tontonjyoのブログ

yahooから引っ越して来ました。思ったことを適当に書いています

拒否力と報復力・懲罰力の続きの続き

2010-09-08 10:18:54 | 日記





何なんだろうね。この辺。抑止力なんて降って沸くものではないでしょう。それが力だとするなら以前から脈々とあったものでね。だから日本は平和なんでしょう。




抑止力って、相手が如何に考えるかの問題。政府が政治的意図を持って、何ら言動する。例えば「自衛隊は抑止力ではない。」でも良いさ。それでも訓練やら何やらで日本を守る意志と能力があることを示すとか、「侵犯があれば自衛隊は動くよ」なんて公言するとかで相手が行動を思い止まるなら抑止力になっているってことでしょう。

自衛隊が実際に戦った訳でもなく外敵から日本の平和が守られて来たと少しでも言えるなら、それは抑止力としてでしょうね。



岡田外相の答弁なんか引っ張り出して「報復的抑止力だけが抑止力だ。」なんてさ・・・言っちゃう訳だ・・・。んでもさ。彼はね。【万が一の保険だとしても、いずれにしても、日本が攻撃を受けないための備えとして、自衛隊だけでは限りがあり】と言ってるんだよね。

まぁ、個人的解釈ってことになるんだろうけど、報復的抑止力が効いていなければ拒否的抑止力だって効かないでしょ。報復的抑止力が効いていないと言うことは、相手は報復を恐れる必要なくあらゆる行動ができるってことだ。

んで例えば中国。政治的にアメリカと対等に渡り合えるってことは相当の抑止力を持っているってことじゃない。アメリカの報復的抑止力がないってことになると、『アメリカと対等に渡り合えるほどの抑止力を持った国の全面体な攻撃を自衛隊の拒否力でどうにかできると思うのか。』って問題になるじゃん。

極端な話、相手が核保有国だとすると拒否力としても核を前提にしたものにならなければならないよね。どうして核攻撃だけ外せる訳。何の為に相手が持ってるかって話。つまり相手からすれば「核を前提にした抑止力を構成して他国よりも政治的に外交的に優位に立とう。」ってことでしょう。であるなら使うことが前提じゃなきゃ駄目じゃん。

俺から言わせてもらえば拒否力ってことで日本は抵抗はできるだろうけど最終的には相手の目的達成を阻むことはできないんじゃないだろうか。まぁ、FXとかSM3ブロック2Bとか配備されれば状況も違ってくるんだろうけど、自衛隊の戦力で、例えばミサイルの飽和攻撃をどうにかするとかなると厳しいとか言うよね。更に相手は核も持ってるしさ。

結果として相手の目的達成を阻むことができなければ軍事的抑止力になる要素なんてないってことじゃない。んで抑止力が働かないってことは相手の軍事的行動の全てが外交の前提になるってことでしょう。

つまり外交上逆らえなくなるなんて言うと大袈裟だと言われそうだけどさ。今時、国連加盟国の日本と中国での国家間武力紛争なんて想定できないとは思うけど、でも、互いに領有権を主張する離島なり国境線なりがあるとしたら、そこに実行支配を目的に侵攻して来るなんてことは想定の範囲内でしょう。法的に曖昧なんだから。

んで、その際に報復的抑止力で相手の行動が限定されていない以上、日本側からすれば「相手はあらゆる手段を講じられる。」ってことを想定しなければならないってことになるじゃない。

フォークランド紛争バリに拗れることだってあるでしょう。だとすると相対的に自衛の範囲を拡大し、戦力を上げなければ抑止力にはならないってことになるよね。でも、それは9条の解釈として限界があるじゃない。

だから、相手の行動を制限・限定し、日本は拒否力のみで抑止力が構成できるようにアメリカの報復力による抑止力が必要だってことなんじゃないの。核の抑止力、敵地攻撃能力云々。


岡田外相は【日本が攻撃を受けないための備えとして、自衛隊だけでは限りがあり】って言っているよね。【攻撃を受けないための備え】ってことはつまり抑止じゃん。【限りがあり】ってことは攻撃を受けないための備えに全くなってないと言う訳ではなくて『範囲が限定・制限』されているってことじゃん。だから【そこに米軍の存在というものはある】って話なんでしょ。

