ニトリが倉庫・物流用ロボット「バトラーシステム」を国内初導入

2017-03-17 14:28:40 | 技術

ニトリが倉庫・物流用ロボット「バトラーシステム」を国内初導入

 インドのロボット専門企業・グレーオレンジ(GreyOrange)が、日本のインテリア小売業大手・ニトリホールディングスグループに、物流ロボット「バトラーシステム(Butler-System)」を供給する。

 同物流ロボットは、ニトリホールディングスグループの物流子会社・ホームロジスティクス(Home Logistics)の34カ所の拠点に設置される予定。今年10月には、大阪・茨木市にある「西日本通販配送センター」に、79台が導入されることが決まっているという。ニトリ側は、日本全国の店舗、およびネットショッピングユーザーに製品を出荷するための効率的な物流ネットワーク構築、また物流センターの人件費削減に同物流ロボットおよびシステムを活用する構えだ。
 ホームロジスティクス代表取締役社長、松浦学氏は、「バトラーシステムは、理想的な職場を常に追求する我々の企業理念を満足させる。我々は他社に先駆け、新しい技術ソリューションを採用しており、昨年には日本初となるロボットを利用した保管システムを倉庫内に導入している」などと導入経緯を説明している。

 日本でグレーオレンジのバトラーシステムを独占供給するのは、東京都江東区にあるGROUND社だ。バトラーシステムは、専用の可搬式棚、ピッキングおよび棚入れ用のワークステーション、ロボットのオートチャージャー(自動的に充電を行うための充電機)、システム制御用のソフトウェアなどで構成されている。ソフトウェアは、変化する在庫特性と受注パターンにリアルタイムで適応。既存の手法より、多くの物流量を処理することが可能だとされている。

インドのロボットベンチャー企業GreyOrangeは1月27日、日本のクラウド型物流プラットフォームを創造するGROUNDとの間で資本業務提携を行い、日本に進出すると発表した。
<バトラー>
GreyOrangeの自動搬送ロボット「バトラー」の日本市場における販売をGROUNDが行い、GreyOrangeの2名がGROUNDの取締役として参画する。
GROUNDは、元楽天物流の社長だった宮田啓友氏が設立し、最先端のロボット工学と人工知能技術によって物流オペレーションの最適化を実現する「Intelligent Logistics」の創造を目指している。
<左からアビームコンサルティングの赤石朗氏、GROUNDの宮田社長、GreyOrangeのサメイ コーリーCEO、元ソニー社長の出井伸之氏>

GreyOrangeは、2011年にインドのグルガオンで設立し、倉庫自動化に特化したロボット開発会社。
ロボット工学とソフトウェアエンジニアリングを駆使し、倉庫内作業の非効率性を改善し、3PL事業者、イン・ハウスの倉庫オペレーションを行う事業者にサービスを提供している。
現在は従業員350名、インドの9つの州で活動を行っており、その州内で90%のソーター市場を占めているという。
2015年には、グローバル化を進める一環としてシンガポールにアジア・パシフィックの本拠地を置き、香港には支社を構えた。
■GreyOrange Pte Ltd
営業窓口
担当:James Chan
+65 91596604
james.c@greyorange.com
ヴァイス・プレジデント(国際部門)
http://www.greyorange.com/


渡瀬恒彦さん死去…72歳、胆のうがん

2017-03-16 07:44:49 | 芸能

渡瀬恒彦さん死去…72歳、胆のうがん

 「事件」「震える舌」「仁義なき戦い」シリーズなどの映画や「十津川警部」「おみやさん」をはじめとする推理ドラマでも活躍した俳優の渡瀬恒彦(本名同じ)さんが14日、胆のうがんのため東京都内の病院で死去した。72歳。島根県出身。葬儀は近親者のみで営む。喪主は妻い保(いほ)さん。兄の渡哲也(75)とはまた違った男の魅力で人気を誇ったスター俳優だった。

 仕事復帰を信じて頑張った渡瀬さんが静かに息を引き取った。

 がんとの闘いは一進一退を繰り返し、家族の願いは届かなかった。1月21日に松方弘樹さんが74歳で死去した際には「年齢も近く、東映の撮影所で共に育ってきました。今は言葉が出ません」とコメントを出した。あれからまだ2カ月だった。

 渡瀬さんは15年夏ごろに体調不良を訴え、検査の結果、胆のうに悪性腫瘍が見つかって都内の大学病院に入院。5カ月間、仕事を入れず、抗がん剤の投与と放射線治療を受けた。効果が出て、少しずつ仕事復帰を果たしたが、完治せず、入退院を繰り返していた。

 早大法学部を除籍になった後、電通PRセンターに入社。兄の渡は既に日活の青春スターとしてスターの階段を駆け上がっていたが、渡瀬さんは芸能界に全く興味がなかった。そこを口説いたのが東映の岡田茂社長(当時)で、69年に同社と契約を結んだ。

