Poncoの ぴろ~・ぶっく 

枕元においたノートに
日々の生活で感じたことを
好き勝手に綴りたい・・・・。

死んでも許せないこと

2009年09月21日 | Weblog
父が亡くなって、通夜の準備などで
本当に取り込んでいたときのことである。

我が家で、ドラゴンさんとよんでいた
ドラゴン洋服店の奥さんがお参りに
きてくれた。

父が亡くなったのをとても残念がってくれた。
自然、話は、先になくなったドラゴンさんの
思い出話になった。
ドラゴンさんは、豪快なおっちゃんで、
まさしく、ドラゴンであった。

父が、「戦争の前線で闘った人は
やはり、違う。
きつくて強い人や」といつかいっていた。

干支が龍年だったから、
店の名前が「ドラゴン」になったのだったかな?
私には、いつも、面白いことをいってくれたり、
健康のことを教えてくれたり、なにかとかわいがってもらった。
親切で、親戚の頼もしい伯父さんのようだった。

そのドラゴンさんの人徳を懐かしく思い、
惜しい気持ちを話していたときのことである。
奥さんは、屹と、目をつりあげ
「なにを、なにを・・。
死んでも、許されへんわ!」とつぶやいた。

なにか、奥さんは、腹がたつことを
思い出したのだろう。

穏やかな口調ながら、死んだ夫が
許せない!と、つぶやいた。
その勢いに、うちの家族は、はっとして
口をつぐんだ。

取り込んでいたこともあって、
奥さんの話をきいてあげることも
できなかった。
奥さんが帰ったあと、
妹と
「なにがあったんだろう?
よっぽど、腹に据えかねることがあったんやね」と
いいあった。

料理上手で、賢明で温厚な賢夫人の
あの奥さんの怒りと哀しみ。

なんだか、とても印象的で
その話をきいてみたい気がしてならない。

人に話しているうちに、「許せる気持ち」に
ならないだろうか?
笑い話にならないだろうか?
あの年齢で、許せないことがあるのは
つらいことだ。
相手は、すでに、この世の人ではない。
詫びてくれて、気がすむことは、
永遠にないのである。

他人からみたら、どうして、そんなことで
そんなに怒りがでるのか、わからないことが
男と女の間ではある。
それは、男と女だからか?
夫と妻だからか?
家族だからか?
親と子だからか?

他人だったら、笑えるのに、
家族だから、許せない。

そんなことが、この世にはたくさんある。
おこりんぼうの私は、瞬間湯沸かし器のように
一瞬で、怒りでつらくなる。
許せば、楽になる。
と、えらい人は説くけれども、
未熟者はぜんぜん、許せない。

死ぬまでに、楽な性格になっているかなあ?





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