情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

日本国憲法の改正手続に関する法律案に対する自民党修正案全文掲載その1

2007-04-01 17:38:31 | 憲法改正国民投票法案全文掲載

自民党が提出した改憲国民投票法案の修正バージョンを掲載しておきます。「憲法改正案広報協議会」が、「国民投票広報協議会」となったこと、条文の加除に伴う条文番号の変更については逐一指摘しませんが、そのほかについては加筆された部分を赤色で示します。削除部分については青色で〈〉内に書くようにします。なお、ヤメ蚊注釈は、緑色とします。また、PDF形式のものは、こちらこちらにあります。では、引用開始します。

 

第一六四回

衆第三〇号

   日本国憲法の改正手続に関する法律案

目次

 第一章 総則(第一条)

 第二章 国民投票の実施

  第一節 総則(第二条―第十条)

  第二節 国民投票広報協議会及び国民投票に関する周知(第十一条―第二十条)

  第三節 投票人名簿(第二十条―第三十二条)

  第四節 在外投票人名簿(第三十三条―第四十六条)

  第五節 投票及び開票(第四十七条―第八十八条)

  第六節 国民投票分会及び国民投票会(第八十九条―第九十九条)

  第七節 国民投票運動(第百条―第百八条)

  第八節 罰則(第百九条―第百二十五条)

 第三章 国民投票の効果(第百二十六条)

 第四章 国民投票無効の訴訟等

  第一節 国民投票無効の訴訟(第百二十七条―第百三十四条)

  第二節 再投票及び更正決定(第百三十五条)

 第五章 補則(第百三十六条―第百五十条)

 第六章 憲法改正の発議のための国会法の一部改正(第百五十一条)

 附則

   第一章 総則

 (趣旨)

第一条 この法律は、日本国憲法第九十六条に定める日本国憲法の改正(以下「憲法改正」という。)について、国民の承認に係る投票(以下「国民投票」という。)に関する手続を定めるとともに、あわせて憲法改正の発議に係る手続の整備を行うものとする。

   第二章 国民投票の実施

    第一節 総則

 (国民投票の期日)

第二条 国民投票は、国会が憲法改正を発議した日(国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第六十八条の五第一項の規定により国会が日本国憲法第九十六条第一項に定める日本国憲法の改正の発議をし、かつ、その承認を求めるために国民に提案したものとされる日をいう。)から起算して六十日以後百八十日以内において、国会の議決した期日に行う。

2 内閣は、国会法第六十五条第一項の規定により国民投票の期日に係る議案の送付を受けたときは、速やかに、総務大臣を経由して、当該国民投票の期日を中央選挙管理会に通知しなければならない。

3 中央選挙管理会は、前項の通知があったときは、速やかに、国民投票の期日を官報で告示しなければならない。

 (投票権)

第三条 日本国民で年齢満十八年〈二十年〉以上の者は、国民投票の投票権を有する。

民主党への歩み寄り

 (投票権を有しない者)

第四条 成年被後見人は、国民投票の投票権を有しない。

 (本籍地の市町村長の通知)

第五条 市町村長は、第二十二条第一項第一号に規定する登録基準日から国民投票の期日までの間、その市町村に本籍を有する者で他の市町村に住所を有するもの又は他の市町村において第三十七条の規定による在外投票人名簿の登録がされているものについて、前条の規定により投票権を有しなくなるべき事由が生じたこと又はその事由がなくなったことを知ったときは、遅滞なくその旨を当該他の市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。

 (国民投票を行う区域)

第六条 国民投票は、全都道府県の区域を通じて行う。

 (投票区及び開票区)

第七条 公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第十七条及び第十八条の規定は、国民投票の投票区及び開票区について準用する。

 (国民投票の執行に関する事務の管理)

第八条 国民投票の執行に関する事務は、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、中央選挙管理会が管理する。

2 公職選挙法第五条の三から第五条の五までの規定は、国民投票の執行に関する事務について準用する。

 (国民投票取締りの公正確保)

第九条 公職選挙法第七条の規定は、国民投票の取締りに関する規定の執行について準用する。

 (特定地域に関する特例)

