プクプク日記 観劇 映画 落語 スポーツ観戦 読書の日々

今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

勘三郎丈の元気な姿が!「野田版 研辰の討たれ」

2016-07-31 11:55:49 | 日記
東銀座の東劇で「シネマ歌舞伎」観てきました。演目は「野田版 研辰の討たれ」2005年5月に歌舞伎座で上演されたもの。3か月にわたった歌舞伎座での「中村勘三郎襲名披露興行」の時の作品です。脚本 演出は野田秀樹。
物語は、守山辰次(勘三郎)という刀研ぎ師上がりの武士が主人公。「研ぎ師上がり」と、他の武士からバカにされる辰次だが、当人も、まったく剣術の腕を磨く気もなく、ただ、奥方(福助) 殿様へのお追従で、生き延びる日々。このあたりの口八丁 手八丁の見事さは、さすが勘三郎。
ある日、奥方の前で、家老・平井市郎右衛門(三津五郎)に剣術指南を受け、打ちのめされる辰次。奥方の前で恥をかかされたと遺恨に思い、闇に乗じてカラクリを使った報復を思いつくが、そのからくり人形(亀蔵)に驚いた市郎右衛門 脳卒中であえない最期。周りにいた者が、家老が脳卒中ではまずいと、辰次に闇討ちで斬殺されたことにしてしまう。市郎右衛門の遺児 九市郎(染五郎)才次郎(勘九郎)の兄弟は、仇討ちの旅へ。2年の歳月が流れ、ようやく仇と巡り合うことに・・・
時代設定が、赤穂浪士の討ち入り直後とあって、世はまさに「仇討ち」ブーム。この仇討ちを、なによりの見物と囃し立てる町人たち(獅童 七之助ら)が面白い。「騒動好き」という庶民の気持ちというものは、いつの世にも変わりないものだなと思わせる。90分余の演目だが、ほぼ出ずっぱりの勘三郎丈の面白いこと。この演目 歌舞伎座では前代未聞のカーテンコールがおきたということだが、それもかくやという出来であった。まさか、このわずか6年後に、病に倒れることになろうとは・・・返す返すも残念の一言。もっと言えば、家老役の三津五郎もこの世になく、奥方の福助も、歌右衛門襲名を目前に倒れてしまった。人の世の無常を感じます。

寺島しのぶの女優魂に脱帽!松尾スズキ作「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」

2016-07-30 11:36:41 | 日記
シアターコクーンで上演中の松尾スズキの新作「ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン」です。3時間超の大作!観終わって劇場の外へ出て、スマホの電源入れたら10時10分回ってました。覚悟していたとはいえ、明日も仕事ある身としては、もう少し、早く終演してほしかったというのが、実感です。
舞台は、内乱状態のアジアの国。ベストセラー作家・永野(阿部サダヲ)は、誘拐された風俗ライター時代の先輩・ヤギ(吹越満)を探しに、この国へと向かったのです。永野 ヤギ救出の手がかりを探していく過程で、美しいゴーゴーボーイで男娼のトーイ(岡田将生)に出合います。実は、ヤギと永野の間には、過去にトーイと生き写しのゴーゴーボーイをめぐって、なにやら因縁があるようです。永野の妻・ミツコ(寺島しのぶ)は女優で、一時引退状態でしたが、夫のいない間に、かつてのマネージャー・オカザキ(岡田二役)と共に、芸能界へのカムバックを画策します。実は、ミツコ オカザキと不倫を楽しんでもいるのです。
内乱状態の国で、永野 行方不明になります。探しに行くミツコ。夫の手がかりを知る女性に会いますが、彼女は情報を教える代わりに、「内乱で負傷した息子の性欲を満たしてくれ」と要求します。承知するミツコ と、息子は「気分がでないから脱げ」と命令します。上半身を露わにするミツコ。私、2階席なので、良く見えませんでしたが、寺島しのぶ アッパレな女優魂です。ようやく再会する2人。永野は、ようよの思いで日本へ戻りますが、精神に異常をきたしたミツコの帰国は、かないません!妻に会いに 再びアジアの国を訪れる永野。エンドマークです。
全編 舞台奥の女性邦楽グループによる長唄が流れ、舞台を彩ります。不思議なもので、聞いているうち、だんだん舞台とマッチしていき、耳障りのいい音楽になっていました。

観られてハッピー!明日海りお 花乃まりあコンビ「ミー&マイガール」

2016-07-29 13:49:00 | 日記
7月は、帝劇で「エリザベート」目と鼻の先の宝塚劇場で「ミー&マイガール」と、ミュージカルファンの私としては、堪えられない嬉しさ。前にも書きましたが、1日は、両劇場を往復して過ごしました。
さて、花組「ミー&マイガール」チラシ見ると「ふたりでいれば、どこでもハッピー!」とありますが、ファンとしては、「観られてハッピー!」という感じです。明日海のビル 歴代のビルに負けない格好よさ!花乃のサリーも 初めてヘアフォード家を訪れ、愛するビルが、この家の跡継ぎだと知らされ、すっかり舞い上がってしまう様子が、実にかわいらしい。なるほど、ビルが「俺の女の子」と手離さないわけです。このシーンで、2人がデュエットする「ミー&マイガール」私、一気に、物語の世界に引き込まれていきます。ホントに、1幕の早いこと!何度観ても、あっという間にラストの「ランベスウォーク」まで行ってしまいます。私、今回、2階席で観ていたのですが、このシーンでは、生徒たちが上がってきて、舞台と一緒にランベスウォーク踊りますが、このあたりの華やかさは、まさに「宝塚」の独壇場。素晴らしいの一言です。
2幕では、ぐっと大人っぽくなったサリーが目を引きます。愛するビルのために身を引く。私、年の割にロマンティストなので、こういうシーン、意地らしくて、大好きです。そして、ラスト、すっかり貴婦人らしくなったサリーがビルと再会。この場面は、何度見てもウルウルしてしまいます。
やっぱり、ミュージカルには、こういうおとぎ話が、よく似合います。