更に言うと、彼は【相手にそれ以上のダメージを与え得るという備えがあって初めて、相手方の攻撃を思いとどまらせる】ってことが【基本的には抑止力の考え方】と言ってるんだよね。「それが抑止力を成り立たせるための拠り所となる大本だよ。」って話なんでしょ。

だもの拒否的抑止力でも同じじゃん。拒否力だって前提は軍事力でしょ。相手の攻撃以下のダメージしか与えられないなら押し戻すことすらできないじゃん。「それで相手の行動を思い止まらせる。」なんて考えられないでしょう。






現状みたいなことを言えば、アメリカの放つ報復的抑止力で中国の行動は限定されているがアメリカは同盟国の領土問題に基本として介入しないと公言している。

んで中国は日本と領土問題を抱えていて隙を見て実行支配しようと尖閣諸島や先島諸島周辺で軍事訓練や挑発行動を行い日本の出方を見ているって話なんでしょう。つまり日本の自助努力による抑止力が必要になることに帰結する。これは実態として以前からそうだったんじゃないんですか。

まっ、俺は専門家じゃないんでね。間違っているなんてこともあると思う。んでもさ。今回アメリカが言った「尖閣も日米安保の範囲」って今までの踏襲だからね。

尖閣諸島の領有権についてアメリカは立場は示さないなんてのも、日本の専守防衛、つまり拒否力もアメリカの報復力も今降って沸いた話じゃないじゃん。其々バランスを保って今に至るんでしょう。

対外的な配慮で政治的に言わないことだってあるさ。それと実態が必ずしも一致するとは限らないよね。そう言った性質を利用し批判の種にしても日本は良くならないと思うよ。

今までは1976年の基盤的防衛力の概念なんでしょ。例えば冷戦って言えば基本がソ連との国家間紛争を想定してるんだろうからね。そもそも核も含んだ国家間紛争が9条で制限された拒否力でどうにかなるなんて発想がおかしいんだよ。つまり「報復力を持たない自衛隊は抑止力にはなりません。」ってことにもなるさ。

冷戦終結後、ずいぶん前から「大国同士の国家間紛争なんて想定できない。」なんて言われてるじゃん。それの起因として文化水準の向上で政治的に戦闘員も含めた自国民の命の価値が上がったことも含め報復的抑止力が飽和状態だってこともあるでしょう。自浄とか言えるほど国際社会は成熟してないと思うよ。

新安保懇の首相に対する提言では1976年の基盤的防衛力の概念を『もはや有効ではない』と断じたってことなんで、結局、個々では当然として対応して来ただろうけど、ついに大本の防衛の概念が変わってるってことだよね。

俺は単に「報復力を持たない自衛隊は報復的抑止力にはなりません。」なんて話なんだと思うんだけどさ。

何て言うか安保否定派かなぁ。その一部が言う「冷戦終結以降、実態とは合わないのに報復的抑止力のみが抑止力だと日本政府は主張しアメリカ軍を飼っている。」なんて言う解釈。この主張も何年も前からある話だけど、それを批判の拠り所にして来た人達も方向性を変えないといけないんだろうね。

 


 つづき・・・かも・・・


拒否力と報復力・懲罰力の続き

2010-09-05 20:36:47 | 日記

 


昨今言われる拒否的抑止力って懲罰・報復的抑止力が効かない相手に対してどう対処するべきかって所で、まぁ、そうねミサイル防衛などで今後発展して行くものだと思っているんだけど、否定派もいるんでどうなるか知らんけどね。んで、まぁ、拒否力、拒否敵抑止力っていったいなんだって話だよね。

相手国がなんだ国際法上違法なこととかやり始めるじゃん。身近なところでは核保有とか拉致とか、んで、こちら側はその違法な行為を戒めるため罰を与える。つまり懲罰。んで懲罰があるから相手は事前に「違法な行為はできないな。」って行動を思い止まる。これ懲罰的抑止力だよね。

