日本の人口1億2843万人余 39道府県で減
総務省がことし1月1日現在の住民基本台帳を基にまとめた全国の人口は、去年より24万人余り少ない1億2843万人余りとなりました。
総務省がことし1月1日現在の住民基本台帳を基に全国の人口をまとめたところ、日本人が1億2643万4964人で、3か月を超える在留資格などを持ち住民票を届け出ている外国人200万3384人と合わせると、去年よりも24万6031人少ない1億2843万8348人でした。
このうち日本人の人口は、去年よりも24万人余り減って5年連続の減少となりました。
都道府県別では39の道府県で人口が減り、最も減ったのは北海道の2万9639人、次いで新潟県の1万6420人、静岡県の1万5504人となっています。
一方、8つの都県では人口が増え、最も増えたのは東京都の6万7539人、次いで愛知県の1万1738人、神奈川県の1万1415人となっています。
また、全国1748の市区町村別でみると、全体の82%に当たる1440の市町村で人口が減っていて、特に規模の小さい町や村では87%の自治体で減少しています。
年齢別では、0歳から14歳までの「年少人口」の割合が13.04%、また、15歳から64歳の「生産年齢人口」は61.98%で、いずれも記録を取り始めた平成6年以降で最低となる一方、65歳以上の「老年人口」は24.98%で最高となりました。
また、東京圏と名古屋圏、それに関西圏の三大都市圏の人口の割合は50.93%と全国人口の半数を上回っていますが、3つのうちでは東京圏のみ人口が増えていて、名古屋圏と関西圏では減少しています。
■人口減少率、秋田・青森・山形がワースト3に
総務省が25日発表した住民基本台帳に基づく人口動態調査(1月1日時点)で、秋田、青森、山形の3県は人口減少率が全国ワースト3だった。福島、岩手も全国平均を上回る減少率で、東北の人口減少は深刻さを増している。一方、宮城県は東日本大震災からの復興に伴う人口流入などで0.1%増で、他の5県との格差も鮮明となっている。
最も深刻なのは秋田県だ。県人口は1年間で約1万3000人減った。年齢別の都道府県人口をみると、0~14歳の年少人口の割合は10.79%で全国最低。逆に65歳以上の老年人口の割合は31.15%と全国最高。老年人口の割合が高まった結果、15~64歳の生産年齢人口の割合が低くなる傾向にあり、少子高齢化の深刻化が全国でも際立つ。
秋田県はこのほど、人口問題対策連絡会議(議長・佐竹敬久知事)を設置し、人口減の原因分析に着手した。2040年には人口が現在の約107万人から70万人に減るとの推計もあり、年度内には人口70万人を前提とした地域や行政の将来像を示す方針だ。このまま人口減が続くと、自治体が担っている業務の一部が成り立たなくなる恐れもあり、対策が必要となる。
東北6県では2番目の人口を持つ福島も約1万4000人減った。09年の日本人の人口を100として各年の人口を指数化した統計をみると、14年は95.29。秋田(95.33)も下回って、3年連続で全国最低となった。福島第1原子力発電所事故による人口流出は収まりつつあるが、どうやって若者を県内に定着させるかという震災前の課題は未解決のままだ。現時点では震災前水準への回復も道のりは険しいと言わざるを得ない。
人口減少数が約1万4000人と6県で最大だった青森県は、転入よりも転出が多い社会減が加速した。原子力施設の集積などを生かした企業誘致や農業の改革などで雇用を創出していく考えだ。
約9000人減少した岩手県は、17日に人口問題対策本部を設置した。本部長を務める達増拓也知事は「復興とはふるさとを消滅させない取り組みだ。定住促進や子育て支援などを強化する」と話している。
山形県も約1万1000人減ったが、世帯当たりの構成人員数が多いという特徴は維持した。山形は2.83人で首位の福井(2.84人)に次ぐ全国2位。3世帯同居が多く残り、良好な子育て環境を維持しているとみられるが、人口を増やすまでには至っていない。
■人口減少止まらず、7か月で約1万人減った県
6月1日現在の秋田県内総人口が前月比0・08%(877人)減の103万9766人となり、104万人を割り込んだ。
昨年11月に105万人を切っており、7か月間で約1万人減った。国立社会保障・人口問題研究所(社人研・東京)の推計では、2015年の県人口は102万3000人とされており、現実になる可能性が高まっている。
県調査統計課によると、前月からの自然動態は、513人の出生に対し、死亡が約2・4倍の1238人で、計725人の減少。社会動態も、転出(962人)が転入(810人)を上回り、152人の減少となった。105万人台から104万人台になるまでは10か月かかったが、今回は7か月で103万人台に落ち込んでおり、減少のペースが速まっているとみられる。このうち5か月で減少数が前年同月を上回った。同課によると、県人口は05~06年以降、毎年1万人以上減っているが、「7か月で1万人は例がない」という。
一方、6月1日現在の世帯数は、昨年11月より358世帯多い39万3147世帯。今年4月の転入増加が影響したとみられる。
社人研の推計では、秋田県の人口は2040年に約70万人になるとされる。これに対し、県は5月に人口問題対策連絡会議とプロジェクトチームを設立し、人口が減り続けた理由や今後の見通しなどを分析。8月に一定の分析結果を明らかにする予定だ。事務局の県総合政策課は「県人口は15年の推計値通りに減少すると思われるが、40年の推計値までは減らないよう対策を考えたい」としている。
人口減少問題への関心は高く、24日まで行われた県議会の一般質問でも、登壇した県議9人のうち、8人がテーマに人口減少や少子化対策を選択。佐竹知事は「結婚支援や子育て環境の整備など少子化対策を進めてきたが、人口減少に歯止めがかかっていない」としたうえで、「プロジェクトチームで早急に分析・検証を行い、関連施策・事業の再構築を目指したい」などと答弁した。