さむらい小平次のしっくりこない話

世の中いつも、頭のいい人たちが正反対の事を言い合っている。
どっちが正しいか。自らの感性で感じてみよう!

あらためて憲法9条を考えてみる

2017-02-16 | 社会・経済
応援クリック

こんにちは

小野派一刀流免許皆伝小平次です


本日は憲法9条についてあらためて考え、感じてみたいと思うのです

ではまず、原点に立ち返るべく、条文を読んでみましょう


憲法第九条

 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

第二項

前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。




我が国は永久に戦争をしない、そのための軍隊を持たない…

素晴らしい憲法です



国の最高法規の中でこのようなことを謳っている国は、先進主要諸国の中では我が国日本だけでしょう

強大な軍事力を持つ国々の全てがこのような憲法を持ち、武器を置き、平和を維持しようとつとめることができたのであれば、どれほど素晴らしいことでありましょうか




さて、先日、あるお方と憲法9条についてお話をさせて頂く機会がありました

その方は強いご意志をもって憲法9条を護るべきだとお考えになっていらっしゃる方です
(何が何でも変えることが悪いとも思ってはいないともおっしゃっていましたが)

小平次は、憲法9条こそ改正すべきだと考えている人間ですので、本来であればその方とは正反対の考え方になります

しかしながらその方とお話していると、実に共感できることも多いのです

その方も、小平次ごときがまるで正反対の主張をしているにも関わらず、小平次の話に耳を傾けて下さいます

その方がお話の中でおっしゃいました

「(憲法9条を護るということは)大変過酷なことだと思うのです」

小平次は

「その通りだと思います」

とお答えしました

憲法9条を護るにせよ改正するにせよ、それはいずれにしてもその方のおっしゃる通り

「過酷なこと」

であり

「相当の覚悟」

が必要だと小平次は感じております

どういうことなんでしょうか

たとえば現在、我が国は中国と尖閣諸島の領有をめぐってもめております

現実的に尖閣をめぐり、日中が戦争になるとかって可能性は低いでしょう

殊更に中国の脅威を煽ることには小平次もどうかと思っています

ですが、現実に挑発行動は繰り返されており、他の周辺諸国に対する領海侵略は看過できない状態である思います

国際的司法判断すら無視しているという現状もあります


さて、日中間の戦争が現実的な話かどうかは別として

「領土を護る」ということと「憲法9条を護り軍隊を持たない」

ということは両立するのでしょうか


中国軍の行動ではないとは言え、中国漁船が海保の巡視船に体当たりした事件や、もはや密猟などとは言えない規模で中国漁民が沖縄の珊瑚を強奪に来たことなど、また、中国軍が自衛隊の護衛艦に射撃管制用レーダーを照射したなどいう事件もありました

竹島などがすでに韓国に実効支配されているような状況から見れば、決して楽観していていいとも思えません

それでも中国が「それ以上」の行動に出ないのには、我が国の自衛隊の存在もあるでしょうし、何より背後にアメリカが控えている、ということが大きな抑止力となっていると考えられます

「国防」

を大きくアメリカに依存しているということです

護憲、改憲にかかわらず、多くの方が

「アメリカのいいなりではだめだ!」

「アメリカの顔色を窺いすぎだ!」

と言っています

「国防」

をアメリカに依存しながら、「アメリカの顔色を窺うな」というのは少し難しい気がします

『憲法9条を護る』ゆえに『軍隊は持たない』その上で『領土を護る』さらに『アメリカのいいなりにもならない』

何かに似ているように思うのです


『ガンディーインド』

イギリスの横暴な植民地支配に対し、決して暴力に対し暴力では返さない、その上で従うこともしない




『キング牧師の市民権運動』

白人の激しい暴力的な人種差別に対し、やはり暴力で返すことはしない、その上で差別と闘う




これらの行動がある程度の成果を上げることができたのは、もちろん当時の社会背景、何より宗教的な要因も大きかったでしょう

それしかとるべき道がなかった、とも言えるかもしれませんが、それでも当時のインド国民、アメリカの黒人一人一人がたとえ殺されても服従しない、差別と闘う、という強い意志を持っていなければなしえなかった成果であると思うのです

『憲法9条を護る』ゆえに『軍隊は持たない』その上で『領土を護る』さらに『アメリカのいいなりにもならない』

先の方がおっしゃった

「(憲法9条を護るということは)大変過酷なことだと思うのです」

そういうことなのだと思います

言い過ぎかもしれませんが、自らが殺されても、目の前で家族が殺されても、大切な娘を理不尽に誘拐されても

『決して暴力に対し暴力では返さない、その上で従うこともしない』

『憲法9条を護る』ゆえに『軍隊は持たない』その上で『領土を護る』さらに『アメリカのいいなりにもならない』

というのはそういう覚悟を持つことだと思うのです

『自らが殺されても、目の前で家族が殺されても、大切な娘を理不尽に誘拐されても…』

「現実的に中国や北朝鮮が攻めてくることなどあり得ないではないか」

という方もいらっしゃいますが

その言葉を横田めぐみさんのご両親に対して言えますか



先のお方と小平次は、憲法9条に関しては正反対の考えでありますが、強いご意志をもって訴えるそのお言葉には感銘も受けております

また、そのお方と小平次は、大きな部分で共通する想いを持ち合わせております

それは、日本人として「君」を戴いているということを幸せなこと、と感じていることであります

今上天皇陛下に感謝し、崇敬申し上げているということです

先日の会話の最後

「天皇陛下が戦争や争いを望んでいらっしゃるはずがない」

ということでその方と小平次は大いに共感することができました


それでも小平次は憲法9条こそ改正すべきと考えております



繰り返しになりますが、今、尖閣で中国が挑発を続けながらも「それ以上」にはならないのは、結局のところアメリカの存在があるからでしょう

「尖閣を巡って米中が開戦」

絶対にあり得ないでしょう

下手をすれば我が国を無視して米中で線引きしてしまうなんてこともあるかもしれません


そのほとんどの歴史的時間において「戦争、侵略、支配」の連鎖とかかわっていた同じ島国であるイギリスに比べ、我が国は圧倒的に外国と「戦争、侵略、支配」とかかわった時間が少ないのです

そんな我が国だからこそ、本来であれば強く平和について世界に訴えることができるはずなのです

しかしながら、戦争と平和に関してもっとも影響力を持っているであろうアメリカに国防を依存している状態では、そのアメリカと対等な関係とはとても言えません

対等でないから相手はこちらの話を対等には聞かないですし、顔色も窺わざるを得ません

小平次が憲法9条こそを改正せねばならないと考えるのはそこに尽きると思います


人類は地球上に誕生以来、他の動物と同じように群れの繁栄のためになわばりを広げることに腐心し、弱肉強食の世界で生きてきました

現在もそう変わりません

非常に残念なことではありますが、人類がその英知によってたどりついたのが、互いに武器を持ちあうことで牽制し合い戦争をかろうじて抑止する

現時点ではここまでです

将来憲法9条の理念が世界に届くことを願ってやみません




御免!





コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする