tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

育児休暇を取得しようという国会議員がおかしい3つの理由

2016-01-13 16:50:13 | 物申す
まず言っておくが、僕は男性が育児休暇を取得するのは大賛成だ。
だが、「国会議員が育児休暇を取得しようとする」のにはまったく承服しかねる。
なぜか。

1、国会議員は「労働者」ではない。

「労働者」とは、誤解を恐れずに言えば、経営者の指揮命令系統に則って「働かされる人」である。
そして、どのような種類の休暇であれ、
休暇を取得する権利を持つのは、「働かされる」立場にある「労働者」である。
経営者だって休暇を取得したって構わないが、
それは誰かに対して要求する「権利」ではなく、
自分自身で判断し決定する「裁量」の問題に過ぎない。
(そして経営者は、その「裁量」を誰からも邪魔されない。責任を果たしている限りは。)
ところが、国会議員は労働者のように「働かされる」立場にはない。
むしろ逆で、自分から進んで「働きたい」と訴えて立候補し、その意思が、
選挙というプロセスを経て多数に認められ、
それゆえにしかるべき権限と報酬を与えられることになった立場の人である。
その立場にいる人が、自らが「働かされている」立場の人間であるかのように振る舞い、
自身の「裁量」を労働者と同等の「権利」にすりかえようとしているのがおかしい。


2、国会議員は「取り替えの利かない」「他で穴埋めできない」存在である。

自宅の新築を、腕のある大工の棟梁個人にお願いしたとしよう。
棟梁は契約を交わして工事を請け負ったはずなのに、
突然「子どもが生まれたから」という理由で育児休暇の取得を要求し、
その間、工事はストップ、新居完成に遅れが生じてしまった…。
国会議員はこの棟梁と同様、「取り替えの利かない」「他で穴埋めできない」存在なのだ。
(逆に「誰かと取り替えが利く」「誰か別人が穴埋め可能な」存在なら、
その人は選挙という大仰なプロセスを経てまで国会議員に選ばれる資格はなかったはずだ)
そうした自分の立場を無視して職務放棄しようというのは、
「無責任」の誹りを免れないだろう。


3、国会議員の「あるべき姿勢」に照らせば…。

今の社会が「希望すれば誰もが当たり前のように育児休暇を取れる社会」ならば、
「国会議員にもそうした権利が認められてもいいのでは?」という議論が起きてもおかしくはない。
だが、現実の社会はそうなっていない。むしろ正反対の惨憺たる有り様だ。
ならば国会議員には、
「すべての国民の皆様が安心して育児休暇を取れるような社会を築いてから初めて、
 僕たちも育児休暇を取得します」
くらいのことは言ってほしい。
それが国会議員の抱くべき気概であり、国会議員のあるべき姿勢では?
国会議員はそれに見合うだけの恵まれた権限も報酬も得ているのだから。
少なくとも僕は、そういう人にこそ国会議員になってほしいし、
そうでない人には国会議員になってほしくない。

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