報復的抑止力は「やったら、その攻撃を上回る力でやり返すぞ。」って意志と能力を見せることで相手の行動を思い止まるって言うものじゃん。岡田外相が答弁したのは多分こっち。

んでさ。懲罰的抑止力にしても、報復的抑止力にしても、単に抑止する力と言うものではなくて、つまりは政治的に自らの意向を及ぼすことや外交的に他を押さえつけ服従させる強い力ってことになるんでしょう。

だってさ、懲罰に値する行為やら報復に値する行為やらって、対象国が外交では他に及ぼせない主張を通すために、例えば軍事に走ろうとしたりするんじゃん。その軍事的行動が抑止されるってことは主張も封殺されるってことでしょう。



まぁ、何れにしても発言力がある大国に有利な訳だ。んでも、その力って既に崩れつつあるよね。

報復力・懲罰力を行使するにしても効果に反して味方側の犠牲者が何十万、何百万単位で出るとか、そう言う場合が予測できるなら、こちら側から攻撃を行えない状態になるじゃない。

それは相手側も理解できるだろうから、小国でも対する大国の意向に反する行動が可能になる。つまり、ある程度の軍事力を持って何を人質にするかで、こちら側の放つ懲罰・報復的抑止力を相殺できるってことだ。そう例えば核保有を宣言して、更に通常兵器でもソウルを人質に取ったような形の北朝鮮に対しては、さもすれば懲罰・報復的抑止力は有効ではなくなる。

当然、程度があって、例えば実際に武力攻撃を行えば相手側の自衛権が行使され、集団自衛と言う形で世界を敵に回すくらい理解できるだろうけど、それでも、「これだけの人質があるのだから、この程度の行動ではアメリカ側は攻撃できない。」って意図しているとは言えるでしょう。

抑止力なんて互いに相手がどう考えるかの問題だからさ。同盟国民の安全とか味方兵の安全とか世論とか考えなければならない方が弱くなる。って、抑止力を政治や外交の前提って考えれば、つまり米国側が不利な訳だね。

戦争になれば日本は役に立たないし、まぁ、アメリカとして損益割合を考えれば「自分と韓国だけで北朝鮮と戦争しましょう。」なんて考えないと思うよ。アメリカはイラク、アフガンで失敗しているし、極めて慎重になるんじゃない。有志連合を組むか、国連軍を組んで損害少なく早期に決着できると言う確信が持てなければ武力行使なんて流石にやらないでしょう。

有志連合を組むにしても、国連軍を組むにしても、それには大義が必要な訳でね。安保理には中国もいる訳だし、ほら中東での泥沼なんかを考えれば国際社会として北朝鮮からの明確な武力行使でもない限り、その大義は構成されないんじゃない。

まぁ、北朝鮮側は実際に武力行使をしなければ良い訳だ。それを続ければ結構強引な行動を採ってもアメリカ側は攻撃してこない。


結果的に北朝鮮を武力攻撃できないなら、つまり北朝鮮の放つ抑止力が効いているってことだよね。北朝鮮が放つ抑止力がある程度効いている以上、アメリカと渡り合えるってことになる。パワー・プロジェクションの話で前にも書いたけど抑止力ってそう言うものじゃん。

んで、懲罰・報復的抑止力の有効性が薄いと判断でき相手側の攻撃の可能性がある場合に武力を前提にした防衛なんて考えれば、効率的な非難措置とか、トーチカも含めてシェルター化するとかして損害を低く抑えるか、攻撃を叩き落すと言ったような発想になって行かざるを得ない。その一つの方法論としてミサイル防衛なんてのを用いようってことなんでしょう。

「んじゃ、報復力・懲罰力を上げれば良いじゃん。」なんて言う人もいるかもしれないけど、これは相手側の問題じゃないくて、こちら側に相手側の放つ報復的抑止力が効いているって問題。

結果的に占領し得る力を得ても、また占領が多少早まったとしても問題は解決しない。まぁ、相手が人質なりを攻撃する前に一瞬で方を付けられるほどの戦力を保持できれば別だが予算もあるし、物理的には軍備の輸送・展開には限界があってそう簡単には行かない。

