プクプク日記 観劇 映画 落語 スポーツ観戦 読書の日々

今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

志の輔 談春 雲水 生志 内容充実の「傳志会」だったが•••

2017-09-30 11:03:23 | 日記
昨夜は、前回に引き続き「傳志会」行ってきました。3回目を迎えたこの会 志の輔 談春という、今、最もチケットが取れないという兄弟弟子が共演する、レアな落語会です。チケットも公演間際にしか売り出さず、入手困難なのですが、なぜか私、先行予約で当たるんです。基本、くじ運悪いのに、なぜだろう?
今回は、時期が時期だけに、4師匠 マクラは選挙の話。なかでも、「泰葉都知事選出馬宣言」をネタにした雲水が、冴えてました。
肝心の演目は、雲水師がトップバッターで「竹の水仙」大阪弁の左甚五郎は、あまり聞いた事ない。仲入り前の志の輔師は「緑の窓口」選挙前の定番「出口調査で嘘つきましょう」のマクラから本編まで受けっぱなし。休憩後の談春師。過去2回トップバッターを務め、前回の高座では「毎回トップバッターで出る」と仰ってましたが、今回は、なぜか3番手。演目は「紙入れ」年増のおかみさんに翻弄される新さんが可愛い。
ここまで順調。トリは生志師。演目は「柳田格之進」大ネタです。生志流「格之進」の特色は、萬屋の番頭に盗ったと疑われた50両の返済のため、吉原に身を売った格之進の娘•お琴が、父が主家に帰参が叶ったことを知った後、「おめでとうございます」の言葉を残して自害してしまうところ。大概は、柳田が出世した後、吉原から身請けされるパターンなんですがね。さ、問題はココです。あの時代、商人風情に濡れ衣を着せられ、その結果、娘が自害する羽目になった武士が、彼らを許すことが出来るのか、まして柳田は、曲がったことが大嫌いな男です。ここで、敢えて娘を自害させるという演出法をとった生志師の意図が、私には理解出来ませんでした。



タイトルが素晴らしい 広瀬和生「噺は生きている」

2017-09-29 11:38:39 | 日記
「おわりに」のページで、作者は、こう書いています。
「本書のタイトルは、最初の打ち合わせの時点で決めていた。僕が書きたかったことは、この「噺は生きている」という一言に集約されている」
確かに、その通り。噺は、先人たちから脈々と受け継がれ、さらに各々が工夫して、自分のものにしていくもの。この本では「芝浜」「富久」「紺屋高尾と幾代餅」「文七元結」が取り上げられています。
たとえば「芝浜」三木助の名演で知られる噺ですが、そのどの部分を受け継ぎ 或いは切り捨て、家元談志が、己の「芝浜」を作り上げたか、そしてそれが、弟子の談春 志らくに、どう受け継がれていったのか。いや、読み応えありました。
取り上げられている落語家も、文楽•志ん生→円生•正蔵→小さん•三木助→談志•志ん朝•円楽•小三治→さん喬•権太楼→談春•志らく→白酒•一之輔•••と、多種多様。よく調べあげた本でした。

