tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳

2014-05-10 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
自宅から2時間。小田急・渋沢駅から登山客で満員のバスに揺られ、登山口・大倉(標高290m)へ。今日はここから塔ノ岳と丹沢山を目指す。塔ノ岳には何回か登っており、いつもは蓑毛~ヤビツ峠~三ノ塔~烏尾山~行者ヶ岳~新大日~塔ノ岳と登り、大倉尾根をここ大倉へ下りてくるコースをとっていたのだが、このコースは塔ノ岳までのアップダウンが激しく、なかなかの長丁場。今日は塔ノ岳から確実に丹沢山まで足を延ばしたかったので、アップダウンのない大倉尾根(7kmひたすらだらだらと登りっぱなしなので、通称“バカ尾根”)を、いつもとは逆に、登りに使う。
8:11 トイレでコンタクトレンズをはめ、顔と腕に日焼け止めを塗った後、歩き出す。

新緑が綺麗。今の時季はこれがなんと言っても見もの。

右手に三ノ塔(1205m)が見え出す。あの稜線とこちらの尾根がぶつかるところに塔ノ岳がある。

左手には綺麗な富士山が。午前中の東からの光も相俟って、くっきり輝いている。

左手後方を振り返ると、海が見える。小田原の街、真鶴半島、その向こうに伊豆半島も。

10:14 花立山荘。ここではかき氷が食べられる。炎天下で汗だくになって歩いた夏に食べた時は、最高に美味しかったなあ。登山口からここまで、観音茶屋、見晴茶屋、駒止茶屋、堀山の家といった山小屋を通過。

三ノ塔の向こうに大山(1252m)が見える。

目指す塔ノ岳が迫ってきた。

高度が上がり、富士山も全容が見え始める。

10:47 塔ノ岳山頂(1491m)。持ってきたおにぎりは丹沢山で食べるつもりだったが、お腹が空いてしまったのでここで食べる。ツナマヨ、鮭、梅干し。

丹沢山(右手)を目指す。左手は蛭ヶ岳。

小ぶりな花が上品な山桜。

尾根は背丈の低い笹で覆われており、見た目にすっきりしている。起伏もさほど激しくないので、のんびり歩く。

富士山のダイナミックな眺望。今日は本当によく見えるなあ。手前は玄倉川の沢。

11:54 丹沢山頂(1567m)。富士山をバックに。これで今日の目的の山には到達。ここで思案する。同じ道を戻るだけではつまらない。帰りは鍋割山を通ってみようか。それとも、体力の余裕、時間の余裕と相談し…。

ここで決断する。塔ノ岳からここ丹沢山までが2.6km。丹沢山から蛭ヶ岳(画像奥の峰)までが3.3km。もしもそこまで足を延ばしたとしても、日暮れまでには大倉に下山できそうだ。行ってみるか!

過ぎてきた塔ノ岳(中央の峰)を振り返る。頂上に小屋がポチッと付いているのでわかりやすい。

結構ダイナミックに下って、登る。こっちと向こうで山の名前も変わるわけだから、当然、それを区切るための「谷」の部分もある。

塔ノ岳(右)から丹沢山(左)と連なる峰を振り返る。

バイケイソウの群落。結構歩き続けているが、まだ丹沢山~蛭ヶ岳間の3分の1を越えたあたり。ずいぶん歩き応えがあるぞ。

高度が上がると、塔ノ岳(右)~丹沢山(左)の稜線の向こうに、大山も顔を出す。

目指す蛭ヶ岳(中央)まで、いくつか峰を越える。このあたりでようやく半分。

蛭ヶ岳を眼前に、岩の鎖場が現れる。下る。

蛭ヶ岳山頂が近づいてきた。段差のある場所で登る足を踏み込むと、太ももからふくらはぎにかけ、攣るような緊張が走る。さすがにこれだけ歩き続けていると、負荷も大きいか。

