tontonjyoのブログ

yahooから引っ越して来ました。思ったことを適当に書いています

拒否力と報復力・懲罰力の続き

2010-09-05 20:36:47 | 日記

 


昨今言われる拒否的抑止力って懲罰・報復的抑止力が効かない相手に対してどう対処するべきかって所で、まぁ、そうねミサイル防衛などで今後発展して行くものだと思っているんだけど、否定派もいるんでどうなるか知らんけどね。んで、まぁ、拒否力、拒否敵抑止力っていったいなんだって話だよね。

相手国がなんだ国際法上違法なこととかやり始めるじゃん。身近なところでは核保有とか拉致とか、んで、こちら側はその違法な行為を戒めるため罰を与える。つまり懲罰。んで懲罰があるから相手は事前に「違法な行為はできないな。」って行動を思い止まる。これ懲罰的抑止力だよね。

報復的抑止力は「やったら、その攻撃を上回る力でやり返すぞ。」って意志と能力を見せることで相手の行動を思い止まるって言うものじゃん。岡田外相が答弁したのは多分こっち。

んでさ。懲罰的抑止力にしても、報復的抑止力にしても、単に抑止する力と言うものではなくて、つまりは政治的に自らの意向を及ぼすことや外交的に他を押さえつけ服従させる強い力ってことになるんでしょう。

だってさ、懲罰に値する行為やら報復に値する行為やらって、対象国が外交では他に及ぼせない主張を通すために、例えば軍事に走ろうとしたりするんじゃん。その軍事的行動が抑止されるってことは主張も封殺されるってことでしょう。



まぁ、何れにしても発言力がある大国に有利な訳だ。んでも、その力って既に崩れつつあるよね。

報復力・懲罰力を行使するにしても効果に反して味方側の犠牲者が何十万、何百万単位で出るとか、そう言う場合が予測できるなら、こちら側から攻撃を行えない状態になるじゃない。

それは相手側も理解できるだろうから、小国でも対する大国の意向に反する行動が可能になる。つまり、ある程度の軍事力を持って何を人質にするかで、こちら側の放つ懲罰・報復的抑止力を相殺できるってことだ。そう例えば核保有を宣言して、更に通常兵器でもソウルを人質に取ったような形の北朝鮮に対しては、さもすれば懲罰・報復的抑止力は有効ではなくなる。

当然、程度があって、例えば実際に武力攻撃を行えば相手側の自衛権が行使され、集団自衛と言う形で世界を敵に回すくらい理解できるだろうけど、それでも、「これだけの人質があるのだから、この程度の行動ではアメリカ側は攻撃できない。」って意図しているとは言えるでしょう。

抑止力なんて互いに相手がどう考えるかの問題だからさ。同盟国民の安全とか味方兵の安全とか世論とか考えなければならない方が弱くなる。って、抑止力を政治や外交の前提って考えれば、つまり米国側が不利な訳だね。

戦争になれば日本は役に立たないし、まぁ、アメリカとして損益割合を考えれば「自分と韓国だけで北朝鮮と戦争しましょう。」なんて考えないと思うよ。アメリカはイラク、アフガンで失敗しているし、極めて慎重になるんじゃない。有志連合を組むか、国連軍を組んで損害少なく早期に決着できると言う確信が持てなければ武力行使なんて流石にやらないでしょう。

有志連合を組むにしても、国連軍を組むにしても、それには大義が必要な訳でね。安保理には中国もいる訳だし、ほら中東での泥沼なんかを考えれば国際社会として北朝鮮からの明確な武力行使でもない限り、その大義は構成されないんじゃない。

まぁ、北朝鮮側は実際に武力行使をしなければ良い訳だ。それを続ければ結構強引な行動を採ってもアメリカ側は攻撃してこない。


結果的に北朝鮮を武力攻撃できないなら、つまり北朝鮮の放つ抑止力が効いているってことだよね。北朝鮮が放つ抑止力がある程度効いている以上、アメリカと渡り合えるってことになる。パワー・プロジェクションの話で前にも書いたけど抑止力ってそう言うものじゃん。

んで、懲罰・報復的抑止力の有効性が薄いと判断でき相手側の攻撃の可能性がある場合に武力を前提にした防衛なんて考えれば、効率的な非難措置とか、トーチカも含めてシェルター化するとかして損害を低く抑えるか、攻撃を叩き落すと言ったような発想になって行かざるを得ない。その一つの方法論としてミサイル防衛なんてのを用いようってことなんでしょう。

「んじゃ、報復力・懲罰力を上げれば良いじゃん。」なんて言う人もいるかもしれないけど、これは相手側の問題じゃないくて、こちら側に相手側の放つ報復的抑止力が効いているって問題。

結果的に占領し得る力を得ても、また占領が多少早まったとしても問題は解決しない。まぁ、相手が人質なりを攻撃する前に一瞬で方を付けられるほどの戦力を保持できれば別だが予算もあるし、物理的には軍備の輸送・展開には限界があってそう簡単には行かない。

