコメの生産目標数量を廃止する一方、減反政策のコアである補助金は大幅に拡充した。

これを政権浮揚に使おうとした安倍晋三首相は「40年間誰も出来なかった減反廃止を行う」と大見えを張った。面白いことに、07年に安倍首相自身全く同じ見直しをして撤回していたのである。しかし、当時は誰も減反廃止とは言わなかった。廃止ではなかったからだ。

減反を見直した農林水産省などの当事者は「廃止ではない」と明白に否定していた。減反の本質は補助金で生産(供給)を減少させて米価を市場で決まる水準より高くすることである。減反廃止が本当なら、米価は暴落する。

環太平洋連携協定(TPP)参加どころではない。農業界は蜂の巣をつついたような騒ぎになり、永田町はむしろ旗で埋め尽くされる。もちろん、そんなことは起きなかった。

減反は水田面積の4割に及ぶ。減反は生産を抑える政策で、コメの面積当たり収量(単収)を増加させる品種改良は国や都道府県の研究者にとってタブーとなった。

単収とは生産性に他ならない。減反開始時には日本と同じ水準だった米カリフォルニアのコメ単収は、今は日本の1.6倍。情けないことに、1960年ごろは日本の半分しかなかった中国にも追い抜かれてしまった。

水田面積全てにカリフォルニア米ほどの単収のコメを作付けすれば、長期的には1700万〜1900万トンのコメを生産することができる。

単収が増やせない短期でも、900万トン程度のコメは生産できる。輸出を行わないで国内だけでこれを処理しようとすると、米価は暴落する。

このため50年以上にわたる減反政策でコメ生産を減少させ、米価を維持してきたのだ。

これほどの期間と規模で減反をしている国は世界に類を見ない。60年から世界のコメ生産は3.5倍に増加しているのに、日本は補助金を付けて4割も減らした。

減反はJA農協発展の基礎である。米価を高く維持したので、コストの高い零細な兼業農家が滞留した。

彼らは農業所得の4倍以上に上る兼業収入(サラリーマン収入)をJAバンクに預金した。また、農業に関心を失ったこれらの農家が農地を宅地などに転用・売却して得た膨大な利益もJAバンクに預金され、JAは預金量100兆円を超す「メガバンク」に発展した。

減反で米価を上げて兼業農家を維持したことと、JAが銀行業と他の事業を兼業できる日本で唯一の法人であることが絶妙に絡み合って、JAの発展をもたらした。

米価が下がるとコメ生産が維持できなくなるのではないかと指摘される。しかし、コメ生産を維持するために、コメの生産量を減少させる(減反である)というのは矛盾していないか。

また、米国やEUは農家の所得を保護するために、かなり前から、高い価格ではなく直接支払いという政府からの交付金に転換している。

よく私は「欧米では農業保護のやり方を高い価格ではなく財政からの直接支払いという方法に転換したのに、なぜ日本ではできないのですか?」という質問を受ける。

農家にとっては、価格でも直接支払いでも同じだ。なぜ、日本の農政は高米価に固執するのか。それは、欧米にはなくて、日本にあるものがあるからである。

米国やEUにも農家の利益を代弁する政治団体はある。しかし、これらの団体とJA農協が決定的に違うのは、JA農協それ自体が経済活動も行っていることにある。このような組織に政治活動を行わせれば、農家の利益より自らの経済活動の利益を実現しようとする。その手段として使われたのが、高米価・減反政策である。

米価を下げても主業農家に直接支払いをすれば、主業農家だけでなくこれに農地を貸して地代収入を得る兼業農家も利益を得る。

サラリーマンの兼業農家に所得補償(直接支払い)は必要ない。しかし、農協には直接支払いが交付されない。

価格低下で販売手数料収入は減少するし、零細兼業農家が農業をやめて組合員でなくなれば、JAバンクの預金も減少する。農家戸数が減少するため農協は政治的にも基盤を失う。

なぜ農林水産省は対策を講じないのか

コメは一年一作である。9月ごろに収穫したものを倉庫で保管し、翌年の収穫時までならして販売・消費するのが基本である。最近になってスーパーの店頭からコメが消えているのは、今の時期が次の収穫前の端境期になっているからである。

しかし、昨年産米が高温障害を受けていたことは1年前に分かっていたのに、100万トンのコメを備蓄している政府(農林水産省)もコメを農家から集荷して卸売業者に販売するJA農協も、なぜ今まで対応してこなかったのだろうか。

数年前からJA農協と農林水産省は、農家にもっと生産を減らすように指導してきた。コメの全農と卸売業者との取引価格(相対取引価格)は、60キログラム当たり、2021年産1万2804円から、22年産1万3844円、23年産1万5306円(7月は1万5626円)となり、この2年間で20%も上昇した。

10年ぶりの高米価である。さらに、今年(24年)産の早期米(他の産地よりも早く出荷されるコメ)の概算金(JA農協が農家に支払う仮払金)の価格は、鹿児島県産コシヒカリで1万9200円と前年産より6000円高い。農林水産省としてはシナリオ通り米価を上昇させて満足しているのだ。

だから、農林水産大臣は、7月19日の記者会見で、「私自身は、需給が引き締まっているということで、特段、これによってさまざまな対応をするというような状況にはないと思っています」と述べているのである。

米価の上昇はJA農協と農林水産省にとって成果以外の何物でもない。

コメが不足したからといって、備蓄米を放出すれば、供給が増えて米価は元の水準に戻ってしまう。

コメ不足は解消されるか

農林水産大臣は、8月2日の記者会見で、「収穫の早い産地は、今月には新米が出回り始め、9月からは主産地の出荷も始まります。消費者の皆様方におかれましては、安心していただき、普段通りにお米をお買い求めいただきたいと思います」と述べている。

これを受けて、9月になれば新米(24年産米)が供給されるので、コメ不足は解消されるという報道も見られる。

しかし、そうだろうか。基準年を一昨年の9月から昨年の8月までとして、これに対する生産と需要の変化を見よう。昨年の9月から今年の8月までの期間の供給主体となる作年(23年)産のコメは減反により前年産より9万トン少なかった。

これに猛暑による精米歩留まりの減少が20万トンであったとすると、供給量は基準年に対し29万トン少なくなる。消費(昨年の7月から今年の6月まで)について農林水産省は、インバウンドなどで11万トン増加しているとしている。

以上から、コメの不足量は40万トンとなる。これを今年産の早期米で早食いすれば、40万トンの不足は次の期(今年の9月から来年の8月まで)に持ち越されることになる。

では、次の期のコメの需給はどうなのだろうか。この期間の供給の主体となる今年産もコメの需要が毎年10万トンずつ減少するという前提で減反(生産調整)をしているとすれば、その供給量は基準年に供給された22年産に比べ20万トン少ない650万トンとなるはずである。

しかし、農林水産省は669万トンになるという見通しを公表している。その根拠は明らかではないが、農林水産省の見通しが正しいとすれば、基準年に比べ供給量は1万トンの減少となる。

インバウンドなどの需要が今年と同様であるとしても、基準年比では11万トン増である。つまり、今年産米が農林水産省の見通し通りだったとしても、基準年より12万トンの不足(減反を予定通り行っているとすれば31万トンの不足)がある。

これに今年産米を先食いした40万トンの不足が加わる。減反を考慮しなくても次の期の不足は52万トンとなる。

さらに、今年産のコメが猛暑の影響を受けるかどうかは、これからである。胴割れ米などが起きるのは穂が出てから10日間高温にさらされていたかどうかである。

今年も昨年並みの高温だった。

また、台風の影響により、イネの倒伏や日照不足による不十分な登熟が起きる可能性がある。今年も昨年と同様の被害を受けているとすれば、不足は72万トンとなる。

1等米の比率は年々低下しているので、これだけでは済まないかもしれない。

以上の不足分52万〜72万トンを次期に早食いするとすれば、不足はその次の時期に持ち越される。永遠に不足が続く。

減反を止めれば、この問題は解消できる。1700万トン生産して1000万トン輸出していれば、国内の需給が増減したとしても輸出量を調整すればよいだけである。国内でコメ不足は起きない。

コメの輸出が増えている。今ではカリフォルニア米との価格差はほとんどなくなり、日本米の方が安くなる時もある。減反を廃止すれば価格はさらに低下し、輸出は増える。

国内の消費以上に生産して輸出すれば、その作物の食料自給率は100%を超える。上記の場合、コメの自給率は243%となり、全体の食料自給率は60%以上に上がる。

最も効果的な食料安全保障政策は、減反廃止によるコメの増産と輸出である。平時にはコメを輸出し、輸入途絶という危機時には輸出に回していたコメを食べるのである。平時の輸出は、財政負担の必要がない無償の備蓄の役割を果たす。

1700万トンあれば、危機時に必要量を確保できる。

しかし、減反は廃止できない。

農林水産省が目を向けるのはJA農協であって国民ではないからだ。

農林水産省は「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」とする日本国憲法第15条第2項に違反している。コメ不足を解消する最善の政策は農林水産省の廃止かもしれない。

 

『金融財政ビジネス』2024年9月9日号に掲載

 

2024年10月28日掲載

 


コメ問題の本質

2025年05月31日 08時18分41秒 | 社会・文化・政治・経済

鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「コメ騒動」の原因と展望~再整理2025年3月7日

 
備蓄米放出が発表されたが、コメ価格はさらに上昇している。コメの「不足感」が極めて大きいと言わざるを得ず、「コメ供給は不足していない。流通に問題が生じているだけ」との説明は、いよいよ無理が出てきた。

21万トンは「消えた」のではなくて、大手の集荷業者に集まらず、他に流れたのが21万トンあるということで、「誰かが隠している」と同義ではない。飲食業界などがコメ調達の懸念から農家からの直接買い付けを増やしていることなども大きいのではないか。

大手の集荷業者が集荷できなかった分を補充することによってコメが届くのは大手スーパーなどの流通ルートであり、町の米屋さんなどには行きわたらないとの見方がある。また、放出後、原則として1年以内に同じ量を買い戻すとしているので、結局、流通量は変わらないことが織り込まれる可能性もある。

流通悪玉論は本末転倒だ。「買いだめ」が起こっているとしても、市場関係者が「不足感」を感じているからビジネスチャンスとして様々な動きが出るのであって、それを誘発した原因はコメが足りていないことにある。

その根底には、実質的に続けられてきた生産抑制政策と「畑地化」による水田潰し政策と時給が10円しかないような農家の疲弊に、暑さの影響(低品質米の増加など)も加わって主食米供給が減りすぎていることがある。

全国の現場の声を聞くと、2024年産米が豊作だったという作況指数に疑問がある。そもそも、①それほど収穫できていない、かつ、②低品質なコメが増えて、玄米から精米にしたときの歩留まり率が落ちている、との見方が多い。白いコメ、割れたコメ、カメムシ斑点米なども多いという。精米歩留まり率は、9割くらいが8割近くに落ちているとの情報もある。

米価が上がったといっても農家からすると30年前の価格に戻っただけで、やっと一息付けるかという程度で、すでに疲弊している現場の生産が一気に増えるのは難しいと流通業界も見込んでいる。水田を潰して現場農家の疲弊を放置する政策が続けば、趨勢的に「コメ不足」は続く。

「農協がコメ価格を吊り上げている」との見解も実態と乖離している。農協は今コメが集まらず困っている。共販で、概算金18,000円/60kg、あとで5,000円追加払いの見込みでも、農家は22,000円とかで即買いに来る業者に売ってしまいがちになる。

根底にあるのは、農家が赤字でやめていくのを放置して、減反要請を続け、田んぼを潰せば一時金(手切れ金)だけ払うからもうやめなさい、と誘導して、農村現場を苦しめてきたツケである。農業予算を削りたい財政当局の強い意志がある。

需要が減るから生産も減らし続けていくという政策を続けたら「負のスパイラル」で、日本の稲作とコメ業界は縮小していくだけである。日本農業の根幹と日本人の主食が失われ、一時的に輸入に頼っても、それが滞れば日本人は飢える。

生産調整から需要創出へ切り替えなくてはいけない。日本の水田をフル活用すれば、今の700万トンから1,300万トンにコメ生産を増やせる。コメ需要はないというのは間違い。備蓄が消費量の1.5 か月分では少なすぎる。備蓄は安全保障上の需要だ。小麦やとうもろこしの輸入が減るリスクも高まっている中、コメのパンや麺、飼料米を増やすのは安全保障上のコメ需要で、貧困層増大の下でのフードバンクや子ども食堂を通じたコメ支援も必要だ。備蓄とそれらを合わせたらコメ需要は膨大にある。