13:19 蛭ヶ岳山頂(1673m)。神奈川県の最高峰。富士山をバックに。

歩いてきた道のりを振り返る。右の塔ノ岳から、左の丹沢山へ、そして中央の尾根をこちらへやって来た。

10分ほどの休憩の後、引き返す。引き返すと言っても、塔ノ岳まではアップダウンが続き、決して「下山」にはならない。正面に現れた先ほどの鎖場、今度は登りだ。

よく歩いてきたものだ。そして、よく歩き続けているものだ。なんとも「たっぷり」な山歩き。つくづく思う。

14:45 丹沢山頂。みやま山荘の前に積まれた木製のパレット(ヘリコプターの荷運び用だろう)に腰を下ろし、そのままリュックを枕にして仰向けに寝そべったら、まさに「落ちる」という言葉のイメージそのままに、うたた寝に引きずり込まれた。しかし、これぞまさしく「パワーナップ」、15分ほどたって起き上がった時には、かなり力が回復した。

塔ノ岳(中央)を目指して歩く。日の傾きが段々意識され始めてくる。

15:53 塔ノ岳山頂、尊仏山荘の裏手に鹿が。でもこのすぐそばに「鹿駆除中」の看板も。この近辺の鹿の食害は深刻なようで、登山道に沿ってずっと、ネットが張り巡らされていた。
尊仏山荘の正面に出ると、これから小屋にチェックインしようという団体が説明を受けていた。夕食はカレー、人数が多いので2交代で、消灯は8時、起床は3時半、寝ている人がいるのでアラームは鳴らさないで、「おはよう」の挨拶も要りません、ライトの点け方も気をつけて、明日の朝食はご飯とおでん…など、山小屋泊経験の少ない僕、へえ、なるほどな…と思いながら耳を傾ける。しかし、こちらはこれで一日が終わりではない。2時間以上の下山が待っている。10分ほど休んだ後、出発。

秦野や伊勢原の市街地を見下ろす。相模川が流れ、その向こうに江ノ島もうっすらとだが見えた。

17:07 「堀山の家」の前のベンチに腰かけて休む。この削り跡はどんな道具でできるものなのだろうか。素朴な味がある。
そばに座っていた老夫婦の会話がなんだか愉快だった。
夫「ここは“ホリヤマ”だ」
妻「えっ?」
夫「堀山の家」
妻「今何時?」
夫「5時」
妻「えっ!もう5時!ここはどこ?」
夫「ホリヤマ」
妻「ゴジヤマ?」…

下り急傾斜、下り階段が膝に来る。平坦な道に出るとほっとする。だが、平坦だと当然高度は下がらない。時計の高度計測の数値が下がっていくことを励みに(1分おきくらいにちらちら眺めていたんじゃないか)、黙々と下山を続ける。

陶芸の窯元の小屋が見えてきたら、ゴールはもうすぐだ。

18:22 大倉の里に下りる。それにしても、山を下りてきたまさにこの場所に500ml缶・100円の自販機を置いた人は本当に素晴らしい!C.C.レモンの500ml缶を買う。酸味と炭酸が体に沁みるなあ。今日は1.5Lの麦茶を持って来ていたが、行程が長かったこともあって、下山途中で尽きた。喉はとても渇いていた。山を歩いていた間中ずっと、トイレにも行かなかった。大汗をかいていたわけじゃないけど、全部汗で出たんだな。今日歩いた距離は、案内標識の表示距離の合算で、25.8km。缶を片手に、バス停までの最後ののんびり歩き。

屋根の上の猫。雨樋の中をじっと覗き込んでいて、その集中力は、僕が近づいていっても途切れない。いったい何があるんだい?

今日はやはり相当登山者が多かったのか、日没間際のこの時間でも、帰りのバスは満員だった。
18:59 帰路の小田急・渋沢駅。電車に乗ろうとしたら、西に見事な富士山のシルエットが。慌ててシャッターを切る。今日は1日富士山に見守られながらの山歩きだった。
電車は空いていた。駅のスーパーで買ったホイップあんぱんとミルクティーで小腹を満たす。

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