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(鬼餅)カーサムーチーとは?

2009年01月04日 08時35分28秒 | My投稿

(鬼餅)カーサムーチーとは?

旧暦の12月8日に沖縄県で古来から行われている庶民の行事の一つですが、近年は地域に拠っては、新暦の12月8日に行われる地域も有ります。

昔から厄払いのために作られるおもち。現在でも旧暦12月8日には、多くの家庭でカーサ、ムーチー(鬼ムーチーと呼ぶ事もあります)を作り厄払いを行います。
ムーチーはサンニン(月桃)の葉に包んで蒸すのが一般的で、カーサ(月桃の葉⇒沖縄ではサンニガーサと言う)を用いるので「カーサムーチー」とも呼ばれています。
毎年カーサムーチーの日が来る頃沖縄ではなぜか必ず寒くなったもので、この寒さのことをこちらでは「ムーチービーサ」と言っていますが今年も寒い日が続いています。

月桃(サンニン)とは、亜熱帯に自生する生命力旺盛なショウガ科の多年草で、赤い「実」は、健胃整腸や咳止めなどに優れた効果があるので、漢方薬として使用されまた、独特な香りを持つ「葉」には防虫、防菌、防カビの効果があるので、このようにお餅などを保存するために使用されたり、昔は防虫剤・芳香剤としても使用されていたようです。
強い繊維質をもつ「茎」で縄を結い、さとうきびを束ねたりするのに使われていましたが最近では和紙(月桃紙)の原料になり、ハガキ、便箋、名刺、壁紙などの製品としても利用され、月桃エキス(精油)には活性酸素を除去するポリフェノールが赤ワインの30倍以上も含まれていることが明らかになり健康茶や健康補助食品としの販売されております。
近年はさらに研究が進み。化粧品も作られていますし、畑の病害虫予防で、使われたりしています。
 
サンニン(月桃:げっとう)の葉で包んで蒸して出来上がった「カーサ、ムーチー」を仏壇や神棚、火の神(ひぬかん)などにそなえて、子供の健康祈願家内安全祈願をする行事です。
 普通の白餅に黒砂糖入れた黒い餅も有りますが、最近はや紅芋(桃色)やカボチャ(黄色)を入れたり、よもぎを入れたヨモギ餅等、色取りどりの餅も見られます。

自分の子供の頃は何処の家庭でも山などや庭先のサンニンを取って来て、各家庭でムーチーを作って居りました。
子供の年の数っだけ壁などに縄で吊るして(サギムーチー)ましたが、最近はあまり見られません。

子どもが生まれた家庭ではその子の健康を祈願し、いつもより多めに作り、隣近所や親戚等へ、出来立てのお餅を「ハチムーチー」(初餅)と言い ふるまって廻る習慣が今でも残っております。
私が子どもの頃は皆自分の歳の数だけムーチーをもらい壁に吊るして(サギムーチー)いました。その時ばかりは年長者の兄や姉をとても羨ましく思ったような気がします。

今ではスパー等でも売られており、家庭で作る事が少なくなった様な気もします。
この時期に成ると、NETでも販売されておりますが、何と言っても家庭で作るのが一番美味しいと思う。

沖縄県の民話には幾つかの物語がありますが、一般的に語り継がれている「鬼餅の民話」の民話を紹介します。

「ムーチー(鬼餅)の由来」沖縄の民話より

 昔、首里の金城に兄と妹が住んでいました。
 兄は大里に移り住んから,どうした事か、洞窟にこもり、動物や人を捕まえて食う鬼になってしまいました。
 兄の悪業はいつしか妹の知る事となり、兄の悪行を見逃さない妹は、一計を案じて、鬼になった兄の所へ行きました。
 妹は鬼を退治するために、ふつうの餅と中に石の入った餅を用意しました。
「お兄さん、今日はおいしいムーチーを作ったので一緒に食べましょう。」
と言って妹は中に石の入ったムーチーを兄に差出、妹はわざと着物のすそをひらいてすわり、普通の餅を食べ始めました。
兄は石の入ったムーチーを食べようとするのだが、歯がたちません。
 石の入った餅が食べられず困った兄は、平気でムーチーを食べている妹へ視線をやり、妹の頭から下へと目で観察をし股を大きく開いた妹の下の方に目をとめて、「お前その下の口は何だ」 とたずねました。 
妹はすかさず平然と「上の口は餅を食べるための口、下の口は鬼を食べるための口」 と答えると、兄はびっくりして、逃げようとして足を踏み外し、崖下に落ちて死んでしまった。
 この日が旧暦の12月8日だったので、鬼退治をしたこの日を厄払いの日として、ムーチーを作って食べる様になた・・・ というお話ですが、話に出てくる餅の中に入れられている物が「石」や「鉄」単に「硬いもの」と書かれている民話も有り、ここでは「石を入れた物語を」紹介しました。

沖縄県の諸行事の殆どが「民話」と連動しており、調べて見るのも又楽しいのではないでしょうか?
皆さんも色々と調べて見て下さいね。新しい沖縄が発見出来るかも知れませんよ。

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