車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

年の初めの神楽三昧「坂上田村麻呂」

2022年01月09日 10時00分00秒 | 日本の伝統・芸能・技の美

2013年7月6日「安芸高田神楽特別公演」、「天神神楽団(安芸高田市)」によるオリジナル【二所の朝廷】

平安京を治める嵯峨天皇と、平城京を都とした平城上皇の対立から生じた権力の二重構造。「二所朝廷」とは文字通り二つの朝廷が対立する状況であり、その対立を煽っていたのが平城上皇の寵愛を受けて朝廷を思うままに操ろうとした『藤原薬子』。
舞台は、絶大な権力を手にし、頂点に上り詰めた『藤原薬子』と、その侍女『夏虫・冬虫』の登場から始まります。

二人の侍女を従えて我が世の春を謳歌する薬子でしたが、嵯峨天皇は勅命でもってこれを追放。しかし一度手にした蜜の味はあまりにも甘く、手放すことなど到底受け入れられるものではありません。遂に薬子を成敗する為、天皇は『坂上田村麻呂』『坂上廣野』を差し向けます。

悪あがきも最早これまで・・おのれの最期を悟った『薬子』は、「死返玉(まかるかえしのたま)」をもって鬼女となり、三輪山に棲む蛇神を呼び覚ましたのです。

三輪山に棲む蛇神と言えば、奈良大和の一宮「大神神社」。参拝もさせて頂きましたが、まさかこんな場面で、しかも悪の化身となり果てた薬子に召喚されるとは・・(^^;)

それにしても「八岐大蛇」に登場する時と違って実に表情豊かな蛇神。舞手の技量が遺憾なく発揮された素晴らしい演技が続きます。

でもって、大蛇は何の為に呼び出されたのか良く分からないまま、追っ手との戦いが開始されます。多分、身も心も鬼となるために蛇神の力を取り込んだのでしょう。

ここでは侍女だった鬼の髪が赤毛になり、『薬子』の髪は大鬼女の威厳を示すように見事な白銀です。

まずは元侍女であった鬼との闘い。華麗な舞とともに繰り広げられる戦いに勝利を収めた二人。いよいよ大悪鬼との決戦です。

ちなみに「御幣」を持って戦っているのが『坂上田村麻呂』。この「御幣」は、神霊の依代となるもので、これも神楽では非常に多く用いられています。こうして見事、大悪鬼『薬子』を成敗した『坂上田村麻呂』、彼の武勇はますます広く知れ渡るのです。

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2013年7月7日「安芸高田神楽特別公演」、「山根神楽団(安芸高田市)による【鈴鹿山】

『鎮守府将軍・坂上田村麻呂』、又しても勅命によって、鈴鹿山の鬼人征伐に向かいます。ちなみに「鎮守府将軍」は、武門の最高栄誉職とみなされた職名を指します。画像はいきなり、前段階すっ飛ばして、鈴鹿山の鬼人『坂上田村麻呂』との戦いのシーンです。

何故だか劣勢の『坂上田村麻呂』、決して意図して狙ったわけではないのですが、ずっとこんな感じ。鬼神が強すぎるのか・・・・w(゜o゜)w. もしや、相棒がいないから?!それとも神の威徳を秘めた神剣を授けられなかったから?!

結局最後までこんな感じで、鬼神を倒す場面の画像が一枚もありません(^^;)。でも舞台の上ではちゃんと劣勢を挽回し、鬼神は無事に成敗されました。

平安初期の武将『坂上田村麻呂』。四代の天皇に仕えて忠臣として名高く、桓武天皇の軍事と造作を支えた一人であり、二度にわたり征夷大将軍を勤めて蝦夷征討に功績を残しました。死後は嵯峨天皇の勅命により平安京の東に向かい、立ったまま柩に納められて埋葬。「王城鎮護」「平安京の守護神」「将軍家の祖神」と称えられ、武神・軍神として信仰の対象となりました。

正月十五日までは松の内 一月九日

 

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