東北大発見 青色LEDの光で昆虫が死ぬ

2014-12-11 10:03:30 | 科学

殺虫剤の削減ができていいと思います。

東北大学は、青色光を当てると昆虫が死ぬことを発見した。強い紫外線が生物に害があることはよく知られているが、場合によっては紫外線よりも強い致死的効果を持つという。

東北大学大学院農学研究科の研究によると、さまざまな波長のLED光をショウジョウバエの蛹に当て、羽化できずに死亡した蛹の割合を調べたところ。可視光の青色(440nmおよび467nm)で高い殺虫効果があることがわかった。とくに467nmは卵や幼虫、成虫に関しても効果が得られた。光の強さは直射日光に含まれる青色光の3分の1程度という。

波長が短くエネルギーが高い紫外線は殺菌効果を持つことが知られているが、微生物よりもはるかに複雑な動物である昆虫に対し、紫外線よりも波長の長い(エネルギーが低い)青色光が致死的効果があることはこれまで知られていなかった。昆虫によっては紫外線よりも高い殺虫効果が確認されるなど、エネルギーの大きい高い波長のほうが細胞に害をなすという常識を覆す結果となった。

殺虫効果のある波長は昆虫によって異なり、ある種の昆虫では日光に含まれる5分の1程度でも殺虫効果が認められ、蚊に対しては日光の1.5倍を必要するという結果となった。致死メカニズムは解明されていないが、青色光(ブルーライト)が目に有害といわれているのと同様に、紫外線を防御する機能は昆虫にも備わっているが、自然光よりも強い青色光は体表を透過してしまい、体内で活性酸素などを発生、細胞に障害を与えると考えられるという。

研究グループでは、青色LEDを用いて簡単に殺虫できる害虫防除装置が期待できるほか、波長を工夫することで特定の害虫を駆除できる技術になる可能性を示している。


笹井副センター長が死亡=医療センター内、自殺か

2014-08-05 10:44:02 | 科学

小保方氏の罪は重い

理研の笹井氏が自殺図る STAP細胞論文の責任著者

理化学研究所によると、理研発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長が神戸市の先端医療センター内で死亡しているのが5日、見つかった。自殺とみられる。


<理研>笹井芳樹副センター長、研究室で死亡 現場に遺書

毎日新聞 8月5日(火)10時29分配信

<理研>笹井芳樹副センター長、研究室で死亡 現場に遺書

理化学研究所によると、5日午前9時前、神戸市中央区の先端医療センター5階の研究室で、理研発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長が倒れているのを、巡回中の警備員が発見した。間もなく死亡が確認された。現場には遺書のようなものが残されていたという。

【笹井氏、4月に会見し謝罪】

 笹井氏は問題化しているSTAP細胞論文の責任著者の一人。

 


STAP細胞の正体 細胞のすり替え

2014-07-20 08:39:48 | 科学

STAP細胞の正体 細胞のすり替え

STAP細胞とは何だったのか。
 
 理研統合生命医科学研究センターの遠藤高帆上級研究員による公開の遺伝子配列データの再解析と,共著者の若山照彦山梨大学教授が第三者機関に委託して行ったSTAP幹細胞の調査結果は,STAP論文における研究不正が,理研が不正認定した2項目をはるかに超え,研究全体に及ぶことを示している。
 
 論文で「STAP細胞」と呼ばれている細胞は,どれも同じ細胞ではない。少なくとも3種類あり,実験ごとに異なる細胞が使われている。遺伝子解析に使われたのはうち2つ。1つは染色体異常が生じた多能性幹細胞で,ES細胞(胚性幹細胞)とみられる。もう1つは多能性のない普通の細胞で,酸に浸けたマウスの脾臓細胞だと推定される。STAP幹細胞の元になり,キメラマウスを作製したSTAP細胞は,ES細胞の立体培養だった可能性が高い。STAP細胞を培養して作ったとされる「FI幹細胞」のうち,遺伝子解析実験に用いたものは,ES細胞とTS細胞(栄養膜幹細胞)の混合物とみられる。
 
 論文に掲載された「STAP幹細胞」10株は,すべて途中ですり替わっている。STAP幹細胞は若山氏が小保方氏にマウスを渡し,小保方氏がSTAP細胞を作って,若山氏がこれを培養してSTAP幹細胞にした。2株は若山氏が渡したのとは別の系統のマウスの細胞で,その遺伝子的な特徴は,若山氏自身が作ったES細胞に一致する。残る8株は若山研にはなかったマウスの細胞で,出所は不明である。
 
 論文で作ったとされた「STAP細胞」「FI幹細胞」「STAP幹細胞」はどれも,少なくとも一部は既存の幹細胞や,その混合物だったとみられる。
 
 以上の構図がどのようにして浮かび上がってきたのか。遠藤氏らの遺伝子解析結果についての理研の内部資料と,若山氏の調査結果の詳細を解説する。

http://www.nikkei-science.com/201408_054.html詳細はこちら


STAP細胞作製レシピ「整理し加筆したい」

2014-04-14 14:50:59 | 科学

STAP細胞作製レシピ「整理し加筆したい」

 【200回以上成功したと述べた点について】マウスから細胞を取り出し刺激を与えるのに時間はかからない。毎日のように行い、1日に複数回行うこともあった。いろいろな細胞を使い、さまざまなストレス条件で実験した2011年9月までに100回以上、脾臓由来のリンパ球に酸性溶液で刺激を与える方法で9月以降も100回以上作製した。作製に成功した第三者の名前は公表できないが、存在は理化学研究所も認識している。

 【レシピの公表】再現実験を試みた方がどのステップで失敗したか情報を整理し、手順書への加筆に積極的に取り組んでいきたい。

 【報道について】(雄のSTAP幹細胞しかないのに論文に雌のデータが載っていたとの報道に)雌の幹細胞は作製され、理研に保存されている。(若山照彦山梨大教授がSTAP幹細胞の作製を依頼した際、依頼とは違うマウスで作製したとの指摘に対して)幹細胞はすべて若山先生が樹立されたものだ。


小保方晴子博士の「STAP細胞」特許出願は基本特許となるか?