相手国非戦闘員の被害や国際世論や周辺国の反応や地球規模で受ける損害を考えれば核ミサイルをバンバン撃ち込む訳にも行かない。従って、その措置では意味合い的に薄いでしょうね。

いくら報復力・懲罰力を上げても、それは攻撃から味方を守る力ではない訳さ。実際の攻撃を防ぎ得る措置を講じ、例えば効果に反して味方側の犠牲者が何十万単位で出るとか言う状況を変えない限り、相手側の放つ報復的抑止力に、こちら側の放つ懲罰・報復的抑止力が半ば相殺されている状態は変わらない。

んで、「人質を殺っちゃうぞ。核使っちゃうぞ。」的に相手が主体的にできることで報復的抑止力が効いているってことなんだから、こちら側の力が大きければ良いってもんじゃないんだね。相手がこちら側よりも早く攻撃可能な場合は尚更。

気に食わなければイラクみたいにぶっ叩けば良いとか、そう言うことを言う人もいるだろうけど、こちら側の武力行使の効果に対して犠牲が大きいと判断できれば強い態度に出ることができないでしょ。それは今が物語っていると思う。

ただ、相手側からすれば人質なんて一回使えば終わりな訳で、その点ではこちら側が有利とは言えるかもしれません。



んでさ。懲罰・報復的抑止力が相殺されている状態なら拒否的抑止力がものを言うことになるのさ。例えば中国に対するこちら側の懲罰・報復的抑止力なんて半ば相殺されている状態でしょう。

核より上なんて今の所ない。こちら側の攻撃力を上げるにも限界がある訳でね。つまりは度合いの問題で二元論じゃないんさ。こちらに報復力・懲罰力があるから良いってもんじゃないんだね。

相手が言う「攻撃すれば、お前の損害は大きいぜ。」が事実では、こちらの側が放つ報復的抑止力が薄くなる。んで、「攻撃しても無駄だな。」って相手が思う拒否的抑止力が効いてこそ懲罰・報復的抑止力が大きく効いてくるってことさ。

つまり政治的に自らの意向を及ぼすことや外交的に他を押さえつけ服従させる力が増すってことだね。ここで国民の避難措置とか重要拠点・防衛拠点のシェルター化とかの重要性も見えてくる。

だから、防衛省のサイトを見ても拒否的抑止力に対して幾つか言及されているけど、今時、懲罰・報復的抑止力だけが抑止力だなんて言うのでは前時代的と言わざるを得ない。

ミサイル防衛構想とか、これってアメリカ様の発想に日本が乗っかってるんでしょ。つまりアメリカにしても懲罰・報復的抑止力のみを抑止力の全てと考えているとは言えないはずなのさ。



ちょっと違うんだけどほら他の要素ね。日本は以前から専守防衛、つまり拒否力を前提にしているんじゃない。その拒否力を前提として抑止効果があるとしたら、それは拒否的抑止力が働いていると言えるでしょう。と言うか、そうとしか解釈できないよね。

んで、例えば中国、尖閣諸島にちょっかい出してきてるじゃん。これって日本側の強い態度が必要だって言うのは妥当だと思うね。

だって、そうでしょう。アメリカの放つ報復的抑止力と中国の放つ報復的抑止力は半ば相殺されている状態で、つまりはアメリカの放つ報復的抑止力頼みでは駄目だってことなんじゃん。

それでも米中互いにわざわざ寝た子を起こそうとは思わないだろうからね。全面戦争なんて目も当てらない結果にしかならない。つまりは中国にしても強い行動は採れないってことでしょう。

だから中国は様子見的に軍事訓練したり、弱めの挑発行為や多少の侵犯行為をする訳じゃない。んで、相手の出方しだい、まぁ、なんもして来ないなら更に強く出て、行く行くは「実行支配してしまおう。」って腹な訳じゃん。

んでさ。アメリカが《尖閣も日米安保の範囲》と言い。離島奪還訓練などで日本も【意志と能力】があることを示せば中国の行動を抑止できるってことになるでしょ。

相殺、つまりこちら側の意向を一方的に押し付けられないがしかし、アメリカの放つ報復的抑止力があるから中国の行動が限定されており日本が放つ拒否的抑止力が効いて来る訳さ。相殺されているのだから当然、アメリカ側の行動も限定されるだろうけどね。

