障害者差別禁止へ結束
31日設立 県内10団体「フォーラム」
障害者に対する差別のない社会基盤整備を国や県に働きかけようと、県内の主な障害者団体が結束して「香川障害フォーラム」を設立する。県内で身体、精神、知的といった障害の枠を超えた組織を結成するのは初めてで、差別の禁止をうたった法制化、条例化を求める。事務局は「弱者が生きてきて良かったと思える社会づくりを目指したい」としている。31日に高松市内で設立総会を開く。
同フォーラムには、県精神障害者家族連合会や県ろうあ協会、全国脊髄(せきずい)損傷者連合会県支部など10団体が参加。2006年に国連が「障害者の権利条約」を採択したのを受けて、日本政府は07年に条約に署名し、批准に向けて法整備を準備しており、同フォーラムは行政に提言などをする。
加盟10団体を通じて障害者にアンケートし、就労や教育、医療などに関して受けた差別、課題点を調査。例えば「普通学校に進学できない」「車いすで移動する環境が整っていない」なども差別と位置づけ、調査結果を基に、行政サービスのあり方や、企業に求める義務をまとめ、国に意見書を提出する。
事務局長を務める「福祉オンブズ香川」(高松市)の森沢繁雄副代表は「あらゆる障害者団体が団結して社会的な権利を考えたい。県にも条例制定などを要請する」と話している。
(2009年5月28日 読売新聞)