メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

キラキライルミネーションの頃

2009年02月15日 | 思い出
むかしむかし

じいちゃんに連れられて街まで行った

珍しく兄は居なく、僕とじいちゃんの二人だった

じいちゃんの買い物についてまわった

僕は漫画を買ってもらった

家族の他の者達はきっと家で晩御飯を食べたのだろう

僕とじいちゃんは二人でデパートの上にあるレストランでご飯を食べた

そこで買ってもらった漫画を開けて読んだ

「見せてみろ」とじいちゃんが言った

ガサツなじいちゃんは食事の後でベトベトの手で新品の漫画に触っていた

幼い頃から神経質で漫画を几帳面に保管していた僕

でもその時僕はじいちゃんを愛おしく思った

チンピラで頑固で優しく不器用でややこしく

僕と兄をとてもかわいがった。

僕はじいちゃんが大好きだった

いつでも家族が居て

出かけるのも家に帰るのもワクワクしていた

いつかそのじいちゃんが世界から居なくなるとは信じられなかった

そういえばじいちゃんは死ぬ直前

兄は認識できていたが

僕を見ても誰だか理解できなくなっていた



じいちゃんは漫画を軽く読み

「結構おもしれーな」と言った

レストランの窓の外に見えている街の明かりが綺麗だった

キラキラしていた
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