レヴェナント 蘇えりし者
を観ました。
1823年、アメリカ北西部を行く狩猟の旅の途中、ハイイログマに襲われて瀕死の重傷を負ったヒュー・グラスは仲間に置き去りにされ助けようとした息子を目の前で殺されてしまう。
激しい怒りと絶望を力に変え、奇跡的に死の淵から蘇ったグラスは、復讐心を原動力に危険に満ちた極寒のフロンティアをひたすら前に進む。
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品です。
ディカプリオ念願のアカデミー賞受賞で話題になった作品です。
いや~、凄い映画です!
凄まじいです!!
あっという間の3時間弱でした。
現在のアメリカで映画を作っている巨匠たちの中でもちょっと抜けていますね。
イニャリトゥは昨年のバードマンでアカデミー作品賞を取りました、凄い映画でした。
今年のアカデミー作品賞はスポットライトですでに観ましたが、普通に考えたらこっちの方が全然上ですね。
恐らく「コイツに賞を与えたら今後あげ続けなければいけない」という危機感をアカデミー会員たちが抱いたのでしょう。
イッポングランプリのバカリズムと同じですね。
ハリウッドの巨匠たちがコツコツと培ってきた、歴史や方法論を物凄いクオリティで壊していってしまう感じですね。
バードマンがまさにそんなテーマのお話でしたが、今作は全然違う設定のノンフィクション映画でしたが、やっぱりそういう映画を壊そうというバイタリティは感じました。
バードマンは2時間をワンカット(に見える)で撮り切るという恐るべき映画でしたが。
今作もそれを踏襲するような長尺でカットが入らず一つのエピソードを描ききる手法は多用されています。
ワンカットで一つの件を撮り切るという手法は昔からありますが、そのクオリティや臨場感や完成度が凄すぎますね。
方法論の次元ではない物凄い臨場感とそこに含まれるエピソード、場面の変化、もはやアートにも見えるくらいの凄さです。
近年だと舞台は全然違いますが、ゼロ・グラビティと似たような感触でした。
冒頭から凄い戦闘シーンがそういう手法で撮られまして。
特にクマに襲われるシーンは凄すぎます。
どうやって撮影してるの?ドキュメンタリー?って思ってしまうほどです。
その後もちょいちょいそんなシーンです。
本来ならば迫真の迫力のシーンほどカット割りが激しくなり、加工したような映像で見せるようなものですが。
この人はそれが全く逆になりますからね。
手に汗握る様なシーンには全然カットが入らず、物凄いシームレスに空間を表現しますからね。
本当に凄いと思います。
バードマンより今作の方が凄い更にハイクオリティになっていると思います。
そしてストーリーが重く深くとことんシンプルです。
そこに何か真髄めいたモノを感じます。
ディカプリオの演技は確かに素晴らしいです。
アカデミー賞にふさわしいと思います。
台詞もなく表情や呻き、言葉の通じない相手との言葉でもないやり取りの演技が大半です。
いつものイニャリトゥ作品どおりアップのシーンが多いのですが、顔力は凄かったですね。
個人的に子役の頃からディカプリオ評価は高く、常々演技派と言ってきたのですが、世の中的にはどうしてもそのキャラの存在感が強くて彼は苦労してきたと思います。
かなりの役作り、汚れ役をやっても所詮ディカプリオ的な扱いでしたが。
今作でようやく本格派として認められたのではないでしょうか?
子役の頃の綺麗なハンサムさの印象が強すぎたのでしょう、年齢とともに深みは増してきてますし、今後も増して行くでしょう。
今後は髭もじゃじゃない役で賞レースを賑わすのが次のステップでしょうか。
しかし凄い演技でした。
最近は悪役やハードボイルドな役どころが多いトム・ハーディですが、今作も凄まじい存在感でした。
かなりの悪役でディカプリオの復讐のターゲットになる役どころです。
ディカプリオ演じるグラスが重傷でどう見ても助からないように見えるが助けようと必死の仲間たち。
しかし野蛮な原住民達に追われながら重傷人を運ぶのは無理と提唱して皆が見てない隙に殺そうとするのですが、そしてそれを止めようとしたグラスの息子を殺してグラスはどうせ助からないと置き去りにしてしまうのですが。
個人的には実はそこまで悪いことをしたようには見えないのですよね。
一人を助けるために全員が危険になってしまうという倫理的に非常に難しいシチュエーションでの出来事なのです。
個人的には誰も裁けないような出来事だと思いました。
この辺は個人的にイーストウッドの許されざる者を思い出します。
あの映画も確かに悪人だけどそこまでされるほど悪ではない人々が強烈な罰を受けるという悩ましさがあって僕はあれを見て酷く悩みました。
トム・ハーディもその辺を訴えますが、熱くなったディカプリオには通じないという。
昨年のマッドマックスがそうでしたが最近の僕の受ける衝撃は劇場の大画面大音響でド肝抜かれることかも知れませんね。
コレも凄くド肝抜かれました。
苦手な残虐描写がなかなかで、グロテスク表現もなかなかでした。
ちょっとその辺が苦手なので個人的好みで満点からちょっと落ちますがクオリティは満点です。
そんなわけで9点です。
イニャリトゥはアモーレス・ペロスという映画を観て衝撃を受けた思い出深い監督です。
当時周りに勧めたのですがなかなか広まりませんでしたが、やはり僕の目は正しかったですね。
当時はまだ若かったですが、映画を観てあんなにエネルギーを使ったことは珍しかったです。
を観ました。
1823年、アメリカ北西部を行く狩猟の旅の途中、ハイイログマに襲われて瀕死の重傷を負ったヒュー・グラスは仲間に置き去りにされ助けようとした息子を目の前で殺されてしまう。
激しい怒りと絶望を力に変え、奇跡的に死の淵から蘇ったグラスは、復讐心を原動力に危険に満ちた極寒のフロンティアをひたすら前に進む。
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品です。
ディカプリオ念願のアカデミー賞受賞で話題になった作品です。
いや~、凄い映画です!
