鍵泥棒のメソッド を観た。
出版社で編集長をしている水嶋香苗(広末涼子)、無感情で几帳面で綺麗好きで何でも計画的。
ある日会社で部下たちに「結婚することにしました」と発表し祝福されるが、「相手はまだ決まっていないので皆さんも協力してください」と言う。
売れない貧乏役者の桜井武史(堺雅人)、いい加減でガサツでだらし無い。
ある日自殺に失敗して落ち込み財布から銭湯の無料券を見つけ銭湯に行く。
凄腕の殺し屋山崎信一郎/コンドウ(香川照之)、几帳面で綺麗好きでクラシックを愛する。
ある日殺しの仕事後の車でロケで渋滞の中、腕に付いた血痕が気になり目の前にあった銭湯に行く。
石鹸を持ってなかった桜井がとなりの爺さんからくすねようとして弾かれた石鹸が山崎の足元に。
山崎は豪快に転んで意識を失う。
着替えの際に山崎の分厚い財布を見ていた桜井は足元に転がってきた鍵を山崎のモノとすり替える。
山崎は記憶を失い持っていた荷物などから桜井武史と聞かされる。
山崎が自分の家を探す際に質問した香苗は記憶喪失と聞かされ親切にする。
山崎はノートに丁寧にメモを取りながら一生懸命記憶を取り戻そうとし、自分は役者だというので演技の勉強も一生懸命にやる。
香苗は自分と似たような性格で頑張り屋の山崎は結婚相手に相応しいと何かと手助けして親密になる。
一方桜井は山崎の車と財布の金を勝手に使い豪華なマンションで生活する。
謎の道具が沢山あって怪しむがそれなりに贅沢して暮らす、しかし良心の呵責で何度も山崎に接触して打ち明けようとするが失敗する。
そうしてる間に殺しの仕事の依頼が来てしまう。
香苗は完全に結婚するつもりになってしまっていてプロポーズもして、しかし山崎の記憶が戻り大変な事に・・・。
ってお話。
いやはやメチャメチャ面白かったんですけど!
内田けんじ監督恐るべしですね。
アフタースクールも観に行って実に巧妙な物語を作る人だと感心しましたが、今回も見事です。
ちょっとした小さい偶然の要素が重なって入れ替わってしまうふたりのストーリーの持っていき方。
悪人だがとても良く出来る人間と典型的なダメ人間のコントラスト。
沢山の小ネタの活かし方、それが活かされる時の痛快さ。
コメディのセンス。
画的に印象的なカットも多し。
台詞のボリューム感、編集の良さ、テンポの良さ、主演3人の演技、物語の展開力。
全てが一級品でした。
こういうハイセンスな映画、明らかにセンスが良い人間が作ったなって伝わる映画は大好きです。
堺雅人のダメ男の演じっぷりが実に見事でした。
イチイチコイツのせいで悪い風に転がるけど何処か憎めないキャラの演じっぷり。
最近僕の中で徐々に評価を下げていた堺雅人でしたが今作はホームランですね。
一応役者ということでピンチに桜井の演技力が求められるシーンとかあるし、それが下手だったり上手かったりと見事でした。
終盤の喧嘩シーン、香苗に責められるダメ男桜井のシーン
「だいたいあんたが自殺に失敗したのがいけないのよ!なんでその後銭湯なんかに行ったのよ!」
と理不尽に八つ当たりされて逆ギレして
「汗かいたからー!!!」
は日本映画史に残る名台詞でした。
香川照之の演技も相当一級品でした。
きっとこういう映画は日本アカデミー賞とか取れないのですが、間違いなく一級品なんです。
香川照之は今年も山ほど映画でてますが、どうせ他の映画の演技を評価されるでしょうけど、
僕の中では今作の演技が一番ですね。
そのそも殺し屋の恐ろしい演技から、記憶を失ってその底辺の環境から自分はダメ人間なんだと認識して弱々しく過ごすキャラ、
