中上竜志さんの
「ヒール 悪役」です。
「散り花」に続く、プロレス小説の第二弾。
「悪役」「首抜き」「ざらつく」「キャッチ•アズ•キャッチ•キャン」
の4作から成っています。
「悪役」
引退間近の中年レスラー荒井が主人公。
「ジャパン」という大手団体に属しているのですが
その栄華も、今は昔、スタービールという大手企業が参入し
スターレスラーをスカウト。
ジャパン以外の団体は、ほぼ壊滅。
ジャパンだけが、細々と興行を続けている。
そんな瀕死状態のジャパンに、総合で名を挙げた
かつての所属選手•立花が戻ってくる。
その立花が、タッグパートナーに選んだのが荒井。
ここで、「悪役」は終わり。
この後は、二人の奮戦ぶりが描かれていくのか
と思いましたら、全然違いました。
業界全体の流れに、話は変わっていきます。
スタービールに引き抜かれたメンバー
ジャパンに残ったレスラー
彼らのプライドを賭けた闘いが続く。
昭和のプロレスファンとしては、懐かしく読めました。