凄まじいです!!
あっという間の3時間弱でした。
現在のアメリカで映画を作っている巨匠たちの中でもちょっと抜けていますね。
イニャリトゥは昨年のバードマンでアカデミー作品賞を取りました、凄い映画でした。
今年のアカデミー作品賞はスポットライトですでに観ましたが、普通に考えたらこっちの方が全然上ですね。
恐らく「コイツに賞を与えたら今後あげ続けなければいけない」という危機感をアカデミー会員たちが抱いたのでしょう。
イッポングランプリのバカリズムと同じですね。
ハリウッドの巨匠たちがコツコツと培ってきた、歴史や方法論を物凄いクオリティで壊していってしまう感じですね。
バードマンがまさにそんなテーマのお話でしたが、今作は全然違う設定のノンフィクション映画でしたが、やっぱりそういう映画を壊そうというバイタリティは感じました。
バードマンは2時間をワンカット(に見える)で撮り切るという恐るべき映画でしたが。
今作もそれを踏襲するような長尺でカットが入らず一つのエピソードを描ききる手法は多用されています。
ワンカットで一つの件を撮り切るという手法は昔からありますが、そのクオリティや臨場感や完成度が凄すぎますね。
方法論の次元ではない物凄い臨場感とそこに含まれるエピソード、場面の変化、もはやアートにも見えるくらいの凄さです。
近年だと舞台は全然違いますが、ゼロ・グラビティと似たような感触でした。
冒頭から凄い戦闘シーンがそういう手法で撮られまして。
特にクマに襲われるシーンは凄すぎます。
どうやって撮影してるの?ドキュメンタリー?って思ってしまうほどです。
その後もちょいちょいそんなシーンです。
本来ならば迫真の迫力のシーンほどカット割りが激しくなり、加工したような映像で見せるようなものですが。
この人はそれが全く逆になりますからね。
手に汗握る様なシーンには全然カットが入らず、物凄いシームレスに空間を表現しますからね。
本当に凄いと思います。
バードマンより今作の方が凄い更にハイクオリティになっていると思います。
そしてストーリーが重く深くとことんシンプルです。
そこに何か真髄めいたモノを感じます。
ディカプリオの演技は確かに素晴らしいです。
アカデミー賞にふさわしいと思います。
台詞もなく表情や呻き、言葉の通じない相手との言葉でもないやり取りの演技が大半です。
いつものイニャリトゥ作品どおりアップのシーンが多いのですが、顔力は凄かったですね。
個人的に子役の頃からディカプリオ評価は高く、常々演技派と言ってきたのですが、世の中的にはどうしてもそのキャラの存在感が強くて彼は苦労してきたと思います。
かなりの役作り、汚れ役をやっても所詮ディカプリオ的な扱いでしたが。
今作でようやく本格派として認められたのではないでしょうか?
子役の頃の綺麗なハンサムさの印象が強すぎたのでしょう、年齢とともに深みは増してきてますし、今後も増して行くでしょう。
今後は髭もじゃじゃない役で賞レースを賑わすのが次のステップでしょうか。
しかし凄い演技でした。
最近は悪役やハードボイルドな役どころが多いトム・ハーディですが、今作も凄まじい存在感でした。
かなりの悪役でディカプリオの復讐のターゲットになる役どころです。
ディカプリオ演じるグラスが重傷でどう見ても助からないように見えるが助けようと必死の仲間たち。
しかし野蛮な原住民達に追われながら重傷人を運ぶのは無理と提唱して皆が見てない隙に殺そうとするのですが、そしてそれを止めようとしたグラスの息子を殺してグラスはどうせ助からないと置き去りにしてしまうのですが。
個人的には実はそこまで悪いことをしたようには見えないのですよね。
一人を助けるために全員が危険になってしまうという倫理的に非常に難しいシチュエーションでの出来事なのです。
個人的には誰も裁けないような出来事だと思いました。
この辺は個人的にイーストウッドの許されざる者を思い出します。
あの映画も確かに悪人だけどそこまでされるほど悪ではない人々が強烈な罰を受けるという悩ましさがあって僕はあれを見て酷く悩みました。
トム・ハーディもその辺を訴えますが、熱くなったディカプリオには通じないという。
昨年のマッドマックスがそうでしたが最近の僕の受ける衝撃は劇場の大画面大音響でド肝抜かれることかも知れませんね。
コレも凄くド肝抜かれました。
苦手な残虐描写がなかなかで、グロテスク表現もなかなかでした。
ちょっとその辺が苦手なので個人的好みで満点からちょっと落ちますがクオリティは満点です。
そんなわけで9点です。
イニャリトゥはアモーレス・ペロスという映画を観て衝撃を受けた思い出深い監督です。
当時周りに勧めたのですがなかなか広まりませんでしたが、やはり僕の目は正しかったですね。
当時はまだ若かったですが、映画を観てあんなにエネルギーを使ったことは珍しかったです。