コメは余っているのに流通に支障が生じたから備蓄米を「活用」するのであって、足りないから「放出」するのではないと、つまらぬメンツにこだわり続けていたら事態は悪化するだけだ。備蓄米の放出ルールも明確化すべきだ。放出基準価格を2万円にし、買戻基準価格を15,000円としたら、その範囲内に米価が収まるように調整が働く。明確な数値の発動基準にして、関係者がそれを目安に動けるようにすべきである。

消費者もコメが高いと言うが、農家にとっても消費者にとっても30年前の米価に戻っただけである。30年前には、小売米価は5kgが4,000円以上していた。しかし、消費者にとっても所得も減る中で、急激に米価が上がって苦しいのは確かだ。今、農家にとっての適正米価と消費者にとっての適正米価が乖離している。増産を促し、下がった米価でも農家の所得が得られるように支援することで、消費者も安く買えるようにして、市場拡大する必要がある。緊縮財政の壁を打破して実現してほしい。


公安捜査 また起こる冤罪事件

2025年05月31日 08時15分46秒 | 事件・事故

大川原化工機事件

そもそも犯罪が成立しない事案について、会社の代表者らが逮捕・勾留され、検察官による公訴提起が行われ、約11か月もの間身体拘束された後、公訴提起から約1年4か月経過し第1回公判の直前であった2021年7月30日に検察官が公訴取消しをしたえん罪事件。

 

噴霧乾燥器と貨物等省令の改正

2013年10月、貨物等省令が改正され、一定の要件を満たす噴霧乾燥器は兵器転用が可能になるため、これらを輸出する際に、経産省の許可を要することとなった。なお、大川原化工機株式会社(以下「大川原社」という。)は噴霧乾燥器メーカーのリーディングカンパニーとして、法改正にあたって経産省や安全保障貿易情報センター(CISTEC)に協力してきた。

 

※噴霧乾燥器(スプレードライヤー)
液体を乾燥し粉体にする装置。液体を細かい霧状に噴霧し、熱風と効率よく接触させることで水分を蒸発させ、乾燥製品にするもの。
牛乳を噴霧すれば粉ミルク、コーヒーを噴霧すればインスタントコーヒーなどさまざまな液体を粉にすることができる。食品、医薬品、セラミックス、化成品などさまざまな用途に応用されている。

 

 

警視庁公安部による捜査の開始

2016年6月2日  大川原社は汎用機である噴霧乾燥器(RL-5)を輸出した。

2017年5月ころ  警視庁公安部は大川原社について経産省の許可を得ずに噴霧乾燥器を輸出した被疑事実(外国為替及び外国貿易法違反)で捜査を開始した。

2018年2月21日 大川原社は汎用機である噴霧乾燥器(L-8i)を輸出した。

2018年10月3日 警視庁公安部はRL-5の輸出に関し、大川原社および代表取締役の自宅らに対して捜索・差押えを実施。

2019年8月8日  警視庁公安部はL-8iの輸出に関し、再度捜索差押を実施。

 

この間、代表取締役O氏を含め社員に対して任意の取調べが継続的に行われ、代表取締役O氏は39回、常務取締役S氏は35回、相談役A氏は18回もの取調べに応じ、捜査へ協力した。その他、会社関係者47名が任意の取調べに協力し、その回数は述べ291回に及んだ。

 

 

逮捕・勾留

2020年3月11日、警視庁公安部は外国為替及び外国貿易法違反(RL-5の輸出)の事実で代表取締役のO氏、常務取締役のS氏、相談役のA氏の3名を逮捕した。その後、13日に東京地方裁判所刑事第11部の裁判官は3名について勾留決定および接見等禁止決定をした。17日には勾留決定に対する準抗告も棄却された。なお、東京地方検察庁検察官は接見等禁止決定のうち、家族との面会だけを認めるよう求める弁護人の申立てに対して、弁護人が黙秘を指示していること、会社がウェブサイトでコメントを掲載したことについて「会社ぐるみで口裏合わせを行っている可能性が極めて高い」などの理由から反対意見を提出している。

 

2020年3月27日、勾留理由開示公判において代表取締役O氏は「私も会社の人間も、これまで何度も警察の出頭要請に応じて捜査に協力してきました。今さら逃亡したり関係者に対して不当な働きかけを行ったりするはずがありません」「(取調べで黙秘権を行使することにについて捜査機関から「なぜ黙秘するのか?弁護士に言われたからか」「弁護士の言うことを聞くと損する」「弁護士は正しいとは限らない」などと不当な働きかけが行われたことについて、)私は憲法上認められている黙秘権を行使したに過ぎない、正当な黙秘権行使に対して非常に不快な思いをした」などと意見を述べた。

 

 

起訴、その後も続く身体拘束

2020年3月31日、東京地方検察庁検察官は、O氏、S氏、A氏の3名を外国為替及び外国貿易法違反の事実で起訴した。

 

4月6日、弁護人は1回目の保釈請求をするが、検察官は「黙秘をしている現状に鑑みると、本件による処罰を免れるため、共犯者や被告会社従業員らの関係者と口裏合わせをするなどの罪証隠滅を図る危険性が高い」「被告会社が組織ぐるみで口裏合わせを行い、個々の従業員の供述をコントロールしている可能性が極めて高い」「弁護人が主張する、保釈を認めるべき事情については、いずれも身柄拘束を受ける刑事被告人であれば該当する一般的な事情に過ぎない」などとして反対意見を述べた。この意見を受けて、東京地方裁判所裁判官は保釈請求を却下した。さらに、準抗告も棄却した(東京地方裁判所刑事第8部)。

 

 

再逮捕、追起訴

2020年5月26日、警視庁公安部は外国為替及び外国貿易法違反(L-8iの輸出)の事実で代表取締役のO氏、常務取締役のS氏、相談役のA氏の3名を再逮捕した。

 

そして、2020年6月15日、東京地検検察官は、L-8iの輸出についても追起訴した。

 

弁護人は、6月18日に2回目の保釈請求を行い、その中で、正確な法令解釈および本件噴霧乾燥器の性能の理解に基づけば、貨物等省令の定める規制要件に該当せず、そもそも犯罪など存在せず、身体拘束を継続すべきではないことを主張した。しかし東京地方裁判所裁判官はこの主張を認めず、保釈請求を却下した。

 

 

争点についてのやりとり

この事件では、大川原社が輸出した噴霧乾燥機(RL-5およびL-8i)が、外為法による輸出規制の対象となる「定置した状態で滅菌又は殺菌することができる」という要件に該当するかが大きな争点となった(これに該当すれば、噴霧乾燥機を生物兵器製造装置に転用することができ、輸出規制の対象になるというのが制度趣旨である。)。

 

検察官は、噴霧乾燥機を空焚きにして、装置の内部の温度が110度まで上昇すること、さらに大腸菌O157は50度の温度を9時間保てば死滅することから、噴霧乾燥機は「殺菌することができる」に該当するとの主張であった。

 

これに対し弁護側は、噴霧乾燥機を用いて実験を行ったところ、噴霧乾燥機を空焚きしても90度に満たない箇所があることを報告書にして証拠請求した。また、粉体化した大腸菌は外部温度が50度・9時間の乾熱処理をしても死滅しないという点も主張し、大川原社が輸出した噴霧乾燥機はいずれも「定置した状態で滅菌又は殺菌することができる」には該当しないとの主張であった。

 

噴霧器の構造

 

A氏の死去

公判前整理手続の進行中もO氏、S氏、A氏の勾留は続いた。この間も弁護側は保釈請求をするも、検察官は会社ぐるみで口裏合わせをするなどと主張し、裁判所は保釈請求を却下し続けた。

 

その中で、A氏は東京拘置所の中で体調を崩した。2020年9月15日は東京拘置所の中で輸血処置を受けるなどしたため、同月29日、緊急の治療の必要性を理由に保釈請求をするも、検察官は罪証隠滅のおそれがあると主張して保釈に反対し、裁判所も保釈請求を却下した。さらに、同年10月7日、A氏は、東京拘置所内の医師による診察、検査を受け、胃に悪性腫瘍があると診断された。同月16日、A氏の勾留執行停止が認められ、大学病院を受診し、進行胃がんと診断された。しかし、当大学病院からは勾留執行停止状態での入院、手術を受け入れられなかったことから、弁護側はあらためてA氏の保釈請求をした。これに対し検察官はなおも罪証隠滅のおそれがあると主張し保釈に反対した。そして裁判所も保釈請求を却下した。その後A氏は、勾留執行停止状態でも入院、手術の受け入れ可能な医療機関を探し、2020年11月5日に勾留執行停止され、入院した。しかしA氏は2021年2月7日に胃がんで死去した。

 

 

O氏、S氏の保釈許可

O氏、S氏の保釈請求はなおも却下され続けた。上記のとおり公判での争点が整理されてもなお、検察官は弁護人が検察官請求証拠の大部分を不同意にしていることを理由に、口裏合わせによる罪証隠滅のおそれがあるとの意見を述べ、裁判所もこの意見を受け入れ、保釈請求は却下された。

 

2020年12月25日、弁護側は検察官請求証拠の一部について、不同意意見を同意意見に変更した上で、あらためてO氏とS氏の保釈を請求した(5回目)。検察官はそれでもなお、口裏合わせによる罪証隠滅のおそれを主張したが、東京地方裁判所裁判官は保釈許可決定を出した。これに対し検察官は準抗告を申立て、2020年12月28日、東京地方裁判所刑事第6部は検察官の準抗告を認容し、保釈許可決定を取り消し、保釈却下の決定をした。

 

これにより、O氏とS氏は東京拘置所の中で年を越すこととなった。

 

その後、2021年2月1日、弁護側はO氏とS氏について6回目の保釈請求をした。このときもまた検察官は口裏合わせの可能性を理由に保釈に反対する旨の意見書を提出したが、2021年2月4日東京地方裁判所裁判官は保釈許可決定をした。検察官は再び準抗告を申し立てたが、東京地方裁判所刑事第11部は準抗告を棄却し、2021年2月5日、O氏とS氏は約11か月ぶりに釈放された。

 

そしてその2日後である、2021年2月7日、A氏は死去したが、保釈条件にA氏との接触禁止があったため、O氏もS氏もA氏の最期に立ち会うことはできなかった。

 

 

突然の公訴取消申立て

公判前整理手続によって、2021年7月15日に第1回公判期日が開かれることとなった。それに先立ち、弁護側は同年5月下旬、主張関連証拠開示請求として、捜査機関が捜査の初期に経産省等から事情聴取した内容が記載されている捜査メモの開示を求めた。

 

これに対し検察官は、弁護側からの証拠開示請求への対応を理由に、第1回公判を2か月程度延期するよう求め、さらには本件噴霧乾燥機が輸出規制の要件を満たすかどうか再検討する必要が生じたと述べた。その上、検察官はこのままでは第1回公判において冒頭陳述を行うことができないと公判前整理手続で述べ、第1回公判は8月3日に延期されることとなった。

 

そして、弁護側からの証拠開示請求に対して、検察官は2021年7月30日までに証拠開示をすることとされた。

 

そして迎えた2021年7月30日、検察官は証拠開示ではなく、公訴の取消しを申し立てた。検察官から理由の説明はなく、裁判所は公訴棄却の決定を出して、裁判は終結した。

 

 

国賠訴訟の提起

2021年9月、大川原社、O氏、S氏およびA氏の相続人は、

①警視庁公安部警察官は、遅くともO氏らの逮捕前において現に収集した証拠資料および通常要求される捜査から収集し得た証拠資料から、本件各噴霧乾燥器が客観的な規制要件に該当しないことを知り、または知り得べきであったことから、警視庁公安部がO氏らを逮捕したことが違法であること

 

②警視庁公安部警察官によるS氏に対する取調べは、誘導や詐術的発言、恫喝を含む不当な言動等により、S氏に対して不当な心理的影響を与えた署名指印を強要した違法なものであること、S氏の弁解録取手続についても、S氏の弁解を聞くこともないままに事前に作成した弁解録取書について、詐術を用いてS氏に署名指印させ、S氏がかかる詐術に気づくやその証拠隠滅を図るなどした違法なものであること

 

