泊まったホテルはいっぷう変わっていた。リゾートマンションをホテルに転用したようなスタイルで(実際、マンションも併設されている)、各部屋へのアクセスは外廊下、室内の間取りは3LDK、広さは100㎡超。ただ、広ければいいってものじゃなくて、季節が季節だけに、フローリングのがらんとした室内にはうすら寒さが漂った。もちろん暖房は充分に効いているのだが。誰か他人の家に上がり込んでいるかのような違和感もある。結局、リビングとひと続きになっている8畳ほどの和室に布団を敷いて、間仕切りのふすまを閉めて寝た。食事は朝夕ともビュッフェスタイルで品数も豊富だったが、自分もようやく「オトナ」になってきたんであろうか、“ファミレス感”からは脱したいなと思わせるものがあった。
【伊東駅9:30―(東海バス)→10:10シャボテン公園】
大室山のリフト乗り場。この旅行前に伊豆のガイドブックをぱらぱらとめくっていた際、プリンを皿に返したような姿をしたこの山の写真が気になってしまい、ぜひ来ようと思っていた。リフトは往復で500円(ホテルに置いてあったパンフレットを持参して1割引)。なかなか良心的な価格だと思う。観光地のこの手の乗り物は平気で1000円を超えることもあるからね。乗車時間はおよそ5分だけど、適度に風もスリルも感じられて良かった。ちなみに昨日は強風で運休したみたい。なお、この山は、山肌保全のため、徒歩では登れない。
10:37 山上でリフトを降り、北側の富士山や相模湾を眺める。標高580mの頂上を目指して歩く。直径300mの噴火口沿いに、一周1kmの舗装された遊歩道がある。
南西側、天城山方面。天城山は以前登ったことがある。霧雨交じりの天候で、普段の登山なら敬遠したくなるところだったが、逆にブナやコケの森の瑞々しさを感じられて、とても印象深かった。
火口。その地形の特性を生かして…と言えるのかわからないが、底の広場はアーチェリー場になっている。すり鉢の深さは70m。
伊豆大島が近い。大島は東京都だけど、やはり「伊豆」なのだ。山の麓は伊豆高原の別荘街。カラフルな屋根が点在している。
火口を4分の3ほど歩いたところで、かかっていた雲が切れて、富士山がダイナミックで優美な姿を現した。
歩いてきた道のりを振り返る。山全体が草で覆われていて、木がない。毎年2月に野焼きをするという。この山は“犬連れの聖地”なんだろうか、犬を連れた人が多い。リフトで飼い主の膝に乗って登ってくる。この後乗ったバスの道中にも、ドッグラン付きカフェや、ペットと泊まれるホテルが目についた。
【シャボテン公園11:13―(東海バス)→11:39伊豆海洋公園】
バスで海方面へ移動。車中、リフト乗り場の売店で買った「梅干しジュース」を飲む。確か「梅ジュース」ではなかった。「梅干しジュース」だったからこそ、どんなものだろう?と思って買ったのだ。ネーミングって大事だね。バスは伊豆高原の別荘街を下っていく。別荘街と言っても軽井沢のような重厚感はなく、どこか「バブルの宴のあと」のような、色褪せた明るさを感じさせる。今回泊まったホテルもそんな感じだった。
11:51 バスを終点で降り、城ヶ崎の海岸に出る。この磯は大室山噴火の溶岩流が流れ着いた先だという。
「穴口」の矢印標識に従って道を逸れると、おお!確かに「穴」があった。流れ着いた溶岩流跡がトンネルになり、トンネルの天井が陥没して開いた穴。覗き込むと、深い底に海水が打ち寄せるのが見える。
門脇灯台が見えてきた。遊歩道をずっと歩いているが、アジア系の外国人が多い。日本人観光客と同じくらいいるかも知れない。
12:12 灯台に昇る。山側には“プリン”の大室山が見える。
沖を漁船が行く。小さな灯台で、昇り下りする人が交錯しないのかと思ったら、中は昇りと下りの螺旋階段が別々に作られていて、一方通行になっている。
2時間サスペンスで犯人が自供を始めそうな岩場。近くには「いのちの電話」の番号が書かれた看板もある。今日も昨日に続き、天気は穏やかで温かい。歩いていると汗ばんで、上着を脱いでしまうくらいだ。
海岸を離れ車道に出ると、木を伝うリスが。
富戸の漁港集落を抜け、急な坂道を登り、伊豆急の富戸駅へ。バスを降りてから4km歩いた。向かいのホームに停まっているのは「伊豆クレイル」。ランチ弁当やスイーツ、ドリンクを楽しみながら小田原―伊豆急下田間を走るグルメ列車。
【13:23富戸―(伊豆急行)→14:08熱海14:11―(東海道線)→14:32小田原】
小田原駅で駅弁(鯛めしと鯵押し寿司の詰め合わせ弁当)を買って、ロマンスカーで帰途につく。
【小田原15:05―(はこね28号)→16:08新宿】
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大室山のリフト乗り場。この旅行前に伊豆のガイドブックをぱらぱらとめくっていた際、プリンを皿に返したような姿をしたこの山の写真が気になってしまい、ぜひ来ようと思っていた。リフトは往復で500円(ホテルに置いてあったパンフレットを持参して1割引)。なかなか良心的な価格だと思う。観光地のこの手の乗り物は平気で1000円を超えることもあるからね。乗車時間はおよそ5分だけど、適度に風もスリルも感じられて良かった。ちなみに昨日は強風で運休したみたい。なお、この山は、山肌保全のため、徒歩では登れない。
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バスで海方面へ移動。車中、リフト乗り場の売店で買った「梅干しジュース」を飲む。確か「梅ジュース」ではなかった。「梅干しジュース」だったからこそ、どんなものだろう?と思って買ったのだ。ネーミングって大事だね。バスは伊豆高原の別荘街を下っていく。別荘街と言っても軽井沢のような重厚感はなく、どこか「バブルの宴のあと」のような、色褪せた明るさを感じさせる。今回泊まったホテルもそんな感じだった。
11:51 バスを終点で降り、城ヶ崎の海岸に出る。この磯は大室山噴火の溶岩流が流れ着いた先だという。
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【13:23富戸―(伊豆急行)→14:08熱海14:11―(東海道線)→14:32小田原】
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【小田原15:05―(はこね28号)→16:08新宿】
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