発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

航空自衛隊西部航空音楽隊第四十八回定期演奏会

2012年03月09日 | 物見遊山
↑一体何の繁体文だよと思えるくらい長い漢字の文字列だ。

 よいアコースティック演奏は、傷んだ脳細胞を修復してくれる、と信じてやまない私としては、せっせとコンサートに出かけていくのである。脳細胞傷みっぱなしだし。おまけに加齢老化を心配するようになった。
 たまに落選することがあって悲しい自衛隊コンサートだが、今回は当たった。自衛隊?とお思いのそこのあなた、自衛隊の音楽隊を舐めてはいけませんわよ。音大を出た人の重要な就職先のひとつで、オーディションを通った人が自衛隊の試験を受けて入る、まさしくプロの吹奏楽団なのだ。

 西部航空音楽隊、こちらの隊長は制服でなくタキシードに蝶ネクタイで指揮をする。
 前回は、コープランドの「市民のためのファンファーレ」が鳥肌ものだった。
 ラヴェルの「ボレロ」。ちゃんと、トロンボーンが第2主題を演奏するあたりから、狂気を確信できるような演奏だった。
 それが震災の一週間前だった。
「3月12日には、博多駅の九州新幹線開業セレモニーで演奏するから来てくださいね」
 もちろん中止となった。展示飛行も。
 松島のブルーインパルスが、1機を除いて震災を免れたのは、セレモニーのために福岡県の芦屋基地に来ていたからだ。

 とまあ、そんな感じで、アクロス福岡シンフォニーホール。ロビーには、ピコットさん(九州の自衛隊ゆるキャラの巨大ウグイス)ゴーグルつき空自バージョンが来ていて、気分は盛り上がる。

 今年は、「S席」は、高校吹奏楽部の席となっていたので、座れなかった。部活の人たちが来ているのは、もちろん、お手本の演奏として鑑賞すべきものだからである。
 去年の九州山口高校オーケストラフェスタで、学校ごと15分の持ち時間で演奏があったのだが、明らかに途中から息切れしている楽団があった。導入部の緊張感と盛り上がりが終盤まで維持できなかった。音楽演奏には体力が必要である。管弦楽然り。況や吹奏楽をや。その点、自衛隊は身体鍛えてますからね。

 今回は、ジョン・ウィリアムのオリンピック・ファンファーレ。ロス五輪の。
  それから、N響のクラリネット奏者を招んで、クラリネット協奏曲。
 後半は、ドヴォルザークの交響曲9番。3大交響曲のなかで一番聴く回数が多いものである。管弦楽曲だけど、吹奏楽でもよく演奏される。
2楽章のラルゴ第1主題は、小中学校下校時間の歌だし、4楽章第1主題は、テレビコマーシャルによく使われる。
 アニメ、ワンピースのアラバスタ編、「超えて行く。アラバスタに雨が降る」の回で、クロコダイルとルフィの戦闘の終盤で使用されていた曲でもある。
吹奏楽で4楽章通しで聴くのは初めてなのでワクワクである。特に1楽章と3楽章は、吹奏楽では聴いたことがなかったので。
 とても良かった。超巧いオーボエ奏者がいないと演奏不可能な曲であるが、ピシっと決まっていた。
 管弦楽のヴァイオリンパートは、吹奏楽アレンジではクラリネットがとって代わるのだな、と。

 アンコールでは、懐かしの東京オリンピックファンファーレ。

 シアワセ気分で帰宅。