③東京地検T検事による起訴についても、本件各噴霧乾燥器が客観的な規制要件に該当しないことを当然知り得べきであったにもかかわらず、漫然と見落として強行したものであり違法であること

 

を理由として、国および東京都に対して合計5億6527万円余りの損害賠償を求めて国家賠償請求を提起した。

 

提訴記者会⾒の様⼦

 

国賠訴訟第一審判決

2023年12月27日、東京地方裁判所民事第34部(桃崎剛裁判長)は、警視庁公安部の警察官による逮捕および取調べ、ならびに検察官による勾留請求および公訴提起が違法であると認定し、被告国と東京都に対して約1億6200万円の支払いを命じる判決を出した。

 

本件刑事事件における捜査について、本判決は、警視庁公安部が通常要求される捜査(A氏らからの聴取結果に基づく実験等の捜査)を行っていれば、本件噴霧乾燥機が外為法の規制物件に該当しないことを明らかにする証拠を得ることができたといえるから、本件噴霧乾燥機が外為法の規制物件に該当するとして大川原社やO社長らに嫌疑があるとした警視庁公安部の判断は合理的な根拠が客観的に欠如していることが明らかであるとして、O社長ら3名を逮捕したことが国賠法上違法であるとした。

 

さらに、担当検察官についても、大川原社の従業員らの供述内容を踏まえて実験等を行っていれば、本件噴霧乾燥機が外為法の要件を満たさないことは容易に把握できたとして、大川原社の従業員らの供述が得られた以降になされた勾留請求および公訴提起は、いずれも検察官が必要な捜査を尽くすことなく行われたものとして国賠法上違法であるとした。

 

加えて、本判決は、警察官によるS氏への取調べについて、偽計を用いた取調べであり国賠法上違法としただけではなく、S氏を欺罔して、同人が了解していない内容の記載をした供述調書に署名指印をさせたことについて、同人の自由な意思決定を阻害することが明らかな態様による供述調書の作成であるとして、このような方法による供述調書の作成も国賠法上違法であるとした。

 

なお、2024年1月10日、被告の国と東京都、原告の大川原社らは双方ともに控訴した。

 


ネットカジノに280億円

2025年05月31日 08時12分16秒 | 事件・事故

“バカラのカリスマ”常習賭博の疑いで逮捕 賭け金総額280億円

オンラインカジノで繰り返し金を賭けていたとして、警視庁は、カジノサイトを宣伝して報酬を受け取る「アフィリエイター」として活動していた会社員を常習賭博の疑いで逮捕しました。
賭け金の総額は280億円に上り、カジノサイト側からおよそ700万円の報酬を受け取っていたとみて調べています。
会社員は「X」で「明鏡止水」というアカウント名で活動していて、インターネット上では「バカラのカリスマ」などと呼ばれていました。

逮捕されたのは、福島県いわき市の会社員、蝶間林誠 容疑者(38)です。

警視庁によりますと、3年前からことしにかけて、カジノサイトにスマートフォンからアクセスし、合わせて9200万円を賭けたとして、常習賭博の疑いがもたれています。

容疑者はカジノサイトを宣伝して報酬を受け取る「アフィリエイター」として活動していたとみられ、「明鏡止水」というアカウント名でSNSにオンラインカジノで勝った画像を投稿していました。

それを閲覧してサイトに誘導された人が賭けた金額のおよそ2%が報酬として支払われる仕組みで、サイト側からおよそ700万円を受け取っていたとみられています。

賭け金の総額は、警察が摘発した賭博事件の個人の賭け金としては、最も多い280億円に上りますが、収支は4000万円のマイナスだったということです。

調べに対し、容疑を認めたうえで「違法なことは知っていたが、自分は捕まらないと思い込んでいた。賭けで勝ったときには、承認欲求を満たすためにSNSに投稿していた」などと供述しているということです。

“バカラのカリスマ” ノートに「必勝法」

蝶間林容疑者は、「X」で「明鏡止水」というアカウント名で活動していて、およそ2万7000人のフォロワーがいました。

オンラインカジノで勝った際のサイト画面を繰り返し投稿し、インターネット上では「バカラのカリスマ」などと呼ばれていました。

自身で“必勝法”をまとめたノートには、「ここでベットする」とか「何かしらのロジックが当てはまった状態で賭ける」などと書かれています。

容疑者はフォロワーへのプレゼントとして暗号資産を配ることもあったといい、調べに対し、「大勝ちしたときに自分をカリスマとたたえるフォロワーから『そんなに勝ってすごいですね』とメッセージが送られてくることで、承認欲求を満たすことができた」などと供述しているということです。

「明鏡止水」というアカウント名については、「澄みきった心境で心を無にするという意味の四字熟語から、カジノで勝負するときには冷静にプレーできるようにいましめとして名付けた」と供述しているということです。

報酬を受け取る仕組みは

 

容疑者は「アフィリエイター」としてカジノサイトと契約を結んだうえで、オンラインカジノで勝った際の画像とともに、サイトに誘導するためのリンク、URLをXに投稿していました。

投稿を見て関心を持った人が、リンクからそのサイトに入り、実際に利用すると、賭けた金額のおよそ2%が報酬として容疑者に支払われていたということです。

容疑者は100人以上をカジノサイトに誘導し、サイト側から合わせておよそ700万円を受け取っていたとみられています。

利用者拡大に“アフィリエイトマーケティング”

警察庁がことし公表した実態調査では、オンラインカジノサイトの利用者拡大に向けた広告手法について、広告をSNSなどに掲載してもらい、成果に応じて報酬を支払う「アフィリエイトマーケティング」が主に採用されているほか、一部のサイトはSNSなどで影響力を持つ人がゲームの魅力を紹介をする「インフルエンサーマーケティング」を活用し、信頼性と訴求力を高めていると指摘しています。

警察庁がWEBアンケートで経験者500人に対し、初めて利用した理由やきっかけを尋ねた調査では、「有名人・インフルエンサーがプレーしているのを見た」と回答した人が23%に上っています。

警察庁は、「アフィリエイターが関与して、違法な利益を得ている実態がある」として、実態の把握や取締りを強化するとしています。
(警察庁のWEBアンケート 15歳から79歳までの約2万7000人対象)

専門家「SNS上の誤った情報発信などに規制を」

 

オンラインカジノの問題に詳しい静岡大学の鳥畑与一名誉教授は「アフィリエイトマーケティングと呼ばれる成果報酬型の広告手法は、オンラインカジノの集客で重要な役割を果たしている。カジノサイト側はアフィリエイターが新規顧客をどれくらい紹介してくれるかにすごく依存していて、もうけの一部を還元したとしても十分収益に見合う」と指摘しています。

その上で、「SNS上にはオンラインカジノは合法でも違法でもなくグレーだと誤解させるような情報が氾濫している。有名人や影響力のある人が広告塔を務めて、『オンラインカジノは稼げるよ』と魅力をアピールして誘ってくるので、ついつい宣伝に乗って利用してしまう人が多いのではないか」と話していました。

対策については、「影響力のあるインフルエンサーと呼ばれる人たちのSNS上の誤った情報発信などに規制をかけていく必要がある。野放しになっている状態にどんどんメスを入れ、違法なオンラインカジノの宣伝をして報酬を得ることは、違法行為にあたるということを明確にしていく、実際に摘発実績を上げていくことが非常に重要だと思う」と話していました。

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カンボジアで日本人拘束

2025年05月31日 08時08分48秒 | 事件・事故

カンボジア 日本人含む約30人拘束事件 警察官名乗る特殊詐欺か

タイとの国境に近いカンボジア北西部で、日本人を含むおよそ30人が拘束された事件で、摘発された施設では日本で被害が急増している警察官を名乗ってうその電話をかける特殊詐欺が行われていたとみられることが、捜査関係者への取材でわかりました。
またカンボジア国内の別の場所でも日本人3人が拘束されたという情報があるということで、日本の警察当局は現地当局と情報を共有しながら、実態解明にあたることにしています。

捜査関係者によりますと27日、タイとの国境に近いカンボジア北西部の都市ポイペトで「詐欺をしている日本人がいる」という情報をもとに、現地の捜査当局が施設を捜索し、およそ30人を拘束しました。

このうち半数以上が日本人とみられ、すでに首都プノンペンに移送されたということです。

摘発された施設は特殊詐欺の拠点として使われていたという情報があり、現地当局が詳しいいきさつを調べていますが、この施設で日本で被害が急増している警察官を名乗って電話をかけ、捜査などの名目で、金銭をだまし取る特殊詐欺が行われていたとみられることが、捜査関係者への取材でわかりました。

事務所と宿泊施設が併設された4階建ての建物で、警察官を名乗って、日本に特殊詐欺の電話をかける「かけ場」だったとみられ、パソコンやスマートフォンが押収されたということです。

また、カンボジア国内のこの拠点とは別の場所でも日本人3人が拘束されたという情報があるということで、日本の警察当局は現地当局と情報を共有し、実態の解明を進めています。

警察庁によりますと、警察官や検察官を名乗ってうその電話をかけて金銭をだまし取る特殊詐欺の被害は急増していて、ことし1月から3月までに1894件発生し、被害額は特殊詐欺全体の6割を占めるおよそ171億7000万円となっています。

拠点とみられる場所は郊外 人目を避けたか

 

現場の建物は特殊詐欺の拠点として使われていたとみられ、市の中心部から離れた郊外で数年前につくられた複数の建物が建ち並ぶ敷地内にあります。

全体が門や塀で囲われ、警備員が配置されるなど厳重に出入りが制限されていて、人目を避け発覚を防ぐとともに内部からの逃走も警戒していたとみられ、当局が詳しいいきさつを調べています。

東南アジアではミャンマー東部の複数の犯罪拠点で日本人を含む多くの外国人が集められて特殊詐欺に関わっていたことが明らかになるなど、日本人の摘発が相次いでいて、日本の警察も実態の解明を急ぐことにしています。

周辺住民「数年前から建設 部外者は入れない」

カンボジアの捜査当局が捜索を行った建物はポイペトの中心部から車で15分ほど離れた郊外にあり、敷地の入り口は門が閉ざされていて、捜査関係者によりますと特殊詐欺の拠点として使われていたとみられるということです。

30年近く前から周辺に住む男性
「このあたりに建物が建ち始めたのは4年から6年ほど前からで、以前は何もなかった。ゲートの中に何があるのかは誰も知らない。中で働いている人がいるようだが、顔見知りしか入れてもらえず、部外者は入れない」

愛知県警 現地に捜査員を派遣へ 実態解明進める

 

捜査関係者によりますと、この施設をめぐっては愛知県警に「詐欺をしている日本人がいる」という情報が寄せられたことがきっかけとなって、現地当局が捜索を行うことになったということです。

愛知県警は摘発された施設が特殊詐欺の拠点として使われていたとみて、近く、現地に捜査員を派遣し、拘束されている人物に話を聞くなどして、実態解明を進めることにしています。

東南アジアでは、ミャンマー東部の複数の犯罪拠点で日本人を含む多くの外国人が集められ、特殊詐欺に関わっていたことが明らかになっていて、日本人の逮捕も相次いでいます。

専門家「今回の拠点 氷山の一角にすぎない」

 

アジア地域の人権や労働問題を扱う団体の理事で東南アジアの犯罪事情に詳しいフィル・ロバートソン氏は今回、当局が捜索を行ったポイペトではオンライン詐欺の拠点が数多く設けられているとした上で「ミャンマー国境付近の詐欺拠点の一部は摘発されたがほかの拠点は依然として摘発されずに運営を続けている。今回の拠点は氷山の一角にすぎない。同様の施設は数え切れないほど存在して、実際に何十万人もが関与していると言われている」と指摘しました。

また、今回拘束された人たちが警察官を名乗ってうその電話をかける特殊詐欺を行っていたとみられることについては「彼らがやっている詐欺行為には流ちょうな日本語を話す人材が必要だ。日本の警察は手口を徹底的に調べる必要がある。彼らが自発的に参加したのか、強制されたのかを判断するため、適切に調べる必要がある」と話していました。