吉高由里子大奮闘!「レディエント·バーミン」

2016-07-28 13:15:07 | 日記
吉高由里子 高橋一生 キムラ緑子の三人芝居「レディエント·バーミン」観てきました。タイトル 直訳すると「輝く害虫」ということです。会場は、シアタートラム。客席250人くらいの小劇場で、吉高由里子観られるというのは、なかなか贅沢な体験です。
開演と同時に、吉高 高橋コンビが、赤ん坊を抱いて(勿論、人形です)客席奥から登場。「私達夫婦に起きたことを、皆さんに聞いて頂きます」と、観客に語りかけます。
話は、1年半前に逆のぼります。オリー(高橋)とジル(吉高)の若夫婦は、ボロアパートに住んでいます。彼らに、どこかの組織から手紙が届きます。それによると、彼らに無償で家を提供するとあります。驚く二人。当然、まゆつばだと思いますが、そこに、ミス・ディー(キムラ緑子)が登場。この手紙について、いろいろ説明します。この計画に乗ることにした若夫婦。早速引っ越します。が、着いたところは、予想と違います。電気も通じてないし、内装もボロボロ。リフォーム代は、自分たち持ちなので、途方に暮れる2人。しかも、このあたりはゴーストタウン化していて、周囲にはホームレスがいっぱい。そのうちの1人が、家の中に入ってきて、食料を貪り食っている様子。怯える2人ですが、意を決して オリーは、ホームレスと対決にいきます。大格闘の末、見事な勝利!すると、どういうことでしょう!部屋が見違えるほどきれいに!つまり、ホームレスの死体でリフォームできるのです。
この法則に気づいた2人 次々とホームレスを手にかけていきます。それも、オリーが偽神父になって、ホームレスを家に招き入れるのです。その結果、家は超高級住宅に。あたり一帯には、新しい住人も増え、ショッピングセンターもでき、一躍高級住宅街に大発展!オリーとジル 息子ベンジャミンの1歳の誕生日に、ご近所の人々をホームパーティに招きます。が、そこでアクシデントが起こり、ご近所たちは、オリー夫妻を、この地域にふさわしくない人物と断じ、排斥しようとします。この地域を発展させたのは私たちと、憤る2人。そんな時、また、ミス・ディーが現れて・・・
1時間40分の短い公演ですが、吉高 高橋コンビはでずっぱり。客席に降りて、観客の同意を得たり、ホームパーティの場面では、5人の人間を演じるなど、まさに八面六臂の大活躍!カーテンコールでは、「お疲れ様!」の大拍手が巻き起こっていました。

新橋演舞場は超満員。志の輔 鶴瓶 小遊三 円楽「笑点」メンバーが集う「桂歌丸芸歴六十五周年記念落語会」

2016-07-27 14:22:48 | 日記
昨日は、午後1時から、新橋演舞場で「桂歌丸芸歴六十五周年記念落語会」観てきました。平日昼の興行だというのに、演舞場は約1500の客席がいっぱい。中には、若いカップルもいます。どういう人たちなのでしょうか?えっ、私・・・私は、有休取って観に行きました。
まず、歌丸師の口上。その前に、師の生い立ちを綴ったスライドが流れるのですが、生まれたばかりの写真があるのに、驚きました。80年前ですよ。整理のいいこと。私は、多分ないだろうな。入門直後、「笑点」草創期 ライバル・故小円遊師との写真もありました。懐かしい!
TOPは、志の輔師。流行りの「ポケモンGO」にあやかり、「いま、楽屋では、あまりの人気ぶりに歌丸師匠のことは、ウタモンと呼んでおります」と、タイムリーなマクラから、「のようなもの」この噺、お妾さんにまつわるネタだけに「この噺すると、後から出る人が困るだろ」「仕方ないよ。このネタ決めたときは、あの記者会見の前だったんだから・・・」と、これまた、タイムリーなギャグで大爆笑。
続いて鶴瓶師「かんしゃく」師の師匠 故松鶴師を登場させ、一門の話に置き換えて、演じていました。仲入り前の小遊三師は「蛙茶番」 もっとも受ける「仕込み」を忘れたがために、後半尻すぼみになってしまったのは残念。
仲入り後は、小遊三 円楽 歌丸師による座談 小遊三師 「仕込み忘れ」について謝っておりました(笑)トリ前は、円楽師が「行ったり来たり」をサラッと演じ、真打にバトンを渡します。で、「竹の水仙」を歌丸師が演じます。ホント言えば、師のライフワークである「圓朝モノ」を聞きたかったのですが、それは、贅沢というもの。しっとりしたいい噺でした。
8月中席国立演芸場、恒例の「圓朝モノ」を歌丸師口演します。昼席なので、なんとか時間作って、聞きに行きたいと思います。