発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

そして平成が終わる。バブルのおもひで

2019年04月29日 | 日記
 ゴールデンウイークと言っても、勤め人ではないので、いつものように仕事するだけです。ただ、西鉄バスの土日祝格安パス(ホリデーアクトパスといいます)が10連休中有効なので、ふらりとバスの行く場所に遠出するかもしれません。誰かがやってきたら案内するかもしれません。 
 福博の町は、どんたくの準備が進んでいます。

 で、ポエマーMTJ降臨。今回はパロディー風味です。


 平成について
〜わたしが一番きれいだったとき(茨木のり子)〜 

わたしが一番きれいだったとき
日本はバブルのまっさいちゅう
とんでもない路地の隅々まで
地上げ屋たちが食い荒らしていった

わたしが一番きれいだったとき
土地と株とが暴騰したが
愛はストップ安となった
それは今でも回復していない

わたしが一番きれいだったとき
わたしに一番似合わない服と化粧が流行った
青ピンクの口紅などつけるものか
木綿のシャツワンピにフラットシューズで
たてかわる町をのし歩いた

わたしが一番きれいだったとき
土地と株が暴落した(関係ないんだけどさ)
資本主義の焼け跡を
わたしは歩いた愛はどこかと

わたしが一番きれいだったとき
バブルに乗った男たちも
バブルに乗れなかった男たちも
バブル崩壊でいろんなものをなくした(らしい)
お金で買えるもの以外はなくなってはいないのに

わたしが一番きれいだったとき
しあわせのモデルも崩壊した
しあわせの手本などない
答は自分の中にしかない

だから決めた
人生どんなハードモードになろうと
好きなことだけやって生き抜こうと
ほかにしあわせでいる方法はないのだと
さて今度はどんな本をつくろうか
              な

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ハイパーサルーン電車でGO!! あるいは排除ふたたび

2019年04月10日 | 日記
◆電車でGO!! 長崎県佐世保市早岐

 7時半の特急みどりで佐世保市に出掛けた。なぜ特急「みどり」の車体色がグレーかというと、使用車両が787系、デビュー当時は鹿児島本線の特急つばめとして使用されていたものをみどり運行しているからなのだ。フェイスはTGVにちょっと似てる。博多始発なので自由席の好きなとこに座る。南向き窓際。3号車は昔はビュッフェ運用されていて、荷物置きの天袋がないかわりに椅子の前後間隔が広い。ガラスで仕切られたテーブルの広いセミコンパートメント自由席も空いていたけど、ひとりで出掛けるので今回はやめておく。
 佐賀平野の麦畑が美しい。
 佐世保といっても、仕事は早岐周辺で、大村線でひと駅行けばハウステンボスがあるところだ。ハウステンボスは、何年か前、サウザンドサニー号に乗りに行った。ワンピースに出てくる船と同じデザインで、等身大の麦わら軍団アニメキャラの人々(もちろん人形)も乗っている。佐世保船籍(笑)。今はどこにいるんだろう。潮の香りがする早岐瀬戸を探検する。暖かい。長崎県って地形が複雑。半島と島と湾でできてる。
 帰りはちゃんと緑色がペイントされた特急みどりに乗る。車両は783系ハイパーサルーン、これは昭和63年デビュー。もしやと思って博多側最前列7号車に乗ったら、右側最前列座席が空いてる。運転席は左側。つまり(運転室と客室の間のスクリーンさえおろしてなければ)前面展望できる特等席なのである。はたして博多までの1時間半、前面展望で特急は走り続けた。佐世保線区間は単線で、土手の隙間をくぐっていくような線路を特急が走る。楽しい(子どもか)。

◆閣下を見に行くミーハーなわたくし

 そういえば統一地方選。
 投票日前日4月6日はバスで市内西区方面に行った。私の住居周辺への直通バスはないので、帰りはどこかで乗り換えないといけない。今回乗り換えたのが六本松。19時から「麻生太郎来たる」ですからね。わざわざ出掛けたりしないが、たまたま通りすがりに見られるのであればバスの乗り換え時間をゆっくりとろう。私の期日前投票が済んでいるのは先日書いたとおり。
 六本松は様変わりしていた。賑やかでおしゃれな町になってた。裁判所や検察庁も引っ越してきてた。閣下の推してるハンサムで若い保守系新人県知事候補は選挙戦の締めくくりに六本松を選んだ。肝心の閣下の演説なんだけど、なんだか面白くなかった。人だかりができていたけど拍手する人はせいぜい4割くらいだった。やはり閣下が何か面白い事を言ってくれるのではと集まっていた人が多かったのだろうか。面白い事を言おうとして失言しちゃうのが今回はこわかったんだと思う。で、結果は現職(顔はともかく声はいい)が、おおかたの予想通り勝ったんだけど、あそこまで差がついたのを、忖度ツカダさんのせいにしないほうがいいと思う。
 今回福岡のキーワードは「忖度」ではなく「排除」である。2017年衆院選と同じね。小池さんは「排除」の言葉でたくさんの仲間を落選させた。今回の福岡保守分裂は、政策の際立った違いというよりも、現職を排除しちゃおうということだと思った。もちろん「排除」という言葉は使われなかったけど。新人と現職のどこが違うのか、わかってる人は少なかったと思う。2人とも元高級官僚で、顔がハンサムか声が男前か。ともかく閣下がお気に入りの新人を連れて来た。つまり閣下のお気に入りかどうかだけが問題という印象があった。
 お気に入り以外は排除する。一般ピープルにその辺を「やだな」と思われたということである。