特殊詐欺の被害額の6割が警察官を名乗る手口

日本国内の特殊詐欺の被害は深刻な状況が続いています。

警察庁によりますと、去年1年間の特殊詐欺の被害は2万1043件、被害額は過去最多となる718億8000万円にのぼっています。

ことしに入っても増加傾向が続いていて、ことし1月から3月までに6220件、被害額は276億円となっています。

このうち、最近急増していて、被害額の6割を占めているのが警察官を名乗って捜査などの名目で金銭をだまし取る手口です。

具体的には「あなたのクレジットカードがマネーロンダリングに利用されている」とか「銀行口座を提供した容疑がかけられている」などと、うその電話をかけ、SNSのビデオ通話に誘導し、ニセの逮捕状や警察手帳を示して信用させたあと、優先的に捜査をする名目や身の潔白を証明するための費用として、金銭を要求する手口です。

警察庁によりますと、ことし1月から3月までに1894件発生し、被害額は171億7000万円にのぼっています。

最近では現金をだまし取られたうえに、裸になることを要求されるなど、わいせつな行為を伴う手口も確認されているということで、警察庁は警戒を強めるとともに、注意を呼びかけています。

また、今回のように、海外を拠点にした特殊詐欺グループの摘発は近年、相次いでいます。

警察庁によりますと、おととしは69人、去年は50人のあわせて119人が検挙されています。

これらを拠点の国別で見てみるとカンボジアが75人で最も多く、次いでフィリピンが23人、ベトナムが15人、タイが6人となっています。

ことし2月にはタイとの国境近くにあるミャンマー東部の犯罪拠点でも日本に特殊詐欺の電話をかけていた日本人が拘束され、その後、検挙されています。

日本の警察当局は犯罪グループが闇バイトに応募した人物などを海外に渡航させ、特殊詐欺に関わらせているとみて海外の捜査機関と情報を共有するなど、連携を強化するとともに、グループ中枢の人物の検挙につなげたいとしています。

林官房長官「現地当局と連携しながら適切に対応」

 

林官房長官は午前の記者会見で「現地の日本大使館は、28日までにカンボジア当局から、北西部で多数の邦人を拘束したとの連絡を受けている。カンボジア当局とは詐欺拠点の摘発に向けて連携しており、現在、正確な人数や拘束された場所、経緯などの事実関係を確認中だ。引き続き現地当局とも連携しながら適切に対応していく」と述べました。

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新潟水俣病

2025年05月31日 08時02分46秒 | 事件・事故
水俣病ってどんな病気?
 工場排水に含まれていたメチル水銀によって神経細胞が障害を受ける病気で、そのために手足のシビレ感などさまざまな障害がでます。
  水俣病を完全に治す治療方法はありません。水俣病になった人たちの苦しみは、今も続いています。

:水俣病で特に冒される大脳や小脳の部位
新潟水俣病の原因は?
 新潟水俣病の原因は、昭和電工鹿瀬工場の排水が原因でした。
 工場はアセトアルデヒドという化学物質を製造していましたが、その製造工程のなかでメチル水銀が作られて、処理されないまま排水といっしょに阿賀野川に流されていました。

:アセトアルデヒドの製造工程図
どんな人が新潟水俣病にかかったの?
 阿賀野川に流れこんだメチル水銀は、プランクトン、プランクトンから水生昆虫、それをエサにする魚へと取り込まれました。(食物連鎖)
 そして、その魚を長い間たくさん食べた人達が水俣病になってしまいました。

:食物連鎖によるメチル水銀の蓄積
どうして水俣病っていうの?
 熊本県水俣市で最初にこの病気が発生したことから「水俣病」と呼ばれるようになりました。そして、その9年後に全く同じ原因で同じ病気が新潟で起こったことから第2の水俣病、新潟水俣病となりました。

:水俣市と新潟市の位置
水俣病になると差別されたの?なぜ?
 最初は水俣病の原因がメチル水銀とはわかりませんでした。そのため「伝染病」「タタリ」 だと誤解され、結婚や就職で差別されるようになりました。
  そして原因がメチル水銀とわかっても行政は積極的にPRしませんでした。そのため、誤解はなかなかとけず、具合が悪くても差別を恐れ水俣病と言い出せない状況になってしまいました。
水俣病の認定患者ってなに?
 水俣病になるとさまざまな症状が現れますが、医師が委員となる認定審査会で審査し、水俣病と認められた被害者の人たちが認定患者と呼ばれています。
 水俣病と認められなかった被害者の人たちは、「なぜ水俣病と認められないのか」と各地で裁判を起こし、2004年には最高裁判決で認定審査会より緩やかな基準でも水俣病と認める裁判所の判断が確定しました。
 しかしその後も国は認定審査会の基準を見直すことがなく混乱が生じています。
水俣病の主な症状
感覚障害 触られていることや熱さ冷たさの感覚が低下する。手足の先端に行くほど強くなる。
運動失調 手のふるえや歩くときふらついたり、箸をつかむなど細かい動作がうまくできなくなる。
求心性
視野狭窄
視野が狭くなり筒をとおしてモノを見るような状態になる。
その他 手足・口周囲のしびれ感、耳鳴り、難聴、味がわからない、言葉がでにくいなど多様な症状があり、中には外見からは健康な人と見分けのつかない人もいます。
ねたみや中傷
 水俣病の患者に認定されると一生治らない病気の代償として補償を受けることが出来ましたが、まわりから「補償金で家を建てた」などねたまれたりしました。また、認定されなかった人達や、これから認定申請をしようとする人達も「お金目的のニセ患者」だと中傷されたりしました。
 仲の良かった地域のきずなを壊し、人々の間に埋めがたい深い溝を生み出してしまいました。
 これからみんなで、この壊れた関係を正しい知識を持って直す努力をしていかなければなりません。
新潟水俣病に関する裁判
◎新潟水俣病第1次訴訟(1967~1971) ◎新潟水俣病第2次訴訟(1982~1995)
・昭和電工のメチル水銀を含んだ工場排水が原因であるとして、昭和電工に補償を求めた裁判
・1971年9月、原告が勝利し昭和電工の責任が認められた
・熊本で起こった水俣病を再び新潟で発生させたことの国の責任と、被害者を水俣病と認めて補償を行うことを昭和電工に求めた裁判
・1992年3月、新潟地裁で91人中88人を水俣病と認める判決(国の責任は否定)
・原告及び昭和電工が東京高裁に控訴
・1995年の政治解決により和解
◎新潟水俣病第3次訴訟(2007~) ◎ノーモア・ミナマタ新潟全被害者救済訴訟(第4次訴訟)(2009~2011)
・工場排水の規制を行わなかった国の責任、漁業調整規則に基づく有害物遺棄等の禁止を行わなかったとする県の責任及び有害な工場排水による不法行為に対する昭和電工の責任を求めた裁判
・2015年3月、新潟地裁で昭和電工の責任を追及する原告10人のうち7人について水俣病と認める判決(国・県の責任は否定)
・判決を不服として、原告及び昭和電工が東京高裁に控訴
・2017年11月、原告10人のうち8人が平行して係争していた新潟水俣病抗告訴訟において東京高裁で勝訴
・抗告訴訟で勝訴した原告8人はその後、新潟市から認定を受けて訴えを取下げたため、3次訴訟の原告は新潟地裁で敗訴した2人のみとなる
・2018年3月、東京高裁で原告2人の請求を棄却する判決(水俣病に罹患していると認めず)
・2018年4月、原告2人が最高裁へ上告
・工場排水の規制を行わず被害拡大の防止を怠ったこと及び認定基準を厳格化し患者救済を切り捨てた国の責任と、有機水銀を含んだ工場排水を阿賀野川に放出した昭和電工の責任を求めた裁判
・2011年3月に和解
◎新潟水俣病抗告訴訟(2013~2017) ◎ノーモア・ミナマタ新潟第2次全被害者救済訴訟(第5次訴訟)(2013~)
・新潟市長が行った公健法に基づく水俣病認定申請棄却処分を不服とし、処分の取消し及び認定の義務付けを求める裁判
・2016年5月、新潟地裁で原告9人中7人の請求を認容する判決
・原告及び新潟市が東京高裁に控訴
・2017年11月、東京高裁で原告9人全員の請求を認容する判決
・2017年12月、新潟市が判決を受け入れたため、判決確定(9人全員認定)
・水俣病被害者救済特別措置法による給付申請の期限に間に合わなかった人や、給付申請をしたが非該当になった人などが国と昭和電工に損害賠償を求めた裁判
・現在、新潟地裁で係争中


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利根輪太郎の競輪人間学 取手競輪開設75周年記念「水戸黄門賞」

2025年05月30日 18時17分09秒 | その気になる言葉

初日 予想

9レース

7=1 7=5 7-8 7-2 5=2

10レース

1=5 1=2 1-9 1-3 2=3


11レース

9=3 9=2 9=1 2-5 2-8
 

12レース

1=5 1=2 1-6 1-3 2=5

 

坂井洋選手トークショー開催!! (開設75周年記念「水戸黄門賞」GⅢ 5月31日)

取手競輪開設75周年記念「水戸黄門賞」GⅢ初日に、栃木の人気選手「坂井洋選手」のトークショーを開催します。

CS放送にも出演いたしますので、ぜひご来場ください!!

○日程:5月31日(土)水戸黄門賞GⅢ初日 

○時間:6R発売中 12時47分頃~ トークショー① 

    8R発売中 13時50分頃~ CS放送出演

    10R発売中 14時45分頃~ トークショー②

【S級戦展望】ダービー王の吉田拓矢が牙城を守る

 豪華メンバーが集結した今シリーズ。S級S班も3名登場するが、やはり注目したいのは今年のダービー王に輝いた地元の吉田拓矢だろう。5月7日で30歳を迎える茨城のエースは、日本選手権決勝で眞杉匠の番手から、鮮やかに直線で抜け出し、一足早い誕生日プレゼントをゲットしたばかり。ダービー王として地元凱旋となるシリーズなら、牙城を守べく集中力を研ぎ澄まして他地区を迎え撃つ。
 その吉田のダービーVをお膳立てした眞杉匠も登場。日本選手権決勝では中団から力強いまくりを放って別線を粉砕し、見事関東ワンツーに導いた。今年は全日本選抜、ウィナーズカップ、日本選手権とビッグ戦線で全て決勝まで進出しており、安定感もピカイチだ。地元からは芦澤大輔、辰弘の兄弟や、一時代を築いた武田豊樹ら実力者が揃った印象だ。
 日本選手権のファイナリストになった松井宏佑も軽視はできない。類まれなスピードとダッシュ力を武器に南関をけん引し、佐々木眞也や和田健太郎らと呼吸を合わせて他地区に襲い掛かる。
 タイトルホルダーが揃った北日本勢は成田和也、山崎芳仁、渡邉一成のといった華の88期トリオを中心に、百戦錬磨の佐藤慎太郎や内藤宣彦など役者が勢揃いだ。
 その他にも三谷竜生や、藤井侑吾、小川勇介、井上昌己なども登場する。

出場予定選手
吉田拓矢
出場予定選手
眞杉匠

藤井侑吾 (愛知/115期/S1)

 ここ数年でメキメキと力を付けており、4月日本選手権では5122の成績で2日目にG1初勝利を挙げた。パワフルな積極策を得意としており、ラインを組む追い込み選手からの信頼は非常に厚い。

藤井侑吾

木村皆斗 (茨城/119期/S2)

 1月岐阜、2月大宮、2月佐世保と3場所連続で完全Vを果たし、特別昇級でS級に返り咲きを決めた。地元記念で気合も十分入るはずで、先導役としての活躍に期待がかかる。

木村皆斗

三谷竜生 (奈良/101期/S1)

 特別競輪を4勝している実力者。近況は4月武雄記念を12④6、続く日本選手権を1675と優出できていないが、底力は上位級だ。強気な攻めと豪快な仕掛けでライバル達に襲い掛かるか。

三谷竜生

出場選手

 

*成績データは直近4ヶ月のものです。

地元選手出走情報

  • 武田 豊樹選手

  • 芦沢 大輔選手

  • 芦沢 辰弘選手

  • 杉森 輝大選手

  • 吉田 拓矢選手

  • 吉田 有希選手

  • 小畑 勝広選手

  • 木村 皆斗選手

  •  

      