第十条 交通至難の島その他の地において、この法律の規定を適用し難い事項については、政令で特別の規定を設けることができる。

    第二節 国民投票広報協議会及び国民投票に関する周知

 (協議会)

第十一条 国民投票広報協議会(以下この節において「協議会」という。)については、国会法に定めるもののほか、この節の定めるところによる。

 (協議会の組織)

第十二条 協議会の委員(以下この節において「委員」という。)は、協議会が存続する間、その任にあるものとする。

2 委員の員数は、憲法改正の発議がされた際衆議院議員であった者及び当該発議がされた際参議院議員であった者各十人とし、その予備員の員数は、当該発議がされた際衆議院議員であった者及び当該発議がされた際参議院議員であった者各十人とする。

3 委員は、各議院における各会派の所属議員数の比率により、各会派に割り当て選任する。ただし、各会派の所属議員数の比率により各会派に割り当て選任した場合には憲法改正の発議に係る議決において反対の表決を行った議員の所属する会派から委員が選任されないこととなるときは、各議院において、当該会派にも委員を割り当て選任するようできる限り配慮するものとする。

4 前項の規定は、予備員の選任について準用する。

5 委員に事故のある場合又は委員が欠けた場合は、憲法改正の発議がされた際にその者の属していた議院の議員であった予備員のうちから協議会の会長が指名する者が、その委員の職務を行う。

 (会長の権限)

第十三条 協議会の会長は、協議会の議事を整理し、秩序を保持し、協議会を代表する。

 (協議会の事務)

第十四条 協議会は、次に掲げる事務を行う。

 一 国会の発議に係る日本国憲法の改正案(以下「憲法改正案」という。)及びその要旨並びに憲法改正案に係る新旧対照表その他参考となるべき事項に関する分かりやすい説明〈解説等〉並びに憲法改正案を発議するに当たって出された賛成意見及び反対意見を掲載した国民投票公報の原稿の作成

協議会が政党の議席数に応じて構成されるため、不公平との批判を免れるため、主観の入る「解説」という言葉を避けた。

 二 第六十六条の憲法改正案の要旨の作成

 〈三 憲法改正案に関する説明会の開催〉

 三 第百六条の規定によりその権限に属する事務

 四 前三号に掲げるもののほか憲法改正案の広報に関する事務

2 協議会が、前項第一号、第二号及び第四号の事務を行うに当たっては、憲法改正案及びその要旨並びに憲法改正案に係る新旧対照表その他参考となるべき分かりやすい説明に関する記載〈解説等〉、憲法改正案に関する説明会における説明等については客観的かつ中立的に行うとともに、憲法改正案に対する賛成意見及び反対意見の記載、発言等については公正かつ平等に扱うものとする。

〈3 第一項第三号及び第五号の事務の執行について、都道府県又は市町村の選挙管理委員会は、協議会の求めに応じ必要な協力を行うものとする。〉 

 (協議会の議事)

第十五条 協議会は、憲法改正の発議がされた際衆議院議員であった委員及び当該発議がされた際参議院議員であった委員がそれぞれ七人以上出席しなければ、議事を開き議決することができない。

2 協議会の議事は、出席委員の三分の二以上の多数で決する。

 〈(協議会の委員の派遣)

第十六条 協議会は、憲法改正案の広報のため、委員を派遣することができる。〉

上の注釈と同じ趣旨で削除された

 (協議会事務局)

第十六条 協議会に事務局を置く。

2 事務局に参事その他の職員を置き、参事のうち一人を事務局長とする。

3 事務局長は、協議会の会長の監督を受けて、庶務を掌理し、他の職員を指揮監督する。

4 事務局長以外の職員は、上司の命を受けて、庶務に従事する。

5 事務局長その他の職員は、協議会の会長が両議院の議長の同意及び両議院の議院運営委員会の承認を得て、任免する。

6 前各項に定めるもののほか、事務局に関し必要な事項は、両議院の議長が協議して定める。
 

 (両院議長協議決定への委任)

第十七条 この節に定めるもののほか、協議会に関する事項は、両議院の議長が協議して定める。

 (国民投票公報の印刷及び配布)