その弱々しい男が徐々に自信を付けていく様まで演じ分けて素晴らしかったです。
記憶取り戻し用ノートにめっちゃ達筆で書くし、元々の桜井の字はめっちゃ汚いし。
ゴミ屋敷みたいだった桜井のボロアパートもすぐにキレイにしちゃうし。
かなり笑えました。
広末涼子もあまり見かけないとても感情を表に出さないかなり個性的なキャラを演じてました。
冷静に見ると3人の中でも一番変わってるキャラを演じてました。
かなりマイペースで大変な場面にも結婚したさにひょっこり現れちゃうし、
ラストのクライマックスにはちゃんと彼女の特技が活かされるし変なコスプレさせられてるし。
香苗の父親役の小野武彦もおいしい大笑いを取ってて笑えました。
後からアレがフリになってたのね、と気付かされるオチだったり、緊張と緩和、感動と緩和だったり。
お約束ですが笑いの王道に沿ってて誰でも笑えると思います。
かつての三谷幸喜やコーエン兄弟、ガイ・リッチーにも匹敵するような完成度だったと思います。
かなり笑えました、隣に座ってた女子グループもかなり笑ってました。
大風呂敷を広げすぎず少ない登場人物のやりとりで見せる。
3人のキャラや個性や特技がふんだんに活かされ、
ポストの封筒やちょっとしたメモすらちゃんとストーリーに影響を与えたり後の笑いにつなげたりします。
メモにクッキーって書いてあったり、香苗が勝手に塩を舐めたりするのが不思議だったんですがそんなのもちゃんと解決してくれます。
そんなわけで9点です。
わすか3作目でこのクオリティ、内田けんじ監督のステップアップ感が凄まじいですね。
そもそも1作目の好評で既に成功を手にしてますからね。
今年のトップ級に面白い映画でした。
これ僕が今20歳だったら俺も映画監督になる!って言い出してどっか行っちゃいそうな、
そんな夢を与えそうな映画でした。
出版社で編集長をしている水嶋香苗(広末涼子)、無感情で几帳面で綺麗好きで何でも計画的。
ある日会社で部下たちに「結婚することにしました」と発表し祝福されるが、「相手はまだ決まっていないので皆さんも協力してください」と言う。
売れない貧乏役者の桜井武史(堺雅人)、いい加減でガサツでだらし無い。
ある日自殺に失敗して落ち込み財布から銭湯の無料券を見つけ銭湯に行く。
凄腕の殺し屋山崎信一郎/コンドウ(香川照之)、几帳面で綺麗好きでクラシックを愛する。
ある日殺しの仕事後の車でロケで渋滞の中、腕に付いた血痕が気になり目の前にあった銭湯に行く。
石鹸を持ってなかった桜井がとなりの爺さんからくすねようとして弾かれた石鹸が山崎の足元に。
山崎は豪快に転んで意識を失う。
着替えの際に山崎の分厚い財布を見ていた桜井は足元に転がってきた鍵を山崎のモノとすり替える。
山崎は記憶を失い持っていた荷物などから桜井武史と聞かされる。
山崎が自分の家を探す際に質問した香苗は記憶喪失と聞かされ親切にする。
山崎はノートに丁寧にメモを取りながら一生懸命記憶を取り戻そうとし、自分は役者だというので演技の勉強も一生懸命にやる。
香苗は自分と似たような性格で頑張り屋の山崎は結婚相手に相応しいと何かと手助けして親密になる。
一方桜井は山崎の車と財布の金を勝手に使い豪華なマンションで生活する。
謎の道具が沢山あって怪しむがそれなりに贅沢して暮らす、しかし良心の呵責で何度も山崎に接触して打ち明けようとするが失敗する。
そうしてる間に殺しの仕事の依頼が来てしまう。
香苗は完全に結婚するつもりになってしまっていてプロポーズもして、しかし山崎の記憶が戻り大変な事に・・・。
ってお話。
いやはやメチャメチャ面白かったんですけど!