 70年に石井輝男監督「殺し屋人別帳」でデビュー。「仁義なき戦い」シリーズなど数多くのやくざ映画やアクション作品で実力を養い、78年に出演した深作欣二監督の「赤穂城断絶」と野村芳太郎監督の「事件」の演技でブルーリボン賞助演男優賞などを受賞した。その後も「震える舌」「南極物語」などの話題作で存在感を見せる一方、映画界の斜陽化に伴ってテレビでの活躍も目立つようになった。「十津川警部」(TBS)「おみやさん」などは息の長いシリーズとなった。

 私生活では73年に女優の故大原麗子さんと結婚したが78年に離婚。翌79年に新潟県出身のOL、い保さん(69)と再婚し、息子と娘に恵まれた。04年の「十津川警部シリーズ 東北新幹線“はやて”殺人事件」で大原さんと26年ぶりの共演を果たし話題を呼んだ。大原さんが09年8月に62年の生涯を閉じると、同23日に営まれた「お別れの会」には渡瀬さんも参列し、別れを告げていた。


理研 太陽光の熱を朝から夕方まで回収するシステム

2017-03-11 10:28:39 | 自然エネルギー

理研 太陽光の熱を朝から夕方まで回収するシステム

理化学研究所(理研)とダ・ビンチは1月10日、朝日から夕陽まで、太陽光の光熱エネルギーをフレネルレンズで効率良く回収し、蓄熱タンクに貯めた水を加温、必要に応じてこの熱を取り出して発電と給湯ができる「熱電併給システム」を考案したと発表した。

同成果は、理研と企業が一体となって研究を進める「産業界との融合的連携研究プログラム」にもとづき、2012年4月に理研社会知創成事業イノベーション推進センター内に発足された、光熱エネルギー電力化研究チームの東謙治チームリーダー(ダ・ビンチ社長)、大森整副チームリーダーらによるもの。詳細については、1月16日に理研にて開催される一般向けシンポジウム「明るい未来の光熱エネルギー」にて説明されるほか、1月30日~2月1日にかけて開催される「nano tech2013」でも説明が行われる予定。

再生可能エネルギーの中でも太陽光を利用した発電は、設置する地域の制限が少なく、設備投資が比較的安価であるため、導入しやすいシステムとして注目を集めている。中でも太陽光発電パネルは、光エネルギーを直接電気エネルギーに変換できるため普及が進みつつあるが、蓄電装置のコストが高い、発電は天候の成り行き次第、朝日や夕日の時間帯は水平光になるため光を回収しにくい、パネル材料に添加されている重金属の分離技術が未確立なため耐用年数経過後の廃棄が困難、などの課題がある。こうした課題を解決するために、例えば、太陽光を追尾する装置などが実用化されている、高コストなシステムとなっているのが現状だ。

研究チームは今回、太陽光がもたらす熱エネルギー(光熱エネルギー)に着目し、太陽光追尾装置や駆動部などがなくても、あらゆる時間帯の光熱エネルギーを回収し、電力と温水を供給できる単純かつ高効率な熱電併給システムの開発を目指して研究を行った。

太陽光追尾装置が不要なシステムとするには、どの方向から太陽光が来ても光熱エネルギーを回収できるようにする必要がある。太陽光を損失なく収束するには、透明度が高く、表面の粗さを抑えたレンズが必要となるため、研究チームでは理研大森素形材工学研究室で開発している、同心円状に溝を刻んだ平面型のフレネルレンズに着目した。

フレネルレンズは、成形加工で作られる薄型のプラスチックレンズで、レンズ厚が薄くても光を効率よく収束できるという特長を有する。大森素形材工学研究室のフレネルレンズは、透明度が高く、表面の粗さが20nmの高精度レンズで、超高エネルギー宇宙線を観測するための望遠レンズとして開発が行われているものだ。

研究チームはこのフレネルレンズを、立方体の上面と側面(東側、西側)に組み合わせることで、、建物が反射したり、空気中を乱反射したりする反射光を、光熱エネルギーとして回収することを可能としたほか、立方体の内部には、フレネルレンズが収束した光熱を受ける、アルミ合金でできた逆T字型の熱交換器を設置。これにより朝方は、東側のフレネルレンズ面が朝日を収束して、熱交換器の垂直面を照射。太陽が南中して仰角が大きくなる昼ごろは、上側のフレネルレンズ面が太陽光を収束し、熱交換器の水平面を照射。そして夕方になると、西側のフレネルレンズ面が夕陽を収束し、朝方と反対側の垂直面を照射することで、太陽光追尾システムがなくても、全方向からの太陽光を回収できるシステムを実現した。

また、熱交換器内には流体流路が張り巡らされており、蓄熱タンクの水が循環する仕組みで、ここで熱交換器に集まった光熱エネルギーが水を温める。研究チームでは、このフレネルレンズ・熱交換器・蓄熱タンクで構成したシステムを「フレネル・サン・ハウス」と命名したという。