第十八条 協議会は、第十四条第一項第一号の国民投票公報の原稿を作成したときは、これを国民投票の期日前三十日までに中央選挙管理会に送付しなければならない。

2 中央選挙管理会は、前項の国民投票公報の原稿の送付があったときは、速やかに、その写しを都道府県の選挙管理委員会に送付しなければならない。

3 都道府県の選挙管理委員会は、前項の国民投票公報の原稿の写しの送付があったときは、速やかに、国民投票公報を印刷しなければならない。この場合においては、当該写しを原文のまま印刷しなければならない。

4 公職選挙法第百七十条第一項本文及び第二項の規定は、国民投票公報の配布について準用する。この場合において、同条第一項中「当該選挙に用うべき選挙人名簿」とあるのは「投票人名簿」と、「選挙の期日前二日」とあるのは「国民投票の期日前十日」と、同条第二項中「選挙人」とあるのは「投票人」と読み替えるものとする。

 (国民投票の方法等に関する周知等)

第十九条 総務大臣、中央選挙管理会、都道府県の選挙管理委員会及び市町村の選挙管理委員会は、国民投票に際し、国民投票の方法、この法律に規定する規制その他国民投票の手続に関し必要と認める事項を投票人に周知させなければならない。

2 中央選挙管理会は、国民投票の結果を国民に対して速やかに知らせるように努めなければならない。

3 投票人に対しては、特別の事情がない限り、国民投票の当日、その投票権を行使するために必要な時間を与えるよう措置されなければならない。

    第三節 投票人名簿

 (投票人名簿)

第二十条 市町村の選挙管理委員会は、国民投票が行われる場合においては、投票人名簿を調製しなければならない。

2 投票人名簿は、政令で定めるところにより、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)をもって調製することができる。

3 国民投票を行う場合において必要があるときは、投票人名簿の抄本(前項の規定により磁気ディスクをもって投票人名簿を調製している市町村の選挙管理委員会にあっては、当該投票人名簿に記録されている全部若しくは一部の事項又は当該事項を記載した書類。第三十二条において同じ。)を用いることができる。

4 投票人名簿の調製については、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第六条の規定は、適用しない。

5 第一項の規定により調製された投票人名簿は、当該国民投票に限り、その効力を有する。

 (投票人名簿の記載事項等)

第二十一条 投票人名簿には、投票人の氏名、住所、性別及び生年月日等の記載(前条第二項の規定により磁気ディスクをもって調製する投票人名簿にあっては、記録)をしなければならない。

2 投票人名簿は、市町村の区域を分けて数投票区を設けた場合には、その投票区ごとに編製しなければならない。

3 前二項に規定するもののほか、投票人名簿の様式その他必要な事項は、政令で定める。

 (被登録資格等)

第二十二条 投票人名簿の登録は、国民投票の期日現在で年齢満十八〈二十〉年以上の日本国民(第四条の規定により投票権を有しない者を除く。)で、次のいずれかに該当するものについて行う。

 一 国民投票の期日前五十日に当たる日(以下「登録基準日」という。)において、当該市町村の住民基本台帳に記録されている者

 二 登録基準日の翌日から十四日以内に当該市町村の住民基本台帳に記録された者であって、登録基準日においていずれの市町村の住民基本台帳にも記録されていないもの(登録基準日後当該住民基本台帳に記録された日までの間に他の市町村の住民基本台帳に記録されたことがある者及び当該住民基本台帳に記録された日においていずれかの市町村の在外投票人名簿に登録されている者を除く。)

2 市町村の選挙管理委員会は、政令で定めるところにより、当該市町村の投票人名簿に登録される資格を有する者を調査し、その者を投票人名簿に登録するための整理をしておかなければならない。

 (登録)

第二十三条 市町村の選挙管理委員会は、中央選挙管理会が定めるところにより、当該市町村の投票人名簿に登録される資格を有する者を投票人名簿に登録しなければならない。

 (縦覧)

第二十四条 市町村の選挙管理委員会は、投票人名簿を調製したときは、中央選挙管理会が定める期間、市役所、町村役場又は当該市町村の選挙管理委員会が指定した場所において、前条の規定により投票人名簿に登録した者の氏名、住所及び生年月日を記載した書面を縦覧に供さなければならない。