報復的抑止力と拒否的抑止力は相互関係が成り立っているんじゃないの。それらが上手く重なって抑止力は良好に機能するんだろうね。

んで、今後を言うなら、菅VS小沢でどうなるか解らないけど、北沢防衛相は沖縄の先島諸島に防衛拠点を置くとか言っております。中国が横槍を入れたとか言われるADIZの問題もあるようですが、尖閣に近いし、台湾にも近い、重要な防衛拠点に自衛隊部隊を置くことは引いて日中の良好な関係を生むでしょうね。

「君子は和して同ぜず。小人は同じて和せず。」









参考にさせていただきました。

【防衛省】 
http://www.mod.go.jp/index.html

【防衛相「前向きに検討」 先島諸島の陸自部隊配備】
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010072001000395.html




つづく・・・


拒否力と報復力・懲罰力

2010-09-02 16:03:14 | 日記

ネタ探しネット探訪で思ったことを書くよ。




いやさ。ほら。アメリカの核の傘とか、敵地攻撃能力とか所謂、報復的抑止力と言われもののみを抑止力の全てだと思っている人は今時そうはいないと思っていたけど、まぁ、そう考えている人もいるんだね。ちょっとビックリ。


例えば、ミサイル防衛は拒否的抑止力だと説明されるじゃない。石破茂議員とかテレビ番組で頻繁に言ってたよね。報道でもそのように表現されています。

実際の効果は別として言うんだよ。ミサイル防衛の効果については其々で認識するとしてね。

所謂、説明としては「ミサイル防衛と言う防御能力が日本にはあるからミサイル攻撃を仕掛けても思ったほどの効果が得られないと敵性国に認識させて【攻撃を思いとどまらせる】。」ことを拒否的抑止力って言うよね。

そう先だって書いた新安保懇の言う「日常の警戒監視活動や訓練で高い能力を見せて侵略を【思いとどまらせる】やり方。」も拒否的抑止力の類なんじゃない。

抑止力について説明される際。「報復的抑止力と拒否的抑止力、更に敵性に対して攻撃しても損害が小さいと言った認識を持たせるためも含め、防衛拠点のシェルター化や国民の避難措置などが組み合わさって抑止力が効果的に機能する。」なんて言うでしょ。

日本には特殊な事情があって報復的抑止力を担保する装備は持てない。これは周知の事実なのだけど、しかし、【攻撃を仕掛けても思ったほどの効果が得られない。】と言う認識を相手に持たせる拒否的抑止力を担保する装備を持つことは否定されていない。専守防衛による抑止力ってそう言うことなんじゃない。

現政府はミサイル防衛を採用しているのに、先だって書いた岡田外相の答弁なんかから引き出して、「拒否的抑止力を全く否定している。」なんて言い分は流石に偏向的だと思うね。

当然、拒否的抑止力だけでは駄目だとは思っているだろうけど、対する認識と効果的に発揮される場合に対する認識を持っていると考えるのが普通なんじゃない。でなければ日本特有の国防なんて語れないのだからさ。



 つづく・・・


報復力と拒否力・懲罰力ZERO 『普天間問題の方向性』

2010-09-02 03:55:19 | 日記

国会議事録(174 - 衆 - 安全保障委員会 - 5号・平成22年05月14日)から引用。)

岡田克也外相が言うには【日本に攻撃が加えられれば、それを防ぐことはあっても、それに対してやり返すとか、そういうことは基本的には想定されていない。能力的にもそういうことは考えられていない。だから、日本というのは限られた兵器しか持っていないということであります。】

【もし攻撃を受ければ、それをやり返す、相手にそれ以上のダメージを与え得るという備えがあって初めて、相手方の攻撃を思いとどまらせる、こういうことになるわけで、それが基本的には抑止力の考え方であります。】

【もう一度整理をいたしますと、万が一の保険だとしても、いずれにしても、日本が攻撃を受けないための備えとして、自衛隊だけでは限りがあり、そこに米軍の存在というものはある。それなくして、日本の国民の安全ということは維持できないというふうに思います。】