内田けんじ監督恐るべしですね。
アフタースクールも観に行って実に巧妙な物語を作る人だと感心しましたが、今回も見事です。
ちょっとした小さい偶然の要素が重なって入れ替わってしまうふたりのストーリーの持っていき方。
悪人だがとても良く出来る人間と典型的なダメ人間のコントラスト。
沢山の小ネタの活かし方、それが活かされる時の痛快さ。
コメディのセンス。
画的に印象的なカットも多し。
台詞のボリューム感、編集の良さ、テンポの良さ、主演3人の演技、物語の展開力。
全てが一級品でした。
こういうハイセンスな映画、明らかにセンスが良い人間が作ったなって伝わる映画は大好きです。
堺雅人のダメ男の演じっぷりが実に見事でした。
イチイチコイツのせいで悪い風に転がるけど何処か憎めないキャラの演じっぷり。
最近僕の中で徐々に評価を下げていた堺雅人でしたが今作はホームランですね。
一応役者ということでピンチに桜井の演技力が求められるシーンとかあるし、それが下手だったり上手かったりと見事でした。
終盤の喧嘩シーン、香苗に責められるダメ男桜井のシーン
「だいたいあんたが自殺に失敗したのがいけないのよ!なんでその後銭湯なんかに行ったのよ!」
と理不尽に八つ当たりされて逆ギレして
「汗かいたからー!!!」
は日本映画史に残る名台詞でした。
香川照之の演技も相当一級品でした。
きっとこういう映画は日本アカデミー賞とか取れないのですが、間違いなく一級品なんです。
香川照之は今年も山ほど映画でてますが、どうせ他の映画の演技を評価されるでしょうけど、
僕の中では今作の演技が一番ですね。
そのそも殺し屋の恐ろしい演技から、記憶を失ってその底辺の環境から自分はダメ人間なんだと認識して弱々しく過ごすキャラ、
その弱々しい男が徐々に自信を付けていく様まで演じ分けて素晴らしかったです。
記憶取り戻し用ノートにめっちゃ達筆で書くし、元々の桜井の字はめっちゃ汚いし。
ゴミ屋敷みたいだった桜井のボロアパートもすぐにキレイにしちゃうし。
かなり笑えました。
広末涼子もあまり見かけないとても感情を表に出さないかなり個性的なキャラを演じてました。
冷静に見ると3人の中でも一番変わってるキャラを演じてました。
かなりマイペースで大変な場面にも結婚したさにひょっこり現れちゃうし、
ラストのクライマックスにはちゃんと彼女の特技が活かされるし変なコスプレさせられてるし。
香苗の父親役の小野武彦もおいしい大笑いを取ってて笑えました。
後からアレがフリになってたのね、と気付かされるオチだったり、緊張と緩和、感動と緩和だったり。
お約束ですが笑いの王道に沿ってて誰でも笑えると思います。
かつての三谷幸喜やコーエン兄弟、ガイ・リッチーにも匹敵するような完成度だったと思います。
かなり笑えました、隣に座ってた女子グループもかなり笑ってました。
大風呂敷を広げすぎず少ない登場人物のやりとりで見せる。
3人のキャラや個性や特技がふんだんに活かされ、
ポストの封筒やちょっとしたメモすらちゃんとストーリーに影響を与えたり後の笑いにつなげたりします。
メモにクッキーって書いてあったり、香苗が勝手に塩を舐めたりするのが不思議だったんですがそんなのもちゃんと解決してくれます。
そんなわけで9点です。
わすか3作目でこのクオリティ、内田けんじ監督のステップアップ感が凄まじいですね。
そもそも1作目の好評で既に成功を手にしてますからね。
今年のトップ級に面白い映画でした。
これ僕が今20歳だったら俺も映画監督になる!って言い出してどっか行っちゃいそうな、
そんな夢を与えそうな映画でした。