創発企業経営

起業13年目の会社の経営、事業報告

杭州

2012年06月18日 | 経営
上海から高速列車で1時間ほど南に位置する杭州市を3月に訪ねました。
ここで最も有名な観光資源は世界遺産に登録されている西湖です。
日本には湖が豊富にあるので、日本人には西湖の景観はそれほど印象的ではないかもしれません。
何が西湖を有名にしているかといえば白蛇伝をはじめとする伝承で、その豊富さと知名度には日本を含め他の湖は敵いません。
 
 
雷峰塔, 霊隠寺など杭州市内を巡りましたが、この日最も印象に残ったのは西湖のほとりの休憩所で見た光景でした。
日も暮れかかる頃、ちょうど仕事を退職したくらいの年配の人たちが歌と踊りを披露していました。 スピーカを持ち込んで、日本でいえばストリートミュージシャンのようなものです。 チベット民謡風の演歌のような歌とともに踊る初老の男性の居住まいが美しく、太極拳の演武を見るようでした。  5メートル四方を円を描きながら、両手で弧を描きながら飛びまわっても息一つ切らさないのを見ると中国の年配の人たちは元気だなと思いました。 それこそ好きで楽しくやっているので、見ている方にも活力が伝わってきました。
 
 
中国の人から見ても 日本企業の年功序列や終身雇用は社会主義そのもので、いまの中国社会の方がよほど資本主義的です。 日本はこの数十年ですっかり活力を失って、道路で歌い踊る中年男性など見たこともありません。 もしそんなことをしていたら警察にでも止められるでしょう。 日本では自分たちの社会を自ら小さく、つまらなくしたように感じました。
 
日本にはいくらも綺麗な店や技術の高いサービス、音楽などもありますが、それは、一般の人には見えない空間で提供され、それに触れるには相応の対価が必要です。   そうしたものが提供される場所にも、楽しんでいる風に見える人もどこかそれを演じるような。 または対価を払ったのだから楽しまなければというような違和感がありました。
 
西湖のほとりで見たのは、もっと根源的な「楽しみ」で、それだからこそ忘れがたいものでした。