毎日新聞の社説です。消費税を上げて 土木事業へ…狙いがますますはっきりしてきています。
社説:一体改革参院審議 規律が緩んでいないか
毎日新聞 2012年07月23日 02時31分
民主党から離党者が相次ぎ、野党からも責められて難しい立場なのはわかるが、税と社会保障の一体改革の緩み方が気になる。どこに対してもいい顔を見せようとしては歳出に歯止めが掛からなくなる。一体改革は必要だが、ただ通せばいいというものでは決してない。
参院特別委員会で自民党側から消費増税で財政にゆとりができた分を公共事業に回すよう求められた野田佳彦首相は「財政の対応力が回復したときに、機動的に民間資金と財政投融資資金も含めて対応する」と答えた。3党合意の付則に「(税制改革で)財政による機動的対応が可能となる中で、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する」とあるのを踏まえた答弁だ。
これまで野田首相らは「消費増税による税収は社会保障にあてる」と繰り返してきたが、間接的に消費税がコンクリートに使われるのを容認するものではないか。自民党は防災対策などで10年間に200兆円規模を集中投資する国土強靱(きょうじん)化基本法案を国会に提出、公明党も防災関連の公共事業に10年間で100兆円を投じる法案を発表している。