2014-02-06 10:00:01 | 科学

小保方晴子博士の「STAP細胞」特許出願は基本特許となるか?

「数世紀に及ぶ生物細胞学の歴史を愚弄するものである」ー2012年、英Natureが彼女の論文の掲載を却下したときの査読者の評だという。理化学研究所の小保方晴子博士の発見したSTAP細胞はそれほどに「非常識」に満ちている。受精卵から体細胞へ分化すると、細胞は分化状態をメモリのように記憶しており、多能性細胞などの未分化細胞に戻る(初期化する)ことはないというのがかつての常識であり、体細胞を初期化するには高度な遺伝子操作が必要であると考えられていた。小保方博士の発見は、体細胞に一定のストレス(弱酸性の刺激)を与えることで、分化状態の記憶が消去され、多能性を再び獲得するということのようである。


小保方博士は、大学院時代に留学していたハーバード大のチャールズ・バカンティ教授らと共同で国際特許出願(公開公報WO2013/163296 A1”Generating pluripotent cells de novo”)をしている。門外漢の私には専門的で何もわからないだろうと思ったが、特許請求の範囲(クレーム)を読んで驚いた。請求項1には、

1. A method to generate a pluripotent cell, comprising subjecting a cell to a stress.(「細胞をストレスにさらすことを備える多能性細胞生成方法」)

と記載されているだけであり、素人の私でもわかる「そのまま」なのである。小保方博士の今回の発明をこれ以上広い権利で言い表すことはできないであろう。特許請求の範囲をいかに広く記載するかが、特許の価値を左右する。学者の特許出願は、いきおい学術的になりがちであり、特許請求の範囲に余計な専門的限定が含まれ、狭い権利となることが多い。小保方博士らの国際特許出願は、その点、特許請求の範囲の記載はいずれも非常に広く書かれており、この分野の特許出願としては優れものであると思う。彼女の発明がきわめてシンプルな発想から生まれていることも大きな要因であろう。請求項1がこのまま特許になれば、間違いなく世界を制覇する「基本特許」となるだろう。

しかし、残念ながら、ここまで広い権利を取得することは難しいだろう。国際特許出願をすると国際調査機関が先行技術を調査してサーチレポートを発行する。上記の公開公報の最後にはそのサーチレポートが添付されている。サーチレポートによれば、小保方博士の国際特許出願の請求項1は、別の日本人女性の先行技術により新規性がないとされている。その日本人女性とは、東北大学の出澤真里教授である。彼女もまた、「Muse細胞」という多能性幹細胞の発見者として有名である(47NEWS『皮膚、骨髄に多能性幹細胞 「安全性高い」東北大』参照)。出澤真里教授の国際特許出願(公開公報WO2011/007900 A1「生体組織から単離できる多能性幹細胞」)には、

生体がストレスに曝されたり、傷害を受けると休眠状態の組織幹細胞が活性化され、組織再生に寄与することが知られている。本発明者は、骨髄間葉系細胞画分や皮膚線維芽細胞画分等の間葉系細胞又は中胚葉系細胞を培養している際に種々の方法でストレス刺激を与え(例えば、無血清培養、Hank’s Balanced Salt Solution(HBSS)による培養、低酸素培養、トータル3時間の間欠的短時間トリプシン培養、8時間若しくは16時間の長時間のトリプシン培養等)、生存している細胞を集め、メチルセルロース(MC)含有培地中で浮遊培養(MC培養という)を行った。

と記載されており、請求項17には「生体組織由来細胞を細胞ストレスに暴露し生き残った細胞を回収することを含む多能性幹細胞又は多能性細胞画分を単離する方法。」が権利請求されている。「細胞をストレスにさらして多能性幹細胞を生成する」という基本アイデア自体は、どうやら小保方博士のオリジナルではないようだ。そうすると、どのような細胞にどのような状態でどのようなストレスを与えるかといった多能性細胞の生成の条件を限定することが特許取得のために必要となりそうである。

小保方博士の国際特許出願では請求項13で、今回の弱酸性刺激以外にも様々なストレスが列挙されている。発明として完成している弱酸性刺激に限定するなら、特許が取得できる可能性は高い。また、サーチレポートを詳しく見れば、請求項7(「細胞が均一細胞集団にある」ことを限定)などには新規性または進歩性を否定する先行技術が少なくとも国際調査段階では発見されておらず、今後の世界各国(特に米国、日本、欧州)での出願審査を経てみなければわからないが、かなり広い権利が狙える余地も残されている。日本発の世紀の大発明に強力な特許権が付与されることを期待しながら、今後の特許出願審査の経過を見守りたい。

それにしても、 小保方博士の特許出願は、Google Patent Searchで”haruko obokata”と入力するだけで誰でも閲覧できるのだから、日本のマスメディアは、「リケジョ」を追いかけ回す前に、論文を取り寄せたり、特許出願を検索してみるなど、もう少し自分で彼女の研究成果を調べる努力をしてみてはどうかと思う。特許出願には論文には記載されない技術情報があったり、研究開発の苦労や方向性などが示唆されていることもあり、第一級の資料である。ここからまだまだいろいろなことが読み取れるだろう。