2 市町村の選挙管理委員会は、縦覧開始の日前三日までに縦覧の場所を告示しなければならない。

 (異議の申出)

第二十五条 公職選挙法第二十四条第一項及び第二項の規定は、投票人名簿の登録に関する異議の申出について準用する。

2 行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)第十五条第一項第一号から第四号まで及び第六号並びに第四項、第二十一条、第二十五条、第二十六条、第三十一条、第三十六条、第三十九条並びに第四十四条の規定は、前項において準用する公職選挙法第二十四条第一項の異議の申出について準用する。

3 公職選挙法第二百十四条の規定は、第一項において準用する同法第二十四条第一項の異議の申出について準用する。

 (訴訟)

第二十六条 公職選挙法第二十五条第一項から第三項までの規定は、投票人名簿の登録に関する訴訟について準用する。この場合において、同条第一項中「前条第二項」とあるのは、「日本国憲法の改正手続に関する法律第二十五条第一項において準用する前条第二項」と読み替えるものとする。

2 公職選挙法第二百十三条、第二百十四条及び第二百十九条第一項の規定は、前項において準用する同法第二十五条第一項及び第三項の訴訟について準用する。この場合において、同法第二百十九条第一項中「一の選挙の効力を争う数個の請求、第二百七条若しくは第二百八条の規定により一の選挙における当選の効力を争う数個の請求、第二百十条第二項の規定により公職の候補者であつた者の当選の効力を争う数個の請求、第二百十一条の規定により公職の候補者等であつた者の当選の効力若しくは立候補の資格を争う数個の請求又は選挙の効力を争う請求とその選挙における当選の効力に関し第二百七条若しくは第二百八条の規定によりこれを争う請求と」とあるのは、「一の縦覧に係る投票人名簿への登録又は投票人名簿からの抹消に関し争う数個の請求」と読み替えるものとする。

 (補正登録)

第二十七条 市町村の選挙管理委員会は、第二十三条の規定により投票人名簿の登録をした日後国民投票の期日までの間、当該登録の際に投票人名簿に登録される資格を有し、かつ、引き続きその資格を有する者が投票人名簿に登録されていないことを知った場合には、その者を直ちに投票人名簿に登録し、その旨を告示しなければならない。

 (表示及び訂正等)

第二十八条 市町村の選挙管理委員会は、投票人名簿に登録されている者が第四条の規定により投票権を有しなくなったことを知った場合には、直ちに投票人名簿にその旨の表示をしなければならない。

2 市町村の選挙管理委員会は、投票人名簿に登録されている者の記載内容(第二十一条第二項の規定により磁気ディスクをもって調製する投票人名簿にあっては、記録内容)に変更があったこと又は誤りがあることを知った場合には、直ちにその記載(同項の規定により磁気ディスクをもって調製する投票人名簿にあっては、記録)の修正又は訂正をしなければならない。

 (登録の抹消)

第二十九条 市町村の選挙管理委員会は、当該市町村の投票人名簿に登録されている者について次の場合に該当するに至ったときは、これらの者を直ちに投票人名簿から抹消しなければならない。この場合において、第二号の場合に該当するときは、その旨を告示しなければならない。

 一 死亡したこと又は日本の国籍を失ったことを知ったとき。

 二 登録の際に登録されるべきでなかったことを知ったとき。

 (通報及び調査の請求)

第三十条 公職選挙法第二十九条の規定は、投票人名簿に登録される資格の確認に関する通報及び投票人名簿の修正に関する調査の請求について準用する。

 (投票人名簿の再調製)

第三十一条 公職選挙法第三十条の規定は、投票人名簿の再調製について準用する。

 (投票人名簿の保存)

第三十二条 投票人名簿及びその抄本は、第百二十七条の規定による訴訟が裁判所に係属しなくなった日又は国民投票の期日から五年を経過した日のうちいずれか遅い日まで、市町村の選挙管理委員会において保存しなければならない。

 



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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます (憂楽嘲(ごまめの翁))
2007-04-01 20:14:06
 ありがとうございました。