    【S級戦展望】ダービー王の吉田拓矢が牙城を守る

     豪華メンバーが集結した今シリーズ。S級S班も3名登場するが、やはり注目したいのは今年のダービー王に輝いた地元の吉田拓矢だろう。5月7日で30歳を迎える茨城のエースは、日本選手権決勝で眞杉匠の番手から、鮮やかに直線で抜け出し、一足早い誕生日プレゼントをゲットしたばかり。ダービー王として地元凱旋となるシリーズなら、牙城を守べく集中力を研ぎ澄まして他地区を迎え撃つ。
     その吉田のダービーVをお膳立てした眞杉匠も登場。日本選手権決勝では中団から力強いまくりを放って別線を粉砕し、見事関東ワンツーに導いた。今年は全日本選抜、ウィナーズカップ、日本選手権とビッグ戦線で全て決勝まで進出しており、安定感もピカイチだ。地元からは芦澤大輔、辰弘の兄弟や、一時代を築いた武田豊樹ら実力者が揃った印象だ。
     日本選手権のファイナリストになった松井宏佑も軽視はできない。類まれなスピードとダッシュ力を武器に南関をけん引し、佐々木眞也や和田健太郎らと呼吸を合わせて他地区に襲い掛かる。
     タイトルホルダーが揃った北日本勢は成田和也、山崎芳仁、渡邉一成のといった華の88期トリオを中心に、百戦錬磨の佐藤慎太郎や内藤宣彦など役者が勢揃いだ。
     その他にも三谷竜生や、藤井侑吾、小川勇介、井上昌己なども登場する。

    吉田拓矢
    眞杉匠
    藤井侑吾 (愛知/115期/S1)

     ここ数年でメキメキと力を付けており、4月日本選手権では5122の成績で2日目にG1初勝利を挙げた。パワフルな積極策を得意としており、ラインを組む追い込み選手からの信頼は非常に厚い。

    木村皆斗 (茨城/119期/S2)

     1月岐阜、2月大宮、2月佐世保と3場所連続で完全Vを果たし、特別昇級でS級に返り咲きを決めた。地元記念で気合も十分入るはずで、先導役としての活躍に期待がかかる。

    三谷竜生 (奈良/101期/S1)

     特別競輪を4勝している実力者。近況は4月武雄記念を12④6、続く日本選手権を1675と優出できていないが、底力は上位級だ。強気な攻めと豪快な仕掛けでライバル達に襲い掛かるか。

    S級S班

    氏名 府県 期別 競走得点 

    郡司浩平 神奈川 99期 118.03 
    眞杉匠 栃木 113期 116.25 

    S級1班

    氏名 府県 期別 競走得点 
    内藤宣彦 秋田 67期 105.81 
    志智俊夫 岐阜 70期 108.07
    佐藤慎太郎 福島 78期 107.62 
    桑原大志 山口 80期 108.82 
    井上昌己 長崎 86期 109.32 
    和田健太郎 千葉 87期 111.17 
    岩津裕介 岡山 87期 111.94 
    成田和也 福島 88期 113.35 
    山崎芳仁 福島 88期 110.33 
    渡辺一成 福島 88期 104.67 
    武田豊樹 茨城 88期 106.63 
    松村友和 大阪 88期 100.55 
    橋本強 愛媛 89期 108.03 0 
    芦沢大輔 茨城 90期 108.65 
    阿竹智史 徳島 90期 108.14 
    小川勇介 福岡 90期 110.60 
    大川龍二 広島 91期 105.33 
    佐藤一伸 福島 94期 107.84 
    芦沢辰弘 茨城 95期 105.96 
    河端朋之 岡山 95期 108.65 
    神田絋輔 大阪 100期 106.3
    三谷竜生 奈良 101期 110.48 
    杉森輝大 茨城 103期 110.52
    吉田拓矢 茨城 107期 117.26
    小川真太郎 徳島 107期 109.30 
    瓜生崇智 熊本 109期 106.61  
    松井宏佑 神奈川 113期 115.68 
    上野優太 熊本 113期 103.81 
    佐々木悠葵 群馬 115期 112.44 
    藤井侑吾 愛知 115期 110.80 
    佐々木眞也 神奈川 117期 109.67 
    松本秀之介 熊本 117期 108.34
    吉田有希 茨城 119期 107.31 
    新村穣 神奈川 119期 100.68 5 

    S級2班

    氏名 府県 期別 競走得点 
    紺野哲也 宮城 69期 102.94 
    金子真也 群馬 69期 92.20
    水谷良和 愛知 70期 95.59 
    江守昇 千葉 73期 95.62 0 
    竹田和幸 岐阜 78期 94.54 
    北野武史 石川 78期 97.68 
    宮下貴之 埼玉 81期 92.93 
    白岩大助 埼玉 84期 95.54 
    石毛克幸 千葉 84期 101.11 
    小橋秀幸 青森 85期 95.75 
    渡辺十夢 福井 85期 99.94 
    武井大介 千葉 86期 91.88
    木村直隆 兵庫 86期 95.38 
    中村圭志 熊本 86期 105.17 
    吉田健市 愛知 87期 95.92 
    丸山貴秀 秋田 89期 96.18 
    志村太賀 山梨 90期 102.03 
    山中貴雄 高知 90期 99.87 
    吉松直人 高知 90期 96.15 
    小堺浩二 石川 91期 98.86 
    山田義彦 埼玉 92期 95.84 
    戸田洋平 岡山 92期 98.42 
    蒔田英彦 千葉 93期 97.00 
    須永優太 福島 94期 105.47 
    真船圭一郎 福島 94期 98.13 
    桶谷明誉 広島 94期 93.60 
    鹿内翔 青森 95期 95.16  
    星野辰也 栃木 95期 94.27 
    相川永伍 埼玉 95期 102.27 
    二藤元太 静岡 95期 98.41 
    内山貴裕 京都 95期 95.95 
    内藤高裕 東京 96期 97.65 
    山形一気 徳島 96期 104.51 
    松尾透 福岡 96期 99.83  
    西岡拓朗 広島 97期 97.91 

    田中陽平 熊本 97期 102.78
    横関裕樹 岐阜 99期 102.91 
    坂本修一 岡山 99期 102.46 
    本郷雄三 熊本 99期 100.87 
    伊東翔貴 福島 100期 98.10 
    岡田泰地 栃木 100期 100.08 
    月森亮輔 岡山 101期 99.91 
    栗山俊介 奈良 103期 100.96 
    坂本周作 青森 105期 98.34 
    副島和人 神奈川 105期 95.57 
    畑段嵐士 京都 105期 100.81 
    吉武信太朗 愛媛 107期 97.53 
    原口昌平 福岡 107期 98.74 
    清水一幸 大阪 109期 97.33 
    染谷幸喜 千葉 111期 98.84 
    鈴木輝大 東京 113期 97.37 
    宮本隼輔 熊本 113期 101.92 
    小畑勝広 茨城 115期 103.00 
    松坂侑亮 神奈川 115期 91.52 
    谷和也 大阪 115期 105.88  
    阪本和也 長崎 115期 101.03 
    櫻井祐太郎 宮城 117期 105.66 
    片桐善也 新潟 117期 94.66 
    長屋秀明 岐阜 117期 94.65 
    緒方将樹 熊本 117期 101.57 
    木村皆斗 茨城 119期 105.00 
    鈴木浩太 千葉 119期 99.85 
    上杉嘉槻 福井 119期 99.42 
    渡口勝成 山口 119期 102.64 
    近藤翔馬 愛媛 119期 98.38 
    山本浩成 福岡 119期 96.00 
    邊見光輝 福島 119期 98.73 
    山口多聞 埼玉 121期 103.14 
    末廣快理 兵庫 121期 94.19 
    松崎広太 茨城 123期 102.84 
    浮島知稀 群馬 123期 100.45 
    西田優大 広島 123期 104.79 

    *成績データは直近4ヶ月のものです。

    地元選手出走情報

    武田 豊樹選手

    芦沢 大輔選手

    芦沢 辰弘選手

    杉森 輝大選手

    吉田 拓矢選手

    吉田 有希選手

    小畑 勝広選手

    木村 皆斗選手

    • 取手競輪開設75周年記念「水戸黄門賞」GⅢ2日目(6月1日)に、先日引退を発表した平原康多氏が来場します!!

      引退後初ステージで何を語るのか、目が離せません!!

      皆様ぜひご来場ください。

      ○日程:6月1日(日)水戸黄門賞GⅢ開催2日目

      ○時間:7R発売中(13時20分頃)トークショー①

          9R発売中(14時20分頃)トークショー②

          10R発売中(14時50分頃)CS放送出演

     

     

     

     

     

 

 


なぜ自殺はダメ!なのか?!

2025年05月30日 17時43分00秒 | その気になる言葉

本日は「自殺はなぜ止めなきゃいけないのか、何で死んじゃいけないのか」というテーマでお話しします。

よくあるテーマです。
自殺はなぜいけないのか、ということです。
精神科医はおはこですとは言わないけれども、よくそういう話になるので、こういう解説をしています。

コンテンツ

<label class="ez-toc-cssicon-toggle-label" for="ez-toc-cssicon-toggle-item-68396936193a1"></label><input id="ez-toc-cssicon-toggle-item-68396936193a1" type="checkbox" aria-label="Toggle" />

うつ状態、トラウマなど

まずよく言われるのは、「解決可能なので待ちましょう」ということです。
自殺を今したいと思っているかもしれないけれども、あなたが解決できないと思っている問題は必ず解決できますから、ちょっと待ってください、そしたらよくなりますから、という説明をします。

例えば、うつ状態、トラウマがある、そういうものは脳機能の病的な異常なんです。
うつ病でもう先が見えない、もう私は死んだ方がいいんだ、と思ってるときはそういう病的な状況なので、きちんとうつ病の治療していけば良くなります。それが無くなります。

確かに長くかかるんです。
半年とかかかることも珍しくないので、ギョッとするかもしれないですが、でも少なくとも半年ぐらいしかないわけだから、必ず回復するのでそこはお待ちください、ということを言います。

トラウマの問題もそうで、いつまでも忘れられないんですと言うのですが、これも治療していけば忘れるんです。
人間の記憶力は結局忘れるんです。

記憶はそもそもその都度その都度再生産されているんです。
冷蔵庫の中のものを取り出してカレーを作るみたいなもので、やり方を変えたら同じ材料で肉ジャガに変わったりするんです。

材料はあるかもしれないけれど、毎回カレーにする必要はないんです。
もうひと手間加えるとか、もうちょっと別の調味料を加えるとか、別の知識が加わることによって記憶は変わってくる。
だから一緒に治療していきましょうということになります。

社会環境の問題

2つ目は貧困や社会環境の問題です。

貧困の問題、自分は働けない、能力的な問題で働けない、パワハラがあった、訴えられている、親から虐待されている、色々なものがあります。
日本はやはり豊かなんですよね、豊かな国なんです、だから福祉で解決できることは多いです。

もちろんすごい大金持ちになれないじゃないか、TikTokに出ているような、YouTubeに出ているような、めちゃくちゃお金持ちみたいな、そういうのになれないじゃないかと言われて、そういうところはあるかもしれないけれども、基本的には生きていく部分は保障されています。

福祉の人は怖いんだとか色々ありますけど、そしたらもう一人かます、サポートできる人をかますことができる。これも解決できるので焦らず待ちましょう、ということになります。

人間関係、自己肯定感

あとは親子関係、人間関係、自分の自己否定的な感じ、親からずっと責められている、親戚から責められている、村の人から、みんなから責められている。
自分はダメな奴なんだと思うこともありますけど、これは解決可能だし、逃避可能なんです。

僕も自衛隊にいたときに「お前はダメなヤツだ」と言う人はいました。
大学2年生のときに久々に訓練が始まったら、敬礼を右手でやるところを、左手でやっちゃって、めちゃくちゃ怒られました。

お前はふざけてんのかという感じですっごい言われて、益田ヤバい、みたいな。
1年経ってるのに敬礼ひとつできないとか言われて、それが学年中どころかもう全学年に一回広がって、新しい2年になったヤツで、敬礼を逆にやっちゃたヤツいるぞ、みたいに言われて。

そんなことがありましたけど、その時はまだ大学受験が終わって1年ぐらい経ったところで、俺って本当にダメな奴なんじゃないか、親元から離れたあと、俺は本当に医者なんかなれないんじゃないか、敬礼できないヤツは本当に終わってんじゃないかと思ってましたけど、何かしらの解決は可能だし逃避可能です。

「僕は親に認められるのが人生なんだ」「逃げた人生なんか送りたくない」と思うかもしれませんが、いやいやまあちょっと待ちましょうよ、ということです。
別のところは別のところなりに結構楽しかったりします。
逆に良いな、みたいな。
何にこだわってたんだろうみたいな、そういうのはあります。
待ちましょうということです。

