リーマンショック以来財政が悪化した米国地方自治体では
公務員の年金カットに踏み込みはじめた。
カリフォルニア州、サンジェゴとサンホセで地方公務員の年金カットについての
住民投票が行われたが圧倒的多数で可決。
日本も公務員の年金を国民が削減できるようにしなければならない。
公務員年金:上乗せ分月1万8000円
政府は4日、公務員の共済年金独自の上乗せ給付「職域加算」(平均月額約2万円)を廃止して15年10月につくる新上乗せ年金「年金払い退職給付」について、平均的な受給月額を職域加算より2000円低い1万8000円程度とする方針を固めた。掛け金も現行水準(年収の1.5%程度、労使折半)より抑える。与党と調整したうえで、早ければ次の臨時国会に関連法案を提出する。
新上乗せ年金は、半分を生涯受け取れる終身年金とする。残り半分は有期(10年か20年を選択可)とし、退職時に一括して受け取ることも可能とする。守秘義務違反があれば減額できる。国、地方の公務員すべてに適用し、2060年ごろまでかけて徐々に新制度へ完全移行する。
政府の有識者会議は7月、新上乗せ年金について、(1)本人と使用者(税金)で半分ずつ負担する掛け金を積み立てる(2)受給額を国債利回りなどに連動して変化させ、運用結果が悪くとも税の追加投入をなるべく回避する(3)職域加算より金額を抑える−−との案をまとめ、政府は具体的な給付水準を詰めていた。
退職給付(退職手当と職域加算の税財源分)に関する人事院の調査によると、10年度の国家公務員の受給額は平均2950万円(退職手当2707万円、職域加算243万円)で、民間より約400万円高かった。政府は400万円引き下げて官民格差を解消し、残る退職給付の一部を新上乗せ年金の使用者負担分に充てる方針。
共済年金は厚生年金より職域加算分だけ給付が手厚いのに、保険料率は厚生年金より低い。この官民格差解消を図る被用者年金一元化法が先の通常国会で成立したのに伴い、共済年金は15年10月に厚生年金に統合され、職域加算は廃止、保険料率も18年9月以降、官民同一となる。同法は職域加算に代わる上乗せ制度の創設も規定している。【鈴木直】