全文アップして保存しました。後ほどゆっくり拝見します。
返信する
Unknown (カーク)
2007-04-01 22:15:27
ヤメ蚊さん、掲載ありがとう。
私も保存して読む事にします。
返信する
衆議院がすぐに載せるか (ヤメ蚊)
2007-04-02 03:05:30
自民党がこれだけ問題になっているんだから、自分のところのHPで出すかしてくれればいいんですけど、公聴会も近いのに、載せてないので、仕方なく…。こういうところにも国民主権軽視を感じます!
返信する
ヒットラーと衆議院の解散 (風間昭彦)
2007-04-13 15:01:45
読ませていただきました。
関連して一言・

「郵政改革選挙」
前回の「郵政改革」を争点にした総選挙は、発展途上国でよく言われる不公正な選挙であったり、かっての日本で横行した買収選挙でも有りませんでした。
このような公正な選挙の結果、自民党が絶対多数を占めたわけであり、民主主義社会にあっては、この絶対多数の議席を基に、法案を次々と可決していくことは、なんら問題ないように思われます。

「ヒットラーの情報操作と現代日本」
しかし、今日のこの日本の状況は、ナチスドイツのヒットラーが、民主的で進歩的とされたワイマール憲法の下で、国民の熱狂的な支持を得て、選挙に勝ち、勢力を拡大し、政権を獲得して、戦争へ突入したところに、極めて似かよっているように思います。
ヒットラーの政治戦略は、放送、映画、集会等を巧みに利用した情報操作にあったといわれています。

日本の今日においても、ヒットラーの政治戦略を真似るように、あるいは寧ろヒットラーより更に巧妙に、マスコミや教育などの情報操作が進んでいるように思います。
その巧妙な情報操作の結果、国民は情報操作による支配を自覚しないまま、政治的な判断をしていると言えそうです。

ところで、このように権力者が情報操作によって、国民の支持を得る戦略は、民主主義社会では当然のことと考えています。

「マスコミの責務」
しかし、司法やマスコミや教育関係者等は権力者のこのような情報操作に対し、抑止機能を発揮する必要があります。
報道の自由、表現の自由、国民の知る権利を政府等に厳守させることはマスコミや報道機関の大きな責務です。(勿論国民の役割でも有ります)

「マスコミの二つの問題」
ところが、今のマスコミには二つの問題が有ります。
一つは、明らかな政治介入に対し無力化していることです。
権力に屈し、報道の自由を放棄しつつあります。
もう一つは、(国民が情報操作によって自覚しないまま、政治的な判断を支配されているように)マスコミ自体が、自覚しないまま、自ら、積極的に情報操作を受けていることに有ります。

「一つは、権力の報道への介入」
前者の例は、NHK番組「問われる戦時性暴力」への政治家の圧力、その後のNHK自身の自主規制強化、あるいは最近のNHK国際放送への「放送命令」あるいは「あるある大事典」番組捏造問題から商業放送への政治介入を目的とした放送法改正等が有ります。
報道関係者は、報道の自由、言論の自由、国民の知る権利等々の為に、毅然と対抗する必要があります。

「一つは、マスコミの自覚なき情報操作協力」
このように前者の政治介入や圧力は隠しようが有りませんから、国民は知ることが出来ます。
ところが、後者の場合は、事情が異なります。
マスコミ自体が、自覚しないまま情報操作を受けている訳です。
前者のように圧力や自主規制が有りませんから、マスコミも自覚しないまま、情報操作に積極的に協力していることです。
このように自覚のないまま、自ら積極的に情報操作に協力することとなるのは、ジャーナリズム精神(権力批判)の欠如がゆえに生ずるものといえます。
つまり、マスコミ自体の能力、素養、ジャーナリズムの問題です。

国民は、マスコミを通して情報を得ています。
そのマスコミの中でも影響力の大きいテレビが自ら積極的に自覚のないまま情報操作に協力しているわけですから、国民への情報操作の効果は抜群といえます。

「小泉流情報操作」
小泉首相時代に特にこのジャーナリズム精神の減退からくる、マスコミが自覚しない情報操作が激しかったといえます。
その典型例が、「郵政解散」での、「小泉劇場」の報道であり、「刺客」の騒ぎです。

