「人類滅亡の日」を迎えるにあたり

「マヤの大予言」によると、12月20日過ぎにも来るという「人類滅亡の日」。

いったいどうやって数十億の人類がいっぺんに滅亡するのかはわからないが、
もしもその「終末の日」が訪れることが事前に確定したとしたら。

まず言えるのは、「ひとりで迎えるだろう」ということだ。
誰かと一緒だと、ともに悲観し合って、いい影響をもたらし合わないと思う。
ひとりで淡々と迎える。先々のこと、終わりのことをあまり考えない。
時計も壊してしまう。カウントダウンなどしたくないので。

自宅でこたつにでもあたりながら迎えることにしよう。
ただ、もしかしたらもうすでに電気は止まっているかも知れない。
自分が「終末の日」にまで仕事をしようとは思わないのと同様に、
電気だの水道だののライフラインの関係者もみんな仕事を放っぽり出すだろう。
電気が来ないのなら石油ストーブにじっとあたるよ。

家からは外に出ない。頑丈に戸締まりをしたまま。
なにしろ「終末の日」の到来を前に、発狂したり、自暴自棄になったりした危険な連中が
町中に溢れ返っているだろうから。
どこから手に入れたのか、銃を乱射する奴だって出てくるかも知れない。
人類滅亡前につまらぬことで命を落としたくない。

本を読む。図書館から借りている本。もう返すことのない本。
面白い本なら我を忘れられるのでよい。
面白くない本なら眠くなるのでよい。そのまま寝てしまう。
普段はあまり飲むことのない酒の力も借りて、深い眠りにおちればいい。

寝ているうちにいつの間にか世界が終わっている…そんな終わり方がベストだ。

　　 　 　 　
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