発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

妖怪画鑑賞

2012年08月30日 | 物見遊山
 夕刻、福岡市博物館。
 8月は、平日は午後7時半までやっているのである。チケットは早くから入手していたが、この日曜で終了なので、慌てて出かけた。
  「幽霊妖怪画大全集」版画や真筆のコレクションである。
 展示の解説が丁寧で親切である。子ども向け解説がついているものもある。それがひとつひとつ楽しい。
 画力に圧倒されながら鑑賞するが、全体的に楽しくて、あまり怖くない。怖くないのは、いつもの博物館だからである。ひったくりの出そうな暗い道を単独で歩く方が妖怪画よりも怖いものだ。
 便乗企画、YKI(妖怪?)48総選挙という、展示絵画キャラの人気投票も。センターは誰だ?

 本当にあっというまに夏が終わった。毎年違う夏が来ていた10代の頃とか、会社にいるうちに夏が終わってた20代とか。
 桜田淳子の「十七の夏」という歌が流行したころ、赤塚不二夫が「七十の夏」という漫画を発表していた。この天才は、70年代半ばにして、超高齢化社会を予見していたのである(……のか?)。
 
 ○○維新の会、というのが全国に登場すること雨後の筍の如しという。
 以前も書いたけど「維新」を、「正しい革命の勝ち馬に乗る僕たち」という意味あいで使われているような気がしてならない。
 とりあえず「維新」を「改革」「刷新」と言い換えても存続可能な組織かどうかを自問されたい。
 どうしても「維新」ということばを使いたいなら、十分な歴史認識をもって使っていただきたい。幕末明治の革命の時代に、志半ばで倒れたり、捨て石となり忘れられた人々がどのように生きていたのか、ちゃんと知っておいた方がいい。そのためには、 
九州長州文化図録撰書『筑前維新の道』『長州維新の道(上・下)』は、買って読んでいた方がいいよ。(←言いたかったのは最後の1行)
 
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おしゃれで胸キュンな企業再生ファンタジー? ひみつのアッコちゃん平成実写版

2012年08月25日 | 映画
「ひみつのアッコちゃん」試写会、西鉄ホール。
 ポスターでは、岡田将生と綾瀬はるかが背中合わせに立っている。
 小学生が、大学生のお姉さんに変身して恋をしても、いつかは小学生に戻らなくてはならないのだから、これは実らない悲しい恋のお話なのかしら、と思いながら西鉄ホールに向かう。
 コスメフリーク予備軍の小学生が、魔法の変身コンパクトを手に入れての大冒険。
 大人に変身したアッコちゃん=綾瀬はるかの衣装がかわいい。
「お買い物中毒な私」(ショッパホリックの多重債務者が自助グループに参加して立ち直るという地味な話を、ラブコメディーに仕立てた映画)以来のカラフルおしゃれ映画である。
 容姿・服装における完璧な変身が可能であれば、あらゆる犯罪が完璧に遂行できる。自分ではない誰かになるのだから、殺人だって可能だが、アッコちゃんは、とりあえず、詐欺とスパイを行う。ただ、中身が小学5年生だから、あちこちでボロを出す。
 アッコちゃんが変身した大人たちが大笑いさせてくれる。
 で、岡田将生演じるところの、化粧品会社の若手有望社員、早瀬尚人に軸足を持ってくると、これは企業の再生物語なのである。
 企業乗っ取り、工場リストラ、議決権争い、紛糾する株主総会、新技術の軍事転用、あれ? これって、かの経済ドラマ、腐ったこの国を買い叩く「ハゲタカ」(テレビ版。すっごく面白いからレンタル鑑賞を推奨)とかぶる。大杉漣出てるし。
 でも、この映画は、アッコちゃんが主役だもんだから、大活躍するんですね。なぜか企業再生の切り札となるのです。そして、最後に彼女は、大好きな人たちを守るために、ある決断をするのです。
 
 実らない悲しい恋のお話かと思いきや「そうきたか!!」という結末。恋がどうなるかは不明だけど、幸せ気分になれる映画でした。
 がんばって働こっと思う映画はいい映画だよ、きっと。

 今月鑑賞したほかの新作について
 「フェアリーテイル劇場版」
 主役が「ワンピース」の類似品っぽいことに目をつぶれば、まあまあ楽しかった。たぶんコミックを読んでいればもっと楽しいのだろうけど、読んでないので。
 「放課後ミッドナイターズ」
 いかにもCGアニメっぽいCGアニメ。冒頭のオープンキャンパスのアナウンスが、福岡市営地下鉄ホームで流れる飲酒運転撲滅放送と同じ声、福岡市長である。
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