小泉さんの情報操作に、気づくことなく、積極的に協力し、情報を流し続けたわけです。
テレビ情報の影響は、(全国のスーパー、小売店から納豆が消えてしまう)「あるある大事典」の捏造問題が示すように、極めて大きいものです。
極論すれば、「刺客候補」の当選を含め、自民党の選挙の勝利は、捏造ではないが、計画された小泉流情報操作の結果といえます。

「選挙結果は民主主義」
小泉流情報操作に、ジャーナリズム精神の欠如によって気づくことなく、情報を流し続けたマスコミの責任は大きいといえます。
マスコミの責任は大きいが、「郵政改革総選挙」の結果は、有効です。
「刺客候補・議員」を責めたり、議員の資格がないなどと主張することは出来ません。
正当な選挙の結果は、民主主義であるといえます。


「現在の衆議院の問題」
ところが、(幸運なことにといった方がよいのでしょうが)今の衆議院が争点の大きい法案を審議することは議会制民主主義に反すると考えます。
今の衆議院議員は、先の「郵政改革総選挙」で選ばれた議員を構成員としています。
解散の理由が「郵政一点」であり、実際、首相や自民党のマスコミを通じての自民党の主張は「郵政改革実施」か「改革反対」かの一点に有りました。
自民党が議席を伸ばしたのは、(例えマスコミの自覚なき情報操作協力があったとしても)国民が「郵政改革」に賛成した結果と言えます。

前回の総選挙は実に珍しいことに、この「郵政改革」一点の選挙でした。
という事は、その後の、大きな争点となる法案について国民は自民党を支持したわけでは有りません。
郵政改革以外に国民は重要事項を託したわけでは有りません。
例えば、2005年9月11日の総選挙の2ヵ月後の11月22日に自民党は「新憲法草案」を公表しました。
総選挙で争点となっていない「自民党憲法草案」を国民は支持したわけでは有りません。
同様に、総選挙で実質争点となっていない「教育基本法」「国民投票法」等について国民は自民党を支持したわけでは有りません。

「郵政改革」のみ国民の負託を受けた今の衆議院議員は、重要な争点である「教育基本法」「国民投票法」については、国民を代表してないといえます。

「衆議院解散の必要性」
「郵政改革」以外について国民は何も自民党に託してないわけです。
返信する
戦中も戦後も考える事を放棄している私たち (コム・サポートサイト)
2007-04-29 18:31:04
友人に教えてもらいました。“知らなきゃ判断できないじゃないか!”そのとおりです。そのための情報流通促進、この憲法改正国民投票法案全文掲載はとてもありがたいです。
明らかに国民のための法案ではなく憲法改正をするための自民党のための法案のようです。国民になんかよくわからないうちに決めてしまおうという腹なんでしょうね。なめられきったものです。悔しい限りです!!
他にも関心のある情報があるので、これからも拝見させてもらいます。コム・サポートサイトのトップからリンクさせてもらいましたのでご了承ください。
返信する
ありがとうございます (ヤメ蚊)
2007-04-29 19:35:36
権力監視の一助にと思い、何とか続けています。今後ともよろしくお願いいたします。
返信する
この法案は、どう考えても、「デキソコナイ」です。 (デカルト)
2007-04-30 00:43:56
14条や18条の「投票者広報」とはどんなものなのですか?
選挙民(投票者)に届くのは選挙期日の10日前?と、いうことなのですか?

この法案は、本当に「マトモ」なのですか? 
はっきり言って、出来損ないです。

なんでメディアは何も言わないのですか?
記者達は、全然、読んでいないのでは??
返信する
「憲法九条の会・岩岡」の編集者です。 (samue)
2007-12-21 14:10:07
 とても参考になるトラックバックを有難うございました。

当方のブログにて、紹介させて頂きました。
その際に、御ブログの1部分数行を抜粋掲載をさせて頂きましたこと、ご了承いただけましたら幸いに存じます。samue「憲法九条の会・岩岡」http://samue.cocolog-nifty.com/
返信する