昨夜は紀伊國屋ホールで「春風亭小朝独演会 菊池寛が落語になる日 VOL.5」

2017-09-28 10:51:39 | 日記
昨夜は紀伊國屋ホールで「春風亭小朝独演会 菊池寛が落語になる日VOL.5」を楽しんできました。毎回2席づつのネタ下し。これで、ついに10席誕生したことになります。私、初回だけは行けませんでしたが、2回目から前回までの6席は、見事な出来で、小朝師の新しいレパートリーとして、どこでも通用する落語に仕上がっています。効果音を使うなど、寄席ではできないものもありますが、大体1席15分のサイズでできますので、重宝されるネタではないでしょうか。
今回の新ネタは「好色成道」と「竜」の2席。「好色成道」は、道に迷った僧侶が、ふとたどり着いた一軒家。そこの女主人は。、すこぶるつきの美女。思わず「浮世感」を出した僧侶は、夜這いを掛けます。ここで、師匠の「さすが文豪の使う言葉は違いますね。これから、不倫がバレた方は、浮世感というと、なんか高尚な感じでいいんでは・・・」というのが笑わせる。さて、女主人に「想いは遂げさせてあげるが・・・」と言われた僧侶。ただ、そのための課題を出されます。1つクリアしうると、また1つ、そして・・・というお話。
「竜」は見世物小屋のお話。「竜」を見世物にして大儲けした武士とおすそ分けに預かった金魚屋の主。1年経ってブームが去った後、次に考えた一手とは・・・というお話。サゲを言いたいがために、そこまでを話すという、ある意味、とても落語らしいお話でした。
色物に義太夫三味線をはさんで、トリネタは「皿屋敷」今回は、踊りを入れたり、「お菊七変化」と題して、T議員 K・Mさんのネタを入れるなど大サービス。大爆笑ものでした。

ナショナル・シアター・ライブ 「誰もいない国」

2017-09-27 10:43:35 | 日記
ナショナル•シアター•ライブ「誰もいない国」観てきました。イギリスを代表する名優で、サーの称号を持つパトリック•スチュワートとイアン•マッケランという二人が主演。他にダミアン•モロニー オーウェン•ティールという2人が出演する男優4人の芝居。ノーベル賞作家作家ハロルドピンターの作品。
冒頭 ハースト(スチュワート)という男が、豪華な部屋で寛いでいると、スプーナー(マッケラン)という男が入って来ます。共に60代。話の様子では、2人はどこかのパブで知り合い、ハーストが家に連れてきた様子。この家には、フォスター(モロニー)とフリグス(ティール)という2人の使用人がいます。
ハーストとスプーナー にこやかに話していたかと思うと、俄かに喧嘩腰になったり、その関係性は、よくわからない。2幕では、互いにオックスフォード大学での友人であったような一幕もあり、事態を飲み込むのに苦労します。さらには、ハーストがスプーナーの妻と不倫していたような話もあります。虚実ないまぜ、どう理解していいのか迷います。
ラストは、スプーナーがハーストの秘書に雇ってくれないかと懇願する場面で幕。ハロルド•ピンターの作品らしく、なかなか分かりにくい芝居でした。で、最後に4人の俳優によるトークショーがあり、この芝居について語ります。この作品 40年以上前に書かれたものですが、言い分が二転三転するハーストは、今で言う認知症を患っていたとの事。なるほど、そういう事なら理解できると思うシーンが幾つかありました。一筋縄ではいかない作品です。

段田安則×宮沢りえ×黒木華×山崎一 ケラ「ワーニャ伯父さん」

2017-09-26 10:43:28 | 日記
ケラが「チェーホフ四大戯曲」に挑戦するというシス•カンパニーのシリーズ。今回が第三弾。段田安則 宮沢りえらの「ワーニャ伯父さん」観てきました。
田舎で暮らす実直なワーニャ(段田) その姪ソーニャ(黒木) 大学教授を引退して都会から引き上げてきたソーニャの父セレブリャーコフ(山崎) その美しい後妻エレーナ(宮沢) そしてモテ男の医師アーストロフ(横田栄司)が織りなす物語。
チェーホフの戯曲を、基本そのまま活かしている作品だけに、特にケラらしさが出るわけではないのが、このシリーズの特徴。なだけに、「ウーン どこが面白いんだ」と思ってしまう自分がいるのも事実。私、基本的には、次から次へと、いろいろな事が起こる芝居が好きですから、そういう意味では、ちょっとシンドイ。
ただ、実直に生きてきたワーニャが、セレブリャーコフの身勝手に自分の人生を台無しにされたと思い、爆発するところ。或いは、これまた実直に、一途にアーストロフを愛するソーニャを気遣い、その橋渡しをしようとしながらも、自分も不貞に溺れるエレーナの苦悶のシーンなどは、面白かった。きちんと何度か観れば、その魅力に気づくのでしょうが、なかなか1度観ただけでは、分かりにくいのは、仕方ないところでしょうか。