メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

竜とそばかすの姫

2021年08月02日 | 映画
竜とそばかすの姫
を観ました。


自然豊かな高知の田舎に住む17歳の女子高校生・内藤鈴(すず)は、幼い頃に母を事故で亡くし、父と二人暮らし。
母と一緒に歌うことが何よりも大好きだったすずは、その死をきっかけに歌うことができなくなっていた。
曲を作ることだけが生きる糧となっていたある日、親友に誘われ、全世界で50億人以上が集うインターネット上の仮想世界<U(ユー)>に参加することに。
<U>では、「As(アズ)」と呼ばれる自分の分身を作り、まったく別の人生を生きることができる。
歌えないはずのすずだったが、「ベル」と名付けたAsとしては自然と歌うことができた。
ベルの歌は瞬く間に話題となり、歌姫として世界中の人気者になっていく。
数億のAsが集うベルの大規模コンサートの日。
突如、轟音とともにベルの前に現れたのは、「竜」と呼ばれる謎の存在だった。
乱暴で傲慢な竜によりコンサートは無茶苦茶に。
そんな竜が抱える大きな傷の秘密を知りたいと近づくベル。
一方、竜もまた、ベルの優しい歌声に少しずつ心を開いていく。
やがて世界中で巻き起こる、竜の正体探しアンベイル。
<U>の秩序を乱すものとして、正義を名乗るAsたちは竜を執拗に追いかけ始める。
<U>と現実世界の双方で誹謗中傷があふれ、竜を二つの世界から排除しようという動きが加速する中、ベルは竜を探し出しその心を救いたいと願うが――。
現実世界の片隅に生きるすずの声は、たった一人の「誰か」に届くのか。
二つの世界がひとつになる時、奇跡が生まれる。


細田守作品です。
時をかける少女でファンになりそこからかなり強めに追っています。
必然的にちょっとハードルは高くなってしまっていますが。

今作の感想は結構完結になりやすい、その点では非常に大衆向けで難しくない映画でした。
自身の過去作を含め色んな作品をトレースしてる印象もあり。
それでいて音楽を大きな要素に据えていて強めのチャレンジではなく自身の得意分野と王道的に素直にヒットを作りに来た印象でした。

冒頭のバーチャル世界”U"の説明はサマーウォーズのOZそのものな感じで。
おおかみこどもの雨と雪やバケモノの子っぽい竜が出てきたり。
美女と野獣のオマージュがあったり。
田舎舞台の青春感や主人公の歌声が何か大きな力を持っていたり。
地味な女の子が学校のモテモテの男の子に気にかけられて女子の嫉妬を買う王道少女マンガ的設定だったり。

ネットで予想外にバズるという盛り上げ方はちょっと安易に思いましたが。
過去にまつわる心の傷の作り方やネットのネガティブ要素の作り方もちょっと安易な印象でした。
そしてアバターが現実社会を映してる部分とそれとは逆になる部分とあり、ご都合主義な印象もありました。
映像や展開的に壮大な雰囲気はあれど実際は小さな事件を扱ってました。
これはいい部分もあれどもう少し大事を防ぐ系の方が王道アニメ映画としては魅力的でしょうか。

サマーウォーズ的にクライマックスでは徐々にスピード感増してみんながいい感じで貢献していく感じで。
流石に良い高揚感を生み出していました。

正直ストーリー的には薄めでなかなか没入できなかったです。
細田守作品のタッチならばもう少し難解にしてしまうかわかりやすく王道でジェットコースター的に盛り上げるかのどちらかが好みですね。

この映画の最大の見所は映像美でしょう。
大きなスクリーンの映画館で見ることを強くオススメします。
とにかく細かくオブジェクトが多く圧巻のスケール感の映像でした。
とことん細かく描いてやろうという気概が伝わりました。

同様に曲もよくて映像と音楽は見事にマッチしていました。
この映像美と音楽だけで繰り返し見たいと思わされる映画でした。

そしてアニメ映画ではいつもの品評ですが、有名俳優が声優やってその人の顔がちらつく作品は苦手です。
その点ではこの映画はちゃんと声優しててそういうことはなかったです。

主人公のすずの声は中村佳穂がやってました。
知らない方でしたがいい感じに脱力感あって高評価でした。
歌も上手で今後飛躍の予感もありますね。

ヒロインの幼馴染のモテモテキャラしのぶくんの声を成田凌がやってました。
クールに小声で喋るタイプなのでこれもいい意味で成田凌の感じが無くて良かったです。

同級生のお調子者ムードメーカーなカミシンの声を染谷将太がやってました。
これは結構染谷将太でしたがコミカルでお笑い担当な感じだったので良かったです。

女生徒の憧れの女の子ルカちゃんの声を玉城ティナがやってました。
玉城ティナは結構好きなのですが気づかないくらいナチュラルでした。

主人公の親友のヒロちゃんの声を幾田りらをやってました。
誰かと思えばYOASOBIのikuraさんなのですね。
こうして活躍の場を広げててなかなかですね。

主人公の運命を揺るがす謎のキャラクター竜の声は佐藤健でした。
これまた比較的静かだしちょっと怖い感じなので佐藤健っぽさが無くていい感じでした。

その他、森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美など歌が得意な人たちが声優やってたのが印象的でした。

父親の声を役所広司がやってて流石の存在感を放ってました。
バケモノの子とはまただいぶ違う声でした。

期待よりは低かったですけど映像の凄さには驚かされる映画でした。


そんなわけで7点。
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