相手国非戦闘員の被害や国際世論や周辺国の反応や地球規模で受ける損害を考えれば核ミサイルをバンバン撃ち込む訳にも行かない。従って、その措置では意味合い的に薄いでしょうね。

いくら報復力・懲罰力を上げても、それは攻撃から味方を守る力ではない訳さ。実際の攻撃を防ぎ得る措置を講じ、例えば効果に反して味方側の犠牲者が何十万単位で出るとか言う状況を変えない限り、相手側の放つ報復的抑止力に、こちら側の放つ懲罰・報復的抑止力が半ば相殺されている状態は変わらない。

んで、「人質を殺っちゃうぞ。核使っちゃうぞ。」的に相手が主体的にできることで報復的抑止力が効いているってことなんだから、こちら側の力が大きければ良いってもんじゃないんだね。相手がこちら側よりも早く攻撃可能な場合は尚更。

気に食わなければイラクみたいにぶっ叩けば良いとか、そう言うことを言う人もいるだろうけど、こちら側の武力行使の効果に対して犠牲が大きいと判断できれば強い態度に出ることができないでしょ。それは今が物語っていると思う。

ただ、相手側からすれば人質なんて一回使えば終わりな訳で、その点ではこちら側が有利とは言えるかもしれません。



んでさ。懲罰・報復的抑止力が相殺されている状態なら拒否的抑止力がものを言うことになるのさ。例えば中国に対するこちら側の懲罰・報復的抑止力なんて半ば相殺されている状態でしょう。

核より上なんて今の所ない。こちら側の攻撃力を上げるにも限界がある訳でね。つまりは度合いの問題で二元論じゃないんさ。こちらに報復力・懲罰力があるから良いってもんじゃないんだね。

相手が言う「攻撃すれば、お前の損害は大きいぜ。」が事実では、こちらの側が放つ報復的抑止力が薄くなる。んで、「攻撃しても無駄だな。」って相手が思う拒否的抑止力が効いてこそ懲罰・報復的抑止力が大きく効いてくるってことさ。

つまり政治的に自らの意向を及ぼすことや外交的に他を押さえつけ服従させる力が増すってことだね。ここで国民の避難措置とか重要拠点・防衛拠点のシェルター化とかの重要性も見えてくる。

だから、防衛省のサイトを見ても拒否的抑止力に対して幾つか言及されているけど、今時、懲罰・報復的抑止力だけが抑止力だなんて言うのでは前時代的と言わざるを得ない。

ミサイル防衛構想とか、これってアメリカ様の発想に日本が乗っかってるんでしょ。つまりアメリカにしても懲罰・報復的抑止力のみを抑止力の全てと考えているとは言えないはずなのさ。



ちょっと違うんだけどほら他の要素ね。日本は以前から専守防衛、つまり拒否力を前提にしているんじゃない。その拒否力を前提として抑止効果があるとしたら、それは拒否的抑止力が働いていると言えるでしょう。と言うか、そうとしか解釈できないよね。

んで、例えば中国、尖閣諸島にちょっかい出してきてるじゃん。これって日本側の強い態度が必要だって言うのは妥当だと思うね。

だって、そうでしょう。アメリカの放つ報復的抑止力と中国の放つ報復的抑止力は半ば相殺されている状態で、つまりはアメリカの放つ報復的抑止力頼みでは駄目だってことなんじゃん。

それでも米中互いにわざわざ寝た子を起こそうとは思わないだろうからね。全面戦争なんて目も当てらない結果にしかならない。つまりは中国にしても強い行動は採れないってことでしょう。

だから中国は様子見的に軍事訓練したり、弱めの挑発行為や多少の侵犯行為をする訳じゃない。んで、相手の出方しだい、まぁ、なんもして来ないなら更に強く出て、行く行くは「実行支配してしまおう。」って腹な訳じゃん。

んでさ。アメリカが《尖閣も日米安保の範囲》と言い。離島奪還訓練などで日本も【意志と能力】があることを示せば中国の行動を抑止できるってことになるでしょ。

相殺、つまりこちら側の意向を一方的に押し付けられないがしかし、アメリカの放つ報復的抑止力があるから中国の行動が限定されており日本が放つ拒否的抑止力が効いて来る訳さ。相殺されているのだから当然、アメリカ側の行動も限定されるだろうけどね。

報復的抑止力と拒否的抑止力は相互関係が成り立っているんじゃないの。それらが上手く重なって抑止力は良好に機能するんだろうね。

んで、今後を言うなら、菅VS小沢でどうなるか解らないけど、北沢防衛相は沖縄の先島諸島に防衛拠点を置くとか言っております。中国が横槍を入れたとか言われるADIZの問題もあるようですが、尖閣に近いし、台湾にも近い、重要な防衛拠点に自衛隊部隊を置くことは引いて日中の良好な関係を生むでしょうね。

「君子は和して同ぜず。小人は同じて和せず。」









参考にさせていただきました。

【防衛省】 
http://www.mod.go.jp/index.html

【防衛相「前向きに検討」 先島諸島の陸自部隊配備】
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010072001000395.html




つづく・・・