治療可能なので自殺は良くないということなんです、精神科医的な立場で言うと。
少なくとも僕が診てきた患者さんの中で、事故になってしまった人もいますが、治療可能ではないと思った人は1人も会ったことがないです。

僕の技術が足りなかったのか、相手の環境、知的な能力、その時のタイミングなどが合わなくてあれだったかどうかわからないですが、解決不可能なものは少なくとも見たことないなというのが僕の正直なところです。

だから自信を持ってやめましょうと言えますね。待ちましょう。
益田の腕が悪かったらよそにいい先生はいっぱいいますから、よそに行けばいいんです、ということです。

解決不可能な問題があった場合

ただもう一歩踏み出していくと、じゃあ解決不可能な問題があった場合どうなのか。
もうちょっと人文的なことを考えてみると、自殺ってそもそも何でダメなの、ということを人文科学的なものから考えていくと、色々なことが見えてくるんです。

過去に言われたことよりも、現代になったことで、過去はそうかもしれないけれども飢饉の問題があるよね、そうかもしれないけれど食事が足りないからまだ自殺のことは考えなくてもいいよね、と。
切羽詰まってなかったんだけれども、現代においては切羽詰まった問題に変わりつつあります。
それが不都合な真実として今出てきているので、そこも皆さんと共有したいなと思います。

まず人権の概念です。
人権というものをどう考えるのかは最近よく考えるんですけど、いよいよそういう話を真剣に考えなきゃいけない時代になってきたんじゃないかなと思います。

格差や分断がすごく出てきていて、資本主義や民主主義のちょっとした欠点が色々なところで目につくようになってしまった、というところからだと思います。

人はもちろん全員が平等であって、平等に権利を持つものであるんだけれども、現実それできないよね、と。
当時は戦争があったから、当時はまだ貧しかったからと言ったけれども、今少なくとも日本は戦争はなくて、国際交流も増えていって、食料も色々な意味で解決しつつあるのにもかかわらず人権が守られていないのはなぜか、ということです。

いやいや、本当に考えなきゃダメなフェーズに入ったんじゃない?みたいなことになっている、と。

あとは社会秩序の問題としてどうあるべきか、というのも見える化されてきたんじゃないかなと思います。
福祉を厚くするか。でも福祉を厚くすれば税がかかりますよね?
じゃあ税を減らして自由に任せるべきか?
そうすると今度は福祉が上手く行かなくなるんです。
これ、結構難しいんです。

例えば、今回コロナの件で対策をしっかりしましょうというときに、しっかりしたら色々な弊害があったんです。
しっかりしたせいでインフレが進んだよ、と。
戦争の影響もあるけれど、そんな単純話じゃないかもしれないけれど、少なくとも福祉を厚くした、お金をたくさん刷った、そしたらインフレが進んだ。

インフレが進んだ結果、例えば業績が悪くなって解雇された人も結構多かった。
IT企業の大きいところは良い機会だからと、解雇があったりしました。整理された。
それって良かったの? 本当に意味があることしてたの? というのはあります。

コロナの対策でしっかりロックダウンをした場合、ロックダウンをしてたんだけども、結局は中国もそうですけど、入ってきちゃって感染者がドッと増えちゃった。
これは良かったんですか?
色々な見方があります。

時間的猶予があったので、そんなに問題がある病気じゃないということがわかったから後で開放できた、時間的な猶予があったからできたという見方もできるし、いやいや、もうどっちにしろよくわからん、ぐちゃぐちゃになっただけ、いらん知恵を働かせたから無駄なことが起きた、ということかもしれない。

これは結構難しくて、社会主義というものが失敗した、どうしてかわからないけれども、歴史上色々な人がやっていて、本当に賢くて、最先端のことをして、強制力を持って色々なことをしたらすべて失敗に終わるんです、どちらかというと。

何もせずに自由に任せた方がいいじゃないか、ということが結構多いんです。
かといって、自由すぎたらやっぱり破滅するので、ここのバランスが難しい。

ただ、いよいよ今まで何となくやっていたり、技術的に困難だったのが、最近だと一瞬で世界中の人と情報共有できて一瞬で決断できるので、悩まなきゃいけない状況になっている、ということです。

あとは障害の問題です。
障害に対して色々なことがわかってきたので、出生前診断をしていいのかどうなのか、ということまで考えなきゃいけなくなってきているというのがあります。

出生前診断というのは、結局は殺人というか、自殺を補助しているとも言えるわけです。
そうじゃないという見方もできますけど、別の見方もできるわけで、それは個人の自由で決めていいのか?
それを拡大していけば自殺というのもひとつの権利なんじゃないか、ということが言えるわけです。

これは結構難しくて、治療者側からは良くなるんだからちょっと待ってよ、という話だけれど、人文的に考えると時間的な問題で人の命を決定していいのかとか、色々な理屈で考えたりするので、ここもややこしいなと思います。

成人の判断で意識がちゃんとしているのであればいいのか、安楽死はいいのか、ということにもなってくるので、難しいなと思います。

不都合な真実

考えていく上でもう一個大事なのは、本人の自由意志というものがそこまで尊重できるのかということです。

本人の自由意志ってないよね、という立場なんですよ。
治療すれば良くなるんだから。
治療すれば良くなるような意志なんてそもそもそんなに価値ないよね、ということなんです。

精神科医はどこか科学者なのでそういう目線がある。
実際、研究結果を見てみると、個人の努力とか個人の意志よりも、遺伝子や環境の影響の方がはるかに大きいということがわかってきているんです。

 

だから結局、運の存在というのはすごくあって、今ここにいる理由、今この状態である、今私たちが恵まれている、今私たちが恵まれてない、というのは、運の要素が大きすぎじゃない?という話が出てきている。

ということは、自分たちは誰かを傷つけている存在でもあり、自分たちが迫害者である。

障害者はかわいそうだ、障害者は運が悪かったんだというだけではなくて、障害者をつくっているのは社会だよね、ということは社会を運営しているのは僕らだよね。
ということは僕らって迫害者じゃない? という問題も突きつけられているというか。隠してますが実はそう。

精神医学のことを知れば知るほどそういう真実に気づいてしまうんです。

発達障害や境界知能、色々な特性ですが、そういうことがわかってきて、あれ?これどうやら話しても通じないよ、話していてもなかなか通じ合えない人が一定数いるよね、そもそも感じ方や考え方って生まれながらに結構違うよね、みたいなこともわかってきている。

でもそれを含めて多様性であって、それを否定してしまったら人類は上手く行かない。
はっきり言ってしまうと医学部とか東大生みたいに小さくまとまってるような人たちだと、世の中の社会的なイノベーションは起きないんです。

社会的に本当に解決すべき問題、大きな問題を解決しようと思ったら、小さくまとまった人間はダメで、やはり自分のトラウマや苦しみ、モチベーションと使命感が妙にグチャグチャっと混ざって、かつ運、特性、脳の歪みみたいなものがあって、それが大衆を巻き込んで大きなうねりをやるから解決していくんですよ。大きな問題というのは。

でももちろん、そのうねりの陰には数多くの失敗というか、非成功体験というか、非成功の出来事があるので、ここら辺もどう考えるのかなと思います。

昨今では炎上が多いです。
でも炎上って、結局、炎上を起こした側の人たちというのが、悪意がある、詐欺師のように世の中を引っかき回してやろうとか、そういうパターンはなくはないと思いますけど少なくて、どちらかというと、精神科医が言うとアレですが、発達的な問題、境界知能的な問題でそこまで考えが及ばなくてやってしまって、それがバッと火を噴いちゃう、非倫理的に見えちゃう、自己中心的に見えて火を噴くということが多いし、その周りの人も偏った正義感というか、切り替えが苦手だったり固執してたり、自分の考えにこうなりがちな人が多かったりします。

よく見ていくと、この中にすごい悪とかいないんじゃない?ということがわかってきます。結構見える化されてきちゃって、わかっていたことなんですがすごく見える化されてきて、問題が切羽詰まってきているのかなと個人的には思います。

SNSもそうだしYouTubeもそうですけれども、今まで見えなかったものが見えやすくなったんじゃないかなと思います。
見やすくなった結果、今まで後回しにできていた問題が後回しにできなくなりつつあるんじゃないかなと思います。

これは自助会の一人の人が、不都合な真実ですから企業の偉い方は精神疾患を知りたくないんじゃないですか、と一言ざっくり言ったんです。
これが僕の中ですごく大きなインパクトがあって、「えっ、不都合な真実!?」と思って。

確かに不都合な真実だなと思って、面白いなと思って、みんな人それぞれ色々なことを考えてるし、当たり前ですけど、みんな対等なんだなと思います。
やっぱりすごいなと思って学ばせてもらったという感じです。

でもそういうタイミングに来てるのかなと思います。
いや、もちろんその益田裕介が本当にイノベーションを起こすのか起こさないのかよくわからないですし、別に益田裕介である必要はないと僕は思いますけど。
でも思想や考え方、常識ということが今まで人類の中で変わらなかったことはないので、今後も変わり続けるし、変わり続けるひとつの方向性というか、未来の中のひとつとしてこういうものってあるだろう。

精神医学というのは不都合かもしれないけれども、どこかで社会が共有しなきゃいけないんだろうなというのは思います。

僕が生きている間に隠し通せるのか、僕が死んだ後に明らかになるのか、社会の価値観や思想の中に取り込まれるかはわからないですけど、でもどこかのタイミングでそれは取り込まざるを得ないだろうなと思います。
これだけ苦しんでいる人もいますしね。

今回は、自殺はなぜやめなきゃいけないのか、止めなきゃいけないのか、について解説しました。

 
2023.2.15


なぜ自殺はダメ!なのか?!

2025年05月30日 17時37分13秒 | その気になる言葉

本日は「自殺はなぜ止めなきゃいけないのか、何で死んじゃいけないのか」というテーマでお話しします。

よくあるテーマです。
自殺はなぜいけないのか、ということです。
精神科医はおはこですとは言わないけれども、よくそういう話になるので、こういう解説をしています。

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うつ状態、トラウマなど

まずよく言われるのは、「解決可能なので待ちましょう」ということです。
自殺を今したいと思っているかもしれないけれども、あなたが解決できないと思っている問題は必ず解決できますから、ちょっと待ってください、そしたらよくなりますから、という説明をします。

例えば、うつ状態、トラウマがある、そういうものは脳機能の病的な異常なんです。
うつ病でもう先が見えない、もう私は死んだ方がいいんだ、と思ってるときはそういう病的な状況なので、きちんとうつ病の治療していけば良くなります。それが無くなります。

確かに長くかかるんです。
半年とかかかることも珍しくないので、ギョッとするかもしれないですが、でも少なくとも半年ぐらいしかないわけだから、必ず回復するのでそこはお待ちください、ということを言います。

トラウマの問題もそうで、いつまでも忘れられないんですと言うのですが、これも治療していけば忘れるんです。
人間の記憶力は結局忘れるんです。

記憶はそもそもその都度その都度再生産されているんです。
冷蔵庫の中のものを取り出してカレーを作るみたいなもので、やり方を変えたら同じ材料で肉ジャガに変わったりするんです。

材料はあるかもしれないけれど、毎回カレーにする必要はないんです。
もうひと手間加えるとか、もうちょっと別の調味料を加えるとか、別の知識が加わることによって記憶は変わってくる。
だから一緒に治療していきましょうということになります。

社会環境の問題

2つ目は貧困や社会環境の問題です。

貧困の問題、自分は働けない、能力的な問題で働けない、パワハラがあった、訴えられている、親から虐待されている、色々なものがあります。
日本はやはり豊かなんですよね、豊かな国なんです、だから福祉で解決できることは多いです。

もちろんすごい大金持ちになれないじゃないか、TikTokに出ているような、YouTubeに出ているような、めちゃくちゃお金持ちみたいな、そういうのになれないじゃないかと言われて、そういうところはあるかもしれないけれども、基本的には生きていく部分は保障されています。

福祉の人は怖いんだとか色々ありますけど、そしたらもう一人かます、サポートできる人をかますことができる。これも解決できるので焦らず待ちましょう、ということになります。

人間関係、自己肯定感

あとは親子関係、人間関係、自分の自己否定的な感じ、親からずっと責められている、親戚から責められている、村の人から、みんなから責められている。
自分はダメな奴なんだと思うこともありますけど、これは解決可能だし、逃避可能なんです。