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しづこころなく花の散る

2019年04月07日 | 日記
 桜が散る。
久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ
 
 と、呟いたところ、メロディーが乗っかってきた。昔のサントリーワインのテレビコマーシャルで、与謝野晶子の歌に五輪真弓が曲をつけてた、その曲が、紀友則にピタっと合う。

柔肌の熱き思いにふれもみでさびしからずや道を説く君

 カタブツの先生だか先輩だかに片恋してる女の子の歌。どうも綺麗だったり可愛かったりしても太刀打ちできそうにない手ごわい相手らしい。恋が才能に磨きを掛けることもある。動機が不純? そんな言葉に騙されてはいけない。


 フィツジェラルドの短編に『冬の夢』というのがあって、少年が高嶺の花の先物買い的な美少女に一目ぼれ、その瞬間から上昇志向になり、一念発起して仕事を成功させ、彼女と再会するが、の「が」なお話。いわゆるひとつのアメリカンドリームの一類型であると思われる。『グレート・ギャツビー』ほど極端な悲劇じゃない、もっとありそうな。
 かくも恋の成就は難しい。


  今日は寄るところがあるので、これで失礼するわ。
  どこに?
  ちょっと横恋慕に。
  
 高校1年かせいぜい2年の彼女はスキップするように図書館を後にする。見送るあの子はヨコレンボが漢字変換できてないねきっと。試験に出ない語彙だから仕方ないわ。

 できれば横恋慕はティーンズのうちに済ませておくように。荒井由実の「待ちぶせ」がドロドロしてないのは、登場人物が中高生だから。成人するとスト-カーである。見よい大人になるために。 

 
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令和と昭和最後の日と平成元年の思ひ出と統一地方選にまつわるエトセトラ

2019年04月04日 | 日記
◆令和
 そういった名前の人もいるだろうな、と。万葉集からとったらしい。私の昔の姓は、ごく凡庸な字面だが、高校の頃その文字列を『史記』で見つけたときはちょっと驚いた。「ごく小さな国」の例えで、それでも戦う、という文脈の中にあった。そう考えるとちょっとカッコいいが、でもやっぱり中国古典由来の可能性は薄い。

◆昭和最後の日
 1989年の年が明けて数日、ついにきたか、といった感じでやってきた。会社は休みで、予定通り下関に出掛けた。ラジオは特別番組が組まれ、第二放送の教育番組さえ中止である。それで、車の中では佐野元春をガンガンかけていた。店はそこそこお客さんがいたが静かだった。音曲自粛、BGMのない百貨店というのもシュールであったが、めげずに買い物をした。

◆平成元年のおもひで
 ゴールデンウイークに中国に行った。はからずも天安門事件のちょうどひとつき前となった。観光客は広場に降りられないもののデモをたくさん見ることができた。シルクサテンに美しい刺繍が施された旗袍を買った。
 秋には福岡のアジア太平洋博覧会「よかトピア」に行った。フィジーのダンスを観たのと、1985年筑波科学万博で列が長くて行けなかった企業パビリオンの中身がいくつかそのまんま来てて並ばずに入れたのは良かった。会場の百道浜地区は交通不便で、それは福岡に慣れてないせいだろうか、と思ったが、住んでみてやはり不便だと思う。野球やイベント(球場は川ひとつ渡った地行浜にある)のたびに大渋滞を起こす。少なくとも都心としての機能は持たせられないと思う。というか、他が便利過ぎるのよね。ターミナル駅から地下鉄で5分で空港国内線なんて町はめったにない。山口宇部空港はJR宇部線草江駅の前にあるから電車と飛行機の連絡が合えば便利だけど本数は少ない。


◆統一地方選
 窓の外では統一地方選、声を涸らして統一地方選、きっと誰かがふざけて選挙のまねをしてるわけでもないんだろう。福岡市中央区は、県知事、県会議員、市会議員とも、無投票当選はなし。区役所に期日前投票に出掛ける。夕方7時をまわっていれば、地下駐車場もガラガラで楽勝である。勤めていたときもなるたけ不在者投票していた。日曜にわざわざ地元の投票所に行くより、出勤前に会社近くにある市役所で出張とかなんとか適当な理由をでっちあげてさっさと投票するほうが効率的だった。
 バスを待っている駅前で演説していたら、候補者に敬意を表して演説後に拍手するようにしているが、多くの場合私は票にならない選挙区外住民である。ウグイス嬢、ひょっとしてプロに違いないような滑舌美声の方もいらっしゃるが、そういった方が感情を込めると、北のニュースのアナウンサーのようになってしまう。静かではないがそれもまた民主主義である。

 何度も書いている。なぜ選挙に行かないのか。ほかの人に決めさせていいのか。自分の投票でちっとはましになるかもとは考えないのか。広報を見て考えの近い人に投票しないのか。駅前でチラシを本人が配っているときに、少し話をしてみようと思わないのか。
コメント (3)
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