【なぜ沖縄かということは先ほど申し上げたとおりで、海兵隊について、全体を日本のほかに移すということは、それは可能性はゼロかといえば、私はゼロではないと率直に思います。しかし、それを現実に引き受けるところはありませんし、ベター論でいえば、地理的状況からいって、本州、四国、九州、北海道もそうですが、それと比べれば沖縄の方がより近いということですから、それだけ抑止力としてもより大きなものが期待できる、こういうことだと思います。】引用終わり。

 

まず、自衛は可能。更に9条の解釈にはまだ余地があると言うことを前提します。

 

新安保懇言うように日本において「国家存立を脅かすような本格的な武力侵攻は想定されない。」とするなら、懸念は日本側の主張する国境付近での小規模な戦闘ってことになるんでしょう。

日本が自前の戦力で国境付近で行われる敵性国の挑発行動や侵犯を抑えられるのならアメリカの役目をさらに限定できるはず。

もし、大規模な戦闘が突発的に起きたとしてもアメリカが駆け付けるまでダメージ少なく持ち堪えられる戦力を保持できれば日本においての米軍基地の更なる縮小を見せても対外的抑止力を維持できるじゃない。

岡田外相のさ答弁に沿うならだよ。日本の防衛に特化するとして言うなら、米海兵隊に匹敵する自衛隊の部隊を日本が持てば米海兵隊全体を日本のほかに移すか、また米軍再編計画よりも更なる縮小化ができるってことだよね。

米海兵隊に替わる自衛隊の部隊があれば米海兵隊による日本防衛に関した意味あいは薄くなるって読み方もできるでしょ。

従ってある自衛隊部隊の海兵隊化を進める方向性を模索すれば普天間基地移転問題に別の方向性が見えてくるって話じゃない。当然、アメリカは日米安保の維持とアジアの安定、更には台湾を盾にしてくるとは思うけど、それでもさ。中小規模海上基地の提供でも提案すれば彼らの主張の根幹を揺るがすことはできると思えるね。


菅か小沢。どっちが首相になるか解らないけどさ。単に日米合意を踏襲だとかマニフェストを履行だとかって、まぁ、どうなるか知らないけどね。重要なのは将来どのような日本にして行くかのビジョンだと思うなぁ。何年もかかって構築されたものを一辺に変えるなんてできる訳ないよね。徐々に慣らし、情勢を思惑に合わせて行く方向性が重要なんじゃないの。

紛争に際して大国様の支援が必要なのはどこの国でも同じな訳なんだろうけど、それでもさ。自国に米軍の基地をおくかどうかは相対的なものでしょう。縮小したいなら国民を煽ることよりも仕掛けが必要なんじゃない。

俺は専門化ではないんで妄想を吐いているだけだけどさ。方法が全くない訳じゃないと思うなぁ。まずは何が必要か見極めること、次に何ができるか見極めることだよね。



報復力と拒否力・懲罰力ZERO 『離島奪還訓練』

2010-09-01 05:47:23 | 日記

 

 

 

12月ですか自衛隊の離島奪還訓練がありますけど、このことについて防衛省の幹部は「中国に対し、日本は南西諸島を守りきる意思と能力があることを示す。それが抑止力となる。」(読売)と言ってますね。沖縄・南西諸島の防衛警備計画の延長上にあって一応自衛隊が主体の訓練ってことらしいので、現状の自衛隊、つまり専守防衛の範囲でもって話かなぁ。

第7艦隊が支援するそうですが、それでもアメリカは基本的に同盟国の領土問題に介入しないって姿勢でしょ。主権は同盟各国にある訳だから其々の事情により自分から領土紛争を仕掛けることだってあるしね。