僕も自衛隊にいたときに「お前はダメなヤツだ」と言う人はいました。
大学2年生のときに久々に訓練が始まったら、敬礼を右手でやるところを、左手でやっちゃって、めちゃくちゃ怒られました。

お前はふざけてんのかという感じですっごい言われて、益田ヤバい、みたいな。
1年経ってるのに敬礼ひとつできないとか言われて、それが学年中どころかもう全学年に一回広がって、新しい2年になったヤツで、敬礼を逆にやっちゃたヤツいるぞ、みたいに言われて。

そんなことがありましたけど、その時はまだ大学受験が終わって1年ぐらい経ったところで、俺って本当にダメな奴なんじゃないか、親元から離れたあと、俺は本当に医者なんかなれないんじゃないか、敬礼できないヤツは本当に終わってんじゃないかと思ってましたけど、何かしらの解決は可能だし逃避可能です。

「僕は親に認められるのが人生なんだ」「逃げた人生なんか送りたくない」と思うかもしれませんが、いやいやまあちょっと待ちましょうよ、ということです。
別のところは別のところなりに結構楽しかったりします。
逆に良いな、みたいな。
何にこだわってたんだろうみたいな、そういうのはあります。
待ちましょうということです。

治療可能なので自殺は良くないということなんです、精神科医的な立場で言うと。
少なくとも僕が診てきた患者さんの中で、事故になってしまった人もいますが、治療可能ではないと思った人は1人も会ったことがないです。

僕の技術が足りなかったのか、相手の環境、知的な能力、その時のタイミングなどが合わなくてあれだったかどうかわからないですが、解決不可能なものは少なくとも見たことないなというのが僕の正直なところです。

だから自信を持ってやめましょうと言えますね。待ちましょう。
益田の腕が悪かったらよそにいい先生はいっぱいいますから、よそに行けばいいんです、ということです。

解決不可能な問題があった場合

ただもう一歩踏み出していくと、じゃあ解決不可能な問題があった場合どうなのか。
もうちょっと人文的なことを考えてみると、自殺ってそもそも何でダメなの、ということを人文科学的なものから考えていくと、色々なことが見えてくるんです。

過去に言われたことよりも、現代になったことで、過去はそうかもしれないけれども飢饉の問題があるよね、そうかもしれないけれど食事が足りないからまだ自殺のことは考えなくてもいいよね、と。
切羽詰まってなかったんだけれども、現代においては切羽詰まった問題に変わりつつあります。
それが不都合な真実として今出てきているので、そこも皆さんと共有したいなと思います。

まず人権の概念です。
人権というものをどう考えるのかは最近よく考えるんですけど、いよいよそういう話を真剣に考えなきゃいけない時代になってきたんじゃないかなと思います。

格差や分断がすごく出てきていて、資本主義や民主主義のちょっとした欠点が色々なところで目につくようになってしまった、というところからだと思います。

人はもちろん全員が平等であって、平等に権利を持つものであるんだけれども、現実それできないよね、と。
当時は戦争があったから、当時はまだ貧しかったからと言ったけれども、今少なくとも日本は戦争はなくて、国際交流も増えていって、食料も色々な意味で解決しつつあるのにもかかわらず人権が守られていないのはなぜか、ということです。

いやいや、本当に考えなきゃダメなフェーズに入ったんじゃない?みたいなことになっている、と。

あとは社会秩序の問題としてどうあるべきか、というのも見える化されてきたんじゃないかなと思います。
福祉を厚くするか。でも福祉を厚くすれば税がかかりますよね?
じゃあ税を減らして自由に任せるべきか?
そうすると今度は福祉が上手く行かなくなるんです。
これ、結構難しいんです。

例えば、今回コロナの件で対策をしっかりしましょうというときに、しっかりしたら色々な弊害があったんです。
しっかりしたせいでインフレが進んだよ、と。
戦争の影響もあるけれど、そんな単純話じゃないかもしれないけれど、少なくとも福祉を厚くした、お金をたくさん刷った、そしたらインフレが進んだ。

インフレが進んだ結果、例えば業績が悪くなって解雇された人も結構多かった。
IT企業の大きいところは良い機会だからと、解雇があったりしました。整理された。
それって良かったの? 本当に意味があることしてたの? というのはあります。

コロナの対策でしっかりロックダウンをした場合、ロックダウンをしてたんだけども、結局は中国もそうですけど、入ってきちゃって感染者がドッと増えちゃった。
これは良かったんですか?
色々な見方があります。

時間的猶予があったので、そんなに問題がある病気じゃないということがわかったから後で開放できた、時間的な猶予があったからできたという見方もできるし、いやいや、もうどっちにしろよくわからん、ぐちゃぐちゃになっただけ、いらん知恵を働かせたから無駄なことが起きた、ということかもしれない。

これは結構難しくて、社会主義というものが失敗した、どうしてかわからないけれども、歴史上色々な人がやっていて、本当に賢くて、最先端のことをして、強制力を持って色々なことをしたらすべて失敗に終わるんです、どちらかというと。

何もせずに自由に任せた方がいいじゃないか、ということが結構多いんです。
かといって、自由すぎたらやっぱり破滅するので、ここのバランスが難しい。

ただ、いよいよ今まで何となくやっていたり、技術的に困難だったのが、最近だと一瞬で世界中の人と情報共有できて一瞬で決断できるので、悩まなきゃいけない状況になっている、ということです。

あとは障害の問題です。
障害に対して色々なことがわかってきたので、出生前診断をしていいのかどうなのか、ということまで考えなきゃいけなくなってきているというのがあります。

出生前診断というのは、結局は殺人というか、自殺を補助しているとも言えるわけです。
そうじゃないという見方もできますけど、別の見方もできるわけで、それは個人の自由で決めていいのか?
それを拡大していけば自殺というのもひとつの権利なんじゃないか、ということが言えるわけです。

これは結構難しくて、治療者側からは良くなるんだからちょっと待ってよ、という話だけれど、人文的に考えると時間的な問題で人の命を決定していいのかとか、色々な理屈で考えたりするので、ここもややこしいなと思います。

成人の判断で意識がちゃんとしているのであればいいのか、安楽死はいいのか、ということにもなってくるので、難しいなと思います。

不都合な真実

考えていく上でもう一個大事なのは、本人の自由意志というものがそこまで尊重できるのかということです。

本人の自由意志ってないよね、という立場なんですよ。
治療すれば良くなるんだから。
治療すれば良くなるような意志なんてそもそもそんなに価値ないよね、ということなんです。

精神科医はどこか科学者なのでそういう目線がある。
実際、研究結果を見てみると、個人の努力とか個人の意志よりも、遺伝子や環境の影響の方がはるかに大きいということがわかってきているんです。

 

だから結局、運の存在というのはすごくあって、今ここにいる理由、今この状態である、今私たちが恵まれている、今私たちが恵まれてない、というのは、運の要素が大きすぎじゃない?という話が出てきている。

ということは、自分たちは誰かを傷つけている存在でもあり、自分たちが迫害者である。

障害者はかわいそうだ、障害者は運が悪かったんだというだけではなくて、障害者をつくっているのは社会だよね、ということは社会を運営しているのは僕らだよね。
ということは僕らって迫害者じゃない? という問題も突きつけられているというか。隠してますが実はそう。

精神医学のことを知れば知るほどそういう真実に気づいてしまうんです。

発達障害や境界知能、色々な特性ですが、そういうことがわかってきて、あれ?これどうやら話しても通じないよ、話していてもなかなか通じ合えない人が一定数いるよね、そもそも感じ方や考え方って生まれながらに結構違うよね、みたいなこともわかってきている。

でもそれを含めて多様性であって、それを否定してしまったら人類は上手く行かない。
はっきり言ってしまうと医学部とか東大生みたいに小さくまとまってるような人たちだと、世の中の社会的なイノベーションは起きないんです。

社会的に本当に解決すべき問題、大きな問題を解決しようと思ったら、小さくまとまった人間はダメで、やはり自分のトラウマや苦しみ、モチベーションと使命感が妙にグチャグチャっと混ざって、かつ運、特性、脳の歪みみたいなものがあって、それが大衆を巻き込んで大きなうねりをやるから解決していくんですよ。大きな問題というのは。

でももちろん、そのうねりの陰には数多くの失敗というか、非成功体験というか、非成功の出来事があるので、ここら辺もどう考えるのかなと思います。

昨今では炎上が多いです。
でも炎上って、結局、炎上を起こした側の人たちというのが、悪意がある、詐欺師のように世の中を引っかき回してやろうとか、そういうパターンはなくはないと思いますけど少なくて、どちらかというと、精神科医が言うとアレですが、発達的な問題、境界知能的な問題でそこまで考えが及ばなくてやってしまって、それがバッと火を噴いちゃう、非倫理的に見えちゃう、自己中心的に見えて火を噴くということが多いし、その周りの人も偏った正義感というか、切り替えが苦手だったり固執してたり、自分の考えにこうなりがちな人が多かったりします。

よく見ていくと、この中にすごい悪とかいないんじゃない?ということがわかってきます。結構見える化されてきちゃって、わかっていたことなんですがすごく見える化されてきて、問題が切羽詰まってきているのかなと個人的には思います。

SNSもそうだしYouTubeもそうですけれども、今まで見えなかったものが見えやすくなったんじゃないかなと思います。
見やすくなった結果、今まで後回しにできていた問題が後回しにできなくなりつつあるんじゃないかなと思います。

これは自助会の一人の人が、不都合な真実ですから企業の偉い方は精神疾患を知りたくないんじゃないですか、と一言ざっくり言ったんです。
これが僕の中ですごく大きなインパクトがあって、「えっ、不都合な真実!?」と思って。

確かに不都合な真実だなと思って、面白いなと思って、みんな人それぞれ色々なことを考えてるし、当たり前ですけど、みんな対等なんだなと思います。
やっぱりすごいなと思って学ばせてもらったという感じです。

でもそういうタイミングに来てるのかなと思います。
いや、もちろんその益田裕介が本当にイノベーションを起こすのか起こさないのかよくわからないですし、別に益田裕介である必要はないと僕は思いますけど。
でも思想や考え方、常識ということが今まで人類の中で変わらなかったことはないので、今後も変わり続けるし、変わり続けるひとつの方向性というか、未来の中のひとつとしてこういうものってあるだろう。

精神医学というのは不都合かもしれないけれども、どこかで社会が共有しなきゃいけないんだろうなというのは思います。

僕が生きている間に隠し通せるのか、僕が死んだ後に明らかになるのか、社会の価値観や思想の中に取り込まれるかはわからないですけど、でもどこかのタイミングでそれは取り込まざるを得ないだろうなと思います。
これだけ苦しんでいる人もいますしね。

今回は、自殺はなぜやめなきゃいけないのか、止めなきゃいけないのか、について解説しました。

 
2023.2.15


なぜ自殺はダメ!なのか?!