さらに、電気が必要なときは、蓄熱タンクに蓄えた光熱エネルギーを、ダ・ビンチが開発したロータリー熱エンジンへ供給することで、熱媒体である代替フロン(HFC245faなど)を気化してロータリー熱エンジンを回し発電を行うことが可能で、これにより電力と湯を同時に供給する「熱電併給システム」を構築することが可能だ。ロータリー熱エンジンは、シリンダー容積の変化で回転エネルギーを発生するため、低温域の熱源から生じる低い圧力でも熱仕事効率が良く、40℃まで回転エネルギーを引き出すことが可能だ。そのため、同じ熱量でも、温水を循環利用してそれを使い尽くすことができ、発電総量の増加が見込めるという。

研究チームでは、この熱電併給システムについて、使い勝手の良いコージェネレーションシステムとしての利用が期待できるほか、自家発電装置あるいは分散型電源としても有用だと説明する。また、工場の廃棄熱などを供給すると24時間発電も可能になるほか、発電後の湯を浴用などに利用したりすることも可能であるため、エネルギー利用効率の向上にもつながるとしている。

研究チームでは、一般の家庭では、1日平均で約1kW程度の電力が必要であり、10世帯が共用すると10kW程度の電力需要となることから、導入コストとその回収を考えた場合、家庭用・工業用のどちらでも10kW程度のシステムが費用対効果が良いと考えられるとしており、2013年中に出力1kWクラスのシステムを試作して課題を抽出するとともに、フレネルレンズの構成の見直しや量産化、ロータリー熱エンジンの出力効率の向上などを図っていく計画としている。また、2014年には10kWの実証システムの完成を目指す方針とするほか、地方自治体と連携して、太陽光熱の有効利用と分散型電源の確立を目指したパイロットプラントの建設も進めていきたいとしている。


太陽光を80%の高効率で変換し水蒸気を生み出す材料 東北大学

2017-03-11 09:10:20 | 自然エネルギー

太陽光を80%の高効率で変換し水蒸気を生み出す材料

東北大学 原子分子材料科学高等研究機構の研究グループは、世界最高レベルの太陽光エネルギーの変換効率を持つ水蒸気発生材料を開発した。3次元構造を持つナノグラフェンを用いた材料で、水蒸気の生成や純水の精製、汚染水の濃縮や浄化などさまざまな用途に利用できるという。

東北大学 原子分子材料科学高等研究機構の伊藤良助教、陳明偉教授らは、3次元構造を持つグラフェンを用いた高性能な水蒸気発生材料を開発した(図1)。グラフェンは、ナノサイズの細孔がランダムにつながったスポンジ状構造体を持つ、多孔質構造体だ。今回の研究では太陽光をこの3次元多孔質グラフェンに照射した結果、水の蒸発スピードは1平方メートル当たり1.5kg/h(キログラム毎時)となった。この数字は太陽光エネルギー変換率の80%に相当し、これまで発表された水蒸気発生効率の中で世界最高レベルとなっている。

今回の研究は3次元多孔質グラフェンを太陽熱温水器の集光材料に使用することで、太陽光の熱エネルギーを効率よく吸収し、さらにその熱エネルギーが局所的に集中することで反射鏡やレンズなどの集光装置を用いることなく、水から水蒸気を発生させることに成功した。

太陽光で加熱された水は比重差による対流現象や熱伝導によって熱が拡散し、温度が均一化に向かうため熱水は保持されない。しかし、今回の研究では窒素を導入した3次元多孔質グラフェン(図2)を吸収材として使用することで、そのミクロサイズの孔内に捕らわれた水が集中的に加熱される。これにより熱が拡散することなく容易に高温化できることから、水蒸気への変換効率を従来のグラファイト粉を用いた場合の56%から、80%にまで高めることに成功した。


自動車の排熱発電、ヤマハが20年めど実用化−燃費約5%改善

2017-03-08 15:09:19 | 自然エネルギー

自動車の排熱発電、ヤマハが20年めど実用化−燃費約5%改善

【浜松】ヤマハはドイツの政府機関と連携し、2020年の実用化をめどに自動車の燃費改善につながる車載用排熱発電システムを開発する。航空宇宙分野など先端技術の研究開発を担うドイツ航空宇宙センター(DLR)と連携協定を結んだ。従来、熱損失となっていたエンジンなどの排熱を電気に変換し、エネルギー効率を高める。共同開発では3―5%の燃費改善を目標とする。

ヤマハが熱を電気に変える熱電素子を提供し、DLRが排熱発電システムとして開発を進める。自動車エンジンのエネルギー効率は約30%で、残りは熱損失になるとされる。同システムは従来、ムダになっていた排熱を電気として有効活用することで、ガソリン車やディーゼル車、ハイブリッド車(HV)などの燃費を改善する。