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ノー・エスケープ 自由への国境

2017年05月06日 | 映画
ノー・エスケープ 自由への国境
を観ました。


メキシコ=アメリカ間の砂漠の国境。不法入国を試みるモイセスと15人の移民たち。
突如襲いかかる銃弾。襲撃者は正体不明。摂氏50度。水なし。武器なし。通信手段なし。
“自由の国”を目指す命懸けの逃走劇が今、始まる!


ホナス・キュアロン監督です。
ホナス・キュアロンってゼロ・グラビティのアルフォンソ・キュアロンの息子です。
アルフォンソ・キュアロンが製作しているのでゼロ・グラビティと同じようなスタッフ陣です。

全然ノーマークで観に行きましたが、めちゃくちゃ面白かったです!
めちゃくちゃ怖かったです!

ゼロ・グラビティ同様、ストーリーはほぼ無しです。
いきなりのピンチ、絶望的な状況。
ただただ謎の襲撃者との鬼ごっこです。

イチイチの描写がイチイチ生々しくて。
逃げ方も追い方もホント普通の人間がやるような、映画らしい特別な要素は無く。
ただただ必死に逃げるだけです。

いきなり沢山死ぬし、生き残りそうな人間も死ぬし。
結構残忍な死に方するし。

追手は人物描写も対して無く、ただ酔っぱらいでライフルで狙撃していきます。
「アメリカに不法入国するな!」的な個人的な意思だけって感じです。
彼の片腕のような猟犬が隠れてもすぐに見つけて襲ってくるのでそれがまたおっかないです。
広大な砂漠なのに逃げ場が無い空気感を作るのは見事過ぎます。

逃げれそうなのに逃げれない、逃げれたと思ったら逃げれない。
ピンチな状況から全然脱出できないのは、
舞台設定は全然違えどゼロ・グラビティと似たようなフォーマットですね。

そしてメキシコからアメリカへの不法入国を試みる主人公たち。
あまりにタイムリーな内容ですね。
遠からずこういうことが国境付近にはあるような気がします。

主人公のガエル・ガルシア・ベルナルは非常にオーラがあってカッコよくて素晴らしいです。
見た目はカッコいいですが、この作品では普通で恐怖に怯え惨めにも必死に逃げ回っていました。
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ作品にも良く出ていますが、非常に良い役者です。
隠れている最中におもちゃの音楽を鳴らしてしまう等、時々少々間抜けなミスをするのでイライラしましたが。

追う男のジェフリー・ディーン・モーガンも実に素晴らしかったです。
何故殺すのかはわかりませんでしたが、最後まで観ると別に強い信念も感じず。
見事な狙撃の腕で散々殺していたのに、主人公にだけはドフリーでノーマークの大チャンスを何度も外していたのは気になりました。

しかし冒頭から嫌な緊張感があって、序盤から一気に加速して怖くなって。
短めの映画ですがなんとも疲れました。
物語無しでこの意味深な雰囲気を作れるのは素晴らしいです。


そんなわけで9点。
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