2025年05月30日 17時37分13秒 | その気になる言葉

本日は「自殺はなぜ止めなきゃいけないのか、何で死んじゃいけないのか」というテーマでお話しします。

よくあるテーマです。
自殺はなぜいけないのか、ということです。
精神科医はおはこですとは言わないけれども、よくそういう話になるので、こういう解説をしています。

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うつ状態、トラウマなど

まずよく言われるのは、「解決可能なので待ちましょう」ということです。
自殺を今したいと思っているかもしれないけれども、あなたが解決できないと思っている問題は必ず解決できますから、ちょっと待ってください、そしたらよくなりますから、という説明をします。

例えば、うつ状態、トラウマがある、そういうものは脳機能の病的な異常なんです。
うつ病でもう先が見えない、もう私は死んだ方がいいんだ、と思ってるときはそういう病的な状況なので、きちんとうつ病の治療していけば良くなります。それが無くなります。

確かに長くかかるんです。
半年とかかかることも珍しくないので、ギョッとするかもしれないですが、でも少なくとも半年ぐらいしかないわけだから、必ず回復するのでそこはお待ちください、ということを言います。

トラウマの問題もそうで、いつまでも忘れられないんですと言うのですが、これも治療していけば忘れるんです。
人間の記憶力は結局忘れるんです。

記憶はそもそもその都度その都度再生産されているんです。
冷蔵庫の中のものを取り出してカレーを作るみたいなもので、やり方を変えたら同じ材料で肉ジャガに変わったりするんです。

材料はあるかもしれないけれど、毎回カレーにする必要はないんです。
もうひと手間加えるとか、もうちょっと別の調味料を加えるとか、別の知識が加わることによって記憶は変わってくる。
だから一緒に治療していきましょうということになります。

社会環境の問題

2つ目は貧困や社会環境の問題です。

貧困の問題、自分は働けない、能力的な問題で働けない、パワハラがあった、訴えられている、親から虐待されている、色々なものがあります。
日本はやはり豊かなんですよね、豊かな国なんです、だから福祉で解決できることは多いです。

もちろんすごい大金持ちになれないじゃないか、TikTokに出ているような、YouTubeに出ているような、めちゃくちゃお金持ちみたいな、そういうのになれないじゃないかと言われて、そういうところはあるかもしれないけれども、基本的には生きていく部分は保障されています。

福祉の人は怖いんだとか色々ありますけど、そしたらもう一人かます、サポートできる人をかますことができる。これも解決できるので焦らず待ちましょう、ということになります。

人間関係、自己肯定感

あとは親子関係、人間関係、自分の自己否定的な感じ、親からずっと責められている、親戚から責められている、村の人から、みんなから責められている。
自分はダメな奴なんだと思うこともありますけど、これは解決可能だし、逃避可能なんです。

僕も自衛隊にいたときに「お前はダメなヤツだ」と言う人はいました。
大学2年生のときに久々に訓練が始まったら、敬礼を右手でやるところを、左手でやっちゃって、めちゃくちゃ怒られました。

お前はふざけてんのかという感じですっごい言われて、益田ヤバい、みたいな。
1年経ってるのに敬礼ひとつできないとか言われて、それが学年中どころかもう全学年に一回広がって、新しい2年になったヤツで、敬礼を逆にやっちゃたヤツいるぞ、みたいに言われて。

そんなことがありましたけど、その時はまだ大学受験が終わって1年ぐらい経ったところで、俺って本当にダメな奴なんじゃないか、親元から離れたあと、俺は本当に医者なんかなれないんじゃないか、敬礼できないヤツは本当に終わってんじゃないかと思ってましたけど、何かしらの解決は可能だし逃避可能です。

「僕は親に認められるのが人生なんだ」「逃げた人生なんか送りたくない」と思うかもしれませんが、いやいやまあちょっと待ちましょうよ、ということです。
別のところは別のところなりに結構楽しかったりします。
逆に良いな、みたいな。
何にこだわってたんだろうみたいな、そういうのはあります。
待ちましょうということです。

治療可能なので自殺は良くないということなんです、精神科医的な立場で言うと。
少なくとも僕が診てきた患者さんの中で、事故になってしまった人もいますが、治療可能ではないと思った人は1人も会ったことがないです。

僕の技術が足りなかったのか、相手の環境、知的な能力、その時のタイミングなどが合わなくてあれだったかどうかわからないですが、解決不可能なものは少なくとも見たことないなというのが僕の正直なところです。

だから自信を持ってやめましょうと言えますね。待ちましょう。
益田の腕が悪かったらよそにいい先生はいっぱいいますから、よそに行けばいいんです、ということです。

解決不可能な問題があった場合

ただもう一歩踏み出していくと、じゃあ解決不可能な問題があった場合どうなのか。
もうちょっと人文的なことを考えてみると、自殺ってそもそも何でダメなの、ということを人文科学的なものから考えていくと、色々なことが見えてくるんです。

過去に言われたことよりも、現代になったことで、過去はそうかもしれないけれども飢饉の問題があるよね、そうかもしれないけれど食事が足りないからまだ自殺のことは考えなくてもいいよね、と。
切羽詰まってなかったんだけれども、現代においては切羽詰まった問題に変わりつつあります。
それが不都合な真実として今出てきているので、そこも皆さんと共有したいなと思います。

まず人権の概念です。
人権というものをどう考えるのかは最近よく考えるんですけど、いよいよそういう話を真剣に考えなきゃいけない時代になってきたんじゃないかなと思います。

格差や分断がすごく出てきていて、資本主義や民主主義のちょっとした欠点が色々なところで目につくようになってしまった、というところからだと思います。

人はもちろん全員が平等であって、平等に権利を持つものであるんだけれども、現実それできないよね、と。
当時は戦争があったから、当時はまだ貧しかったからと言ったけれども、今少なくとも日本は戦争はなくて、国際交流も増えていって、食料も色々な意味で解決しつつあるのにもかかわらず人権が守られていないのはなぜか、ということです。

いやいや、本当に考えなきゃダメなフェーズに入ったんじゃない?みたいなことになっている、と。

あとは社会秩序の問題としてどうあるべきか、というのも見える化されてきたんじゃないかなと思います。
福祉を厚くするか。でも福祉を厚くすれば税がかかりますよね?
じゃあ税を減らして自由に任せるべきか?
そうすると今度は福祉が上手く行かなくなるんです。
これ、結構難しいんです。

例えば、今回コロナの件で対策をしっかりしましょうというときに、しっかりしたら色々な弊害があったんです。
しっかりしたせいでインフレが進んだよ、と。
戦争の影響もあるけれど、そんな単純話じゃないかもしれないけれど、少なくとも福祉を厚くした、お金をたくさん刷った、そしたらインフレが進んだ。

インフレが進んだ結果、例えば業績が悪くなって解雇された人も結構多かった。
IT企業の大きいところは良い機会だからと、解雇があったりしました。整理された。
それって良かったの? 本当に意味があることしてたの? というのはあります。

コロナの対策でしっかりロックダウンをした場合、ロックダウンをしてたんだけども、結局は中国もそうですけど、入ってきちゃって感染者がドッと増えちゃった。
これは良かったんですか?
色々な見方があります。

時間的猶予があったので、そんなに問題がある病気じゃないということがわかったから後で開放できた、時間的な猶予があったからできたという見方もできるし、いやいや、もうどっちにしろよくわからん、ぐちゃぐちゃになっただけ、いらん知恵を働かせたから無駄なことが起きた、ということかもしれない。

これは結構難しくて、社会主義というものが失敗した、どうしてかわからないけれども、歴史上色々な人がやっていて、本当に賢くて、最先端のことをして、強制力を持って色々なことをしたらすべて失敗に終わるんです、どちらかというと。

何もせずに自由に任せた方がいいじゃないか、ということが結構多いんです。
かといって、自由すぎたらやっぱり破滅するので、ここのバランスが難しい。

ただ、いよいよ今まで何となくやっていたり、技術的に困難だったのが、最近だと一瞬で世界中の人と情報共有できて一瞬で決断できるので、悩まなきゃいけない状況になっている、ということです。

あとは障害の問題です。
障害に対して色々なことがわかってきたので、出生前診断をしていいのかどうなのか、ということまで考えなきゃいけなくなってきているというのがあります。

出生前診断というのは、結局は殺人というか、自殺を補助しているとも言えるわけです。
そうじゃないという見方もできますけど、別の見方もできるわけで、それは個人の自由で決めていいのか?
それを拡大していけば自殺というのもひとつの権利なんじゃないか、ということが言えるわけです。

これは結構難しくて、治療者側からは良くなるんだからちょっと待ってよ、という話だけれど、人文的に考えると時間的な問題で人の命を決定していいのかとか、色々な理屈で考えたりするので、ここもややこしいなと思います。

成人の判断で意識がちゃんとしているのであればいいのか、安楽死はいいのか、ということにもなってくるので、難しいなと思います。

不都合な真実

考えていく上でもう一個大事なのは、本人の自由意志というものがそこまで尊重できるのかということです。

本人の自由意志ってないよね、という立場なんですよ。
治療すれば良くなるんだから。
治療すれば良くなるような意志なんてそもそもそんなに価値ないよね、ということなんです。

精神科医はどこか科学者なのでそういう目線がある。
実際、研究結果を見てみると、個人の努力とか個人の意志よりも、遺伝子や環境の影響の方がはるかに大きいということがわかってきているんです。

 

だから結局、運の存在というのはすごくあって、今ここにいる理由、今この状態である、今私たちが恵まれている、今私たちが恵まれてない、というのは、運の要素が大きすぎじゃない?という話が出てきている。

ということは、自分たちは誰かを傷つけている存在でもあり、自分たちが迫害者である。

障害者はかわいそうだ、障害者は運が悪かったんだというだけではなくて、障害者をつくっているのは社会だよね、ということは社会を運営しているのは僕らだよね。
ということは僕らって迫害者じゃない? という問題も突きつけられているというか。隠してますが実はそう。

精神医学のことを知れば知るほどそういう真実に気づいてしまうんです。

発達障害や境界知能、色々な特性ですが、そういうことがわかってきて、あれ?これどうやら話しても通じないよ、話していてもなかなか通じ合えない人が一定数いるよね、そもそも感じ方や考え方って生まれながらに結構違うよね、みたいなこともわかってきている。

でもそれを含めて多様性であって、それを否定してしまったら人類は上手く行かない。
はっきり言ってしまうと医学部とか東大生みたいに小さくまとまってるような人たちだと、世の中の社会的なイノベーションは起きないんです。

社会的に本当に解決すべき問題、大きな問題を解決しようと思ったら、小さくまとまった人間はダメで、やはり自分のトラウマや苦しみ、モチベーションと使命感が妙にグチャグチャっと混ざって、かつ運、特性、脳の歪みみたいなものがあって、それが大衆を巻き込んで大きなうねりをやるから解決していくんですよ。大きな問題というのは。

でももちろん、そのうねりの陰には数多くの失敗というか、非成功体験というか、非成功の出来事があるので、ここら辺もどう考えるのかなと思います。

昨今では炎上が多いです。
でも炎上って、結局、炎上を起こした側の人たちというのが、悪意がある、詐欺師のように世の中を引っかき回してやろうとか、そういうパターンはなくはないと思いますけど少なくて、どちらかというと、精神科医が言うとアレですが、発達的な問題、境界知能的な問題でそこまで考えが及ばなくてやってしまって、それがバッと火を噴いちゃう、非倫理的に見えちゃう、自己中心的に見えて火を噴くということが多いし、その周りの人も偏った正義感というか、切り替えが苦手だったり固執してたり、自分の考えにこうなりがちな人が多かったりします。

よく見ていくと、この中にすごい悪とかいないんじゃない?ということがわかってきます。結構見える化されてきちゃって、わかっていたことなんですがすごく見える化されてきて、問題が切羽詰まってきているのかなと個人的には思います。

SNSもそうだしYouTubeもそうですけれども、今まで見えなかったものが見えやすくなったんじゃないかなと思います。
見やすくなった結果、今まで後回しにできていた問題が後回しにできなくなりつつあるんじゃないかなと思います。

これは自助会の一人の人が、不都合な真実ですから企業の偉い方は精神疾患を知りたくないんじゃないですか、と一言ざっくり言ったんです。
これが僕の中ですごく大きなインパクトがあって、「えっ、不都合な真実!?」と思って。

確かに不都合な真実だなと思って、面白いなと思って、みんな人それぞれ色々なことを考えてるし、当たり前ですけど、みんな対等なんだなと思います。
やっぱりすごいなと思って学ばせてもらったという感じです。

でもそういうタイミングに来てるのかなと思います。
いや、もちろんその益田裕介が本当にイノベーションを起こすのか起こさないのかよくわからないですし、別に益田裕介である必要はないと僕は思いますけど。
でも思想や考え方、常識ということが今まで人類の中で変わらなかったことはないので、今後も変わり続けるし、変わり続けるひとつの方向性というか、未来の中のひとつとしてこういうものってあるだろう。

精神医学というのは不都合かもしれないけれども、どこかで社会が共有しなきゃいけないんだろうなというのは思います。

僕が生きている間に隠し通せるのか、僕が死んだ後に明らかになるのか、社会の価値観や思想の中に取り込まれるかはわからないですけど、でもどこかのタイミングでそれは取り込まざるを得ないだろうなと思います。
これだけ苦しんでいる人もいますしね。

今回は、自殺はなぜやめなきゃいけないのか、止めなきゃいけないのか、について解説しました。

 
2023.2.15


生命尊厳の哲理

2025年05月30日 17時26分56秒 | その気になる言葉

一人一人が自身に内在する根本的な善性(仏の生命)に目覚め、「人間尊敬」「生命尊厳」の哲理を確立すること。

 

人生は、幸福・安穏・希望の社会を築く挑戦だ!

「未来は、ずっと先にあるわけではありません。『未来』は、『今』にあるのです。将来、実現したい何かがあるなら、今、そのために行動しなければなりません」
 
 
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