例えば中国やロシアとかを相手に一同盟国が先制的にやる紛争に巻き込まれるなんてのはアメリカ様としてもマッピラ御免でしょう。

更に言えば介入は大国同士の全面戦争の危険も孕むんじゃないかなぁ。現状でのそれは地球の存亡の危機にも等しいでしょうからね。

もし、全面戦争の危険があるなら例え対象国の施政下にある領有地域に対して相手側から仕掛けて来たとしても色々理由をつけて介入を見送ることだってあるかもね。

俺が敵性国なら領有権争いのある離島への侵攻前に手を打ちますよ。「手を出したら全面戦争だぞ。核も使うぞ。最後の一兵まで戦うぞ。」ってね。それでアメリカが怯むなら悠々と占領できる。怯まなければやらないだけの話。こんなところです。妄想ってことですけどね。

 
巻き込まれ回避と仮想敵云々に対する政治的配慮もあるでしょう。「尖閣諸島の領有権についての米国の立場は示さない」とか言ってアメリカとしても当然、慎重な表現になるんでしょうけど、それでも尖閣諸島は日米安保の範囲内(毎日)だって米国務次官補が言ったそうで、まぁ、踏襲ですね。そして日本の外務省も同様のことを言っています。(産経)

日本に対するアメリカであれ国益重視の他国である以上、多少の恫喝と日本側の信用により同盟関係は成り立っているんでしょうから信ずるか否かの問題でしょうけど、それでも限界はある訳でね。

幾ら同盟国だからってアメリカとして自国の国益を大きく損ねるほど完全に依存されても困るでしょう。侵攻側の戦力しだいでは「邦人保護くらいしてやっから離島くらいくれてやれ。全面戦争より増しだ。」ってことになる日も来るかもね・・・。そうならないための良好な同盟関係と抑止力な訳だけどね。

 

 

 

12月の離島奪還訓練って基本的には中国へのアピールとして共同防衛って体だと思うけど、つまりはアメリカの言うロール・アンド・ミッションの延長上で「支援はするよ。でもさ。自分の領土くらい自分らで何とかできる意志と能力を持ってよ。」って言い分に対して、日本の防衛省側は「現状の自衛隊でも抑止力なるってことを示そう。」って話なんじゃないのかなぁ・・・。

例えさ。アメリカが負担軽減を目論んでいるとしても脅威の実態がない話なら日本側として周辺国への配慮を続ければ良い訳でね。

またアメリカが「日本の離島であれ、何があってもあらゆる手段を講じて絶対に守る。」って言うのでも自衛隊は今まで通り周辺国に配慮して大人しくしてれば良いってことになるんじゃない。そうは行かない事実がある訳でしょう。中国の軍事訓練とか挑発行動とか・・・。

中国の動向は普天間問題での日米の溝が原因なんて分析もあるようだけど、もし、そうであるなら普天間問題は、ある程度アメリカが納得する形でのみ解決できるものだろうね。

最初から【米海兵隊は抑止力にならない】ではどうしようもないんだと思うよ。今の日本で国民総意のゲバルトを前提とはできない訳でしょ。

中国にしたって、そりゃ領有権を主張する地域に海洋利益があるなら隙見て何とか手に入れようって言うのが国益重視であるべき国家として健全なあり方な訳でさ。

だから相対する側は抑止力を持つべきだって話になる訳なのだけど、それをやらない方が間抜けな訳でね。

ちょっと挑発して様子を見る、何もしてこなければ更に強く動く、何か対策を講じて来たら「うそよ~ん。」って引く、これって常套手段じゃない。

絡んで陸自の歩兵連隊を海兵隊化(朝日〉するなんて話もあるようで、中国の動向って日本にとって案外、切迫した状況なのかもしれませんね。


攻撃は最大の防御なんて言うけど、奪還後、日本単独で相手国へ侵攻して拠点を叩き沈黙させることはできないし、やれたとしてもやらないでしょう。アメリカだってそれは全面戦争を意味するのだから躊躇すると言うか、やらないと思うなぁ。

相手側にしても日米と全面戦争なんてやりたくないでしょうからね。まぁ互いに深追いはしないでしょう。離島に侵攻されたとしても奪還して様子を見る、相手がまた攻めて来るなら押し戻すって言う類の抑止力を構成することになるんじゃないですか。

現状で今すぐ憲法改正ができるなんて言う人は稀な訳でね。それと同時にアジア共同体のようなものも目処すら立たないでしょう。そんないつできるかも解らないものに頼ることなんてできないし、頼るべきだなんて人がいるなら大きな一線を感じるね。

