さむらい小平次のしっくりこない話

世の中いつも、頭のいい人たちが正反対の事を言い合っている。
どっちが正しいか。自らの感性で感じてみよう!

日本書紀 神功皇后紀を読んでみる 5

2017-02-06 | 日本書紀を読んでみる
神功皇后出陣図(廣田神社所蔵)


こんにちは

小野派一刀流免許皆伝小平次です


本日は

「日本書紀 神功皇后紀を読んでみる5」

をお送りいたします

では、前回までのあらすじ

おきながたらしひめのみこと(神功皇后)

は、幼少のころから大変に美しく、叡智聡明でいらっしゃいました

仲哀天皇の皇后となられましたが、天皇が神々の言葉に従わず急死されてしまったことに心を痛め、御自ら神主となられ神々の言葉を聞き、それに従おうとなされました

そして、まずは長きにわたり大和に従わなかった九州の勢力、「熊襲」(くまそ)の征討に向かわれます

そして荷持田村(のとりたのふれ:地名)というところで略奪を繰り返していたという

空翔ける鳥人「羽白熊鷲(はしろくまわし)」

と対決し、これを討ち取った、というところまででした

では続きを読んでみましょう

「原文:一部文字修正」

『〇丙申 轉至山門縣 則誅土蜘蛛田油津媛 時 田油媛之兄夏羽 興軍而迎來 然聞其妹被誅而逃之』



「訳文」

『二十五日、(羽白熊鷲を討った「そそきの」から)移って山門県(やまとのあがた:現在の福岡県山門郡)へ行った。そこで土蜘蛛(つちぐも)の田油津媛(たぶらつひめ)を誅殺した。そのときに田油津媛(たぶらつひめ)の兄の夏羽(なつは)が軍を構えて迎撃に出たが、妹が誅殺されたことを聞いて逃走した』


簡単解説

本来、前回の記事と一緒にご紹介すれば区切りもよかったんですが、なんせ鳥人「羽白熊鷲」だとか「土蜘蛛」だとか…、触れると長くなりそうだったので区切ってご紹介いたしました

さて、この「土蜘蛛」、まるで仮面ライダーの敵の一味に出てきそうな名前です

この「土蜘蛛」だけを調べてみても大変興味深く妄想膨らむお話がたくさんあるのですが、今シリーズはできるだけ「ただ読んでみる」ことを大事にしたいと考えておりますので、さらりと触れてみます

「古事記」「日本書紀」、その他の伝承などから見る「土蜘蛛」は、基本的には天皇に従わない勢力をそう呼んでいたようです

字面も「土雲」「都知久母」等々、さまざまあるのですが、その語感から「雲」のイメージがあり、日御子さまの出雲神話などからも、「大和に従わなかった勢力」というのはしっくりくるように思います

また、古代朝鮮の言葉などとも照合していくとより面白そうな話になりますが、それはまたいずれ



「田油津媛(たぶらつひめ)」

敵の勢力の親玉らしき人が「女性」ってのもまた興味深いところです

語感からは「たぶらかす」的な「悪そうなヤツ」って感じで、大和側の蔑称のようにも思えます

日本書紀では、神功皇后があっさり田油津媛を討ち取ったように書かれておりますが、他の伝承などには、この

『古代の超スーパーヒロイン・おきながたらしひめのみこと(神功皇后)VS土蜘蛛一味の魔女王・たぶらつひめ』

の戦いは、結構な死闘となり、双方の謀(はかりごと)の応酬の末、軍師「武内宿禰(たけしうちのすくね)」の策が功を奏し、辛くも神功皇后が勝利したと伝えているものもあります


さて、魔女王「たぶらつひめ」の兄「夏羽」、名はかっこいいんですが妹の戦死を知ってさっさと逃げてしまったということで、当ブログでも深追いはせず、今日はこの辺で




ありがとうございました




御免!

※神功皇后にまつわる伝承の数は大変に多く、実は逃げた「夏羽のその後」を伝えるものもあります


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする