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メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

ウタモノガタリ-CINEMA FIGHTERS project-

2018年07月02日 | 映画
ウタモノガタリ-CINEMA FIGHTERS project-
を観ました。


ファンキー
2041年、東京の片隅に謎のファンキー集団が現れる。そして突然、彼らはダンスを始めた。
だがしかし、皆から「純司の兄貴」と呼ばれるリーダーの男だけは、この日に限って踊ろうとせずに塞ぎ込んでいる。
彼には子どもの頃から変わっていないただひとつの願いがあった。それは「亡くなった母親に会いたい」というものだ。
母親の30回目の命日、ファンキーな仲間たちが純司のために行動を始めた時、奇跡が起こる。

石井裕也監督です。
大好きな監督です、相当好きです。
かなりシュールな世界観で最初はあっけにとられましたが徐々にそのハイセンスっぷりがクセになってきます。
超ダサい感じなのですが妙にオシャレな感じもあって。
東日本大震災にまつわるエピソードもあってメッセージ性は強かったです。
池松壮亮が出ているってのが信用を上げますね。
主人公は岩田剛典でしたがらしさは結構抑えた感じでした。
ぶっ飛んだ世界観も展開も、意味深で意味不明なストーリーも結果ハイセンスで良かったです。
こういうオムニバス作品は1本目ほど重要なものはないし、最も優れた作品をここに置くべきだと思いますが、
その点では正しかったと思います。
この映画はこういう作品なのだ、というのを知らしめる素晴らしいショートムービーでした。



アエイオウ
次なる世界大戦の予兆が全世界を覆っている。孤独な若き自衛隊員、安住ひかるは、特命任務に突如選抜される。
開戦を阻止すべく、将補、山崎と共に最果ての地へと赴く。その鍵を握る聖地、美しい浜にポツリとある見張り台に立つひかる。
海を見るひかるの脳裏にかつての恋人、知和(ちか)の姿が蘇る。ある日、ひかるの前に老婆が現れる。
「おわりのはじまり」老婆の紡ぐ言葉から、ひかるに打ち寄せる真実とは何か。そして未来は…。

安藤桃子監督作品です。
これまた意味深で意味不明ですが、これに関しては説明不足感によるところが大きいですね。
何かが過去にあったようですが全体像はさっぱり、それでも何か大きなスケール感とひどく狭い世界観のコントラストが強くて。
個人的にはかなり好みのタイプの設定と世界観でした。
キャストも少なく主演の白濱亜嵐はただのハンサムだけでは無いような役で悪くなかったです。
大御所奥田瑛二も出ていてなかなか引き締まった品質になってました。



kuu
深い谷。音を立てて激しく流れる川。何モノかから逃げる様にさまよい歩くアン。
ボロボロのアンは対岸に人を見つけ、助けを求めようと思うが「自分とは違う人々」ではないかと感じる。
アンの対岸にいたハナとテンは、アンが「自分達とは違う人々」なのか、身体を使ってアンに対話を試みる。
アン、そしてハナとテンは、全身全霊で相手の存在を理解し認めようと対話を続ける。

平林勇監督です。
中では一番印象が浅い物語でしたかね。
LDHでは唯一くらいのメジャー女優な石井杏奈なのでいつも非常に大事に扱われてる印象ですが。
そこまで整ったルックスでは無いですがなんか独特なオーラは持ってるし、踊れるのは良いですね。
特にこれという世界設定も無くアート性が強い作品でした。



Our Birthday
アメリカ留学時代の友人と起業し、成功している若き社長の戸倉奏は、同じ誕生日であるパティシエの梨香と出会い運命を感じ惹かれ合う。
誕生日に結婚の約束を交わすが、梨香は突然離れてしまう。梨香を失った喪失感から心を閉ざしてしまった奏。
翌年の誕生日、全ての誘いを断り一人帰宅した奏は、真っ暗なはずの部屋でキャンドルに照らされた梨香の姿を見つけた。
二人の誕生日に永遠の愛を誓う奏だが…

Yuki Saito監督作品です。
これは唯一くらいまともな現代社会の都会の物語で。
他の作品とのコントラストで都会の美しさを見事に表現していたと思います。
ストーリーも一番あるあるな感じですが適度なロマンチックさと切なさで観心地は良かったです。
青柳翔が主演で孤独な金持ちが様になってました。
佐津川愛美は密かにかなりの売れっ子ですが、運命的で素敵なカップルでした。
こんなのみんな憧れるやつですね。
ベタな悲しみ展開ですがいい感じの東京の美しさを堪能できました。



幻光の果て
漁師のヨシヤは未経験の花田を雇い、共に働くことになる。
ある日、花田が船に置かれた折れたサーフボードを気にしていると、ヨシヤは突然、サメを目撃したと船を走らせる。
不審に思った花田は「本当にサメはいたのか?」と問うが、ヨシヤは取り付く島も無い。
数日後、漁師仲間のカオルがクジラを見に行こうと二人を誘うのだが、その最中にもヨシヤはサメを目撃する。
戸惑う花田とカオルをよそに彼は魚影を追い続けた。

岸本司監督作品です。
沖縄の監督なので沖縄感はちょっと強めでした。
過去に囚われた漁師たちの話ですが、良いアウトローな雰囲気はありました。
他の作品同様説明不足で意味深ですが、ストーリーやらバックボーンやらは比較的わかりやすかったです。
山下健二郎が主演でしたが悪くはないですがもう少々伸びしろですね。
加藤雅也が何故かその弟子的な、オールドルーキー的な漁師でしたがそのバランス感は良かったですね。



カナリア
早朝、霞のかかった牧場。髙橋巌は、牛舎でいつもどおり牛の世話を始める。
そこへ遅れてやってくる亮。
「無理して来なくていい」と声をかける巌だが、亮は返事もせず黙々と作業を手伝う。
作業後、二人のいるコンテナまで、別棟の牛の大きな鳴き声が響く。お産が近いのだ。
気になり足を運ぶと、そこには雌牛を見つめている楓の姿が。亮は声をかけようとするが諦める。
その後、自分のとったある行動が原因で巌と衝突してしまった亮。
感情のはけ口を見つけられず、閑散とした街をひとり彷徨う。
再び牧場に戻り、ハンマーを手にして向かった先は、昼間に楓が見つめていた雌牛の前だった…。

松永大司監督です。
最も短い作品だった気がします。
もうはっきりしたことは全然説明ないですが、わかりやすい匂わせで十分でした。
おそらく震災で愛する人を失った人、そして原発事故によって住めなくなった街。
そこに残って農業する人。
信じがたいですが、現在の日本に実際にある状況ですよね。
自分は震災後にバイクで福島を巡ったのでこうの手の光景はトラウマのように脳裏に焼き付いています。
そこを容赦なく題材にしたのはすごいことだと思いました。
音だけで震災の恐ろしさを再現していたのも印象的でした。
主演のTAKAHIROほぼセリフ無く絶望した雰囲気だけでやってましたがまあまあでした。
ちょっとナルシスト感が強すぎるのでこの世界観にマッチしきってはいませんでした。
セリフもなく場面も少なかったですが夏帆が出ていていい味だしてました。


全体的に非常に作家性が強いオムニバスでしかも最初と最後が震災絡みで。
どの作品も登場人物に暗い過去、影があり、小さな尺で収まらないスケールのメッセージ性もあって良かったです。
正直LDH絡みの映画はあまり好きな作品はなかったのですが中では一番自分寄りな作品で良かったです。


そんなわけで6点。

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