実際は、今あるもので何ができるか探るしかない訳だ。新安保懇が首相に提言している訳だけど(朝日)、例えば引用すると【近い将来、国家存立を脅かすような本格的な武力侵攻は想定されない】

【旧ソ連の侵攻に備えた陸上部隊を北海道に手厚く張り付けるといったやり方ではなく、日常の警戒監視活動や訓練で高い能力を見せて侵略を思いとどまらせるやり方を重視する】この辺って現在に合致しているように思えるなぁ。つまり離島奪還訓練に際して防衛省幹部が示したのと同様の抑止力。

親安保懇にしても日本の自前の防衛に関して言ってるんだから、つまり専守防衛の範囲でって話じゃない。もし、それが当のものなら基本的に自衛隊を主体にて《守りきる意志と能力があることを示す》ことで抑止力は構成されるって話に繋がるんじゃないかなぁ。

「国家存立を脅かすような本格的な武力侵攻は想定されない。」なら想定されるのは日本側の主張する国境付近での小規模な戦闘ってことじゃないでしょうかね。その中で(相手の攻撃以上のダメージを与える〉ってことなら、それは相対的に見て相手国に侵攻し占領するほどの能力は要らないんじゃないですか。つまり抑止力も相対的概念ってことだろうね。

んで、その程度なら、やり方しだいで自衛隊単独でも戦力投射を伴なって抑止力を発揮できる訳でしょう。更に言えば、自国の領土防衛なんだから自前で賄う方向性でやらなければならない訳だ。

当然、アメリカの支援はある程度必要でしょうけどね。それでも自前の防衛力が充実すれば、その支援は小規模にできるでしょう。大規模紛争に際して大国様の支援が必要なのはどこの国でも同じな訳なんだろうけどさ。それでもさ。自国に米軍の基地をおくかどうかは相対的に判断するべきな訳でね。

(相手の攻撃以上のダメージを与えることができなければ抑止力にはならない。〉と言っても世界最強の軍隊は揃えられない、そりゃ当然、程度の問題になる。だから現状の日本は国内に米軍を飼っているってなんてことを言うんだろうけど、でも情勢しだいではアメリカ国内からの駆け付け警護で賄われる程度になる日も来るかもね。まぁ、見極めが大切ってことかい。





アメリカはあらゆる手段を講じてくる。日本側でアメリカは抑止力にならないなんて言う話が出れば、抑止力が必要だってことを示してくるでしょうよ。日本の周辺国を刺激すれば簡単に乗って来るんだろうからそれって案外簡単なんじゃない。

単なる妄想だけどね。例えば水面下で中国に「尖閣に手を出しても米軍は動かないらしいよ。」なんて出所の曖昧な自己責任で処理しなければならないような情報を流せば中国はどう動くだろう。

確認のため日本に対する挑発を行い様子見をするんじゃない。そこでアメリカの出番な訳でね。「ほら見たことか、だからアメリカがいないと駄目なのよ。」なんてやれば日本はアメリカの言いなりさ。

妄想だけど、もし、そんなことまで想定の範囲内に入るのなら、そうならないためにもね。日本は、できることをハッキリさせる必要がある訳だよね。本来、国境付近の小競り合いのような小規模な戦闘なんて自前で十分として片付けなければならないものでしょう。9条は自衛を否定していないって解釈なんだからさ。


 

 


参考にさせてもらいました。

基盤的防衛力の見直しを提言 新安保懇が首相に報告書
http://www.asahi.com/politics/update/0827/TKY201008270476.html


米国:国務次官補「尖閣諸島は日米安保対象」
http://mainichi.jp/select/world/news/20100817k0000e030036000c.html


外務省「尖閣は日米安保の適用対象」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100818/plc1008181732006-n1.htm


自衛隊が離島奪還訓練、南西諸島想定し12月
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100819-OYT1T00023.htm


陸自、歩兵連隊の「海兵隊化」検討 離島防衛の強化狙う
http://www.asahi.com/politics/update/0830/TKY201008300422.html