輸出規制の軍事転用可炭素繊維 中国に不正持ち出しか

2012-10-24 10:55:07 | 報道

軍事転用される恐れがある炭素繊維が、大阪府内の商社から中国に不正に持ち出された疑いがあることが捜査関係者などへの取材で分かった。炭素繊維は外為法で輸出が規制されており、外為法違反や詐欺の疑いも浮上。捜査関係者からは「戦闘機に使われれば、燃費など中国の軍事レベル向上につながりかねない」との声も上がっている。
 
 関係者などによると、戦闘機の機体に転用したい中国軍事関係者が最新鋭旅客機「ボーイング787」の機体にも使われる東レの最先端の炭素繊維を入手するよう、大阪府内の商社に依頼。平成21年8月に、この商社が約1キロの炭素繊維を経済産業省の許可を得ないまま、中国に持ち出した疑いがあるという。
 
 この商社は東レと取引実績がなかったため、静岡県内のベンチャー企業に東レの炭素繊維約2トンを2千万円で入手するよう依頼。ベンチャー企業は「工場で生産する水素発生装置のボディーに使う」などと東レ子会社に虚偽説明を行い、サンプル約1キロを確保した。商社はその後、中国側に炭素繊維を手渡したとみられている。静岡県警は捜査を行い、同様の事実を把握している。
 
 東レは社内調査などの結果、「詐欺行為の被害に遭ったことは把握しているが、商社が中国側に対し、低品位の炭素繊維を最先端のものと偽ったのではないか」(首脳)としている。大阪の商社は「特にコメントすることはありません」としている。


PC誤認逮捕 捜査検証「公表しない」

2012-10-24 09:25:33 | 報道

PCウイルスがわからず過去に冤罪で逮捕されたひとがいるんじゃないか?


 横浜市のホームページに小学校の襲撃予告を書き込んだとして、少年(19)が誤認逮捕され保護観察処分となった問題で、横浜地検の堀嗣亜貴(つぐあき)次席検事は二十三日、誘導が疑われている少年の自白の経緯について「少年側のプライバシーと少年事件であることに配慮し、調査結果を公表するつもりはない」と報道陣に述べた。
 

 少年の供述を誘導した疑いもある取り調べの経過など、誤認逮捕の調査結果を公表しないことは、説明責任を果たさないことにもなりかねない。しかし、堀次席検事は「それをはかりに掛けた上での判断だ」と説明。検察組織全体としての判断としたが、対応が問われそうだ。
 

 地検の検事は二十三日、家庭裁判所に少年の保護観察処分取り消しを要請した。家裁は処分を取り消す見通し。堀次席検事は「捜査に不十分な点があった。少年に心よりおわびいたします」とコメントした。
 

 処分取り消しの要請に際し、地検は少年が無実であることを説明する資料を提出した。資料では、他の人物がインターネット上に仕掛けた自動書き込みプログラム(CSRF)が作動し、襲撃予告が書き込まれた可能性が高いことや、不自然な通信記録の検証を怠ったことなどを説明したとみられる。


エレファント・マンの病気解明へDNA鑑定

2012-10-24 09:15:25 | 医療

 【ロンドン小倉孝保】巨匠デビッド・リンチ監督の傑作映画「エレファント・マン」(80年公開)のモデルになったジョセフ・メリック(1862~1890年)の病気の謎を解明するプロジェクトが近く、メリックの遺骨を管理するロンドンのクイーン・メアリー大学医科歯科学部でスタートする。メリックは生前、自分の遺体を保存し病気の原因を解明してほしいと言い残しており、122年を経て現代医学がその遺言に挑む。
  メリックは2歳のころ顔や体の一部が極端に膨張する謎の病気を発症。感染症の一つである象皮病(ぞうひびょう)と考えられ家族からも見放されたが、今では症状から象皮病でないことがわかっている。最近は、骨や皮膚などが肥大化する「プロテウス症候群」の可能性が高まっているが原因特定のためには遺骨をDNA鑑定する必要があると判断されこのほど、メリックの親類子孫の許可を得た。
 
 プロジェクトには同学部副学部長で遺伝医学が専門のリチャード・トレンバス教授(56)を中心に、医師やミイラのDNA鑑定を専門とする考古学者ら計6人が参加する。数週間以内にメリックと同年代の別の遺骨(複数体)を使って、どうすれば遺骨の損傷を抑えながら有効なDNA鑑定ができるかを確認し、年内に実際にメリックの遺骨からDNAを採取する。順調なら来年後半に病気の原因が解明される。メリックのDNA鑑定は、異常部分と正常部分(左腕など)双方の骨からDNAを採取して実施する。
 
 トレンバス教授は、メリックの病気解明の意義について「同じような病気の患者への治療に役立つ可能性があるし、病気の原因をはっきりさせることで、患者に対する社会的偏見を抑えられる」としている。
 
 メリックは顔や体が変形したため社会的偏見に苦しんだが、優しい気持ちを失わず、最後の4年間は王立ロンドン病院で治療を受けながらボール紙で模型作りをしたり劇場で演劇やオペラを楽しんだ。政治家や王室メンバーがメリックを見舞った記録も残っている。
 
 メリックの死後、王立ロンドン大学内に博物館(クイーン・メアリー大学医科歯科学部管理)が設置され帽子や椅子などが保存されている。遺骨(全体)は普段は展示されていない。