発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

指で聴く

2015年08月28日 | 物見遊山
 福岡市博物館でのコンサート。弦楽四重奏。約1時間。ハイドンとシベリウス。
 最前列、チェロから2mも離れていない。PA機器なし。完全なアコースティック演奏で脳細胞修復。これだけ近いと鼓膜だけでなく周波数によっては皮膚にも音がやってくるので、試しに持っていたチラシを両手で持ち、紙で振動を拾い、指でも音を聴くことにした。指は聴ける。

あの作品をデザイン日本代表にしていいのか

2015年08月17日 | 日記
◆夏
 まめに日焼け止めを塗っているつもりだったが、腕には時計の跡が出て来てしまっている。
「美白」と言うが、自分自身、白=美という考えではない。ただ、日に当たると、てきめん疲れるので、日焼け止めを塗る。晴雨兼用折り畳み日傘と、無印良品のこれも小さく畳める帽子、そして地味目の扇子を愛用している。
 こう暑くても外での仕事があって、それで世の中はまわっているのだ。自分も軽くはない荷物を持って、公共の乗り物を乗り継いで出先に行く。福島第一は今はどうなのだろう、と思う。今の日本を守っている砦はまさにそこなのだ。ナショナリストは一体何をしているのだろう。
 荷物が重くても、筋力トレーニングだと思った途端、いきなり軽くなる。
 筋肉に負荷をかけたあと、プロテインを摂取すると効果的、なのだそうだ。日常をフィットネスにする。この年齢で、さらにタフになることを目指している。タフでないと生きていけない。タフを目指していないと弱くなるものである。
 それでも夕暮れは段々と早くなってくる。秋は少しずつやってくる。

◆デザインの日本代表
 東京オリンピックのロゴが採用されたデザイナーについては、最初は、そんな偶然ってあるのかしらねぇと思っていたが、これは取り下げた方がいい、という考えになってきた。
 例のベルギーの作品が登録商標されているされていない、の問題ではない。
 オリンピックのロゴは、日本デザインの代表選手なのである。
 そのクリエイターが、自分の名前のついたトートバッグに、明らかなパクリを行なっていたということであれば、オリンピックロゴの他作アレンジ確率は、かなり濃厚である。
 そんな人の作品を、厳しいドーピング検査をもって公正を期する世界で一番大きなアスリートの祭典のロゴにしていいはずがない。
 日本製品が世界で軽い扱いを受けていた50年くらい前に、日本製品とデザインの価値を後退させてしまうおそれがあると思う。
 日本製品は、世界の真似っこでありパクリであると、軽くみられていた時代があったのである。それから脱しようとたくさんの人々の努力があったのである。デザイン分野もそのなかの重要な部分であった。彼のデザインを使うことは、たくさんのデザイナー、クリエイターたちの不断の努力を無にしてしまうものである。